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「登山を始めたいけれど、体力がついていくか分からない」。そう感じてこのページを開いた方も多いのではないでしょうか。自宅でできる筋トレや、階段を使ったトレーニングの情報はたくさん見つかります。ただ、いざ始めようとすると「週に何回やればいいのか」「いつから始めればいいのか」「どのくらいの負荷にすればいいのか」という、続けるために欠かせない部分が分からないまま止まってしまうことが少なくありません。
この記事では、自宅や階段でできる登山トレーニングの具体的なやり方に加えて、週の回数と期間という、種目そのもの以上に重要なポイントを中心にまとめました。ザックに重りを入れて歩く練習の始め方、心拍数を使った強度の管理方法も取り上げています。掲載している数値は、厚生労働省の資料や登山の専門団体・専門家による解説など、確認できた範囲の一次情報にもとづいています。2026年8月14日時点で確認できた内容です。
- 登山のトレーニングが続くかどうかは、種目そのものより週の回数と期間で決まります
- 厚生労働省の基準では、筋力トレーニングは週2〜3日が目安とされています
- ザックに重りを入れる練習は、軽い重さから始めて段階的に増やしていくのが安全です
- 運動強度の目安には心拍数が使えますが、「220-年齢」はあくまで簡易的な推定式です
- 持病がある方・体力に不安がある方は、始める前に医師へ相談することをおすすめします
登山のトレーニングが続かない、本当の理由


登山に向けたトレーニングというと、スクワットや階段昇降といった「何をやるか」にまず目が向きます。しかし、種目のやり方を知っているだけでは、トレーニングは長続きしません。実際に体力の土台を積み上げるには、週に何回、どのくらいの期間続けるかという計画の部分が欠かせないからです。
有酸素運動がなぜ登山に必要なのか、心肺機能や体力にどう関わるのかという基礎的な内容は登山の有酸素運動の記事にまとめています。この記事では、自宅や階段でできる具体的な種目を、「続けるための頻度・期間・負荷の目安」に絞って解説します。
「種目は知っている」のに続かない人へ
階段の上り下りやスクワットのやり方を知っていても、週にどのくらいのペースで行えばよいかが分からないと、最初の数日だけで終わってしまうことがあります。トレーニングは、1回ごとの強度よりも、無理なく積み重ねられる頻度のほうが結果を左右すると考えられます。次の章から、頻度と期間の目安を具体的に見ていきましょう。
運動生理学から体系的に学びたい人へ
登山の体力づくりを、運動生理学の観点から一冊でまとめて理解したいという方には、専門的な解説書という選択肢もあります。「ヤマケイ登山学校 登山ボディ」は、登山に特化した体づくりをテーマにした書籍です。トレーニングの考え方を体系的に確認したい方の参考になります。書籍を読むこと自体が体力向上を保証するものではなく、実践して初めて意味を持つ点は、他のどのトレーニング法とも変わりません。
登山トレーニング計画表|3ヶ月前から前週まで
「いつ」「週に何回」「何を」「どのくらいの時間」やればいいのか、目安を1つの表にまとめました。体力や登山の目的地によって適切な負荷は変わるため、下の表はあくまで一例として、自分の体力に合わせて調整してください。
| 時期 | 週の回数 | 内容 | 目安の時間 |
|---|---|---|---|
| 3ヶ月前 | 週2〜3回 | 早歩き・階段の上り下り・自重スクワット | 20〜30分 |
| 2ヶ月前 | 週3〜4回 | 階段昇降・踏み台昇降・スクワットに加え、軽い重りを入れたザックで歩く | 20〜40分 |
| 1ヶ月前 | 週3〜4回 | 本番に近い重さのザックを背負い、階段や坂道を歩く | 30〜60分 |
| 前週 | 週1〜2回に減らす | 軽いウォーキングとストレッチが中心。疲労を抜くことを優先 | 15〜20分 |
※あくまで一般的な計画の一例です。体力・年齢・持病の有無によって適切な強度は異なります。持病がある方、体力に不安がある方、しばらく運動から離れていた方は、始める前に医師に相談してください。
表の「前週」であえて回数を減らしているのは、疲労を残したまま本番を迎えないようにするためです。直前に無理をして追い込むよりも、それまでの期間にどれだけ積み重ねられたかのほうが、当日の体力を左右すると考えられます。
登山のトレーニングは週に何回やればいいか
この記事の本文で最初に埋めたいのが、この「週の回数」です。種目の説明はあっても、頻度が書かれていない情報は少なくありません。ここでは公的機関が示す運動の基準をもとに、具体的な回数の考え方を整理します。
厚生労働省の基準にみる目安
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の情報シートでは、成人・高齢者を対象に筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨として示されています(出典)。スクワットのような自重トレーニングも、この筋力トレーニングに含まれます。
