登山の入山料・協力金2026|富士山以外も含む全国一覧と義務・任意の違い

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登山の「入山料」という言葉を聞いて、多くの人がまず思い浮かべるのは富士山でしょう。実際、検索して出てくる解説のほとんどが富士山の話に集中しています。ところが山の入り口でお金を求められる場面は、富士山だけの話ではありません。屋久島にも、鳥取の大山にも、滋賀の伊吹山にも、新潟の妙高山や火打山にも、それぞれ違う名前と違う仕組みでお金を集める制度があります。

そしてここが肝心なのですが、これらはすべて同じ性質のお金ではありません。条例に根拠があって、払うことが入山の条件として明記されているものと、あくまで任意で「できれば協力してほしい」と呼びかけているものが、同じ「入山料」「協力金」という言葉の下に混ざっています。環境省も2026年3月に公表した資料のなかで、条例等に基づく強制的な収受と、法的強制力を伴わない任意の協力金を、はっきり別の類型として整理しています。

この記事では、その2つを混ぜないことを最優先にしました。「払わないと入れない山」と「払わなくても入れるが、払ってほしい山」を並べて比べられるようにします。金額はすべて2026年8月25日に各公式ページで確認した時点のものです。制度は年度ごとに見直されるものなので、出発前には必ず公式で最新を確認してください。

  • 「入山料」(条例に基づく義務)と「協力金」(任意の寄付)の線引きと、見分け方の3つの手がかり
  • 富士山の山梨県側・静岡県側で名称も窓口も違う理由と、2026年度の金額・期間・支払い方法
  • 屋久島・白山・大山・伊吹山・甘利山・妙高山と火打山・尾瀬、富士山以外7山域の制度を個別に整理
  • 全国横断の早見表(義務/任意・金額・2026年度の期間・支払い方法)と、今日この日に動いている制度はどれか
  • 現金しか使えない窓口が今も多い理由と、山で小銭を出すための財布・携帯トイレの選び方

編集部の見立て:この記事でいちばん伝えたいのは金額そのものではなく、「あなたが行く山のお金は、義務なのか任意なのか」を出発前に自分で言えるようにすることです。そこさえ押さえておけば、現地で戸惑うことはほぼなくなります。

「入山料」と「協力金」はどう違うか——義務と任意の線引き

まず言葉から整理します。山でお金を集める仕組みには、大きく分けて2つの型があります。1つは、自治体が条例をつくって「この登山道を通るなら、この金額を納めること」と定めている型。もう1つは、行政や協議会が募金箱を置いたり窓口を設けたりして、「山を守るために協力してください」と呼びかける型です。

環境省が2026年3月に公表した利用者負担の考え方をまとめた資料では、この2つが明確に区別されています。前者は条例等に基づく強制的な収受、後者は法的強制力を伴わないもの、という整理です。名前が似ていても、根拠になっている紙が違うのだと考えるとわかりやすくなります。

見分け方の3つの手がかり:(1)公式ページに条例名が書かれているか、(2)金額が「1人1回○○円」と一意に決まっているか、それとも「1口○○円」「○○円以上」といった口数・下限の書き方になっているか、(3)支払いの証明(入山証・リストバンド等)を携行するよう求められているか。この3つがそろっていれば義務的な料金、どれも当てはまらなければ任意の協力金である可能性が高くなります。

「入山料(条例に基づく義務)」と「協力金(任意)」の違いを、根拠となる条例の有無・金額の表記のしかた(1人1回か1口か)・支払い証明の携行義務・徴収の窓口という4つの軸で左右に対比した図解
「入山料(条例に基づく義務)」と「協力金(任意)」の違いを、根拠となる条例の有無・金額の表記のしかた(1人1回か1口か)・支払い証明の携行義務・徴収の窓口という4つの軸で左右に対比した図解

この線引きが実務でどう効くのかを、具体的に考えてみます。義務的な料金が設定されている山では、支払いを済ませていないと登山口のゲートで通してもらえない、あるいは入山の条件を満たしていない状態になります。つまり、支払いは登山計画の一部です。一方、任意の協力金は、募金箱の前を通り過ぎても物理的に止められることはありません。だからこそ、行く前に知っているかどうかで納める人と納めない人が分かれてしまいます。

編集部の見立て:任意の協力金が集まりにくい最大の理由は「山に着いてから初めて存在を知る」ことだと考えています。事前に知っていれば財布の用意ができますし、小銭が無くて素通りする、という一番もったいない結果を避けられます。

背景にある法律にも触れておきます。2015年4月1日に施行された地域自然資産法(平成26年法律第85号)は、入域料等の利用者負担を活用して、地域が自発的に自然環境の保全に取り組むことを促進するための法律です。この法律ができたことで、山の維持費を利用者から集めるという発想そのものが後押しされました。

もう1つ、自然公園法にも関係する条文があります。第23条と第24条は「利用調整地区」を定め、そこでは原則として立ち入りを禁止したうえで、認定を受けた利用者だけが例外的に入れるという仕組みを規定しています。また第73条は、都道府県立自然公園についても都道府県が条例で規制を定められることを明記しています。入山にかかる規制の根拠が国の法律だけでなく自治体の条例にも広がるのは、この構造があるからです。

ここでいう「利用調整地区」は、入山料そのものを定める制度ではありません。人数を絞って自然を守るための枠組みです。ただし、料金制度と人数制限が同じ山でセットになっている例(富士山の山梨県側など)があるため、あわせて理解しておくと制度の全体像がつかみやすくなります。

