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山のグレーディング表は、各都道府県が公表している登山ルートの難易度をひと目で比べられる一覧表です。縦軸に体力度、横軸に技術的難易度をとった表になっていて、「自分の実力でこの山に登れるか」を出発前に判断できます。
この記事では、表の数字と記号の読み方、どこで手に入るのか、そして初心者がどこから始めればいいのかを順に整理します。
この記事でわかること
- グレーディング表は「山」ではなく「ルート」の評価。同じ山でもコースが違えば数字も変わる
- 体力度は数字、技術的難易度はアルファベットで示され、2つを組み合わせて読む
- 表は各都道府県の公式サイトで公開されている(長野・山梨・静岡など山岳県が中心)
- 初心者はいちばん易しい区分から1段ずつ。数字を飛ばさないのが安全
- 百名山にも難易度の幅がある。「有名だから登れる」は成立しない
編集部
グレーディング表のいいところは、山選びが「憧れ」ではなく「実力との照合」になることです。行きたい山と、いま登れる山は別。その差を数字で見せてくれるのがこの表です。
登山の山のグレーディング表とは?


登山の山のグレーディング表は、山の地形的特徴に基づいて体力度と技術的な難易度を評価したものです。
このグレーディング表は、登山者が自分の体力と技術に合った山を選べるよう統一された基準で作成されています。
グレーディング表は都道府県ごとに作られているので、実際の山選びではガイドブックと併せて見るのが早いです。
この表は、公表元によって「山のグレーディング」「山のグレーディング表」と呼ばれ、登山者の間では「難易度表」「登山レベル表」「山のグレード」と呼ばれることもあります。呼び方は違っても、指しているのは同じ体力度(1〜10の数字)と技術的難易度(A〜Eの記号)の2軸で登山ルートを評価した表です。「山のグレーディングとは何か」を一言で答えるなら、これがその答えになります。
グレーディング表は、縦軸に1~10段階の体力度、横軸にA~Eの技術的難易度が設定されています。
各山の特徴に応じて、適切なグレーディングがなされているので参考にしましょう。
体力度の評価
体力度は数字が高くなるにつれて必要な体力が多くなります。
コースタイム、ルート全長、累積登り標高差、累積下り標高差の4つの数値から、次の式により「ルート定数」を算出し、1~10の10段階で評価しています。
ルート定数=コースタイム(時間)×1.8+ルート全長(km)×0.3+累積登り標高差(km)×10.0+累積下り標高差(km)×0.6
グレード表には日帰りから宿泊数の目安も記入されています。
少しずつステップアップするようにして安全登山をこころがけましょう。
| 体力度 | 推奨滞在期間 |
|---|---|
| 1 - 3 | 日帰りが可能 |
| 4 - 5 | 1泊以上が適当 |
| 6 - 7 | 1~2泊以上が適当 |
| 8 - 10 | 2~3泊以上が適当 |
体力度が高いほど、より距離や標高差が大きな山を登れるということになります。
登山者は自分の体力に合った山を選ぶ必要があります。
体力度の区分は、そのまま「何泊ぶんの荷物を背負うか」に置き換わります。日帰りで収まる体力度1〜3なら容量20L前後、1泊以上が適当とされる4以上なら30L前後が目安です。容量ごとに何が入って何が入らないかは、登山リュック20Lが日帰りの基準になる理由|選び方と背負い方と登山リュック30Lは何ができる容量か|「30+5」の意味と選び方で比べています。数字を1段上げるときは、ザックも一緒に見直すことになります。
技術的難易度の評価
技術的難易度は、登山道の状態や傾斜、岩場の有無などを基準に評価されます。
| 難易度 | 登山道の特徴 | 必要な技術・能力 |
|---|---|---|
| A |
• 概ね整備済み • 転落・滑落の可能性は低い • 道迷いの心配は少ない |
• 基本的な登山装備が必要 |
| B |
• 沢、崖、雪渓などを通過 • 急な登下降がある • 道が分かりにくい所がある • 転落・滑落の危険がある場所あり |
• 登山経験が必要 • 地図読み能力が望ましい |
| C |
• ハシゴ・くさり場、雪渓、渡渉箇所あり • 転落・滑落の危険が高い場所あり • 案内標識が不十分な箇所あり |
• 地図読み能力が必要 • ハシゴ・くさり場通過の身体能力必要 |
| D |
• 厳しい岩稜、不安定なガレ場 • 藪漕ぎ、雪渓、渡渉箇所あり • 手を使う急な登下降 • 人工的補助は限定的 |
• 地図読み能力必要 • 岩場、雪渓通過の高度な技術必要 • ルートファインディング技術必要 |
| E |
• 緊張を強いられる厳しい岩稜の連続 • 転落・滑落の危険箇所が連続 • 深い藪漕ぎの連続もあり得る |
• 高度な地図読み能力必要 • 岩場、雪渓通過の高度な技術必要 • 高度なルートファインディング技術必要 • 高度な判断力必要 • ロープ使用が必要な場合あり |
※用語解説
・地図読み能力:地図を見て自分の位置を知ることができ、目的地へのルートを識別できる能力
・ルートファインディング:登山道のついていないところ、また分かりづらいところで、一番安全に通過できるルートを識別すること
・藪漕ぎ:笹や低木などが密生する藪を手でかき分けながら進むこと
つまり、難易度Eの山は最も高度な技術が必要とされる一方で、難易度Aの山は初心者でも挑戦しやすいということになります。
グレーディング表の活用
このグレーディング表を参考にすることで、登山者は自分の体力と技術に合った山を選ぶことができます。
無理のない登山計画を立てることができるでしょう。
例えば、体力度5、技術的難易度Cの山は、中級者向けの登山ルートと言えます。
一方、体力度8、技術的難易度Eの山は、上級者向けの高難度ルートとなります。
登山を安全に楽しむためには、自分のスキルレベルに合わせて適切な山を選ぶことが重要です。
グレーディング表を活用して、無理のない登山計画を立てましょう。
各地の山のグレーディング表
日本には美しい山々が数多く存在し多くの登山者を魅了しています。
しかし、山はそれぞれ特徴が異なり難易度もさまざまです。
自分の体力や技術に合った山を選ぶことは安全で楽しい登山を楽しむために非常に重要です。
そこで、各都道府県や山域ごとに山のグレーディング表が作成されています。
これらの表は、登山ルートの体力度や技術的難易度、必要な装備などを分かりやすく示したもので、登山計画を立てる際の参考になります。
以下に、いくつかの代表的な山のグレーディング表を紹介します。
長野県のグレーディング表

