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買ったときは黒々としていた登山靴の裏が、いつのまにかツルツルになっている。濡れた木の根や下山の泥で、以前より足が滑る気がする。玄関で靴を裏返してみて、「これはもう買い替えなのか、それともソールだけ替えられるのか」と迷ったまま、しばらく棚に戻してある——登山を1年、2年と続けている方から、いちばんよく出てくる悩みのひとつです。
登山靴のソール張り替え(リソール)は、たしかに実在する修理です。ただ、この分野は「登山靴なら普通は張り替えられる」と言い切れるほど単純ではありません。同じブランドでも張り替えられるモデルとできないモデルがあり、構造上は対応していても靴の状態しだいで断られることがあります。費用も、公式に金額を出している会社と、まったく公開していない会社に分かれます。納期にいたっては、社によって「約1か月」と「約8〜10週間」ほどの開きがあります。
そこでこの記事では、2026年8月20日時点で各社の公式ページに実際に書かれている内容だけを根拠に、張り替えられる靴の見分け方、公開されている費用と納期、断られるケース、そして張り替え後の防水の扱いまでを整理します。金額や日数を「相場」として丸めることはしません。公開されていないものは、公開されていないとそのまま書きます。そのほうが、あなたが窓口に問い合わせるときの準備として役に立つからです。
- ソール張り替え(リソール)で実際に交換される部位と、すり減り以外に張り替えを考える場面
- 張り替えられる靴・できない靴の分かれ方(製法・モデル・靴の状態の3つで決まる)
- 公式に金額を公開している社の実額と、公開していない社の見分け(相場には丸めません)
- 納期の実際、断られるケース、張り替え後の防水の扱い、そして依頼先の探し方
編集部の見立て:この記事でいちばん伝えたいのは「早めに窓口へ相談したほうが選択肢が多い」という一点です。ソールが減っているだけの段階と、内部まで傷んだ段階では、受けてもらえる修理の幅がまったく違います。
登山靴のソール張り替え(リソール)とは何をする修理か
リソールは、日本語ではソール張り替え、オールソール交換などと呼ばれます。ひとことでいえば、靴の「上まわり」であるアッパー(甲を包む革や生地の部分)を残したまま、足の下にある層を新しいものに作り直す修理です。アッパーが健全で、足に馴染んだ形が残っているなら、下だけを作り直して寿命を延ばそうという発想になります。
交換されるのはアウトソールだけとはかぎらない
「ソール張り替え」と聞くと、いちばん外側のギザギザした部分(アウトソール)だけを剥がして貼り替えるイメージを持つ方が多いのですが、実際の作業範囲はもう少し広いことがあります。モンベルは、リソールで交換する部位の例としてアウトソール、ミッドソール、ランドラバーを挙げています(2026年8月20日時点、モンベル公式)。
用語の整理です。アウトソールは接地するゴムの層で、グリップと耐摩耗を担います。ミッドソールはその内側にあるクッション層で、衝撃を吸収し、靴のねじれ剛性を作ります。ランドラバーはつま先やサイドをぐるりと巻いているゴムの縁で、岩や木の根から靴を守る部分です。
この「どこまで替わるのか」は、費用にも納期にも直結します。外側のゴムだけを貼り替えるのと、内部のクッション層まで作り直すのとでは、必要な工程がまったく違うからです。後述する費用の項目で、独立系の修理専門店がアウトソール交換とオールソール交換をはっきり別メニューにしているのも、この違いによるものです。
編集部の見立て:見積もりを取るときは「アウトソールだけ」なのか「ミッドソールまで含む」のかを、こちらから確認してみてください。金額の差の理由がわかると、提示された額に納得しやすくなります。
すり減り以外に張り替えを考える場面
張り替えを検討するきっかけは、ラグ(ソールの凹凸)がすり減ってグリップが落ちた、というのが最も多いパターンです。ただし、それだけではありません。もうひとつ、登山靴には固有の事情があります。
ミッドソールに使われる素材は、履いた回数だけでなく、経過した年月そのものによっても状態が変わっていくとされ、各社がそれぞれ年数の目安を出しています。LOWAの国内サポート窓口である岩谷産業のFAQは、ミッドソールについて「一般的には5年程度」という表現を使っています。登山靴の修理を専門に扱うASHIDOは「一般的に5~8年ほど」としています(いずれも2026年8月20日時点)。
年数の目安は、社によって表現に幅があります。およそ5年、使用状況によっては8年程度までという「幅」として受け取ってください。使用頻度と保管方法で変わる旨は各社が明記しています。単一の年数に丸めて「5年で寿命」と判断してしまうと、まだ使える靴を手放したり、逆に限界を超えた靴で歩き続けたりすることになります。