さらにややこしいことに、「入山料」でも「協力金」でもない第3の系統があります。神社が管理する山で納める初穂料(登拝料)です。たとえば日光の男体山は二荒山神社の境内地にあたり、登拝という宗教的な行為として受付を通る仕組みになっています。行政の条例でも任意の募金でもなく、宗教法人の定めに基づく別系統だと理解しておくと混乱しません。男体山そのものの歩き方は男体山登山の登拝受付とコースタイムをまとめた記事で整理しています。

「任意だから払わなくても構わない」と読み取るのは早計です。任意の協力金は、登山道の補修・トイレの維持・遭難防止の啓発といった、登山者自身が受け取っている便益の原資になっています。法的な強制力の有無と、負担すべきかどうかの判断は別の問題として考えてください。

集めたお金は何に使われるのか

使い道の話をしておきます。各自治体の公式ページで示されている使途は、おおむね共通しています。登山道の整備・補修、トイレの維持管理、し尿の搬出、標識や道標の設置、登山者の安全対策や啓発、自然環境のモニタリング。項目として書かれているのはこのあたりです。

ただし、どの項目にいくら使われたかという金額ベースの内訳までは、大山・伊吹山・甘利山のいずれについても公式ページで確認できていません。この記事では「使途の項目」までにとどめ、金額の配分には踏み込みません。使い道の詳細を知りたい場合は、各自治体が公表している決算資料や協議会の報告を直接あたることになります。

使途のなかで、登山者にとって効き目が見えやすいのはトイレとし尿の搬出です。標高の高い山でし尿を下ろすにはヘリコプターを使うこともあり、そのコストは登山者の想像よりずっと大きいと考えられます。500円という金額は、その全体から見れば控えめな水準にとどまります。

もう1つ、任意の協力金が持つ副次的な効果にも触れておきます。協力金を納める窓口があるということは、そこに人が立っているか、少なくとも掲示があるということです。登山口で入山者の数がある程度つかめれば、混雑の把握や遭難時の初動にも役立ちます。お金を集める仕組みは、同時に人数を数える仕組みでもあるという側面があります。

妙高山・火打山のようにアプリからの事前申込を採用している制度では、申込データがそのまま入山者の記録になります。登山届と協力金の窓口が近づいていく流れは、今後ほかの山域にも広がる可能性があります。ただしこれは編集部の見通しであって、公式に予定されているものではありません。

富士山の入山料・通行料——山梨県側と静岡県側で呼び名が違う

富士山は、同じ山でありながら県によって制度が分かれています。しかも呼び名まで違います。山梨県側は「通行料」、静岡県側は「入山料」です。どちらも条例に基づく義務的な徴収で、金額はどちらも1人1回4,000円(2026年8月25日確認時点)。名前が違うだけで、性格は同じだと考えて差し支えありません。

編集部の見立て:ここは検索していて最も混乱しやすいところです。「通行料」という言い方は山梨県が施設使用料として整理しているためのもので、環境省の分類ではこれも義務的な料金の事例として扱われています。名称の軸と法的分類の軸は別物、と割り切ってください。

山梨県側(吉田ルート)の通行料

山梨県側の根拠は「山梨県富士山吉田口県有登下山道設置及び管理条例」です。県が持っている登下山道の使用に対して通行料を徴収する、という組み立てになっています。2026年8月25日確認時点で、通行料は1人1回4,000円です。

項目 内容 項目 内容
名称 通行料 金額 1人1回4,000円
根拠 山梨県富士山吉田口県有登下山道設置及び管理条例 徴収期間 2026年7月1日〜9月10日
時間規制 14:00〜翌3:00 1日の上限 4,000人
支払い方法 現地または通行予約システム 性格 条例に基づく義務的な徴収

数字が並んだので、意味のほうに翻訳します。時間規制と1日の上限があるということは、「お金を払えばいつでも何人でも入れる」制度ではないということです。混雑する日は、通行料を払う意思があっても入れない可能性がある。だから事前の予約が実質的に重要になります。通行予約システムの実際の操作手順は富士山の通行予約システムの使い方を追った記事にまとめました。

時間規制の14:00〜翌3:00という数字は、日帰りで午後から登り始める、いわゆる弾丸登山を抑えるためのものです。山小屋の予約がない状態で夕方以降に登り始める計画は、この規制に正面からぶつかります。計画段階で時間の組み方を先に決めてください。

静岡県側(富士宮口・御殿場口・須走口)の入山料

静岡県側は3つのルートが対象です。富士宮口、御殿場口、須走口。根拠となるのは静岡県富士登山条例と手数料徴収条例で、こちらは「入山料」と呼びます。2026年8月25日確認時点で、金額は1人1回4,000円。開山期間は7月上旬から9月10日までです。

編集部の見立て:静岡県側で押さえておきたいのは「3ルートすべてが対象」という点です。富士宮口だけの話だと思って御殿場口から入ろうとすると、前提が崩れます。ルートを変えても制度は変わりません。

支払い方法は、事前登録システム「静岡県FUJI NAVI」を使う方法と、現地で納める方法があります。現地では現金のほかクレジットカード等も使えるとされています。事前登録を済ませておけば、登山口での手続きが短くなります。

