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日帰りの低山を始めるための装備一式を、型番とメーカー公表価格だけで積み上げると、約77,700円から約111,400円(2026年8月18日確認時点・税込)になります。安全に必要な最低限をそろえた「最小構成」が下限、続ける前提で最初から買っておくものまで入れた「快適構成」が上限です。
この幅の広さこそが、検索しても金額が定まらない理由でもあります。3万円台と書いている記事も、15万円と書いている記事もあり、どちらも嘘ではありません。品目の数と、価格帯の取り方が違うだけ。だから当記事では、品目・型番・価格をすべて表に出したうえで、見出しの総額と表の合計を一致させます。
まず装備そのものの全体像を押さえたい場合は、登山に必要なものの全体像を先に見てから戻ってくると、この記事の金額表が読みやすくなります。装備より先に「何から手をつけるか」で迷っているなら、登山の始め方の手順のほうが近道です。
- 日帰り低山の装備一式は約77,700円〜約111,400円(2026年8月18日確認時点)。山岳保険まで含めると約80,500円〜約114,200円
- 最小構成6品目・快適構成7品目の、型番と金額をすべて公開した積み上げ表
- 買う順番は靴→ザック→レインウェア。その順になる理由を費用対効果で説明
- レンタルと購入の損益分岐は7回目・9回目。自分の登る回数で計算できる式つき
- 「これは後回しでよい」品目の判定リストと、逆に削ってはいけない線引き
日帰り低山の装備費用は「最小構成 約77,700円/快適構成 約111,400円」から考える
最小構成とは、無雪期の日帰り低山を歩くうえで、欠けると安全側が崩れる品目だけを集めた組み合わせのことです。快適構成は、そこに「続けるなら初回から持っていたほうが結果的に安く済むもの」を足した組み合わせを指します。
先に総額を置きます。装備だけなら約77,700円〜約111,400円、これに山岳保険の年額を足すと約80,500円〜約114,200円(いずれも2026年8月18日確認時点)。端数まで書ける理由は、価格帯ではなく型番の公表価格で積んでいるからです。
装備一式の総額(2026年8月18日確認時点・税込)
最小構成 6品目 = 77,715円/快適構成 7品目 = 111,375円
+ 山岳保険(YAMAP登山保険「登山特化」プランは2,800円/年〜)
ここで一度、数字から離れます。総額が8万円前後と聞いて高いと感じたなら、その感覚は正しい。一方で、その8万円のうち約6万4千円は靴・ザック・レインウェアの3点で占められていて、この3点は数年単位で使うものです。つまり「初期費用が高い趣味」というより、最初にまとまった買い物が1回あって、そのあとは消耗品だけという形になります。
編集部の見立て:上位に出てくる「3万円で始められる」の多くは、ヘッドライトやベースレイヤーを数えていないか、価格帯の下限だけを拾っています。数え方を変えれば数字は動く。だから当記事は品目を全部並べます。


費用を決める基準は3つしかない
基準とは、迷ったときに「これは今買うか、後にするか」を機械的に決めるための物差しのことです。当サイトでは次の3つだけで判定します。品目の数だけ悩むと決まらないので、物差しの数を絞ります。
基準1:足りないと引き返せなくなるか
足元が滑る、雨で体温が奪われる、日没に行動できない。この3つは、山の中で「お金を出せば解決する」場面が存在しません。靴・レインウェア・ヘッドライトが最小構成から外れないのは、この理由です。逆に言えば、行動を止められない品目にだけ最初の予算を寄せれば、総額は抑えられます。
基準2:手持ちの生活用品で代用が効くか
Tシャツもソックスも、家にあるもので歩けてしまいます。ただし綿素材は乾きが遅く、汗が冷えたときに体温を持っていかれる。ここは「代用できるが、代用の質が落ちる」領域で、金額も小さい。合計5千円台で置き換えられるので、最小構成にも入れています。
基準3:体格とサイズに依存するか