また、従来の「健康づくりのための身体活動基準2013」では、18〜64歳を対象に息が弾み汗をかく程度の運動を毎週60分行うことが目安として示されています。65歳以上では、強度を問わず身体活動を毎日40分程度行うことが目安とされています(出典)。有酸素運動の基準そのものについては登山の有酸素運動の記事で詳しく扱っているため、ここでは「週の回数」の答えに絞って紹介しました。
この記事のメニューに当てはめると
この基準を、自宅や階段でできる種目に当てはめると、次のような組み立てが考えられます。階段昇降や踏み台昇降、早歩きといった有酸素運動寄りの種目は週3〜4回程度、スクワットのような筋力トレーニングは週2〜3回程度を目安にする、という考え方です。両方を毎日欠かさず行う必要はなく、曜日ごとに種目を振り分けると、体への負担を分散させながら習慣にしやすくなります。
回数を増やすことよりも、決めた頻度を数週間続けられるかどうかのほうが重要です。1週間に1回しかできなかった週があっても、そこで止めずに翌週また再開することを優先してください。
自宅でできるトレーニング

登山で使う主な筋肉
登山では、上り坂で脚を持ち上げる大腿四頭筋、下り坂でブレーキ役になるハムストリングス、不安定な地面でバランスを保つふくらはぎの筋肉など、下半身を中心に複数の筋肉を使います。リュックを支える背中や腕の筋肉、体幹を安定させる腹筋群も欠かせません。それぞれの筋肉がどう使われるかは登山で使う筋肉の記事で詳しく解説しているので、ここでは自宅でできる基本の種目に絞って紹介します。
自宅でできる基本の種目

特別な器具がなくても、次の3種目は自宅で取り組みやすいメニューです。フォームを崩すと膝や腰に負担がかかりやすいため、回数よりも姿勢を優先してください。
スクワット
足を肩幅に開き、椅子に座るように腰を落とす種目です。太ももとお尻の筋力強化を目的としたトレーニングで、上り坂や階段の上り下りで使う動きに近い種目とされています。10〜15回を2〜3セット、週2〜3回を目安に取り入れてみてください。
プランク
うつ伏せの姿勢から肘とつま先で体を支え、体幹をまっすぐに保つ種目です。不安定な地形を歩く際のバランス保持を目的としています。20〜30秒キープから始め、慣れてきたら時間を延ばしていく方法が無理のない進め方です。
ランジ
片足を大きく前に踏み出し、腰を落として戻る種目です。片脚ごとに体を支える力を養うことを目的としており、段差のある登山道での安定性につながる動きとされています。左右各10回程度から始めるとよいでしょう。
バランス感覚を養うトレーニング
不安定な地面を歩く登山では、体幹まわりのバランス感覚も求められます。座って行うシンプルな運動から取り入れたい場合は、バランスボールという選択肢もあります。
PROIRONのバランスボールは、空気量を調整することで負荷を変えられる、自宅で使うトレーニング器具です。座った姿勢で軽く弾みをつけたり、体幹を意識して姿勢を保ったりする使い方ができます。ボール自体が体力やバランス感覚を保証するものではありませんが、テレビを見ながらでも取り入れられる手軽さは、習慣化のハードルを下げる材料になります。
器具なしでできる自重メニュー|部位ごとの回数とセット数
ここまでに挙げたスクワット・プランク・ランジに、お尻とふくらはぎの種目を足すと、登山で使う下半身の主な部位をひととおりカバーできます。どれも器具はいりません。マット一枚ぶんのスペースがあれば、広い部屋でなくても取り組める種目です。
下の表は、種目ごとに「どこを使うか」「登山のどの場面につながるか」「1回あたりの回数とセット数」「週の目安」をまとめたものです。
| 種目 | 主に使う筋肉 | 登山のどの場面につながるか | 回数×セット | 週の目安 |
|---|---|---|---|---|
| スクワット | 大腿四頭筋・大臀筋 | 上り坂で体を押し上げる動きと、下りで体重を支える動き | 10〜15回×2〜3セット | 週2〜3回 |
| ランジ | 大腿四頭筋・大臀筋(片脚ずつ) | 段差を越えるとき、片脚に体重が乗る場面 | 左右各10回×2〜3セット | 週2〜3回 |
| ヒップリフト | 大臀筋・ハムストリングス | 上りで体を引き上げる動きと、下りで脚が前に流れるのを抑える動き | 10〜15回×2〜3セット | 週2〜3回 |
| カーフレイズ | 下腿三頭筋(ふくらはぎ) | つま先で踏ん張る場面、着地の安定 | 15〜20回×2〜3セット | 週2〜3回 |
| プランク | 腹筋群・背筋群(体幹) | ザックを背負ったまま姿勢を保つ場面 | 20〜30秒×2〜3セット | 週2〜3回 |
※週の回数は、厚生労働省 e-ヘルスネット「筋力トレーニングについて」が示す「成人および高齢者に、筋トレを週2~3日実施することを推奨する」という記述にもとづく目安です(出典・2026年9月6日確認)。同ページには自重で行う腕立て伏せやスクワットも筋力トレーニングに含まれると書かれていますが、1回あたりの回数とセット数の具体的な数字は示されていません。表の回数は一般的な組み立ての一例として読んでください。