出典:長野県
長野県は、日本アルプスの北アルプス、中央アルプス、南アルプスを有するまさに「山の王国」です。
雄大な山々が連なり、登山者にとって憧れの地となっています。
北アルプスの槍ヶ岳や穂高岳、中央アルプスの木曽駒ヶ岳や宝剣岳、南アルプスの北岳や仙丈ヶ岳など名峰が数多く存在します。
多様な登山ルートがあり、初心者から上級者までレベルに合わせた登山を楽しむことができます。
岐阜県のグレーディング表

出典:岐阜県
岐阜県は、北アルプスの穂高岳や槍ヶ岳への玄関口となる新穂高ロープウェイや日本三大山城の一つである郡上八幡城など山と歴史が融合した魅力的な県です。
北アルプス北部から飛騨山脈にかけての山々が連なり雄大な自然を満喫できます。
登山ルートもバリエーション豊かで、初心者から上級者まで楽しめます。
富山県のグレーティング表

出典:富山県
富山県は、北アルプスの立山連峰をはじめ、剱岳や薬師岳など険しい山々が連なる山岳県です。
3,000m級の山々が連なり、ダイナミックな景観が魅力です。
特に、立山黒部アルペンルートは山岳観光の定番ルートとして人気があります。
山梨県の山のグレーディング表

出典:山梨県
山梨県は日本最高峰である富士山をはじめ、南アルプスの北岳や鳳凰三山など日本を代表する山岳地帯を有しています。
富士山は毎年多くの登山者が訪れる人気の山です。
南アルプスは、高山植物の宝庫としても知られています。
静岡県のグレーディング表

出典:静岡県
静岡県もまた、富士山や南アルプスなど変化に富んだ山岳地帯を有する県です。
富士山は、静岡県と山梨県にまたがる山ですが、静岡県側からの登山道も人気があります。
南アルプスは、深南部に位置する山岳地帯で、登山経験豊富な方におすすめです。
新潟県のグレーディング表

出典:新潟県
新潟県は日本百名山にも選ばれている越後駒ヶ岳や谷川岳など、雄大な山々を擁する県です。
豪雪地帯としても知られ、残雪期の登山は経験豊富な登山者にとっても挑戦しがいのあるものとなります。
栃木県の山のグレーディング表

出典:栃木県
栃木県は日光国立公園や尾瀬国立公園など美しい自然が残る山岳地帯を有しています。
日光白根山や男体山、女峰山などが有名です。
尾瀬は、広大な湿原が広がり、高山植物の宝庫としても知られています。
群馬県のグレーディング表

出典:群馬県
群馬県は谷川岳や草津白根山など変化に富んだ山岳景観が広がる県です。
谷川岳は日本三大岩場の一つとされ、ロッククライミングの聖地としても知られています。
草津白根山は活火山であり、エメラルドグリーンの火口湖が神秘的な雰囲気を醸し出しています。
山形県のグレーディング表

出典:山形県
山形県は、月山、鳥海山、朝日岳の「出羽三山」をはじめ、多くの名峰を擁する県です。
月山は、夏スキーのメッカとしても知られ高山植物も豊富です。
鳥海山は独立峰であり、日本海に沈む夕陽の絶景スポットとしても有名です。
秋田県のグレーディング表

出典:秋田県
秋田県は世界遺産の白神山地や、日本百名山にも選ばれている八幡平、森吉山など豊かな自然が残る山岳地帯を有しています。
白神山地はブナの原生林が広がり、貴重な動植物が生息しています。
八幡平は高山植物の宝庫としても知られています。
石鎚山系のグレーディング表
石鎚山系は、西日本の最高峰である石鎚山を主峰とする山岳地帯です。
石鎚山は山岳信仰の山としても知られ多くの登山者が訪れます。
鎖場や岩場があり、変化に富んだ登山ルートを楽しむことができます。
祖母・傾・大崩山系のグレーディング表
祖母・傾・大崩山系は、九州地方に位置する山岳地帯で、祖母山、傾山、大崩山などの山々があります。
祖母山は宮崎県の最高峰で、山頂からは360度の展望が広がります。
傾山は切り立った岩峰が連なり登山経験豊富な方におすすめです。
百名山のグレーディング表