靴とザックは、体に合っていないと価格に関係なく使えません。サイズ選びが必要な品目は、レンタルや譲り受けで済ませにくい。逆にヘッドライトやポールは体格の影響が小さく、後から買い替えても無駄になりにくい品目です。
- 足りないと引き返せない → 最初に買う(靴・レイン・ヘッドライト)
- 代用は効くが質が落ちる → 安価なので同時に買う(ベースレイヤー・ソックス)
- 体格依存が大きい → 試着して買う(靴・ザック)
- 体格依存が小さく後から足せる → 後回しでよい(ポール・ゲイター類)
最小構成6品目の内訳は77,715円(2026年8月18日確認時点)
最小構成とは、削ると安全側が崩れる線の内側だけで組んだ一式です。ここから何かを抜くと、天候が変わった日に選択肢が消えます。日帰り 無雪期の低山
| 品目 | 型番・モデル | 公表スペック | 価格(2026年8月18日確認時点・税込) |
|---|---|---|---|
| 登山靴 | キャラバン C1_02S | 約590g(26.0cm片足) | 20,900円 |
| ザック | マムート リチウム 30(2530-03152) | 930g/容量30L | 23,100円 |
| レインウェア | ミズノ ベルグテックEX ストームセイバーVI(A2MG8A01) | 上下セット/約550g(Mサイズ) | 19,800円 |
| ベースレイヤー | モンベル ジオライン L.W. Tシャツ Men's(1107737) | 平均重量96g | 3,080円 |
| ソックス | キャラバン メリノウール・パイルソックス(0142003) | メリノウール69%・ナイロン23%・ポリウレタン8% | 2,365円 |
| ヘッドライト | ブラックダイヤモンド スポット400 | 78g(電池込)/400ルーメン/IPX8 | 8,470円 |
| 合計 | 6品目 | — | 77,715円 |
合計が77,715円。見出しの金額と表の合計は一致しています。数字の話が続いたので、いったん言い換えます。最小構成の約8割は、靴・ザック・レインウェアの3点。残りの4品目は全部足しても14,000円ほどで、総額を左右しません。予算を削る努力の大半は、3点のどれかを妥協するかどうかの話に帰着します。
登山靴:キャラバン C1_02S(20,900円)が入門の基準になる理由
キャラバンのC1_02Sは、公式サイトの公表値で26.0cm片足あたり約590g、価格は20,900円(税込・2026年8月18日確認時点)。入門用として長く売られている型で、価格と入手性の両方が読めるのが利点です。登山靴は体格依存が大きい品目なので、実店舗で試着してからサイズを確定させ、同じ型番を通販で追加する使い方もできます。
足首まで覆うミッドカットは、下りで小石を踏んだときに足首が外へ倒れるのを抑えます。低山でも、木の根と落ち葉が重なる区間では捻挫のリスクが上がる。この1点だけでも、スニーカーとの差は明確です。サイズ感やモデルごとの違いは、登山靴のメンズ8モデル比較で並べています。
レインウェア:上下セットで19,800円という「実額のズレ」
ミズノのベルグテックEX ストームセイバーVI(品番A2MG8A01)は、耐水圧30,000mm以上・透湿性約16,000g/m²-24h、Mサイズで約550gという公表値で、19,800円(税込・2026年8月18日確認時点)。重さは500mlのペットボトル1本ぶんとほぼ同じで、ザックの上蓋に入れておける範囲です。
ここで、費用を比較するときに見落とされやすい点を1つ。レインウェアには「上下セットの価格」と「ジャケット単体の価格」が混在しています。たとえばモンベルのサンダーパス ジャケット Men's(1128770)は13,600円(税込・2026年8月18日確認時点)で平均重量313gと軽量ですが、これは上のみの価格で、パンツは別売です。セット価格と単体価格を並べて安い方を選ぶと、上下そろえた実額では逆転します。当記事では、今回パンツ側の価格を取得できていないため、上下の総額が確定するミズノを最小構成に置いています。
編集部の見立て:他サイトの費用表で「レインウェア 13,000円台」と書かれていたら、上だけの価格でないかを確認したほうが安全です。ズボンを足した瞬間に、想定総額が1万円単位で動きます。