  • 入るルートが山梨県側(吉田ルート)か静岡県側3ルートかを最初に確定させたか
  • 該当する県の公式ページで、その年度の金額と期間を自分の目で確認したか
  • 事前登録・事前予約を済ませ、当日に提示できる形で持っているか
  • 時間規制と1日の上限にぶつからない時間割になっているか
  • 山小屋を利用するなら、その予約状況が入山条件と整合しているか

2026年の富士山は、入山料以外にも事前登録や入山証、時間規制といったルールが同時に動いています。料金だけを見て準備を終えると足りません。制度全体の並びは2026年の富士山登山ルールを通しで整理した記事を先に読んでから、この記事に戻ってくると理解が早くなります。

終了した旧制度と混同しない

静岡県側にはかつて「富士山保全協力金」という任意の制度がありました。これは2024年度で終了しています。現在動いているのは条例に基づく義務の入山料であり、旧協力金とは別の制度です。

ネット上には、旧・保全協力金の時代に書かれた解説がそのまま残っています。「任意なので払わなくてもよい」という趣旨の古い記述を読んでしまうと、現行制度を誤解します。ページの更新日を見て、2025年度以降の情報かどうかを必ず確かめてください。

編集部の見立て:富士山は制度の入れ替わりが最も激しい山です。去年の知識をそのまま持ち込まない、という一点だけでも意識しておく価値があります。

山梨県側と静岡県側、どちらから登るかで変わること

金額が同じ4,000円なら、どちらから登っても同じだと考えたくなります。実際には、準備の手順が変わります。整理しておきます。

山梨県側は、通行料に加えて1日4,000人という上限と、14:00〜翌3:00の時間規制がセットで動いています。したがって、支払いの前に「その日に入れる枠があるか」という問題が先に来ます。通行予約システムを使う理由は、料金の決済のためだけでなく、枠を確保するためでもあるわけです。

静岡県側は3ルートが対象で、事前登録システム「静岡県FUJI NAVI」を通す方法と、現地で納める方法があります。現地では現金のほかクレジットカード等が使えるとされているため、決済手段の自由度という点では静岡県側のほうが幅があります。

2県の違いを1行で:山梨県側は「枠の確保が先」、静岡県側は「登録と決済が中心」。金額はどちらも1人1回4,000円(2026年8月25日確認時点)で同じですが、数字だけを覚えて出発すると、1日4,000人という上限のある山梨県側で枠に弾かれる可能性が残ります。

もう1点、下山ルートを変える計画には注意が必要です。吉田ルートから登って須走口へ下りる、といった県をまたぐ行程では、登りと下りで管轄する県が変わります。料金は「入る側」の県の制度に従うのが基本ですが、こうした変則的な行程を組むなら、両県の公式ページを両方読んでから出発してください。

富士山は登山道と下山道が分かれている区間があり、ルート名も似ています。吉田ルート(山梨県側)と須走口(静岡県側)は八合目より上で合流するため、混同されやすい組み合わせです。自分がどちらの登山口から入るのかを、地図上で先に確定させておいてください。

屋久島と白山——世界自然遺産の協力金と、高山のトイレチップ

富士山を離れます。ここからは全国の山です。まず屋久島。宮之浦岳を含む屋久島山岳部には「世界自然遺産屋久島山岳部環境保全協力金」があります。2017年3月に始まった制度で、対象は中学生以上です。

制度名 対象 日帰り 山中宿泊
世界自然遺産屋久島山岳部環境保全協力金 中学生以上 1,000円 2,000円

金額が日帰りと山中宿泊で分かれているのが屋久島の特徴です。山中に泊まるということは、山小屋やテント場のし尿処理の負担が増えるということでもあります。滞在の長さに応じて負担を変える、という設計思想がはっきり出ています。

納入は登山前に取扱所で行います。荒川登山口から入る場合は、シャトルバスのチケットを買うときに一緒に納める形になります。登山口に着いてから探すのではなく、移動手段を手配する時点で組み込まれているのが、屋久島の集め方の巧さです。

編集部の見立て:屋久島の方式は、任意の協力金でありながら「導線に乗せる」ことで納入率を高める作りになっています。募金箱を置いて待つだけの方式とは、集まり方がまるで違うはずです。

白山のトイレチップ制

石川県の白山は、山全体を対象にした入山料はありません。あるのは登山者用トイレの「トイレチップ制」で、これは任意です。徴収は2006年の夏山シーズンから始まっています。

金額については、公式ページに明示されていません。したがってこの記事でも金額は書きません。任意のトイレチップ制がある、という事実だけを押さえておいてください。現地の掲示に従うのが確実です。

白山のように「入山料は無いがトイレは有料(または協力金制)」という山は珍しくありません。入山料の有無だけを調べて「お金はかからない」と結論づけると、山中で小銭が無くて困ることになります。調べる項目は入山料とトイレの2本立てで考えてください。

そしてトイレの話は、もう一段先があります。協力金や入山料を集めている山域には、トイレが有料の場所だけでなく、そもそもトイレが無く、携帯トイレの携行を求められる区間が含まれることがあります。山中泊で金額が上がる屋久島の設計を見てもわかるとおり、し尿の処理は山のコストの中心にあります。装備側で自分の分を引き受けておくのが、最も確実な備えです。

サニタクリーンの簡易トイレ DG-174は、その携帯トイレにあたる製品です。袋の中の凝固シートで水分を固めてから持ち帰る方式で、山中に何も残さずに済みます。ロールペーパーや簡易的な便座を別途そろえる据置型の非常用トイレとは違い、ザックのポケットに入れて携行することを前提にした小型のパッケージなのが差です。トイレの無い区間を歩く人、協力金制のトイレが閉まっている時期に登る人、そして「使わずに済めばそれでいい」と考えて保険として持ちたい人に向きます。