出典:長野県
日本百名山は、深田久弥が著書『日本百名山』で選定した、品格、歴史、個性などを兼ね備えた100の山です。
日本全国の山々から選ばれており、登山者にとって憧れの対象となっています。
これらのグレーディング表はあくまでも目安であり、天候や個人の体力、技術によって難易度は大きく変わります。
登山計画を立てる際には、これらの表を参考にしながら、自身の経験や体力、そして当日の天候などを考慮し、無理のない計画を立てるようにしましょう。
体力度1〜10・難易度A〜Eは、歩く時間と標高差でどれくらいか【レベル別の早見表】
「体力度4のルートです」と言われても、それが何時間歩く道なのかは数字だけでは伝わりません。ここでは、各県が公開しているルート一覧表の数値をそのまま使って、体力度の段ごとに「コースタイム何時間・累積で何m登るのか」を並べておきます。レベル別に山を見たいときは、この表から入るのがいちばん早いです。
体力度はルート定数10ごとに1段上がる
体力度のもとになっているのが、この記事の前半で紹介したルート定数です。長野県と山梨県が公開しているルート一覧表を並べてみると、ルート定数が10上がるごとに体力度が1段上がる関係になっています。定数が10未満なら体力度1、10台なら2、20台なら3……90以上で10、という数え方です。
実際に長野県の一覧表を見ると、北横岳(ロープウェイ山頂駅から往復)が定数8.4で体力度1、高尾山(表参道)が13.9で体力度2、唐松岳(八方池山荘から往復)が26.0で体力度3、燕岳(中房温泉から往復)が31.9で体力度4——と、きちんと段が変わっていきます。
| 体力度 | ルート定数 | 公表値でみた実例(コースタイム/累積登り標高差) | 滞在の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 10未満 | 北横岳(ロープウェイ山頂駅から往復)2.2時間/300m | 日帰りが可能 |
| 2 | 10台 | 高尾山(表参道)3.8時間/460m、木曽駒ヶ岳(千畳敷から往復)3.7時間/430m | 日帰りが可能 |
| 3 | 20台 | 唐松岳(八方池山荘から往復)7.1時間/950m | 日帰りが可能 |
| 4 | 30台 | 燕岳(中房温泉から往復)7.8時間/1,420m | 1泊以上が適当 |
| 5 | 40台 | 北岳(広河原から往復)10.7時間/1,730m、富士山(スバルライン五合目から往復)11.0時間/1,710m | 1泊以上が適当 |
| 6 | 50台 | 空木岳(駒ヶ根高原から往復)12.8時間/2,050m | 1〜2泊以上が適当 |
| 7 | 60台 | 奥穂高岳(上高地から往復・涸沢経由)17.7時間/2,080m | 1〜2泊以上が適当 |
| 8 | 70台 | 槍ヶ岳(上高地から往復)20.0時間/2,130m | 2〜3泊以上が適当 |
| 9 | 80台 | 北岳から塩見岳への縦走(広河原→鳥倉)23.3時間/3,210m | 2〜3泊以上が適当 |
| 10 | 90以上 | 裏銀座の縦走(高瀬ダム→上高地)32.3時間/3,840m | 2〜3泊以上が適当 |
出典:長野県「信州 山のグレーディング 一覧表」(PDF)および山梨県「十県一山域の日本百名山の登山ルートグレーディング一覧表」(PDF)(いずれも2026年9月4日確認)。コースタイムと累積登り標高差は各一覧表の数値、滞在の目安はこの記事の前半にある体力度の区分に合わせています。
この表の使い方
左から2列目の「ルート定数」は、自分で計算することもできます。式はこの記事の前半に書いたとおりで、コースタイム・距離・登りと下りの標高差が分かれば出せます。表に載っていない山でも、ガイドブックの数値を入れれば、体力度でいうとどのあたりかを自分で置けます。グレーディング表が公開されていない県の山を計画するときは、この使い方が現実的です。
同じ体力度でも、難易度A〜Eは別に付く
ここが読み間違えやすいところです。体力度2のなかにも、大菩薩嶺(ロッジ長兵衛からの周回)のように難易度Aのルートと、瑞牆山(瑞牆山荘から往復)のように難易度Cのルートがあります。歩く時間はどちらも3〜5時間台で、体力の面ではほぼ同じ帯です。
それでも記号が変わるのは、瑞牆山には手を使って通る岩場があるからです。前半のA〜Eの表に戻ると、Cには「ハシゴ・くさり場」「転落・滑落の危険が高い場所」が入っています。体力度が同じでも、AとCでは準備するものと引き返す判断が変わります。体力度だけを見て「同じくらいの山」と考えないでください。
代表的な山の体力度・難易度はいくつか【公表値の一覧】
「あの山はグレーディングでいくつなのか」を調べに来た方のために、公表されている一覧表から代表的なルートを体力度の順に抜き出しました。いずれも山ではなくルートの評価なので、山名だけでなくカッコの中の登山口まで見てください。
| 山(ルート) | 体力度 | 難易度 | コースタイム | 累積登り標高差 | 公表元 |
|---|---|---|---|---|---|
| 北横岳(ロープウェイ山頂駅から往復) | 1 | A | 2.2時間 | 300m | 長野県 |
| 大菩薩嶺(ロッジ長兵衛から周回) | 2 | A | 3.5時間 | 530m | 山梨県 |
| 木曽駒ヶ岳(千畳敷から往復) | 2 | B | 3.7時間 | 430m | 長野県 |
| 高尾山(表参道) | 2 | A | 3.8時間 | 460m | 長野県(県外の参考掲載) |
| 瑞牆山(瑞牆山荘から往復) | 2 | C | 5.0時間 | 790m | 山梨県 |
| 蓼科山(女神茶屋から往復) | 2 | B | 5.0時間 | 810m | 長野県 |
| 唐松岳(八方池山荘から往復) | 3 | B | 7.1時間 | 950m | 長野県 |
| 燕岳(中房温泉から往復) | 4 | B | 7.8時間 | 1,420m | 長野県 |
| 白馬岳(猿倉から往復) | 4 | C | 9.8時間 | 1,720m | 長野県 |