ベースレイヤーとソックス:合計5,445円で汗冷えの側を埋める
モンベルのジオライン L.W. Tシャツ Men's(品番1107737)は平均重量96g、3,080円(税込・2026年8月18日確認時点)。化繊の薄手で、汗を含んだまま肌に張り付きにくい構造をうたっています。綿のTシャツから置き換える価値があるのは、稜線で風に当たる数分間の体感が変わるためです。
着替えを含めて2枚持ちにするなら、同じ品目をもう1枚足して3,080円ずつ加算する計算になります。とはいえ初回は1枚で足ります。金額の小ささのわりに効き目が大きい品目なので、最小構成から外さない判断にしました。
ソックスはキャラバンのメリノウール・パイルソックス(0142003)で2,365円(税込・2026年8月18日確認時点)。素材構成はメリノウール69%・ナイロン23%・ポリウレタン8%と公表されています。靴擦れは、靴のサイズだけでなく靴下の厚みと生地のヨレでも起きるため、靴とセットで考える品目です。持ち物全体の抜けは、日帰りの持ち物リストで抜けを確認しておくと、当日の朝に慌てずに済みます。
ヘッドライトを「日帰りだから要らない」と判断するのは危険側です。コースタイムが1時間ずれるだけで、樹林帯の中は先に暗くなります。ブラックダイヤモンド スポット400は8,470円(税込・2026年8月18日確認時点)ですが、この製品の日本正規代理店は2026年8月末をもって株式会社ロストアローから株式会社ブルーシープへ承継される旨が代理店ページに告知されていました。購入前に販売ページと価格を各社の公式で最新の状態を確認してください。
快適構成7品目の内訳は111,375円(2026年8月18日確認時点)
快適構成とは、月1回ペースで続ける前提に立ったとき、後から買い直す手間と出費を先に潰しておく組み合わせのことです。最小構成との差は33,660円。ここが「もう少し出すか」の判断ポイントになります。
| 品目 | 型番・モデル | 公表スペック | 価格(2026年8月18日確認時点・税込) |
|---|---|---|---|
| 登山靴 | メレル MOAB 3 SYNTHETIC MID GORE-TEX | 約470g(27.0cm片足) | 23,100円 |
| ザック | ミレー サースフェー NX 30+5(MIS0756) | 約1,500g/容量30+5L | 28,050円 |
| レインウェア | ミズノ ベルグテックEX ストームセイバーVI(A2MG8A01) | 上下セット/約550g(Mサイズ) | 19,800円 |
| ベースレイヤー | モンベル ジオライン L.W. Tシャツ Men's(1107737) | 平均重量96g | 3,080円 |
| ソックス | キャラバン メリノウール・パイルソックス(0142003) | メリノウール69%ほか | 2,365円 |
| ヘッドライト | ペツル アクティック コア | 88g/625ルーメン/充電池対応 | 13,530円 |
| トレッキングポール | シナノ FAST-125A/S | 約264g/本(組で約528g)/100〜125cm | 21,450円 |
| 合計 | 7品目 | — | 111,375円 |
登山靴:メレル MOAB 3 SYNTHETIC MID GORE-TEXの片足約470gが効く場面
メレルのMOAB 3 SYNTHETIC MID GORE-TEXは、公式の商品データで27.0cm片足あたり約470g、23,100円(税込・2026年8月18日確認時点)。防水透湿素材のGORE-TEXを備えたミッドカットです。最小構成に置いたキャラバンC1_02Sの約590g(26.0cm片足)と比べると、サイズの基準が違うため単純な差ではないものの、片足で100g前後、両足では200g前後の開きが公表値の上では生じます。
この差が効くのは、標高差500mを超える下りの後半です。1歩あたりの重さは小さくても、数千歩ぶん積み上がると、脚の残り方に差が出ます。快適構成の靴にこのモデルを置いたのは、価格差2,200円に対して軽量化の幅が読めるからで、初回から長く履く前提なら妥当な差額と判断しました。