つまり、ソールの溝がまだ残っていても、購入から年数が経っている靴は一度点検の対象になる、ということです。逆に、ソールが減っているだけで内部が健全なら、張り替えて履き続けられる可能性があります。この2つの軸を分けて考えるのが、リソール判断の出発点になります。
張り替えられる靴と張り替えられない靴の見分け方
ここがこの記事の核心です。結論から言うと、可否は次の3つが重なって決まります。製法、モデル、そして今の靴の状態です。どれかひとつでも条件を外すと、張り替えはできません。
可否を決める3つの層:①その製法がソール交換を前提に作られているか → ②そのモデルが交換対象として設定されているか → ③今のあなたの靴が交換に耐える状態か。①②が通っても、③で止まることがあります。
製法で分かれる(LOWAの案内が明確です)
製法の違いが公式にはっきり書かれている例として、LOWAがあります。岩谷産業のFAQは、LOWAの登山靴についてボードラスティング製法のものはソール交換が可能で、インジェクション製法のものは交換できないと案内しています(2026年8月20日時点)。
ボードラスティングは、中底の板にアッパーを吊り込んで組み上げていく伝統的な作り方で、ソール部分を分離して付け直す前提の構造になっています。インジェクションは、金型の中で樹脂を直接アッパーに一体成型する作り方で、量産性と軽さに優れる一方、ソールだけを剥がして付け替えるという工程が想定されていません。
ただし、ここから「ボードラスティングなら必ず張り替えられる」と一般化しないでください。同じ岩谷産業のFAQは、交換可能な構造のモデルであっても、アッパーの損傷、ソールと本体の著しい破損・汚損がある場合には交換できないと明記しています。製法は「可能性の入口」であって、保証ではありません。
編集部の見立て:製法の話は分かりやすいので独り歩きしやすい部分です。ネット上の解説で「この製法なら大丈夫」とだけ書かれていたら、それは入口の話をしていると思ってください。最終的な可否は、必ず窓口が靴を見てから決まります。
モデルで分かれる(SCARPAとLA SPORTIVA)
製法名ではなく「モデル単位」で線を引いている会社もあります。SCARPAの正規輸入元であるロストアローのFAQは、ソール交換可能な構造に作られたモデルのみソール交換ができる、という趣旨の案内をしています(2026年8月20日時点)。つまり、判定はブランド全体ではなくモデルごとに行われます。
LA SPORTIVAはもっと視覚的な目印を用意しています。公式FAQによれば、商品ページに「RESOLE ME」のロゴが表示されているモデルが、ソール張り替えに対応するモデルです(2026年8月20日時点)。手元の靴のモデル名が分かれば、公式サイトの商品ページでこのロゴの有無を確かめられます。
モデル名は、多くの場合ベロ(タン)の裏側や、履き口の内側、インソールを外した中底などにタグやプリントで残っています。判定を依頼するときは、モデル名・サイズ・購入時期の3つを揃えておくと話が早く進みます。
モンベルも、自社製品のすべてがリソール対象というわけではありません。モンベルのメンテナンス情報のページには、軽登山靴や長靴などリソールできないモデルがあると案内されています(2026年8月20日時点)。ブランドの中で線が引かれている、という構図はここでも同じです。
ブランドの窓口は「他社の靴」を見てくれるとはかぎらない
もうひとつ、見落としやすい前提があります。メーカーのカスタマーサービスは、原則として自社製品の修理窓口です。モンベルのカスタマーサービスは、他社製ブーツの修理を受け付けていないと明記しています(2026年8月20日時点)。
これは冷たい対応ではなく、責任範囲の問題です。他社の靴の内部構造や使用材料を把握しないまま手を入れれば、仕上がりも安全性も保証できません。他社ブランドの靴を張り替えたい場合の受け皿になるのが、次章以降で触れる独立系の修理専門店です。
編集部の見立て:「登山用品店に持ち込めばどのブランドでも見てもらえる」と思い込んでいると、最初の一歩でつまずきます。まず自分の靴のブランドを確認し、そのブランドの正規ルートがあるかどうかから調べるのが最短です。


迷ったら、寿命の目安と買い替えの分かれ目を先に整理する
張り替えの見積もりを取る前に、そもそもこの靴は直して使う段階なのか、という問いに向き合っておくと判断が速くなります。ここで参考になるのが、メーカー自身の姿勢です。