| 北岳(広河原から往復・草すべり) | 5 | B | 10.7時間 | 1,730m | 山梨県 |
| 富士山(スバルライン五合目から往復) | 5 | B | 11.0時間 | 1,710m | 山梨県 |
| 白馬岳(栂池自然園から往復) | 5 | B | 12.0時間 | 1,500m | 長野県 |
| 槍ヶ岳(上高地から往復) | 8 | C | 20.0時間 | 2,130m | 長野県 |
| 大キレット(上高地から周回・北穂高岳→槍ヶ岳) | 9 | E | 25.2時間 | 2,650m | 長野県 |
出典:長野県「信州 山のグレーディング 一覧表」(PDF)、山梨県「十県一山域の日本百名山の登山ルートグレーディング一覧表」(PDF)(いずれも2026年9月4日確認)。どちらも無雪期・天気良好時が条件です。
この表に他の県の数字を足さないでください
ここに並べたのは、同一基準で公表されている枠の中の数字だけです。白山(石川県)のように、独自の評価だと公表元が明記している表の数字を、この列に混ぜて読むことはできません。白山については、この記事の白山の項にある専用の表を見てください。
「北岳のグレーディング」を探しているなら
北岳は、どこまで歩くかで数字が大きく変わる山です。山梨県の一覧表では、広河原から草すべりを通って往復する基本のルートが体力度5・難易度B(コースタイム10.7時間、累積登り1,730m)。ところが同じ北岳でも、広河原から入って塩見岳まで縦走し鳥倉へ抜けるルートは体力度9・難易度D(23.3時間、累積登り3,210m)になります。
体力度でいえば4段、日数でいえば1泊と連泊ほどの差です。「北岳は体力度いくつか」という問いにひとつの答えが無いのは、このためです。先に決めるのは山名ではなく、どの登山口から入ってどこへ下りるか。それが決まって初めて、表の数字が引けます。
広河原からのルートの中身と、山小屋をどこに置くかで変わる2日目の組み方は、次の記事で整理しています。
同じことが、槍ヶ岳や白馬岳でも起きています
槍ヶ岳も、上高地から往復するなら体力度8・難易度Cですが、北穂高岳から大キレットを越えて槍ヶ岳へ回る周回にすると体力度9・難易度Eに上がります。白馬岳も、猿倉から往復すれば体力度4・難易度C、栂池自然園からなら体力度5・難易度B——体力度が上がったのに難易度の記号は下がるという、ひと目では分かりにくい動き方をします。
2軸で評価されているというのは、こういうことです。長い道を選べば体力度が上がり、岩場のある道を選べば難易度の記号が上がる。2つは連動していないので、片方だけを見て山を決めないでください。
あわせて読みたい
都道府県別の公開先はどこまで揃っているか【2026年9月1日時点】
ここまで見てきたとおり、グレーディング表は国が1枚にまとめているものではありません。県や山域がそれぞれ作り、それぞれのサイトで公開しています。そのため「登りたい山が、どこの表に載っているのか分からない」という詰まり方をしがちです。2026年9月1日時点で公開を確認できたものを、一覧にしておきます。
| 公表元 | 表の名称 | 対象ルート数 | 公開先 |
|---|---|---|---|
| 秋田県 | 秋田県の山岳グレーディング | — | 秋田県 |
| 山形県 | やまがた百名山のグレーディング | 94座・103ルート | 山形県 |
| 栃木県 | 栃木県 山のグレーディング | — | 栃木県 |
| 群馬県 | 群馬県 山のグレーディング | 99ルート | 群馬県 |
| 新潟県 | 新潟 山のグレーディング | — | 新潟県 |
| 山梨県 | 山梨 山のグレーディング | 123ルート | 山梨県 |
| 長野県 | 信州 山のグレーディング | 123ルート | 長野県 |
| 富山県 | 山のグレーディング | — | 富山県 |
| 岐阜県 | 岐阜県山のグレーディング | — | 岐阜県 |
| 静岡県 | 山のグレーディング | — | 静岡県 |
| 石川県 | 白山のグレーディング | 35ルート | 石川県 |
| 石鎚山系 | 石鎚山系のグレーディング | — | 石鎚山系 公式WEBサイト |
| 祖母・傾・大崩山系 | 山のグレーディング | — | 祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク |
※ルート数は各公表元のページまたはPDFで数字を確認できたものだけを記載しました。「—」は2026年9月1日時点で数字を確認できていないという意味で、ルートが少ないという意味ではありません。
ここが分かれ目
上の一覧に名前が無い都道府県については、2026年9月1日時点で県単位のグレーディング表の公開を確認できていません。「表に載っていない山のほうが多い」という前提で使うのが、正しい距離感です。
東京都の山のグレーディング表はあるか
「山のグレーディング 東京」で探しても、東京都が独自に公表しているグレーディング表は、2026年9月1日時点で確認できていません。公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会がまとめている公開先の一覧にも、東京都は入っていません。
ただし、手がかりがまったく無いわけではありません。信州 山のグレーディング(長野県)には、参考ルートとして高尾山(東京都)が載っています。長野県が公開しているルート一覧(令和8年4月更新)で確認すると、高尾山の2ルートはいずれも体力度2・技術的難易度Aで、コースタイムは3.8時間と2.4時間、ルート定数は13.9と12.3でした。
標高599mの山が体力度10段階の下から2番目——ここが目盛りの底です。高尾山を1日歩いて余裕があったかどうかが、そのまま「体力度2は自分にとってどれくらいか」の物差しになります。
出典:長野県「信州 山のグレーディング」および同ページで公開されているルート一覧PDF、公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会「山のグレーディングについて」(いずれも2026年9月1日確認)