ザック:ミレー サースフェー NX 30+5(28,050円)の「+5」は何の余白か
ミレーのサースフェー NX 30+5(型番MIS0756)は容量30+5L、重量約1,500g、28,050円(税込・2026年8月18日確認時点)。1,500gは、500mlのペットボトル3本ぶんに相当する重さで、背負う道具としては軽い部類ではありません。そのぶん背面長を調整できる構造を持ち、体格に合わせて荷重の乗る位置を変えられます。
「+5」は雨蓋を引き上げて容量を足せる余白のこと。日帰りで30Lは大きく感じますが、レインウェア上下・防寒着・行動食・1L以上の水を入れると、20L台前半では詰め込む形になります。詰め込んだザックは重心が外へ出て、肩に負担が寄る。容量の考え方はザックの容量の決め方で整理しています。
ヘッドライト:ペツル アクティック コア(13,530円)は充電池ぶんの差額
ペツルのアクティック コアは88g、最大625ルーメン、専用充電池「コア」に対応して13,530円(税込・2026年8月18日確認時点/公式表記の税抜定価は12,300円)。最小構成のスポット400(400ルーメン・8,470円)との差額は5,060円です。
差額の中身は、明るさと、電池の運用方法。乾電池式は予備電池を買い続けることになり、充電式は充電を忘れると出発直前に困ります。どちらが得かは登る頻度で変わりますが、月1回以上のペースなら電池代が積み上がるため、充電池対応の側に寄せる判断が立ちます。ヘッドライトは、明るさより「必ず持っていること」のほうが価値が大きい点は共通です。
快適構成の合計111,375円のうち、最小構成から増えたぶんは33,660円(靴2,200円+ザック4,950円+ヘッドライト5,060円+ポール21,450円)。増加分の6割強はトレッキングポール1点で、これは後述のとおり後回しにできる品目です。ポールを外せば約89,900円まで下がります。
買う順番は靴→ザック→レインウェア。理由は費用対効果で決まる
買う順番とは、予算を一度に用意できないときに、どの品目から先に確定させるかの優先順位のことです。安い順でも、使う頻度順でもありません。「代わりが効かない度合い」と「体格依存の強さ」の掛け算で決めます。


1番目が靴:唯一「歩けなくなる」品目だから
靴が合わないと、その日の行程そのものが成立しません。マメができた足で下り2時間を歩く事態は、装備の中でもっとも回避しにくい失敗です。しかもサイズ合わせが必要なので、他人からの借り物やレンタルで代替しにくい。だから最初の20,900円〜23,100円(2026年8月18日確認時点)はここに置きます。
2番目がザック:荷物の総重量を背中で支える構造だから
デイパックでも歩けます。ただし腰ベルトが無いタイプは、荷重が全部肩に乗る。5kgを肩だけで4時間背負うのと、腰と肩で分けるのとでは、翌日の疲れ方が変わります。登山口で肩のストラップを締め直す場面をよく見かけますが、あれは荷重が肩に寄っている合図です。
3番目がレインウェア:使わない日が続き、必要な日に代わりが無いから
晴れ予報の日帰りが3回続くと、レインウェアは「まだ要らない」に見えてきます。ところが山では、麓が晴れていても稜線で降られることがある。傘とウィンドブレーカーでは、風のある雨を防げません。使用頻度が低いのに優先度が高い、という順番のねじれが起きる唯一の品目です。
編集部の見立て:予算が足りないときに削る候補として最初に挙がるのがレインウェアですが、削るならポールとヘッドライトの明るさのほうが先です。ヘッドライトそのものは残してください。
ソックスは靴と同時に買うのが合理的です。厚みが変わると靴の中の余裕も変わるため、靴のサイズを決める段階で履いておくと、後から合わないことが減ります。キャラバンのメリノウール・パイルソックス(0142003)は2,365円(税込・2026年8月18日確認時点)で、パイル地の厚みが靴擦れの起きやすい踵まわりに入る構造です。