モンベルは、靴全体の消耗度によってはリソールより買い替えを勧める場合があると案内しています(2026年8月20日時点)。修理を提供している側が、状況によっては修理を勧めないと明言しているわけです。これは、ソールだけ新品にしても、アッパーや内部が限界を迎えていれば安全な靴には戻らない、という現実を示しています。
判断の順番:①ソール以外の部分がまだ健全か → ②健全なら張り替えの見積もりへ → ③アッパーや内部にも傷みが出ているなら、張り替え費用を足しても割に合わない可能性がある。①を飛ばして②から入ると、費用をかけたあとで後悔しやすくなります。
靴の寿命をどこで見極めるか、買い替えに切り替える判断基準については、当サイトの別記事で詳しく扱っています。ソールの摩耗以外にどこを見ればよいか、何年目からが要注意なのかを知りたい方は、登山靴の寿命の見極め方をまとめた記事を先にご覧ください。この記事では、寿命そのものの解説は繰り返さず、張り替えという選択肢の実務に絞ります。
編集部の見立て:修理か買い替えかで迷う時間がいちばんもったいないので、判断材料は分けて置いておくのがおすすめです。寿命の見極めは別記事、張り替えの手続きはこの記事、という使い分けをしてみてください。
修理に出す前に、自分でできる点検ポイント
窓口に相談する前に、自分の靴を10分ほど点検しておくと、問い合わせの精度が上がります。ここで見るのは「修理できるかどうかを自分で判定する」ためではありません。窓口に伝えるべき情報を集めるためです。
- アウトソールの溝:かかとの外側と母指球の下が、地面と平らになるほど減っていないか
- ソールと本体のすき間:つま先やかかとで、貼り合わせ部分が口を開けていないか
- ミッドソールの側面:細かいひび、粉を吹いたような表面、押すと沈んだまま戻らない箇所はないか
- アッパーの革・生地:折れじわの谷で表面が割れていないか、縫い目のほつれはないか
- ランドラバー:つま先の巻きゴムが浮いていないか、剥がれかけていないか
- 金具まわり:ハトメやフックのぐらつき、欠損はないか
- 内側:かかとの内張りが擦り切れて、下地が出ていないか
- 購入時期:レシートや購入履歴が残っていれば、年月を確認する
このうち、可否判定に直結しやすいのがアッパーの状態です。前述のとおりLOWAは、交換可能な構造でもアッパーの損傷がある場合は交換できないとしています。ソールしか見ずに「まだ替えられるはず」と考えていると、窓口で想定外の回答を受け取ることになります。
ミッドソールのひび割れは、靴を履いた状態では見えにくい位置に出ることがあります。片手で靴のつま先とかかとを持ち、ゆっくり曲げてみてください。曲げた側面に線状の割れが浮き出るなら、内部の劣化が進んでいるサインとして窓口に伝えてください。
編集部の見立て:点検した箇所は、スマートフォンで写真に撮っておくと便利です。郵送で受け付ける修理店に事前相談するとき、写真があれば「まず送ってください」ではなく、具体的な見通しをもらえることがあります。
メーカー別・窓口別の受付方法
受付ルートは会社ごとに違います。ここを間違えると、往復の送料と時間を無駄にすることになります。2026年8月20日時点で公式ページから確認できた内容を整理します。
| ブランド/窓口 | 受付ルート | 可否の判定の考え方 | 公開されている金額 |
|---|---|---|---|
| モンベル | 自社カスタマーサービス(他社製ブーツは受付なし) | 軽登山靴・長靴などリソールできないモデルがある。消耗度によっては買い替えを勧める場合がある | 公開あり(一般的な登山靴のリソール「15,000円(税込)」) |
| SCARPA | 正規輸入元の案内に沿って依頼(2026年8月20日時点はロストアロー) | ソール交換可能な構造に作られたモデルのみ対応 | 金額を公開していない |
| LOWA | 購入販売店またはLOWA取扱店へ相談(直接受付ではない) | ボードラスティング製法は交換可、インジェクション製法は交換不可。加えて状態による個別判定あり | 金額を公開していない |
| LA SPORTIVA | オンライン購入は公式問い合わせ、実店舗購入は取扱店経由 | 商品ページに「RESOLE ME」ロゴがあるモデルが張り替え対応 | 金額を公開していない |
| ASHIDO(独立系の修理専門店) | 北海道の登山靴修理専門店。全国郵送対応 | LOWA・SCARPA・Zamberlanなど海外ブランドの対応を明記。アイゼン取付用の前コバ修理は不可 | 公開あり(コース別・税別表示) |
LOWAは「販売店経由」がルールになっている
表のなかでも注意したいのがLOWAです。岩谷産業のFAQは、ソール交換の相談窓口を購入した販売店またはLOWA取扱店としており、直接の受付ではないと案内しています(2026年8月20日時点)。つまり、輸入元へ直接靴を送る形ではなく、まずお店に持ち込む流れになります。