携帯トイレは、使用後の持ち帰りまでが1セットです。回収ボックスが設置されている山域もありますが、無い場合は自分で下山まで運びます。二重にできる外袋や、においを抑える袋を一緒に持っておくと扱いやすくなります。

大山(鳥取)と伊吹山(滋賀)——西日本の任意協力金

西日本の代表的な2山を並べます。どちらも任意の協力金制度ですが、金額の水準も集め方も違います。

大山(鳥取)の入山協力金

鳥取県の大山には「大山入山協力金制度」があります。任意です。2026年8月25日確認時点で、1回500円(それ以上の額も可)、年間3,000円という設定になっています。

集め方に特徴があります。募金箱と窓口に加えて、J-CoinPayという電子決済に対応しているのです。しかも期間が別立てで、2026年度の募金箱・窓口は4月25日から11月15日まで、電子決済のほうは通年です。

編集部の見立て:電子決済を通年で開けているのは、任意の協力金としてはかなり進んだ運用です。「小銭が無かったから払えなかった」という言い訳を制度側から潰しにいっている、と読めます。

大山の年間3,000円は「6回で元が取れる」設計:1回500円に対して年間3,000円なので、年に6回を超えて登るなら年間のほうが負担が軽くなります。大山を通年で歩く地元の登山者にとっては、年間の選択が自然です。逆に遠方から年に1度訪れる人は、1回分を納めれば足ります。

伊吹山(滋賀・米原市)の入山協力金

滋賀県米原市の伊吹山にも「伊吹山入山協力金」があります。こちらも任意です。金額は1人300円、年間協力金カードが1,000円(2026年8月25日確認時点)。子どもと障がいのある方は対象外とされています。

ここで必ず確認しておきたいのが登山道の状況です。2026年8月25日に米原市の公式ページを確認した時点で、表登山道入口は登山道閉鎖中とされています。協力金の話より先に、そもそも歩ける道かどうかを見る必要がある、ということです。

登山道の閉鎖は、災害復旧の進み具合によって状況が変わります。この記事の記述は2026年8月25日確認時点のものです。伊吹山へ行く計画があるなら、出発直前に米原市の公式ページで最新の登山道情報を必ず確認してください。

伊吹山は標高こそ高くないものの、花の名所として知られ、日帰りで登られることの多い山です。コースの取り方や登山口へのアクセスは伊吹山の登山コースと所要時間を整理した記事でまとめています。協力金の金額とあわせて、どの道が今使えるのかを確認してください。

編集部の見立て:伊吹山の1人300円という金額は、全国の協力金のなかでも低いほうです。年間カードが1,000円ということは、4回目からは実質無料に近い。地元の常連が繰り返し歩くことを前提にした値付けだと考えられます。

大山も伊吹山も、集めたお金は登山道の整備やトイレの維持などに使われるとされています。ただし、どの項目にいくら使われたかという金額ベースの内訳までは、公式ページで確認できていません。使途の「項目」までは公開されている、という理解にとどめておくのが正確です。

甘利山・妙高山・火打山——「15日間だけ」と「事前決済のみ」

ここからの2例は、集め方の型がさらに独特です。片方は徴収する日が極端に短く、もう片方はスマートフォンのアプリからしか申し込めません。

甘利山(山梨・韮崎市)の環境保全協力金

山梨県韮崎市の甘利山には「甘利山環境保全協力金」があります。2025年度に始まった、比較的新しい制度です。任意で、支払いは現金のみ。金額は1口500円からとされています。

特徴は徴収期間です。2026年度の収受期間は5月29日から6月14日までのうち、雨天日を除く15日間。つまり年に半月しか集めていないことになります。

編集部の見立て:甘利山の期間の短さは、レンゲツツジの見ごろに登山者が集中する山ならではの設計でしょう。人が来る時期に人を置いて集める、という割り切りです。この記事を読んでいる2026年8月時点では、今年度の収受期間はすでに終わっています。

甘利山は現金のみです。電子決済に対応している大山とは前提が違います。収受期間中に訪れるなら、500円硬貨か千円札を用意しておかないと納めようがありません。「あとでカードで」が効かない制度がある、ということを覚えておいてください。

妙高山・火打山地域の入域料

新潟県の妙高山・火打山地域には「入域料」があります。任意です。2020年7月に始まりました。金額は入域料500円、登山保険が付くプランは合計1,080円(2026年8月25日確認時点)。

申し込みはYAMAPのWebサイトまたはアプリから事前に行う形です。登山アプリの決済機能をそのまま徴収の窓口に使っている、という点で全国でも珍しい方式にあたります。

妙高山・火打山の1,080円は「協力金+保険」のセット:入域料500円だけを納める選択と、登山保険を付けて合計1,080円にする選択があります。差額分が保険にあたる構成です。単発の山行で保険に入っていない人にとっては、入域料の手続きと保険加入を1回で済ませられる形になります。

環境省の資料では、この地域の仕組みは「自然環境保全協力金」として、1口500円または1,000円の任意の寄付という形で紹介されています。令和2年度から本格的な収受が始まり、令和3年度からオンラインの事前決済が導入された、という経緯も記載されています。地元の案内と国の資料で呼び名が少し違いますが、任意の協力金であるという性格は一致しています。