ブランドを決め打ちにする必要はありませんが、サイズ表記の癖や修理対応の窓口はメーカーごとに違います。どこで買うかを迷う段階なら、登山ブランドの特徴の違いを先に見ておくと、店頭での試着が早く終わります。
「ワークマンで全部そろう」という説明を見かけますが、店舗在庫が中心で通販での入手性が読みにくく、当記事の積み上げでは価格の再現性を担保できませんでした。通販で上下セットの耐水圧・透湿性の公表値まで確認できるものとしては、上で挙げたミズノのベルグテックEX ストームセイバーVI(19,800円・2026年8月18日確認時点)が同じ役割を担えます。
レンタルと購入の損益分岐は「7回目」と「9回目」
損益分岐とは、レンタル料の累計が購入総額を上回る回数のことです。年に何回登るかが決まっていない段階では、この回数が判断の軸になります。
やまどうぐレンタル屋の公式サイトでは「6点セット12,400円〜(税込)」という金額が確認できました(2026年8月18日確認時点)。ただし、この金額がどのプランに対応するかは公式ページの記載から特定できていません。セットに何が含まれるかを含め、申し込み前に公式で最新の内容を確認してください。以下は、1回あたり12,400円と置いた場合の計算です。
損益分岐回数の式
損益分岐回数 = 装備一式の合計 ÷ レンタル1回の料金(端数は切り上げ)
最小構成:77,715円 ÷ 12,400円 = 6.3 → 7回目から購入が有利
快適構成:111,375円 ÷ 12,400円 = 9.0 → 9回目から購入が有利
| 登る回数 | レンタル累計(12,400円/回) | 最小構成を購入(77,715円) | 快適構成を購入(111,375円) |
|---|---|---|---|
| 3回 | 37,200円 | 77,715円 | 111,375円 |
| 6回 | 74,400円 | 77,715円 | 111,375円 |
| 7回 | 86,800円 | 77,715円 | 111,375円 |
| 9回 | 111,600円 | 77,715円 | 111,375円 |
※レンタル料は2026年8月18日確認時点の「6点セット12,400円〜」を1回あたりの単価として仮置きした試算。装備価格はいずれも同日確認時点の税込。
回数を年数に置き換えます。年2回のペースなら購入が有利になるのは3〜4年目以降、月1回なら7〜9か月目です。「とりあえず2〜3回登ってみて、続きそうなら買う」は、金額の上では理にかなった選び方ということになります。
ただし、この試算には注意点が2つあります。1つは、ソックスやベースレイヤーのように肌に触れる品目はレンタルの対象外である場合が多く、実際には自前で用意する必要があること。もう1つは、往復の送料や受け取りの手間が回数ぶん発生することです。含まれる品目は公式の案内で確認してください。
山岳保険の費用と、費用がかからない「登山届」
山岳保険とは、遭難時の捜索・救助費用や、行動中のケガ・賠償に備える保険の総称です。装備費に隠れがちですが、初期費用の一部として先に見積もっておくと、総額の見え方が変わります。
YAMAPの登山保険では「登山特化」プランが2,800円/年〜と公表されています(2026年8月18日確認時点)。装備の総額に対して数パーセントの負担で、最小構成に足しても約80,500円、快適構成に足しても約114,200円の水準に収まります。
山岳保険は各社で補償範囲・加入条件・保険料の設定が大きく異なり、年額型・短期型・会員制の救助組織など仕組みも別物です。当記事では、公式サイトで金額を確認できたもの以外は掲載していません。日本山岳救助機構(jRO)やモンベルの保険を含め、保険料と補償内容は各社の公式サイトで最新の情報を確認してください。1日単位で入れるタイプの選び方は1日単位で入れる山岳保険にまとめています。
費用はかからないものの、必ず必要になる手続きが1つあります。登山計画書(登山届)の提出です。長野県では「長野県登山安全条例」により、指定登山道を通行する場合に登山計画書の提出が義務づけられています(平成28年=2016年7月1日施行)。提出そのものは無料ですが、当日の朝に慌てて書くと計画が雑になる。装備をそろえる段階で、行き先とコースタイムを一緒に決めておくと手戻りがありません。