販売店経由という仕組みは、遠回りに見えて実は利点があります。店頭でスタッフが靴を見た段階で、明らかに条件を満たさないケースはその場で分かります。輸送してから断られる、という往復を避けられるという意味では、時間の節約になります。
SCARPAは2026年8月末で代理店体制が切り替わります
この記事は2026年8月20日に書いています。SCARPAの正規輸入元であるロストアローは、同社の代理店業務が2026年8月末で終了し、2026年9月1日から株式会社ブルーシープが代理店業務(ユーザーサポートを含む)を承継する旨を告知しています。修理業務そのものの移行の詳細については、告知に明記がありません。したがって、この記事に載せているSCARPAの受付方法・納期は2026年8月20日時点の情報であり、9月以降は窓口が変わる可能性があります。依頼前に必ず公式ページで最新の窓口をご確認ください。
体制の切り替わりが分かっているときは、こちらの動き方も変わります。急がない修理なら、移行後の案内が出るのを待ってから依頼するほうが、問い合わせ先の行き違いが起きにくくなります。逆に、シーズン前に間に合わせたい事情があるなら、現時点の窓口に「移行後の扱いはどうなるか」を含めて確認しておくのが安全です。
編集部の見立て:代理店の切り替えは、ユーザーからは見えにくいところで起きます。ブランド名で検索して最初に出てきたページが旧体制のままということも起こりうるので、日付の新しい公式告知にたどり着けているかを一度確かめてみてください。
他社ブランドの靴は独立系の修理店が受け皿になります
メーカー窓口が自社製品限定である以上、ブランド横断で相談できる先として独立系の修理専門店が選択肢になります。今回確認したASHIDOは北海道の登山靴修理専門店で、全国からの郵送に対応し、LOWA・SCARPA・Zamberlanなど海外ブランドの対応を明記しています(2026年8月20日時点)。
ただし、独立系にも受けられない領域があります。ASHIDOは、アイゼン取付用の前コバ(つま先側のコバ)の修理は不可で、その場合はメーカー修理を利用する旨を掲載しています。冬季に前爪のアイゼンを装着する靴を使っている方は、この点をあらかじめ確認しておいてください。
編集部の見立て:メーカーか、独立系か、という二択で考えるより、「自分の靴のブランドの正規ルートを先に当たり、そこで対象外なら独立系へ」という順番で考えるのが実務的です。
費用はどのくらいかかるか
ここは、この記事でいちばん慎重に書く部分です。結論として、登山靴のリソールに単一の「相場」を示すことはできません。公式に金額を出している社と、出していない社に、はっきり分かれているからです。
費用について言えること:金額を公開しているのはモンベル(メーカー直営の定額)とASHIDO(独立系のコース制)。SCARPA・LOWA・LA SPORTIVAは金額を公開していません。公開されていない社の金額を推測して並べると、実際の見積もりとの差で判断を誤ります。
公式に金額が公開されている社
| 依頼先 | メニュー | 公開されている金額 | 備考 |
|---|---|---|---|
| モンベル | 一般的な登山靴のリソール | 「15,000円(税込)」 | 交換部位の例はアウトソール・ミッドソール・ランドラバー |
| モンベル | ローカットシューズのかかと当て布修理 | 「2,000~2,500円(税込)」/片足 | ソール交換とは別メニュー |
| ASHIDO | アウトソール交換 | 税別14,000~18,000円 | ソールの種類・形状によって変動 |
| ASHIDO | オールソール交換 Bコース | 税別21,000円~ | コース制。上位コースほど作業範囲が広い |
| ASHIDO | オールソール交換 Cコース | 税別25,000円~ | 同上 |
| ASHIDO | オールソール交換 Dコース | 税別27,000円~ | 同上 |
この2社を並べると、金額の考え方そのものが違うことが分かります。モンベルは自社製品に対する定額表示で、税込です。ASHIDOはブランドを問わず受けるかわりに、作業範囲でコースを分け、税別で「~」付きの下限を示しています。同じ「ソール張り替え」という言葉でも、値付けの構造が違うわけです。
税表記が異なる点に注意してください。モンベルの金額は税込、ASHIDOの金額は税別です。単純に数字だけを並べて比べると、実際に支払う額の差を読み違えます。また、ASHIDOのオールソール交換は「~」が付いた下限表示なので、靴の状態によって上に動きます。
金額を公開していない社