編集部の見立て:呼び名が資料によって「入域料」だったり「自然環境保全協力金」だったりするのは、この分野全体の悩ましいところです。呼び名で覚えるより、「義務か任意か」「いくらか」「どこで払うか」の3点で覚えるほうが実用的だと考えています。

2026年度に現地で直接納められるかどうかは、公式ページで確認できていません。この記事では「YAMAPのWebまたはアプリから事前申込」とだけ書きます。現地決済を当てにした計画は立てず、出発前に済ませておくのが確実です。

尾瀬(群馬県域)——2026年度も常設ではなく実証実験

尾瀬は、この一覧のなかでいちばん扱いに注意が要る対象です。群馬県は2026年度(令和8年度)、尾瀬国立公園の群馬県域にあたる鳩待峠と大清水で「ぐんま尾瀬入域協力金実証実験」を実施しています。常設の制度ではなく、実証実験です。

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編集部の見立て:「実証実験」という言葉を軽く見ないでください。来年も同じ形で続く保証はありませんし、期間も限定的です。尾瀬に関しては、今年の情報がそのまま来年に使えるとは考えないほうが安全です。

2026年度の内容を整理します。任意の協力金で、金額は500円/口が目安。中学生以下と、管理者等は対象外とされています。徴収の期間は2つに分かれていて、有人での収受が8月10日から19日まで、無人での収受が9月11日から20日までです(2026年7月9日更新の群馬県公表資料、2026年8月25日確認時点)。

区分 期間 場所 この記事の公開時点
有人収受 8月10日〜19日 鳩待峠・大清水 終了
無人収受 9月11日〜20日 鳩待峠・大清水 これから

この表の右端が示すとおり、8月25日の時点では有人の収受はすでに終わり、9月の無人収受がこれから始まる、という状態です。尾瀬に行くたびに毎回払う制度ではないことが、期間の切り方からわかります。

尾瀬の協力金について、決済方法が現金のみかどうかは公表資料で確認できていません。この記事では「口数制の任意協力金(500円/口が目安)」とだけ書いています。無人収受の期間に訪れるなら、現金を用意しておくのが無難でしょう。

尾瀬の実証実験は群馬県域(鳩待峠・大清水)が対象です。福島県側・新潟県側から入る場合にこの実証実験が及ぶかどうかは、本記事では確認していません。入る側の県と登山口を確定させてから、該当する自治体の公式ページを見てください。

全国の入山料・協力金 早見表(2026年8月25日確認時点)

ここまでの内容を1枚にまとめます。列が多いので横にスクロールしてご覧ください。金額と期間はすべて2026年8月25日に各公式ページで確認した時点のものです。

山域 名称 性格 金額 2026年度の期間 支払い方法
富士山(山梨県側・吉田ルート) 通行料 義務 1人1回4,000円 7月1日〜9月10日 現地または通行予約システム
富士山(静岡県側3ルート) 入山料 義務 1人1回4,000円 7月上旬〜9月10日 静岡県FUJI NAVI/現地(現金・クレジットカード等)
屋久島山岳部 世界自然遺産屋久島山岳部環境保全協力金 任意 日帰り1,000円/山中宿泊2,000円(中学生以上) 通年(2017年3月開始) 登山前に取扱所で納入(荒川登山口はシャトルバスチケット購入時)
大山(鳥取) 大山入山協力金 任意 1回500円(超過可)/年間3,000円 募金箱・窓口は4月25日〜11月15日/電子決済は通年 募金箱・窓口・J-CoinPay
伊吹山(滋賀) 伊吹山入山協力金 任意 1人300円/年間協力金カード1,000円 公式で最新を確認(表登山道入口は登山道閉鎖中) 公式で最新を確認
甘利山(山梨) 甘利山環境保全協力金 任意 1口500円から 5月29日〜6月14日のうち雨天日を除く15日間 現金のみ
妙高山・火打山(新潟) 入域料(自然環境保全協力金) 任意 500円/登山保険付きは合計1,080円 公式で最新を確認(2020年7月開始) YAMAPのWeb・アプリから事前申込
尾瀬(群馬県域・鳩待峠/大清水) ぐんま尾瀬入域協力金実証実験 任意 500円/口(目安・中学生以下は対象外) 有人8月10日〜19日/無人9月11日〜20日 公式で最新を確認
白山(石川) 登山者用トイレのトイレチップ制 任意 金額は公式で非公表 2006年夏山シーズンから 現地の掲示に従う

編集部の見立て:この表を上から下に眺めると、義務なのは富士山だけで、あとはすべて任意だとわかります。「全国で入山料が広がっている」という言い方は、正確には「任意の協力金が広がっている」です。この違いは押さえておく価値があります。

2026年8月25日の時点で「今動いている」のはどれか

一覧表は年間の姿を示したものです。実際に今日この日に窓口が開いているかどうかは、また別の話になります。徴収期間の情報を、8月25日という日付に当てはめてみます。

期間中なのは、富士山の山梨県側(7月1日〜9月10日)と静岡県側(7月上旬〜9月10日)、そして大山の募金箱・窓口(4月25日〜11月15日)です。大山の電子決済と屋久島は通年の扱いです。すでに終わっているのが甘利山(5月29日〜6月14日のうち15日間)と、尾瀬(群馬県域)の有人収受(8月10日〜19日)。これから始まるのが尾瀬の無人収受(9月11日〜20日)です。伊吹山と妙高山・火打山、白山については、期間の記載を公式ページで確認できていないため、この記事では判定しません。