神奈川県の山のグレーディング表はあるか
神奈川県も同じで、県単位のグレーディング表は2026年9月1日時点で確認できていません。県が出しているのは「丹沢登山」のページ(2026年6月12日更新)で、蛭ヶ岳・檜洞丸・大室山・丹沢山・鍋割山・塔ノ岳・大山といった主要な山の紹介と、登山届の提出や遭難事故の状況の案内が中心です。体力度1〜10・技術的難易度A〜Eという形にはなっていません。
丹沢のきつさを数字で知りたい場合は、標高差とコースタイムを自分で拾って、この記事の前半にあるルート定数の式に入れてみるのが現実的です。塔ノ岳の大倉尾根はどれくらいきついか|標高差1,200mを段で分けるでは、その標高差を段に分けて整理しています。
出典:神奈川県「丹沢登山」(2026年9月1日確認)
白山のグレーディングは石川県が公開している
「白山 グレーディング」は、長野県や岐阜県の表を探しても見つからないことがあります。白山のグレーディングを出しているのは石川県(白山自然保護センター)です。対象は「白山山系の御前峰につながる登山道のうち、登山口または目的とする山頂が石川県内にあるルート」で、無雪期・天気良好時を条件に35ルートが評価されています(ページ更新日2026年3月31日)。
| ルート | 体力度 | 技術的難易度 | コースタイム | ルート定数 |
|---|---|---|---|---|
| 砂防新道(御前峰)往復 | 4 | A | 7.7時間 | 33.8 |
| 観光新道(御前峰)往復 | 4 | B | 9.0時間 | 36.1 |
| 平瀬道(御前峰)往復 | 4 | B | 8.2時間 | 35.8 |
| 白山禅定道(御前峰)往復 | 6 | B | 13.3時間 | 54.2 |
| 加賀禅定道(大汝峰・御前峰)往復 | 8 | B | 18.8時間 | 75.9 |
| 中宮道(御前峰)往復 | 10 | B | 24.7時間 | 93.2 |
出典:石川県「白山のグレーディングについて」のルート一覧表(2026年9月1日確認)。全35ルートのうち6つを抜き出しました。
同じ御前峰に立つのに、道の選び方だけで体力度が4から10まで動きます。「白山は体力度いくつの山ですか」に答えは無く、答えられるのは「どの道で登るか」まで決めたときだけです。
なお、石川県は対象を「登山口または目的とする山頂が石川県内にあるルート」としているため、岐阜県側の大白川温泉から登る平瀬道も表に入っています。県境の山では、登山口の県ではなく山頂の県で探すと見つかることがあります。
北アルプスの難易度表は1枚にまとまっていない
「北アルプス 難易度表」で1枚の表を探している人は、たいてい見つからずに終わります。北アルプスは長野・富山・岐阜の3県にまたがっていて、グレーディングは県ごとに作られているからです。槍ヶ岳や穂高岳のように複数の県から登れる山は、どの登山口から入るかで、載っている表そのものが変わります。
さらに、県が違えば評価のものさしも揃っていません。石川県は白山のルート一覧表の注記で、この評価は石川県独自のものであり、同じルートでも他県の評価とは異なる、という趣旨をはっきり書いています。別々の県の表から数字を持ち寄って1列に並べても、それは同じものさしで測った数字ではありません。
北アルプスを見るなら、長野県・富山県・岐阜県の表を「3枚別々に」開く。同じ山域だからといって1枚にまとめない——これが表の作りに沿った使い方です。
同一基準で公表しているのは10県と2山系
県ごとに別々に作られている、と書きましたが、評価の基準まで全部バラバラというわけではありません。長野県のページには、秋田県・山形県・栃木県・群馬県・新潟県・山梨県・岐阜県・静岡県・富山県の各県と、石鎚山系、祖母・傾・大崩山系が同一基準のグレーディングを公表していて、長野県と合わせて合計1,052ルートが評価されていると書かれています(ページ更新日2026年8月13日)。
つまり、この枠に入っている10県と2山系のあいだでなら、体力度4は体力度4として同じように読めます。上の一覧に載っている公開先のうち、この枠に入っていないのは石川県(白山)です。石川県は自分の一覧表の注記で、独自の評価であり同じルートでも他県の評価とは異なる、という趣旨をはっきり書いています。同じ「体力度4」でも、10県・2山系の枠の中の4と、石川県の4は、別のものさしの4です。
どこが出しているかをまとめて見たいときは、公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会のページに公表元へのリンク一覧があります(2025年6月1日時点の一覧)。ただし、そこに石川県は入っていないので、白山を調べるときは石川県のページを直接開いてください。
山梨県の山を引くときの入口
「山のグレーディング 山梨」で探している方に向けて、山梨県の分だけ補足します。山梨県が公開している「山梨 山のグレーディング」は123ルートが対象で、ページの更新日は2025年5月29日、条件は無雪期・天気良好時で、冬山は対象としていないと明記されています。
同じページには、日本百名山だけを抜き出した一覧表も置かれています。こちらは山梨県内に限らず、同一基準で公表している10県と1山系の百名山ルートがまとめて載っているので、県をまたいで比べたいときはこの1枚が早いです。北岳・富士山・瑞牆山・大菩薩嶺の数字も、この表から引けます。
なお、「山梨百名山」だけを対象にした専用のグレーディング表は、2026年9月4日時点で確認できていません。山梨百名山の山を調べるときは、上の2枚のどちらかに入っていないかをまず見て、入っていなければルート定数を自分で計算するのが現実的です。
出典:長野県「信州 山のグレーディング」、山梨県「山梨 山のグレーディング」、公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会「山のグレーディングについて」(いずれも2026年9月4日確認)
登山の難易度を考慮した山選びのコツ