SCARPA、LOWA、LA SPORTIVAについては、今回確認した公式ページの範囲でソール交換の金額を確認できませんでした。したがって、この記事では「金額を公開していない」とだけ書きます。これらのブランドの靴をお持ちの方は、見積もりを取るところから始めることになります。
金額を公開しない理由は、モデルや状態で作業範囲が変わるため、一律の金額を示すこと自体が難しい、という事情が考えられます。見積もりを依頼するときは、モデル名・購入時期・気になっている症状・写真をまとめて伝えると、やり取りの往復が減ります。
編集部の見立て:ネット上の記事で「登山靴のリソールは◯円くらい」と一本の数字が書かれていることがありますが、根拠になっている社が1社だけということも珍しくありません。金額を判断材料にするなら、どの社のどのメニューの金額なのかまで見てください。
納期はどのくらいか
費用と同じく、納期も社と修理範囲によって差があります。しかも、この差は「数日」ではなく「数週間」の単位です。
| 依頼先 | 対象 | 公開されている納期 | 繁忙期の扱い |
|---|---|---|---|
| SCARPA | ソール交換 | 到着後の修理完了まで約8〜10週間を予定 | 2026年8月20日時点の正規輸入元案内。9月以降は窓口が変わる可能性あり |
| LOWA | 靴修理(ソール交換を含む) | 「通常約1か月半」 | 年末年始や連休を挟む場合は「さらに1~2週間」と明記 |
| ASHIDO | アウトソール交換 | 納期目安1か月 | — |
| ASHIDO | オールソール交換 | 納期目安1か月半~ | — |
| モンベル | リソール | 公式ページで具体的な日数を確認できず | 修理はオフシーズンがおすすめという案内あり |
この表から読み取れることは2つあります。ひとつは、どの社でも「1か月以上」が前提だということ。もうひとつは、社によって1か月と2か月半近くの開きがあり、単一の目安日数を作ることはできない、ということです。
モンベルのリソールについては、今回確認した公式ページに具体的な納期日数の記載を確認できませんでした。したがってこの記事では日数を書きません。「修理はオフシーズンがおすすめ」という繁忙期に関する案内はあるため、時期をずらせるなら早めに動くのが得策です。
逆算すると、依頼のタイミングは「シーズン直前」ではない
納期が1か月半から2か月半かかるということは、9月の連休に履きたい靴を8月末に出すのでは間に合わない、ということです。LOWAが連休を挟む場合に「さらに1~2週間」を見込むよう明記しているのは、まさにこの時期にみんなが同じことを考えるからです。
- 春から夏に履く靴 → 冬のあいだに出す
- 秋の縦走で履く靴 → 遅くとも初夏には出す
- 冬靴 → 雪が消えた春先に出す
- 年末年始・大型連休をまたぐ予定なら、公開されている納期にさらに2週間を足して考える
編集部の見立て:「シーズンが終わったら出す」を習慣にしてしまうのがいちばん楽です。靴を片づけるついでに点検し、そこで気になったら出す。この流れなら、次のシーズンに焦ることがなくなります。
張り替えを断られる・修理不能になるケース
ここまでの条件をすべて満たしていても、修理が成立しないことがあります。公式に案内されているケースを挙げます。
アッパーや本体の損傷
LOWAは、交換可能な構造のモデルであっても、アッパーの損傷、ソールと本体の著しい破損・汚損がある場合には交換できないとしています(2026年8月20日時点)。「著しい汚損」が条件に入っている点は見落とされがちです。長く倉庫に置いてカビが広がった靴などは、この条件に触れる可能性があります。
剥がしてみるまで分からない破損
SCARPAについては、さらに踏み込んだ案内があります。ロストアローのFAQは、内部のミッドソールの破損がソールを剥がすまで分からない場合があり、破損していた場合は交換作業を中断して靴を返却することがある、という趣旨を掲載しています(2026年8月20日時点)。
これは、依頼した側にとって重要な前提です。「受け付けてもらえた=張り替えが完了する」ではありません。作業の途中で不可と判明する可能性が、公式に案内されています。依頼時には、その場合の費用や返送の扱いを窓口に確認しておいてください。
同じソールが用意できない
もうひとつ、時間の経過にともなう問題があります。岩谷産業のFAQは、LOWAについて廃盤等で同一仕様のソールを用意できない場合があると案内しています(2026年8月20日時点)。修理そのものの技術ではなく、部材の供給という理由で成立しないパターンです。