なお、体調の異変や事故・遭難が疑われる状況では、費用の判断より先に、消防・警察・自治体の窓口へ連絡してください。判断を自分で抱えないことが、結果としてもっとも損失の小さい選択になります。
「これは後回しでよい」判定リスト
後回しでよい品目とは、無いことで行動が止まらず、かつ後から買っても無駄にならないもののことです。当サイトの判定は次のとおりです。
| 品目 | 判定 | 理由 | 目安金額(2026年8月18日確認時点) |
|---|---|---|---|
| トレッキングポール | 後回しでよい | 体格依存が小さく、後から足しても組み合わせが崩れない | 21,450円 |
| ヘッドライトの高輝度モデル | 後回しでよい | 持っていること自体が要件。明るさの上乗せは後で足せる | 差額5,060円 |
| ザックの容量アップ | 後回しでよい | 日帰りなら30L前後で足りる。泊まりを始める段階で考える | 差額4,950円 |
| 登山靴 | 後回しにしない | 合わないと行程が成立しない。サイズ合わせが必要 | 20,900円〜23,100円 |
| レインウェア上下 | 後回しにしない | 必要になる日に代わりが無い | 19,800円 |
後回し枠の代表がトレッキングポールです。シナノのFAST-125A/Sは約264g/本(組で約528g)、使用サイズ100〜125cm、21,450円(税込・2026年8月18日確認時点)。国内メーカーの製品で公式サイトに価格と仕様が明記されており、快適構成の積み上げにも入れています。
膝への負担を分散させたい人、下りで不安がある人には役立ちますが、無いと歩けないわけではない。快適構成と最小構成の差額33,660円のうち21,450円がこの1点で、ポールを1年目に見送るだけで、快適構成は約89,900円まで下がります。急ぐ買い物ではありません。
編集部の見立て:ポールは海外ブランドの選択肢も多いのですが、日本の正規代理店ページで定価まで確認できないモデルもあります。実売価格しか出てこない製品を「定価」として比較すると、あとで金額がずれます。
この積み上げが向かない人・デメリット
当記事の金額は、メーカーの公表価格を積んだ数字です。そのため、次のようなケースでは実額と合いません。
- とにかく安く始めたい人:型落ちモデル、アウトレット、中古を組み合わせれば下限はもっと下がります。当記事の金額は現行品の公表価格ベースなので、上振れして見えます
- 季節や標高が違う人:無雪期・日帰り・低山の前提です。積雪期や標高の高い山では、防寒着やアイゼン類が別途必要になり、この総額では収まりません
- すでに一部を持っている人:ザックや靴を持っているなら、その金額を表から引くだけで自分の数字になります
- 富士登山を目標にしている人:日帰り低山とは装備要件が変わるため、当記事の構成は流用できません
もう1つ、正直に書いておきます。表に載せた価格は、セール・値上げ・モデルチェンジで動きます。当記事は2026年8月18日確認時点の数字であり、数か月後には別の金額になっている可能性があります。費用を調べるときは、記事の更新日を必ず見てください。上位に並ぶ記事の中には、更新日が数年前のまま総額だけが残っているものもあります。
よくある質問
Q. 登山の装備費用は最低いくらから始められますか?
A. 現行品を公表価格でそろえる前提だと、当記事の最小構成で77,715円(2026年8月18日確認時点)です。ここから安くするなら、中古・型落ち・アウトレットを使う方法がありますが、価格の再現性が無いため当記事では金額に含めていません。レンタルなら6点セット12,400円〜(2026年8月18日確認時点・プラン内容は要確認)で1回ぶんをレンタルに置き換える選択肢も残っています。
Q. 最小構成と快適構成、どちらを選べばよいですか?
A. 年に何回登るかで決まります。年2〜3回なら最小構成で足り、月1回以上のペースを想定するなら快適構成のほうが買い替えの手間が減ります。判断がつかない段階では、最小構成で始めてトレッキングポールやヘッドライトの上位モデルを後から足す形が無駄になりにくい方法です。