登山を安全に楽しむためには自分の体力と技術に合った山を選ぶことが重要です。
以下のようなコツを参考にしてみてください。
- 体力度と技術的難易度を確認する
登山の難易度は、体力度と技術的難易度の2つの要素で評価されます。各山のグレーディングを確認して自分のスキルレベルに合った山を選びましょう。
- 登山経験を積み重ねる
初心者は低い山から始め徐々に難易度の高い山に挑戦していくことが大切です。無理のない範囲から始め、体力と技術を向上させながら徐々に難易度の高い山に挑戦しましょう。
- 天候や残雪状況も確認する
悪天候や残雪は山の難易度を大幅に上げる可能性があります。天気予報や現地の情報を事前に確認し、状況に応じて登山計画を見直すことが重要です。
- 登山ガイドの活用を検討する
初心者や未経験者が難易度の高い山に挑戦しようとする時はガイド付きの登山もおすすめです。ガイドや経験者の知識と経験を活かすことで、安全に登山を楽しめます。
- 装備の準備も忘れずに
適切な登山装備を用意することも大切です。天候の変化に対応できる服装や、足腰を守るための靴、ヘルメットなど必要な装備を確認しましょう。
これらのコツを意識しながら、自分に合った山を選んでいきましょう。
安全で楽しい登山を心がけましょう。
このうち装備で差が出るのは、天候と下りの2つです。同じ体力度のルートでも、雨に降られると消耗の度合いが一段変わります。生地の層数や透湿の数字をどう読むかは登山レインウェアの選び方|2層・2.5層・3層の違いとサイズの決め方で整理しました。
また、体力度が上がるほど累積下り標高差も伸びます。下りで膝や太ももにかかる荷重を腕へ逃がしたいなら、長さ・段数・グリップ素材の違いをトレッキングポールのおすすめ比較|初心者向けの軽量・低価格モデルで確認しておくと選びやすくなります。
「登山の難易度ランキング」で探している人が、本当に必要なもの
「登山難易度ランキング」「日本の山 難易度ランキング」——この探し方をする人はとても多いのですが、先に結論を書きます。公的なグレーディング表は、ランキングではありません。順位が付いていないというより、順位を付けられない作りになっています。
なぜ順位表にできないのか
理由は3つあります。
- 評価軸が2本あるから。体力度(1〜10)と技術的難易度(A〜E)は、足し算も掛け算もされません。体力度8・難易度Bのルートと、体力度4・難易度Dのルートは、どちらが「上」とも決められません。片方は長さがきつく、もう片方は怖い。別の種類のきつさです。
- 評価しているのが山ではなくルートだから。先ほどの白山のように、同じ御前峰に立つのに道の選び方で体力度が4から10まで動きます。「白山は何位」という問いは、そもそも成り立ちません。
- 県ごとに独自の評価だから。石川県はルート一覧表の注記で、この評価は石川県独自のもので同じルートでも他県の評価とは異なる、という趣旨を明記しています。全国横並びの順位表を作ろうとすると、ものさしの違う数字を1列に並べることになります。
加えて、どの県の表にも共通する前提があります。無雪期・天気良好時という条件です(群馬県・山梨県・石川県の各表に明記されています)。残雪期や悪天候になれば、表の数字は前提から外れます。順位表にした瞬間にこの前提が落ちてしまうことも、順位で語らない理由のひとつです。
ここは誤解されやすい
ネット上には「日本の登山難易度ランキング」を名乗る一覧が数多くありますが、公的なグレーディングをそのまま順位に直したものではありません。参考にするなら、順位ではなく元の体力度と技術的難易度の組み合わせまで戻って確認してください。
それでも「順番」が知りたいときの現実的な代わり
順位表が無いなら何を見ればいいのか。使えるものが2つあります。
- ルート定数で並べ替える。体力度の元になっている数値で、そのコースを歩いたときにどれだけエネルギーを消費するかを表します。石川県の資料によれば、鹿屋体育大学の山本正嘉名誉教授が提唱した概念です。同じ県の表の中でなら、この数字で「重さの順」に並べ替えられます。白山なら砂防新道の33.8から中宮道の93.2まで、3倍近い開きがあります。
- 体力度の帯で束ねる。1〜3なら日帰り、4〜5なら1泊以上——という滞在日数の目安(この記事の前半の表)でまとめると、「自分がいまどの帯にいるか」が見えてきます。順位より、こちらのほうが山選びに直接使えます。
「登山 体力レベル」「登山レベル 診断」といった言葉で探している人も、行き着く先は同じです。自分のレベルを表す番号は、実際に登り切れた山の体力度そのものだからです。体力度3の日帰りを問題なく歩けたなら次は4、という数え方をします。
編集部の見立て:「ランキング」で探す気持ちはよく分かります。ひと目で順番が付いていれば楽ですから。ただ、順位が付かないのは表の欠陥ではなく、山の難しさが一次元ではないという事実の反映です。この記事で百名山を順位ではなくレベル帯ごとに整理しているのも、同じ理由です。
日本百名山の難易度別おすすめランキング