ヒップリフトとカーフレイズの動き
ヒップリフト
あお向けに寝て両膝を立て、かかとで床を押しながら腰を持ち上げ、肩から膝までが一直線になったところで数秒止めてから下ろす種目です。お尻と太ももの裏側を使う動きで、上り坂で体を引き上げる場面や、下りで脚が前に流れるのを抑える場面につながります。腰を反らせて持ち上げると腰に負担が集まるため、お腹に軽く力を入れたまま行ってください。
カーフレイズ
足を腰幅に開いて立ち、かかとをゆっくり持ち上げてから、ゆっくり下ろす種目です。ふくらはぎは、つま先で地面をとらえる場面や、下りの着地でぐらつきを抑える場面で働きます。壁や椅子の背に指先を添えると姿勢を保ちやすくなります。段差の縁につま先を乗せて行う方法もありますが、まずは平らな床で回数をこなせるようになってからにしてください。
4週・8週でどう積み上げるか
初日から表の上限をこなす必要はありません。最初の2週間はフォームを覚える期間と考え、そこから少しずつセット数を足していく形が、途中で止まりにくい進め方です。
| 週 | やること | この期間のねらい |
|---|---|---|
| 1〜2週目 | 5種目を各1セット、週2回。回数は表の下限で止める | フォームを覚える |
| 3〜4週目 | 各2セットに増やし、週2〜3回にする | 週の回数を安定させる |
| 5〜6週目 | セット数はそのままで、下りに備える種目を1つ加える | 下りの動きを入れる |
| 7〜8週目 | 各2〜3セット。階段や踏み台の日と、筋力の日を曜日で分ける | 曜日の型を固める |
※あくまで進め方の一例です。体力・年齢・持病の有無によって、適切な強度と増やし方は異なります。
公益社団法人日本山岳会のコラムでは、階段昇降と踏み台昇降について「階段・踏み台昇降ともに2カ月以上行うとさまざまな運動効果が得られる」と書かれています(出典・2026年9月6日確認)。準備期間を短めに見積もる場合でも、8週間ほどを一つの下限の目安に置くと、前の章の計画表とも無理なくつながります。
増やす順番にも優先順位があります。回数を増やすより先に週の回数を安定させること、そのうえでセット数を足すこと。この2つが済んでから、階段やザックの重さで負荷を上げていく流れが組み立てやすくなります。どの筋肉が登山のどの場面で働くのかは登山で使う筋肉の記事で詳しく扱っています。
やりすぎのサインと、止めどき
- フォームが崩れ始めたら、回数が残っていてもそのセットで終えてください
- 動作中に膝・腰・股関節に痛みが出たら、その日は中止してください
- 痛みが数日たっても引かない、腫れや熱がある、脚に力が入らないといった場合は、自己判断で続けず整形外科などの医療機関に相談してください
- 持病がある方、しばらく運動から離れていた方、高齢の方は、始める前にかかりつけの医師へ相談してください
階段でできるトレーニング

登山道の上り下りにいちばん近い動きを、日常生活の中で再現できるのが階段です。自宅の階段はもちろん、駅やオフィスの階段も練習場所になります。エレベーターやエスカレーターを階段に置き換えるだけでも、有酸素運動の頻度を増やす手段になります。
この記事では、こうした階段を使った練習をまとめて階段トレーニングと呼びます。登山のための体力作りとして階段が最初に選ばれやすいのは、道具も費用もいらず、上りと下りを同じ場所で一度に練習できるからです。一方で、身近にあるぶん「どのくらいの頻度でやればいいのか」が曖昧になりやすい種目でもあります。毎日やってよいのかという点は、このあとの章で公的な基準をもとに整理しています。
階段の上り方・下り方のポイント
上るとき
膝がつま先より前に出過ぎないよう意識しながら、一段ずつしっかり踏み込みます。息が弾む程度のペースを保つと、有酸素運動としての負荷がかかりやすくなります。手すりを使う場合は、腕に頼りすぎず脚の力で上ることを意識してください。
下るとき
下りは着地のたびに脚が伸びながら体重を支える動きになり、登山の下山と似た負担がかかります。スピードを出しすぎず、足裏全体で着地することを意識してください。膝への負担を抑えやすくなるという考え方です。
天候や時間を選ばず練習したいとき|踏み台昇降という選択肢
雨の日や夜間は、外の階段を使いにくいこともあります。そうした場面での選択肢になるのが、室内で使う踏み台昇降台です。同じ「踏み台昇降」でも、置き場所や使う時間帯によって選びたいタイプが変わるため、ここでは3つのタイプを目的別に紹介します。
グロングの踏み台昇降ステップ台(コンパクトタイプ)は、3段階の高さ調整ができるステップ台です。滑り止め加工が施されており、コンパクトな設計のため、置き場所に困りにくいという特徴があります。玄関脇や部屋の隅など、限られたスペースで踏み台昇降を続けたい方に向いています。
créer(クレエ)のステップ台は、静音性を重視して作られた踏み台昇降台です。販売ページによると、4段階の高さ調整ができ、幅80cmのサイズで展開されています。集合住宅で階下への音が気になる方や、家族が寝静まった後の時間帯にトレーニングしたい方には、この静音設計が選びやすい理由になります。