これは、判断を先送りすることのコストを示しています。ソールが減ってきた時点では用意できたものが、数年放置したあとでは用意できないかもしれない。張り替えという選択肢を残したいなら、早めに窓口へ相談したほうがよい理由がここにあります。
そもそも構造が対応していない
前述のとおり、LOWAのインジェクション製法のモデル、モンベルの軽登山靴や長靴など、リソールの対象外とされているものがあります。この場合は、どこに持ち込んでも同じ結論になります。
編集部の見立て:断られること自体は失敗ではありません。むしろ、限界を超えた靴を無理に直して履くほうが危険です。断られたときは「この靴は役目を終えた」という診断をもらったのだと受け止めて、次の靴選びに切り替えてください。登山靴そのものの選び方はトレッキングシューズの選び方の記事で扱っています。
張り替え後の防水性能はどうなるか
意外と情報が少ないのが、この項目です。ソールを剥がして貼り直す以上、防水にまったく影響しないとは考えにくい——そう感じる方は多いはずですが、公式に注意書きを出している社は、今回確認した範囲では限られていました。
確認できた事実:ソール交換後の防水について公式に注意書きを確認できたのは、SCARPAのみです。ロストアローのFAQは、SCARPAのソール交換後は防水保証の対象外としています(2026年8月20日時点)。
ここで「全社が同じ注意を出している」と一般化しないでください。モンベルのメンテナンス情報のページ、LOWAの修理案内のページには、張り替え後の防水性能についての記載を確認できませんでした。これは「防水性能が変わらない」という意味でも、「保証される」という意味でもありません。確認できていない、というだけです。SCARPA以外のブランドについては、依頼時に窓口へ直接お尋ねください。
問い合わせるときは、「防水は大丈夫ですか」と漠然と聞くより、「ソール交換後、防水に関する保証はどう扱われますか」と聞くほうが、はっきりした回答をもらいやすくなります。保証の対象になるかどうかは、防水性能が落ちるかどうかとは別の話だからです。
編集部の見立て:防水を重視する山行が多い方ほど、この確認は依頼前にしておく価値があります。張り替えが終わったあとで知るのと、依頼前に知って納得したうえで出すのとでは、同じ結果でも受け止め方がまったく違います。
張り替え以外で直せる部分もあります
不調の原因がソールにあると思い込んでいたら、実は別の部品だった——これは珍しくありません。ソール張り替えは費用も時間もかかる修理ですから、その前に、自分で交換できる消耗部品を確認しておく価値があります。
靴紐は自分で替えられる消耗部品です
登山靴の靴紐は、履くたびにフックやハトメでこすられ、少しずつ傷んでいきます。毛羽立ってきた紐、一度切れて短く結び直した紐、伸びて締まりにくくなった紐を使い続けていると、締め方をどれだけ工夫しても足がホールドされません。「かかとが浮く」「下りでつま先が当たる」といった不調が、紐を新しくしただけで収まることがあります。
そこで、登山靴用の丸紐シューレース(日本製・1足2本入り)です。靴紐は、修理に出さなくても自分の手で交換できる数少ない部品で、1足分(2本入り)が用意されているタイプなら左右をまとめて新品に戻せます。登山靴に多い丸紐タイプなので、フックへの掛け外しがしやすく、締めたテンションを段ごとに残しやすいのも利点です。ソール張り替えの見積もりを取るあいだ、手元の靴を少しでも快適に履くための現実的な一手にもなります。
紐を新しくしたら、締め方も一緒に見直してみてください。段ごとのテンションの配分だけで、かかとの浮きやつま先の当たりが変わることがあります。詳しくは登山靴の靴紐の締め方をまとめた記事をご覧ください。
インソールも交換できます
もうひとつ、自分で替えられるのがインソール(中敷き)です。長く履いた靴は、インソールがへたって薄くなり、クッションもアーチの支えも落ちています。ソールの溝は減っていないのに歩き終わりの足裏が疲れる、という場合、原因が靴の外側ではなく内側にあることがあります。
インソールの選び方や交換の考え方は、登山用インソールの記事で扱っています。張り替えを検討する前に、内側から手を入れられる余地がないかを確認してみてください。
編集部の見立て:紐とインソールは、費用も時間も張り替えとは桁が違います。まずここを新しくして、それでも解決しない不調がソール側の問題だと切り分けるほうが、判断としては合理的です。
足の幅が合わないことが原因の痛みは、紐やインソールでは解決しきれないことがあります。幅の問題に心当たりがある方は、幅広の足に合う登山靴の記事もあわせてご覧ください。
下山後の手入れが、張り替えまでの寿命を決めます