こうして並べると、夏山シーズンの終わりと制度の切れ目がほぼ重なることが見えてきます。9月10日、9月20日、11月15日。秋以降に登る人は「制度が終わったから払わなくてよい」のではなく、「窓口が閉まっていて払えない」状態になる、と理解しておくのが正確です。

徴収期間の外で登れるということは、その時期は登山道の管理体制も薄いということでもあります。トイレの営業が終わっていたり、山小屋が閉まっていたりする可能性があります。協力金の期間表は、その山の「人が居る時期」を示す資料としても読めます。

期間の読み方 期間表を見るときのコツを1つ。「通年」と書かれているのは決済手段であって、山が通年で歩けるという意味ではありません。大山の電子決済が通年であっても、冬の大山は積雪期の山です。制度の期間と、登れる時期は別々に判断してください。

もう1つ、表から読み取れることがあります。義務の富士山が4,000円であるのに対して、任意の協力金は300円から2,000円の幅に収まっています。任意の協力金は、財布から出しやすい額に設計されているのです。500円という金額が突出して多いのも、硬貨1枚で完結するからでしょう。

山行1回あたりの上乗せ額の目安:富士山を除けば、入山にかかる協力金はおおむね300円〜1,000円です。日帰り登山の交通費と比べれば小さな額ですが、「知らなかったので用意していなかった」が起きやすい額でもあります。計画の段階で、行き先ごとに500円玉を1〜2枚見込んでおくと取りこぼしがありません。

入山料や協力金が無い山でも、お金がまったくかからないわけではありません。登山口の駐車場が有料である山は多く、とくに紅葉のシーズンは臨時の有料駐車場が開くこともあります。伊吹山や大山のように秋に人が集まる山を考えているなら、紅葉シーズンの登山口駐車場と料金をまとめた記事を合わせて読むと、当日必要な現金の総額が見積もれます。

逆に、入山料も協力金も設定されていない山のほうが数のうえでは圧倒的に多数です。たとえば谷川岳のように、ロープウェイの運賃はかかるものの山そのものへの入山料は設定されていない山があります。谷川岳の歩き方は谷川岳を初めて歩く人向けにコースを整理した記事で扱っています。制度がある山を「例外」として覚えるほうが、実務では間違いが少なくなります。

編集部の見立て:この一覧を作っていて最も強く感じたのは、制度の見直しの速さです。甘利山は2025年度に始まったばかりですし、尾瀬はまだ実証実験の段階です。1年後にこの表がそのまま通用するとは、正直まったく思っていません。

支払い方法の注意点——現金しか使えない窓口が多い理由

ここまで見てきた9つの制度のうち、電子決済がはっきり使えるのは大山(J-CoinPay)、妙高山・火打山(YAMAPのWeb・アプリ)、富士山静岡県側(FUJI NAVIおよび現地のクレジットカード等)です。甘利山は現金のみ。ほかは公式ページで決済手段を確認できていません。

編集部の見立て:「確認できていない=現金のみ」ではありませんが、山の窓口で電子決済が使えなかったときの代替手段は現金しかありません。確認できていない制度は現金前提で準備しておく、というのが実務的な結論です。

そもそも、なぜ山の窓口では現金が残るのか。理由はいくつか重なっています。第一に、登山口には安定した通信環境が無い場所があります。決済端末はネットワークにつながらなければ動きません。第二に、任意の協力金は募金箱という物理的な箱で受けている例が多く、これは電源も通信も要らない代わりに現金でしか受け取れません。第三に、期間が短い制度では、端末を導入するコストが割に合いません。甘利山の年15日間という期間を思い出してください。

山の登山口周辺には、金融機関のATMもコンビニも無い場所が多くあります。「現地で下ろせばいい」は成立しません。最寄りの街を離れる前に、必要な現金を確保しておいてください。とくに硬貨は、あとから両替できる場所がほとんどありません。

事前決済型と現地収受型——準備するタイミングが違う

支払い方法は、突き詰めると2つの型に分かれます。出発前に済ませておく事前決済型と、現地で納める現地収受型です。この違いは、単に便利かどうかではなく、準備を始める時期を変えます。

事前決済型にあたるのは、富士山山梨県側の通行予約システム、静岡県側の「静岡県FUJI NAVI」、そして妙高山・火打山のYAMAPからの事前申込です。これらは家を出る前に手続きを終えている必要があります。逆に言えば、当日の朝に慌てることがありません。

事前決済型の弱点は「忘れる」ことです。登山用具の準備は前日に思い出しますが、オンラインの手続きには思い出す引き金がありません。行き先を決めた日に、その場で済ませてしまうのが確実です。当日の朝に気づいても、登山口で取り返しがつかない場合があります。

現地収受型にあたるのは、甘利山の現金収受、伊吹山や大山の募金箱・窓口、屋久島の取扱所、尾瀬の有人・無人収受です。こちらは当日の持ち物の問題になります。準備するのは硬貨と、それを取り出しやすい財布です。

該当する制度 いつ準備するか つまずきやすい点
事前決済型 富士山(山梨・静岡)、妙高山・火打山 行き先を決めた日 手続きを忘れたまま当日を迎える
現地収受型 甘利山、伊吹山、大山、屋久島、尾瀬 出発前日〜当日の朝 硬貨が無い/窓口の期間外だった
併用型 大山(募金箱+J-CoinPay)、富士山静岡県側(事前登録+現地) どちらでも可 期間が方式ごとに違う