グロングの踏み台昇降ステップ台(4段階調整タイプ)は、滑り止め加工を施した、4段階で高さを変えられるステップ台です。コンパクトタイプより調整の幅が広く、しっかりした高さで踏み台昇降の負荷を上げていきたい方に向いた選択肢です。
どのタイプも、踏み台を使うこと自体が体力づくりを保証するものではありません。天候や時間帯に左右されず、階段と同じ「上り下りの動き」を継続できる手段の一つとして捉えてください。
下りに備える種目は、上りと分けて用意する
登山のあとに脚へ残る張りや痛みは、上りよりも下りで生まれていることが少なくありません。公益社団法人日本山岳会のコラムでは、登山の動きについて登りが短縮性、下りが伸張性の筋活動に相当すると説明されています。同じコラムには、伸張性の筋活動が筋の微小損傷や炎症を起こし、2〜3日後の遅発性筋肉痛が生じる原因になるという記述もあります(出典・2026年9月6日確認)。
同会の別のコラムでは、階段を下りる動きが遠心性収縮(伸張性収縮)にあたり、筋肉を伸ばすときのほうが筋線維への負荷が大きくなるため損傷が起こりやすく、修復にも時間がかかると説明されています。あわせて、下るときは意識して穏やかな動作で筋肉への負担軽減を心がけること、そして筋肉痛の予防には日常の筋力アップトレーニングが重要であることが書かれています(出典・2026年9月6日確認)。
つまり、押し上げる動きだけを積んでも、下りで受ける負担への備えとしては足りません。ゆっくり降ろす動きの種目を、上りの種目とは別に用意する。これが、この章でおすすめしたい組み立てです。
スロースクワット
通常のスクワットと同じ姿勢から、腰を落とす局面だけを時間をかけて行う方法です。数を数えながら3〜4秒かけて下ろし、立ち上がるときは2秒ほどで戻します。膝がつま先より前へ出過ぎないこと、かかとが浮かないことの2点を守ってください。8〜10回を2〜3セット、週2回程度から始める形が組み立てやすくなります。
下ろす秒数の具体的な指定は、公的機関の資料の範囲では確認できていません。数字そのものより、落ちるのではなく支えながら下ろすという方向を守り、支えきれなくなる手前でセットを終えることを優先してください。
台からの片脚下ろし
低い段差に片脚で立ち、反対の脚をゆっくり床へ下ろして、つま先が触れたら元に戻す種目です。踏み台昇降台の低い段や、玄関の段差でも代用できます。壁や手すりに指先を添えて、体が横へ傾かないようにしてください。左右それぞれ8〜10回を2セットから始め、慣れてきたら段差を高くしていきます。
着地の音が大きくなるのは、支えきれずに落ちているサインです。音が出はじめたら段差を低くするか、回数を減らしてください。下りは、着地のたびに脚が伸びながら体重を支える動きになるため、この「音を立てずに下ろせる範囲」が、いまの自分に合った負荷の目安になります。
階段が使えるとき/使えないときの置き換え
下りの練習にいちばん近いのは、実際に階段を下りる動きです。使える環境があるなら、上りと下りを同じ場所で一度に練習できる階段が第一候補になります。そのうえで、階段が使えない事情がある場合の置き換えを、条件別に整理しました。
| こういう場合は | 下りの練習に使うもの | 目安 |
|---|---|---|
| 家や近所に階段がある | 階段の上り下り | 1回20分以上・週2回、望ましくは1回30分・週3回以上。5分や10分と細切れに行っても、合計が20分以上になればよいとされています |
| 階段はあるが、夜間や雨で使いにくい | 室内の踏み台昇降 | 20cmの高さの台で10分を1セット、少なくとも2セット、できれば3セット、週3回以上 |
| 家や近所に階段が無い | 踏み台昇降台、または玄関の段差での片脚下ろし | 低い段から始め、片脚で下ろせる高さを保つ |
| 集合住宅で足音が出せない | 静音設計のステップ台、または床を踏み鳴らさないスロースクワットと片脚下ろし | マットを敷き、かかとから落とさない。回数より、下ろす速さを抑えることを優先 |
※階段昇降と踏み台昇降の時間・頻度・台の高さは、公益社団法人日本山岳会のコラムに示された数値です(出典・2026年9月6日確認)。同コラムには、階段に手すりがあれば高齢者でも安全に実施できるという記述もあります。
置き換えはあくまで、階段が使えないときの代わりです。階段が使える日は階段に戻す、というくらいの位置づけで考えてください。なお同じコラムには、階段昇降が実際の登山にどれだけ役立つかについては、まだ一定の見解が得られていないとも書かれています。下半身と心肺機能に対する運動効果と、登山本番での効果は、分けて読むのが正確です。
下りの種目でとくに気をつけること
- 膝のお皿の周りや膝の外側に痛みが出たら、その日は中止してください
- 前回の張りが残っているうちは、下りの種目の日を後ろにずらしてください
- 痛みが数日引かない場合は、自己判断で続けず整形外科などの医療機関に相談してください
膝に痛みが出る場面や、装備側からの見直し方は登山で膝が痛いときの記事にまとめています。下山後の筋肉痛そのものへの対処は登山の筋肉痛の記事をご覧ください。