日本百名山は、日本で最も有名で魅力的な山々の総称です。
山のグレーディング表を基準にして、初心者、中級者、上級者向けの人気の山を以下のように3つずつランキングにしました。
初心者向け (体力度1-3、難易度A-B)
- 筑波山 (茨城県): 体力度2-3、難易度A-B
- 木曾駒ケ岳 (長野県): 体力度2、難易度B
- 御嶽山 王滝ルート (長野県): 体力度3、難易度B
関東平野からその雄大な姿が望める筑波山。
2つの峰からなる双耳峰で、女体山頂からは関東平野を一望できます。
登山道はよく整備されており、ケーブルカーやロープウェイも利用可能。
山頂には筑波山神社があり歴史を感じながら登山を楽しめます。
日帰り登山に最適です。
中央アルプスの名峰、木曽駒ケ岳。
千畳敷カールや宝剣岳など見どころ満載です。
ロープウェイで標高2600mまで一気に上がり、そこから比較的緩やかな稜線を歩きます。
高山植物の宝庫としても知られ登山道も整備されているため、初心者でも挑戦しやすい山です。
日本最高所の湖「二ノ池」を擁する霊峰、御嶽山。
王滝ルートは標高差こそありますが、登山道が整備され初心者でも登りやすいルートです。
雄大な自然と神秘的な雰囲気を味わえます。
これらの山は整備された登山道があり、日帰りで登れる比較的易しい山です。初心者でも安全に楽しむことができます。
中級者向け (体力度4-6、難易度B-C)
- 富士山 吉田ルート (山梨県): 体力度5-6、難易度B-C
- 八ヶ岳 赤岳 (長野県): 体力度5-6、難易度C
- 白馬岳 (長野県): 体力度5-6、難易度B-C
日本最高峰、富士山。
吉田ルートは最も人気のあるルートで山小屋も多くサポート体制も整っています。
ご来光や山頂火口の壮大さは登山の苦労を吹き飛ばすほどの感動を与えてくれます。
ただし、標高差が大きく、高山病のリスクもあるため、十分な準備が必要です。
南アルプス北部を代表する山岳、八ヶ岳。
その主峰である赤岳は岩稜歩きが楽しめる変化に富んだ登山道が魅力です。
山頂からは360度の展望が広がり、富士山や南アルプスの山々を一望できます。
北アルプスの象徴的な山、白馬岳。
高山植物の女王コマクサの大群落が見られることでも有名です。
稜線歩きは展望が良く、北アルプスの山々を満喫できます。
白馬鑓ヶ岳や杓子岳など周辺の山々と縦走するのもおすすめです。
これらの山は1泊以上の登山が適しており、ある程度の登山経験と体力が必要です。
技術的にも多少の難所があります。
上級者向け (体力度7-10、難易度D-E)
- 槍ヶ岳 (長野県): 体力度8-9、難易度D-E
- 北岳 (山梨県): 体力度8-9、難易度D
- 剱岳 (富山県): 体力度9-10、難易度E
「日本の屋根」と呼ばれる北アルプスの盟主、槍ヶ岳。
その天を衝く鋭峰は多くの登山者を魅了してやみません。
槍ヶ岳山荘でのテント泊は貴重な経験となります。
厳しい岩場や鎖場が連続し、高度な登山技術と体力が必要です。
南アルプスの最高峰、北岳。
富士山に次ぐ標高を誇り、高山植物の宝庫としても知られています。
長い稜線歩きと急勾配の登りが続き体力が必要です。
山頂からは360度の展望が広がり、南アルプスの山々を心ゆくまで堪能できます。
北アルプス後立山連峰にある、岩と雪の殿堂、剱岳。
切り立った岩峰が連なるその姿は見る者を圧倒します。
高度な登攀技術が求められる難関ルートが多く、経験豊富な登山者でなければ挑戦は困難です。
これらの山は2-3泊以上の登山が適当で、高度な登山技術と十分な体力が必要です。
厳しい岩場や長時間の行程があり経験豊富な登山者向けです。
山のグレーディングは登山者が自分の体力と技術に合った山を選ぶための重要な指標となります。
これにより無理な登山や遭難のリスクを減らすことができます。
ただし、グレーディングはあくまで目安であり、天候や個人の体調によっても難易度は変わることに注意が必要です。
また、どのレベルの山に挑戦する場合でも、適切な装備と十分な準備、そして安全な登山を心がけることが重要です。
適切な山の選び方
日本百名山の中には様々な難易度の山が含まれています。
自分のスキルレベルに合わせて無理のない山を選ぶことが大切です。
例えば、体力度5、技術的難易度Cの山は中級者向けの登山ルートと言えます。一方、体力度8、技術的難易度Eの山は上級者向けの高難度ルートとなります。
登山を安全に楽しむためには、自分のスキルレベルに合わせて適切な山を選ぶことが重要です。日本百名山の難易度ランキングを参考にして、無理のない登山計画を立てましょう。
「御巣鷹山の登山難易度」を調べている人へ