この表の3行目、併用型に注意してください。大山は募金箱・窓口が4月25日〜11月15日、電子決済が通年と、方式ごとに期間が違います。「大山は通年で払える」も「大山は11月15日まで」も、どちらも部分的にしか正しくありません。方式と期間はセットで覚えるのが正確です。

制度を1行で覚えようとすると、こうした例外で必ず外れます。金額・期間・方法の3点を分けてメモする、という手間を惜しまないほうが結局は早く済みます。

山に持っていく現金と財布の整え方

どちらの型であっても、現地で現金を出す場面は残ります。準備の手順を3つに固定しておきます。

  1. 行き先の制度を公式ページで確認し、金額と決済手段をメモする
  2. 500円硬貨・100円硬貨・千円札を、必要枚数だけ分けて用意する
  3. 山用の小さな財布に入れ替え、母艦の財布(カード類)は車や宿に置くか、別のポケットに分ける

この3手順のうち、意外とつまずくのが3つめです。街用の長財布をそのままザックに入れると、厚みで雨蓋が閉まらなかったり、レインウェアを着るときに邪魔になったりします。山では山用の財布に入れ替えるのが結局いちばん早い。

モンベルのトレールワレット(品番1133248)は、その入れ替え先として素直な選択肢です。ナイロン製の3つ折りで、札入れと小銭入れが分かれているため、協力金箱の前で500円玉だけを取り出す、といった動作がしやすくなります。革の長財布のように厚みで場所を取らず、ザックの雨蓋やウェストポーチにそのまま収まるのが違いです。伊吹山や甘利山のように現金を投函する形式の山を回る人、日帰り登山で必要最小限の貴重品だけ持ちたい人に向きます。

編集部の見立て:3つ折りは、山では「開いたときに中身が全部見える」という一点で有利です。手が冷えていても、手袋をしていても、目当ての硬貨に迷わず届きます。

もう一段軽くしたい人には、SA-CHE のX-PAC UL ミニウォレットという選択肢があります。X-Pac素材を使った極小型の財布で、カード数枚と紙幣、小銭を最低限だけ持つ設計です。トレールワレットが「山用のふつうの財布」だとすれば、こちらは「持っていることを忘れる大きさ」を狙った製品。ファストパッキングやトレイルランニングのように装備を削る人、協力金の500円と帰りの交通費だけ持てれば十分という日帰りの人に向きます。

財布を小さくするときに削りすぎると、下山後の温泉や食事で困ります。山中で使う分と下山後に使う分を分けて考え、下山後の分は車やコインロッカーに置いておく、という運用にすると小さい財布でも成立します。

そして、この「いくら要るか」は登山計画の一部です。入山料・協力金の有無、駐車場代、交通費、下山後の入浴料。これらを行き先ごとに事前に洗い出しておくと、当日の判断が減ります。計画の立て方そのものは登山計画の立て方と当日までの段取りをまとめた記事で扱っています。制度の確認を、計画の工程のなかに固定してしまうのが確実です。

財布そのものの選び方をもう少し詳しく比べたい場合は、登山用の財布の選び方と現金の分け方を整理した記事も参考にしてください。素材や容量の考え方を、山行スタイル別に整理しています。

  • 行き先の制度が義務なのか任意なのかを、公式ページで自分の目で確認したか
  • その制度の2026年度の徴収期間に、自分の山行日が入っているか
  • 決済手段が現金のみかどうかを確認し、現金なら硬貨を用意したか
  • 事前決済・事前予約が必要な制度なら、出発前に済ませたか
  • 駐車場代・トイレのチップなど、入山料以外の現金が要る場面を洗い出したか

編集部の見立て:このチェックリストは、山行のたびに毎回やる必要はありません。行き先が変わったときだけで十分です。ただし同じ山でも年度が変わったら、金額と期間だけは見直してください。

よくある質問

Q. 入山料を払わないとどうなりますか

富士山の山梨県側・静岡県側については、条例に基づき、入山料(通行料)の納付が入山の条件として明記されています。それ以上のこと、たとえば罰則の有無については、山梨県・静岡県いずれの現行の公式ページにも記載を確認できていません。この記事では、確認できていないことは書かない方針をとっています。納付が入山の条件である以上、支払いを前提に計画してください。

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Q. 協力金は任意なら払わなくてもいいのですか

法的な強制力という意味では、任意の協力金に支払い義務はありません。環境省も、任意の協力金を「法的強制力を伴わないもの」として整理しています。ただし、そのお金は登山道の整備やトイレの維持といった、登山者が直接受け取っている便益の原資になります。払える状況にあるなら納める、という判断が自然でしょう。

編集部の見立て:任意という言葉は「払わなくていい」の許可ではなく、「あなたの判断に委ねます」という意味だと受け取っています。判断するには、まず制度があることを知っている必要があります。

Q. 立山には入山料や協力金はありますか

本記事で確認できた範囲では、立山に富士山のような入山料の制度は見当たりませんでした。富山県・立山町の公式ページでも、該当する制度を確認できていません。ただし「確認できなかった」ことは「存在しない」ことの証明にはなりません。訪れる予定があるなら、出発前に富山県および立山町の公式ページで最新の案内を確認してください。