階段トレーニングは毎日やっていいのか
階段トレーニングについて、頻度と並んでよく調べられているのが「毎日やってもいいのか」という点です。答えを先に書くと、毎日やる内容によって、当てはまる目安が変わります。同じ「階段を使う」でも、駅やオフィスでエスカレーターを階段に置き換える程度と、息が上がるまで一段抜かしで駆け上がるのとでは、体にかかる負荷がまったく違うためです。
公的な基準はどう書かれているか
厚生労働省 e-ヘルスネットの「筋力トレーニングについて」(健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023にもとづく解説)では、成人および高齢者に対して筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨として示されています。同じページには、筋肉に負荷をかけることとあわせて休息日もしっかり設けることを意識するように、という記述もあります(出典・2026年9月1日確認)。
一方、身体活動そのものは日常の中で増やす方向で目安が置かれています。前の章で紹介したとおり、身体活動基準2013では18〜64歳に息が弾み汗をかく程度の運動を毎週60分、65歳以上には強度を問わない身体活動を毎日40分程度という目安が示されています。つまり「日常の身体活動を増やすこと」と「筋力トレーニング」は、別々の目安として書かれていると読むのが実際的です。一律に禁じられているわけでも、必ずやるべきとされているわけでもなく、強度によって当てはまる基準が変わります。
- エスカレーターを階段に置き換える程度 … 日常の身体活動にあたり、毎日でも公的な目安と矛盾しません
- 息が弾み汗をかく程度で階段を上り下りする … 有酸素運動寄り。この記事では週3〜4回を目安に置いています
- 脚が張るまで追い込む・重りを背負って上る … 筋力トレーニング寄り。週2〜3日+休息日の目安が当てはまります
休養日をどこに置くか
休息日を設けるといっても、まるまる何もしない日を作る必要はありません。同じ部位を続けて追い込まないように、曜日で内容を振り分ける方法があります。下は組み立ての一例です。
| 曜日 | 内容の例 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 月 | 階段の上り下り(息が弾む程度)20〜30分 | 有酸素寄り |
| 火 | 通勤で階段を使うだけ。ストレッチ | 休養日 |
| 水 | スクワット・ランジ・プランク | 筋力寄り |
| 木 | 通勤で階段を使うだけ。ストレッチ | 休養日 |
| 金 | 階段または踏み台昇降 20〜30分 | 有酸素寄り |
| 土 | 休養、または軽いウォーキング | 休養日 |
| 日 | ザックに重りを入れて歩く(隔週でも可) | 本番に近い負荷 |
※あくまで組み立ての一例です。体力・年齢・持病の有無によって、適切な強度と頻度は異なります。
この振り分けなら、階段そのものは週の多くの日に登場しますが、脚を追い込む強度の日は週2〜3日に収まります。「毎日階段を使う」と「毎日追い込む」を分けて考えるのが、休養日を置くうえでの要点です。
なお、同じ部位を次に鍛えるまで何時間空ければよいか、という具体的な数字は、上に挙げた厚生労働省の資料には示されておらず、公的な資料の範囲では確認できていません。目安として使えるのは「休息日を設ける」という方針までです。数字がない以上、判断材料になるのは自分の体の状態のほうになります。前回の張りや痛みが残っているうちは、同じ部位を追い込む日を後ろにずらしてください。筋肉痛が出たときの考え方は登山の筋肉痛の記事にまとめています。
編集部の見立て:毎日やれるかどうかより、「毎日やらないと不安」で強度を上げてしまうほうが危ないと考えています。積む日と抜く日を先に決めておくほうが、結果として長く続きます。
続ければ必ず体力がつく、という書き方はこの記事ではしません。頻度と強度の目安は公的な基準から引けますが、そこから先の変化には個人差があり、この記事で断定できる範囲を超えます。持病がある方、しばらく運動から離れていた方は、頻度や強度を上げる前にかかりつけの医師へ相談してください。
ザックに重りを入れて歩くトレーニング
階段や踏み台で心肺機能や脚力を鍛えても、本番のザックの重さに体が慣れていないと、行動中の負担の感じ方が変わってきます。ここでは、ザックに重りを入れて歩く練習の始め方を紹介します。
何kgから始めるか
理学療法士が執筆する登山メディアの解説では、傾斜や荷重に体を慣らすトレーニングについて「リュック2〜3kgから」始める進め方が紹介されています(出典)。水を入れた2Lのペットボトル1〜2本程度が、この重さの目安になります。
水を入れたペットボトルで代用する場合
専用の重りを用意しなくても、水を入れたペットボトルをザックの中央、背中側に寄せて入れるだけで、重り代わりのトレーニングができます。少量から始め、歩き慣れてきたら本数を増やしていく方法なら、特別な道具がなくても始められます。