ソールを張り替えられるかどうかは、最後は「アッパーと本体が健全か」で決まります。ここまで見てきたとおり、LOWAはアッパーの損傷や著しい汚損があれば交換できないとしていますし、モンベルは靴全体の消耗度によっては買い替えを勧めるとしています。つまり、日々の手入れは、そのまま「将来、張り替えという選択肢を持てるかどうか」に効いてきます。
下山後にいちばん効くのは、泥と砂を落とすことです。乾いた泥は、革や生地の繊維の隙間に入り込んだまま固まります。その状態で次に歩けば、内側から素材をこすり続けることになります。砂粒が縫い目に残っていれば、糸が擦り切れる原因にもなります。汚れを落とすという作業は、見た目を整えるためではなく、素材が削られ続ける時間を止めるための工程です。
台所用の中性洗剤や、衣類用の洗剤で代用するのは避けてください。素材によっては、必要な油分まで抜けたり、表面の加工に影響したりします。靴に使うことを前提に作られたものを使うほうが安全です。
そこで手元に置いておきたいのが、コロニルのアクティブクリーナー 200mlです。アウトドアシューズ用の汚れ落としとして作られた専用品で、山から帰ったあとに付いた泥や汚れを落とす工程に使えます。ブラシで大きな泥を落としたあと、この種の専用クリーナーで残った汚れを除いておけば、革や生地の繊維に汚れが残り続けることによる劣化を抑えられます。200mlという容量は、シーズンを通して下山のたびに使う前提でも扱いやすいサイズです。
- 帰宅したらまずインソールと靴紐を抜き、砂を出す
- ブラシで乾いた泥を落とす(縫い目とソールの溝を重点的に)
- 専用クリーナーで残った汚れを落とす
- 直射日光と高温を避けて、風通しのよい場所で乾かす
- 完全に乾いてから収納する(湿ったまま箱にしまわない)
編集部の見立て:手入れは「毎回きちんと」より「毎回それなりに」を続けるほうが結果的に長持ちします。5分でいいので、泥を落として乾かすところまでを習慣にしてみてください。
日常のお手入れの手順や、保管方法の細かいところは、登山靴のお手入れ方法をまとめた記事で詳しく扱っています。この記事では、張り替えという選択肢を残すために効く部分に絞りました。
撥水の維持は、洗浄とは別の工程です
ここでよくある誤解を1つ。汚れを落とせば撥水が戻る、というものです。実際には逆で、洗浄と撥水は別々の工程です。汚れを落とす作業では、表面に残っていた撥水成分も一緒に落ちていきます。だから、洗ったあとに撥水を入れ直すところまでがワンセットになります。
撥水が落ちた靴は、表面が水を吸って重くなります。濡れた状態が続けば、乾く時間も長くなり、素材が湿ったまま置かれる時間が増えます。これはアッパーの傷みを早める方向に働きます。前述のとおり、アッパーの損傷は張り替えの可否に直結する条件です。
撥水剤を入れるタイミングは、汚れを落として完全に乾かしたあとです。汚れの上から吹きかけても、汚れごと固定してしまうだけで効果が続きません。順番は「落とす→乾かす→入れる」です。
撥水の入れ直しに使えるのが、コロンブスのアメダス 防水・防汚スプレー 420mLです。名前のとおり防水と防汚を担うスプレーで、靴だけでなくバッグや衣類にも使えるマルチ素材対応をうたっています。登山靴と一緒にザックやレインウェアの手入れもしたい方にとっては、1本でまかなえる範囲が広いのが利点です。前段のクリーナーで汚れを落としてから、乾かしてこのスプレーで撥水を入れ直す——この2工程を分けて考えるのが、素材を傷めずに長く使うための基本になります。
スプレー類は、必ず屋外や風通しのよい場所で使ってください。また、素材によっては適さない場合があるため、目立たない場所で試してから全体に使うのが安全です。使用方法は製品の表示に従ってください。
編集部の見立て:撥水は「入れっぱなしで永久に効く」ものではありません。水を弾かなくなってきたと感じたら入れ直す、というくらいの気軽さで続けるのがちょうどよい距離感です。
登山用品店・修理を扱う店の探し方
ここまで読んで、「では、どこに持ち込めばいいのか」という段階に来た方へ。ルートは大きく3つあります。
- ブランドの正規ルートを確認する:まず自分の靴のブランド公式サイトで、修理・ソール交換の案内ページを探します。モンベルのように自社窓口があるブランド、LOWAのように販売店経由と定めているブランド、LA SPORTIVAのように購入経路で窓口が分かれるブランドがあります。
- 購入した店に相談する:LOWAのように販売店が窓口になっている場合はもちろん、そうでない場合も、登山靴を扱う店なら取り次ぎや助言をしてもらえることがあります。購入時のレシートや会員情報が残っていれば持参します。
- 独立系の修理専門店に相談する:ブランドの正規ルートで対象外だった場合、あるいは他社ブランドの靴の場合の受け皿です。郵送対応の店なら、地方在住でも依頼できます。