この記事には「御巣鷹山 登山 難易度」という検索でたどり着く方が少なくありません。ただ、この言葉が指している先は少なくとも3つに分かれます。しかもそのうちひとつは、難易度を語る対象ではありません。まず整理しておきます。
| 呼び名 | 場所 | 標高 | どういう場所か |
|---|---|---|---|
| 御巣鷹の尾根 | 群馬県多野郡上野村 | — | 1985年の日本航空123便墜落事故の現場一帯。慰霊の地 |
| 御巣鷹山 | 群馬県多野郡上野村 | 1,639m | 秩父山地北部の山。山頂に三等三角点がある |
| 御巣鷹山 | 山梨県・三つ峠 | 1,775m | 三つ峠を構成する3つの峰のひとつ |
御巣鷹の尾根は、難易度を比べる場所ではありません
1985年8月12日の日本航空123便墜落事故で、当時の報道の多くは「御巣鷹山に墜落」と伝えました。しかし実際の墜落地点は御巣鷹山そのものではなく、そこから南南東へ約1.7km離れた高天原山系の尾根です。この一帯に、当時の上野村長が「御巣鷹の尾根」という名前を付けました。名前は似ていますが、御巣鷹山と御巣鷹の尾根は別の場所です。
ここは520名が亡くなった事故の現場であり、いまも遺族や関係者が訪れる慰霊の地です。上野村の公式サイトでも一貫して「慰霊登山」という言葉が使われています。体力度や技術的難易度を付けて、ほかの山と並べる対象ではありません。この記事でも数字は書きません。
訪れる前に確認すること
- スゲノ沢の登山口から昇魂之碑までは、登山道800m・高低差180m・徒歩約30分とされています
- 登山道は冬季に閉鎖され、例年4月29日に開山します。閉鎖と開山の日付は年によって変わります
- 8月の慰霊行事の期間は、村道・登山道ともに通行が規制されます。2021年の上野村の案内では、ご遺族登山日の8月11日〜13日、登山口の約12km手前から先が通行規制でした
- 村道は道幅が狭く、上野村は通行可能車両を10人乗りワゴン車程度までとしています。村道・登山道とも危険箇所が多いと案内されています
- 管理は公益財団法人慰霊の園が行っています。日程や通行の可否は年ごとに変わるため、行く前に必ず上野村の「村からのお知らせ」で最新の案内を確認してください
出典:上野村公式サイト「村からのお知らせ」(2026年9月1日確認)。通行規制の日付・時間は毎年更新されるため、上の内容をそのまま今年の予定として使わないでください。
編集部の見立て:検索の言葉は「難易度」でも、必要なのは難易度の数字ではないと判断しました。ここについて書けるのは、開いている時期と、道の状態と、どこに問い合わせるかまでです。裏が取れないことは書きません。
三つ峠の御巣鷹山(山梨県・1,775m)を指しているなら
もうひとつの御巣鷹山は、山梨県の三つ峠にあります。三つ峠は開運山(1,785m)・御巣鷹山(1,775m)・木無山(1,732m)という3つの峰の総称で、御巣鷹山はそのうち2番目に高い峰です。最高峰は開運山なので、「三ツ峠山に登った」というときに立っているのは、ふつう開運山のほうになります。
出典:富士の国やまなし観光ネット(山梨県公式観光情報)(2026年9月1日確認)
三つ峠のルート別の標高差やコースタイム、通行止めの確認先は、三つ峠山の登山は初心者でも登れる?ルート別の標高差・コースタイムと通行止めの確認先で整理しています。「御巣鷹山の難易度」を三つ峠の意味で探していたなら、そちらが答えになります。
上野村の御巣鷹山(群馬県・1,639m)そのものを指しているなら
秩父山地の北部にある標高1,639mの山で、山頂には三等三角点があります。ただし、この山の登山ルートについて、公的なグレーディングも登山道の案内も2026年9月1日時点で確認できていません。群馬県の山のグレーディング(99ルート)に含まれるかどうかも、公開資料が画像PDFのため確認できませんでした。この記事では難易度を書きません。行き先を決める前に、上野村または群馬県に直接確認してください。
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まとめ

登山は自然の中を歩く素晴らしい体験ですが、山の難易度を理解せずに挑むと危険です。
この記事では登山の山のグレーディング表と難易度について詳しく解説しました。
初心者から上級者まで、自分のスキルレベルに合った山を選ぶことが大切です。
無理のない登山計画を立てることで、安全に登山を楽しむことができるでしょう。
これからの登山ライフを充実させるために、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。