別の登山サークルの解説では、日帰り装備での歩荷トレーニングについて「初期は5〜7kg、慣れてきたら13kgくらい」まで段階的に重量を増やす目安が示されています。これは山小屋に2泊程度する行程を想定した重さとされており、日帰り登山であれば、もっと軽い重量から十分に体を慣らせます(出典)。共通しているのは、軽い重さから始め、一気に増やさないという考え方です。
PROIRONウエイトベストという選択肢
ザックに重りを入れる代わりに、体に直接負荷をかけるウエイトベスト(加重ベスト)を使う方法もあります。
PROIRONのウエイトベストは、販売ページの商品情報によると、10kgモデルの場合、500g刻みの重りパックを着脱して重量を調整できるタイプです。ウエスト75〜120cm程度に対応するフリーサイズで、男女兼用として販売されています。着脱式の重りなら、ザックに水を詰めるよりも細かく重量を調整しやすいという特徴があります。体幹に近い位置で重量がかかるため、ザックとは負荷のかかり方が異なる点には注意してください。
ザックであってもウエイトベストであっても、重りを増やすほど膝や腰への負担も大きくなります。違和感を覚えたら重量を元に戻し、無理に増量を続けないようにしてください。
心拍で強度を管理する
階段や踏み台昇降は、ペースを上げすぎると気づかないうちに息が上がってしまう種目です。感覚だけで「ちょうどいい強度」を保つのは意外と難しいため、ここでは心拍数を使って強度を客観的に把握する考え方を紹介します。
最大心拍数の目安(220-年齢)
公益社団法人日本山岳会が公開している解説記事では、運動強度の目安としてよく使われる最大心拍数の簡易的な推定式が紹介されています。
最大心拍数の目安 = 220 - 年齢
出典:公益社団法人日本山岳会「健康長寿のための山登り2:心拍数による運動強度の調節」(齋藤繁)
同記事によれば、持久系のトレーニングに適した強度は「ややきつい」と感じる程度で、目安として最大心拍数の60%を超えるあたりとされています。たとえば50歳であれば、最大心拍数の目安は220-50=170、その60%は約102という計算になります。この記事では、階段昇降や踏み台昇降を行いながら、自分の心拍数が目安の範囲に収まっているかを確認する使い方を想定しています。
ただし、「220-年齢」はあくまで簡易的な推定式であり、実際の最大心拍数には個人差があります。数字を絶対的な基準として扱うのではなく、「だいたいこのくらい」という目安として、自分の体感(きつさ)とあわせて使うのが実用的な付き合い方です。心拍数の考え方をより詳しく知りたい方は登山の有酸素運動の記事もあわせてご覧ください。
行動中に心拍を確認する方法
自宅でのトレーニング中に心拍数を確認したい場合、手首で脈を測る方法もありますが、動きを止めずに数値を確認したいときは心拍センサーが選択肢になります。
POLARのH10は、胸に装着して使うタイプの心拍センサーです。販売ページによると、心電式のセンサーで心拍数を計測し、BluetoothとANT+の両方に対応しているため、スマートフォンやスマートウォッチ、サイクルコンピューターなど幅広い機器と接続できます。電池はコイン電池(CR2025)を使用者自身で交換するタイプで、防水性能は30m相当とされています(出典)。
心拍センサーを装着したからといって体力が自動的に向上するわけではありません。あくまで「今の強度が高すぎないか」を数字で確認しながらトレーニングできる道具の一つです。心拍数を目安にした運動は、心臓や血圧に持病がある方、高齢の方にはとくに注意が必要です。持病をお持ちの方や、しばらく運動習慣がなかった方は、自己判断でトレーニング強度を上げず、事前にかかりつけの医師に相談したうえで進めてください。
自宅・階段とジムは、負荷の上げ方が違う
登山のトレーニングをジムやフィットネスクラブでやるべきか、と迷う方もいます。結論から書くと、この記事の計画表は自宅と階段だけでも組めます。通うかどうかで変わるのは種目の有無というより、負荷の上げ方の刻みです。
| 比べる点 | 自宅・階段 | ジム・フィットネスクラブ |
|---|---|---|
| 負荷の上げ方 | 回数・セット数・段差の高さ・歩くペース・ザックに入れる重さ | マシンやプレートの重量、トレッドミルの傾斜と速度 |
| 刻みの細かさ | 2Lのペットボトル1本=約2kg単位で増える | 器具の設定に応じて、より細かく刻める |
| 負荷の上限 | 自分の体重+背負える重さ | 器具の設定範囲まで |
| 記録の残り方 | 段数や時間を自分で数える | 設定した重量・傾斜・速度がそのまま記録になる |
| 条件の安定 | 屋外の階段は天候と明るさに左右される | 室内なので条件を一定に保ちやすい |
| かかるもの | 道具も費用も不要 | 会費と移動の時間がかかる |
ジムにある器具のうち、登山の動きに近いのは、傾斜をつけられるトレッドミルや、階段を上り続けるタイプの有酸素マシンです。脚を部位ごとに動かすマシンもあるため、足腰のどこに負荷をかけるかを分けて組み立てられます。どの筋肉が登山のどの場面で働くのかは登山で使う筋肉の記事で詳しく扱っています。