Q. 家族で登る場合、子どもの分も必要ですか

制度によって扱いが分かれます。屋久島の環境保全協力金は中学生以上が対象です。伊吹山の入山協力金は、子どもと障がいのある方が対象外とされています。尾瀬(群馬県域)の実証実験も、中学生以下と管理者等は対象外です。一方、富士山の入山料・通行料について年齢による扱いの違いは、この記事では扱っていません。人数分の金額を計算する前に、対象年齢を公式ページで確認してください。

Q. 一度払えば同じシーズン中は何度でも入れますか

制度によります。大山には年間3,000円、伊吹山には年間協力金カード1,000円という、年単位の設定があります(いずれも2026年8月25日確認時点)。この2つは繰り返し登る人に向いた仕組みです。一方、富士山の入山料・通行料は1人1回4,000円という単位なので、登るたびに必要になります。

Q. 去年調べた金額をそのまま使っても大丈夫ですか

おすすめしません。甘利山の協力金は2025年度に始まったばかりですし、尾瀬(群馬県域)は2026年度も実証実験という位置づけです。静岡県側の富士山では、かつての任意の保全協力金が2024年度で終了し、現在は条例に基づく義務の入山料に切り替わっています。制度そのものが入れ替わることがあるため、年度が変わったら金額・期間・支払い方法の3点は必ず引き直してください。

この記事の数値は、すべて2026年8月25日に各公式ページを確認した時点のものです。以降の変更は反映されていません。山行の直前に、行き先の自治体・環境省・管理団体の公式ページで必ず最新情報を確認してください。

まとめ:今日やることは1つ

この記事で扱った制度は9つ。そのうち条例に基づく義務は富士山の2県だけで、残りはすべて任意の協力金でした。金額の幅は300円から4,000円、徴収の期間は「通年」から「年15日間」まで、支払い方法は現金のみからアプリ決済まで散らばっています。共通のルールは無く、行き先ごとに調べるほかありません。

編集部の見立て:だからこそ、覚えるべきは金額そのものではなく「調べる場所」です。行き先の自治体の公式サイトを1回開けば、その山のことは9割わかります。

今日やることは1つです。次に行く予定の山について、自治体の公式ページを1つだけ開いて確認する。それだけで、当日に現金が無くて困る事態はほぼ防げます。

  1. 次の山行の行き先を1つ決め、その山の所在する市町村名か都道府県名と「入山協力金」で検索して、公式ページを開く
  2. 「義務か任意か」「金額」「2026年度の徴収期間」「支払い方法」の4点だけをメモし、自分の山行日が期間に入るか照合する
  3. 現金が必要なら500円硬貨と千円札を分けて用意し、事前決済が必要なら出発前に手続きを済ませる

この記事の要約を1行で:義務なのは富士山だけ(山梨県側は通行料、静岡県側は入山料、どちらも1人1回4,000円・2026年8月25日確認時点)。屋久島・大山・伊吹山・甘利山・妙高山と火打山・尾瀬・白山はいずれも任意の協力金で、金額と期間と支払い方法がそれぞれ違う。だから行き先ごとに公式で確認する。

編集部の見立て:制度が増えていること自体は、山を維持する費用が足りていないことの裏返しです。任意の協力金に出会ったら、その山の維持にかかる費用を見せてもらっている、と考えると納得しやすくなります。

出典

  • 山梨県「富士山吉田ルートの通行料」 https://www.pref.yamanashi.jp/fujisan/siyouryou.html (2026年8月25日確認)
  • 静岡県「富士登山における入山料」 https://www.pref.shizuoka.jp/kankosports/kanko/mtfuji/1002809/1072062.html (2026年8月25日確認)
  • 静岡県「富士山保全協力金(2024年度終了)」 https://www.pref.shizuoka.jp/kankosports/kanko/mtfuji/1002809/1019061.html (2026年8月25日確認)
  • 環境省 屋久島世界遺産センター「世界自然遺産屋久島山岳部環境保全協力金」 https://www.env.go.jp/park/yakushima/ywhcc/tozan/donation.html (2026年8月25日確認)
  • 鳥取県「大山入山協力金制度」 https://www.pref.tottori.lg.jp/318477.htm (2026年8月25日確認)
  • 米原市「伊吹山入山協力金」 https://www.city.maibara.lg.jp/mtibuki/about_tozan/20361.html (2026年8月25日確認)
  • 韮崎市「甘利山環境保全協力金」 https://www.city.nirasaki.lg.jp/soshikiichiran/shoukoukankouka/kankotanto/unesco/10448.html (2026年8月25日確認)
  • 妙高市「妙高山・火打山地域の入域料」 https://www.city.myoko.niigata.jp/docs/62881.html (2026年8月25日確認)
  • 石川県「白山の登山者用トイレとトイレチップ」 https://www.pref.ishikawa.lg.jp/hakusan/tozaninf/toilettip.html (2026年8月25日確認)
  • 群馬県「令和8年度ぐんま尾瀬入域協力金実証実験」 https://www.pref.gunma.jp/site/houdou/766039.html (2026年7月9日更新/2026年8月25日確認)
  • 環境省「国立公園等における利用者負担のあり方に関するガイドライン(概要)」 https://www.env.go.jp/nature/mankitsu-project/pdf/fee_system_guidelines_summary.pdf (2026年3月公表/2026年8月25日確認)
  • 環境省「地域自然資産法」 https://www.env.go.jp/nature/national-trust/n-trust_law/index.html (2026年8月25日確認)
  • e-Gov法令検索「自然公園法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/332AC0000000161 (2026年8月25日確認)

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