Q. 靴とザックとレインウェア、1つだけ買うならどれですか?
A. 靴です。行程そのものが成立しなくなる唯一の品目で、サイズ合わせも必要なため借り物で代替しにくい。価格は20,900円〜23,100円(2026年8月18日確認時点)が入門の目安になります。
Q. 装備費のほかに、初期費用として必要なものはありますか?
A. 山岳保険と、交通費・行動食です。保険はYAMAPの登山特化プランで2,800円/年〜(2026年8月18日確認時点)。登山計画書の提出は無料ですが、長野県のように条例で義務づけられている区域があります。
Q. レインウェアは上下そろえる必要がありますか?
A. 風のある雨では、下半身が濡れると体温が下がります。上下セットで19,800円(2026年8月18日確認時点)の製品があるため、ジャケット単体を選んで後からパンツを足すより、実額では収まりやすい形です。
まとめ:今日やることは「靴のサイズを決める」1つだけ
日帰り低山の装備一式は約77,700円〜約111,400円(2026年8月18日確認時点)、山岳保険まで含めると約80,500円〜約114,200円。金額の幅は、快適構成に入れたポール・ヘッドライト・ザックの差でほぼ説明がつきます。
全部を今日そろえる必要はありません。買う順番が決まっているので、上から順に埋めていけば予算を分割できます。まず足元を確定させることが、総額のうちもっとも取り返しのつかない部分を先に潰す動きになります。
- 登山靴を試着してサイズを確定させる(20,900円〜23,100円・2026年8月18日確認時点)
- 日帰りの持ち物リストで抜けを確認し、手持ちで代用できる品目を表から引く
- 行き先を決めて、山岳保険の加入と登山計画書の提出をセットで済ませる
装備の全体像をもう一度確認したいときは登山に必要なものの全体像へ、山選びから組み立て直したいときは登山の始め方の手順へ戻ってください。
参考・出典
- キャラバン公式「C1_02S」 https://www.caravan-web.com/product/0010106/(2026年8月18日確認)
- キャラバン公式「メリノウール・パイルソックス(0142003)」 https://www.caravan-web.com/product/0142003/(2026年8月18日確認)
- メレル公式「MOAB 3 SYNTHETIC MID GORE-TEX」 https://merrell.jp/products/mens_moab-3-synthetic-mid-gore-tex(2026年8月18日確認)
- ミレー公式「サースフェー NX 30+5(MIS0756)」 https://www.millet.jp/c/hardware/backpacks/30-49l/MIS0756(2026年8月18日確認)
- マムート公式「リチウム 30(2530-03152)」 https://www.mammut.jp/items/2530-03152(2026年8月18日確認)
- ミズノ公式「ベルグテックEX ストームセイバーVI(A2MG8A01)」 https://jpn.mizuno.com/ec/disp/attgrp/A2MG8A01/(2026年8月18日確認)
- モンベル公式「サンダーパス ジャケット Men's(1128770)」 https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1128770(2026年8月18日確認)
- モンベル公式「ジオライン L.W. Tシャツ Men's(1107737)」 https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1107737(2026年8月18日確認)
- シナノ公式「トレッキングポール FAST-125A/S」 https://sinano.co.jp/suntrace/fast125as.php(2026年8月18日確認)
- ペツル公式(日本)「ACTIK CORE」 https://www.petzl.co.jp/headlamp/actik-core/(2026年8月18日確認)
- ロストアロー(ブラックダイヤモンド日本正規代理店)「スポット400」 https://www.lostarrow.co.jp/store/g/gBD81308001/(2026年8月18日確認/2026年8月末をもって株式会社ブルーシープへ承継の告知あり)
- YAMAP「YAMAP登山保険」 https://yamap.com/insurance/(2026年8月18日確認)
- やまどうぐレンタル屋 https://yamarent.jpn.org/(2026年8月18日確認/「6点セット12,400円〜」はプラン内容との対応が公式ページ本文から特定できていません)
- 長野県公式「長野県登山安全条例」 https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/tozanjorei/tozanjorei.html(2026年8月18日確認)