逆に、ジムの器具で再現しにくいのが下りの動きです。上りは傾斜や重量で数字にできますが、下りは着地のたびに脚が伸びながら体重を支える動きで、これに対応した機器は多くありません。下りは、階段や坂道を実際に下るほうが本番に近い動きになります。この記事が階段を軸にしているのも、上りと下りを同じ場所で一度に練習できるからです。
編集部の見立て:ジムは「負荷を数字で刻めること」を買う場所だと考えています。裏を返すと、階段の段数とザックの重さで負荷を刻めているうちは、通わなくても計画表は回せます。
施設によって、置いてある器具も、初回に体力測定や使い方の説明があるかどうかも異なります。この記事では特定のジムやサービスをすすめることはしません。持病がある方や運動から離れていた方は、医師に相談したうえで、施設側にもその旨を伝えて負荷を決めてください。
夏季に屋外でトレーニングするときの線引き
夏季は、同じメニューでも体への負担が変わる時期です。屋外の階段や坂道を使うなら、始める前に時間帯・水分・中止の線の3つを決めておくと、その場で迷わずに済みます。
中止の線は、その日の気分ではなく数字で決めておくのが確実です。環境省の熱中症予防情報サイトでは、暑さ指数(WBGT)に応じた「熱中症予防運動指針」が示されており、WBGT31以上は「運動は原則中止」、28以上31未満は「厳重警戒(激しい運動は中止)」とされています(公益財団法人日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」2019にもとづく区分。出典・2026年9月1日確認)。暑さ指数は地点ごとに実況値と予測値が公開されているので、前日のうちに翌日の数字を見て、指数の低い時間帯に回すという決め方ができます。
数字が高い日は、屋外の階段を室内の踏み台昇降に振り替える手もあります。計画表の頻度は守ったまま、屋外に出る回数だけを減らす形です。なお、ザックの重り用に入れるペットボトルの水は、そのまま飲み水にも回せます。暑い時期は、重り兼補給として少し多めに入れておくと無駄になりません。
水分と塩分の補給量、症状の見分け方、応急処置の手順は、この記事では扱いません。登山の熱中症対策の記事に基準値と手順をまとめているので、暑い時期に屋外で体を動かす前に、そちらを確認してください。
無理なく続けるためのコツ

ここまで紹介した頻度や負荷の目安は、あくまで一般的な計画です。実際に続けるうえでは、次のような工夫も助けになります。
1つ目は、短時間から始めることです。最初から30分のメニューを目指す必要はなく、3分程度の短いセッションから始めて、体が慣れるにつれて時間を延ばしていくやり方でも土台づくりにつながります。2つ目は、通勤や家事の動線に組み込むことです。ひと駅手前で降りて歩く、エレベーターの代わりに階段を使うといった工夫は、新たに時間を確保しなくてもトレーニングの頻度を増やす手段になります。
トレーニングの翌日以降に筋肉痛が出ることもあります。筋肉痛が出たときの対処法や予防のポイントは登山の筋肉痛の記事にまとめています。また、行動中の消費カロリーや、トレーニング中の栄養補給が気になる方は登山の消費カロリーの記事もあわせてご覧ください。標高の高い山を予定している場合は、体力づくりに加えて高所への体の慣らし方も別の準備が必要です。詳しくは高山病の記事で扱っています。トレーニングを続けることで得られる健康面での変化については登山のメリットの記事で紹介しています。
トレーニングを重ねると、体力そのものに加えて、「これくらいなら歩ける」という感覚がつかめてきます。この感覚は、実際の登山で無理のないペース配分を判断する材料にもなります。数値だけでなく、自分の体調と相談しながら進めることを優先してください。
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よくある質問
Q. 登山のトレーニングは週に何回やればいいですか?
厚生労働省の基準では、筋力トレーニングは週2〜3日が目安とされています。階段昇降や早歩きなど有酸素運動に近い種目は、週3〜4回程度を目安にするとよいでしょう。毎日欠かさず行う必要はなく、決めた頻度を数週間続けられるかどうかを優先してください。
Q. トレーニングはいつから始めればいいですか?
目指す山や体力によって異なりますが、この記事の計画表では3ヶ月前からの目安を紹介しています。標高差の大きい本格的な登山を予定している場合は、数週間ではなく数ヶ月単位で準備期間を見込んでおくと、直前になって慌てずに済みます。
Q. ザックに入れる重りは、水を入れたペットボトルでもいいですか?
問題ありません。2Lのペットボトルに水を入れれば、専用の重りを用意しなくてもザックトレーニングを始められます。軽い重さから始め、歩き慣れてきたら本数を少しずつ増やしていく進め方をおすすめします。
Q. 心拍計がなくても、運動強度は管理できますか?
心拍計は必須ではありません。「ややきつい」と感じる程度を目安にする、主観的な感覚だけでも強度の目安になります。ただし、階段昇降のようにペースを上げすぎやすい種目では、数字で確認できる心拍センサーがあるとペース配分の判断材料が増えます。
Q. 自宅の近くに階段がない場合はどうすればいいですか?
踏み台昇降台を使えば、階段に近い上り下りの動きを室内で再現できます。この記事で紹介したステップ台のように、コンパクトなタイプや静音設計のタイプもあるため、部屋の広さや生活時間帯に合わせて選ぶとよいでしょう。スクワットなど、階段がなくてもできる自重トレーニングと組み合わせる方法もあります。
Q. 持病がありますが、トレーニングを始めても大丈夫ですか?
心臓や血圧、関節などに持病がある方、しばらく運動習慣がなかった方、高齢の方は、自己判断でトレーニングを始めず、事前にかかりつけの医師に相談してください。医師に相談したうえで、この記事の内容を強度や頻度の参考として活用していただくことをおすすめします。
Q. スクワットは1日に何回くらいやればいいですか?
目安として10〜15回を2〜3セット、週2〜3回程度から始める方法を紹介しました。回数を一気に増やすよりも、正しいフォームを保てる範囲で継続するほうが、膝や腰への負担を抑えながら取り組めます。
Q. 筋肉痛が残っているときもトレーニングを続けていいですか?
痛みが強く残っている場合は、無理に同じ部位のトレーニングを続けず、回復を優先してください。筋肉痛への対処法や回復の考え方は登山の筋肉痛の記事で詳しく紹介しています。
Q. 階段トレーニングは毎日やっても大丈夫ですか?
強度によります。通勤でエスカレーターを階段に置き換える程度なら、毎日でも公的な目安と矛盾しません。一方、脚が張るまで追い込む強度は筋力トレーニングに近く、厚生労働省の資料では週2〜3日の実施と休息日を設けることが示されています。同じ部位を何時間空ければよいかという具体的な数字は、公的な資料の範囲では確認できていません。前回の張りが残っているうちは、追い込む日を後ろにずらしてください。
Q. 登山のトレーニングにジムは必要ですか?
必須ではありません。この記事の計画表は自宅と階段だけでも組めます。ジムが向くのは、重量や傾斜を数字で細かく刻んで負荷を上げたい場合や、天候に左右されず同じ強度を再現したい場合です。特定の施設をすすめることはしません。
Q. 夏季も屋外でトレーニングしていいですか?
暑さ指数(WBGT)を目安に決めてください。環境省の熱中症予防情報サイトが示す熱中症予防運動指針では、31以上は運動を原則中止とされています。数字が高い日は屋外を避け、室内の踏み台昇降に振り替える方法があります。詳しくは登山の熱中症対策の記事をご覧ください。
まとめ

登山のトレーニングは、スクワットや階段昇降といった種目そのものよりも、週に何回、どのくらいの期間続けるかという計画の部分で結果が変わります。厚生労働省の基準を目安に、自宅や階段でできる種目を無理のない頻度で積み重ね、本番が近づいたらザックの重さにも体を慣らしていく。この記事では、そうした流れを一つの計画表として提案しました。
心拍数や重量といった数値は、あくまで目安です。「220-年齢」の計算式も簡易式にすぎず、実際の体感と照らし合わせながら使ってください。そして何より、持病がある方や体力に不安がある方、しばらく運動から離れていた方は、自己判断で強度を上げず、医師に相談したうえで無理のない範囲から取り組んでください。
下山した翌日のために
出典
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「筋力トレーニングについて」(健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023にもとづく週の推奨頻度)
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」(年代別の運動・身体活動の目安)
- 公益社団法人日本山岳会「健康長寿のための山登り2:心拍数による運動強度の調節」(最大心拍数の推定式・運動強度の目安)
- 公益社団法人日本山岳会「手軽な階段昇降、踏み台昇降を大いに利用しょう」(大野秀樹・第853号)(階段昇降と踏み台昇降の時間・頻度・台の高さ、短縮性と伸張性の筋活動)
- 公益社団法人日本山岳会「下山後の筋肉痛とアミノ酸の効果」(浜口欣一・第863号)(下りの遠心性収縮と筋線維の損傷、日常の筋力トレーニングの位置づけ)
- ヤマカルテ「登山復帰に向けてPTが自分に処方するトレーニングプログラム」(理学療法士によるザック荷重の始め方)
- 鹿児島登山サークル「体力に自信がない人の登山力養成講座」(ザック重量の段階的な増やし方の一例)
- ポラール公式楽天市場店「POLAR H10 N」商品ページ(心拍センサーの仕様)
- Amazon.co.jp PROIRON ウエイトベスト 加重ベスト 10KG 商品ページ(重量調整の仕様)
- グロング公式サイト ステップ台商品ページ(高さ調整・滑り止め加工の仕様)
- créer(クレエ)ステップ台 商品ページ(静音設計・サイズの仕様)
- 環境省 熱中症予防情報サイト「暑さ指数(WBGT)とは」(熱中症予防運動指針の区分。出典表記は公益財団法人日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」2019)
※数値は2026年8月14日時点で各公式ページ・販売ページに記載の値です。
※2026年9月1日および2026年9月6日に書き足した部分の数値は、それぞれ同日時点で各公式ページに記載の内容です。