このうち2番目、つまり実店舗に相談できる関係を持っているかどうかは、修理の場面で大きな差になります。店頭で靴を見てもらえるだけで、送ってから断られる往復を避けられるからです。どこで登山用品を買うか、店舗と通販をどう使い分けるかについては、登山用品はどこで買うのがよいかをまとめた記事で詳しく整理しています。修理まで含めた付き合い方を考えるなら、こちらもあわせてご覧ください。
編集部の見立て:登山靴は、買ったあとの相談先まで含めて選ぶ道具です。次に靴を買うときは「この店で修理の相談ができるか」も判断材料に入れておくと、5年後の自分が助かります。
郵送で依頼する場合は、往復の送料の負担がどちらになるか、見積もり後に断ったときの返送費用がどうなるかを、送る前に確認しておいてください。金額が公開されていない社に依頼するときは、とくに重要です。
問い合わせるときに、伝えること・確認すること
ここまで見てきたとおり、可否も金額も納期も、最後は窓口とのやり取りで決まります。ところが、最初の問い合わせが「登山靴のソールは張り替えられますか」だけだと、返ってくるのは「靴を拝見しないと分かりません」という一般的な回答になりがちです。同じ一往復で得られる情報を増やすために、こちらから出す材料と、こちらから聞く項目を決めておきましょう。
こちらから伝える5項目
伝える内容は多いほどよい、というものではありません。判定に効く情報だけを揃えます。
- ブランド名とモデル名:可否がモデル単位で決まる以上、これが無いと話が始まりません。ベロの裏、履き口の内側、インソールの下を確認します
- 購入時期:ミッドソールの状態を推測する手がかりになります。おおよその年でも伝える価値があります
- 使用の頻度と場面:年に何回、どんな山域で使ったか。日帰り中心か縦走中心かでも消耗の出方が違います
- 気になっている症状:「溝が減った」「ソールの端が浮いた」「側面にひびが出た」など、見えている事実をそのまま
- 写真:靴底全体、ソールと本体の境目、ミッドソールの側面、アッパー全体の4カットがあれば、たいていの相談は前に進みます
写真は、明るい場所で靴を平らに置いて撮ってください。とくにソールと本体の境目は、影になって状態が写らないことがよくあります。気になる箇所は、離れた1枚と寄った1枚の2種類を用意すると伝わりやすくなります。
こちらから聞く5項目
そして、聞くほうです。金額と納期以外に、確認しておくべきことが3つあります。
- 費用:どこまでの作業を含んだ金額か(アウトソールだけか、ミッドソールまでか)。税込か税別か
- 納期:到着からの日数か、着手からの日数か。繁忙期の上乗せがあるか
- 途中で不可と判明した場合の扱い:作業を中断して返却される可能性があるか、その場合の費用と返送はどうなるか
- 防水の扱い:ソール交換後、防水に関する保証はどうなるか
- 送料と返送料:往復どちらの負担か。見積もり後に断ったときの返送費用はどうなるか
3つめの「途中で不可と判明した場合」は、聞きにくい質問ですが、いちばん聞いておく価値があります。SCARPAのように、ソールを剥がすまで内部の破損が分からず、交換を中断して返却することがあると公式に案内している例が実際にあるからです(2026年8月20日時点)。想定しておけば、その連絡が来たときに慌てずに済みます。
編集部の見立て:この10項目をメモ帳にコピーしておいて、問い合わせフォームに貼り付けるくらいの気持ちで使ってください。丁寧に書くほど、返ってくる回答も具体的になります。
よくある質問
Q. 登山靴のソール張り替えは、どのメーカーの靴でもできますか
いいえ。ブランドの中でも、張り替えられるモデルとできないモデルに分かれます。LOWAはボードラスティング製法のみ交換可能でインジェクション製法は交換不可、SCARPAはソール交換可能な構造に作られたモデルのみ、LA SPORTIVAは商品ページに「RESOLE ME」ロゴがあるモデル、モンベルは軽登山靴や長靴などリソールできないモデルがあると案内しています(いずれも2026年8月20日時点)。最終的な可否は、メーカーまたは正規代理店・取扱店の修理窓口が靴を確認したうえで判断します。
Q. リソールの費用は、だいたいいくらが相場ですか
単一の相場を示すことはできません。2026年8月20日時点で公式に金額を公開しているのは、モンベル(一般的な登山靴のリソール「15,000円(税込)」)と、独立系修理専門店のASHIDO(アウトソール交換 税別14,000~18,000円、オールソール交換 Bコース税別21,000円~/Cコース税別25,000円~/Dコース税別27,000円~)です。SCARPA・LOWA・LA SPORTIVAは金額を公開していないため、見積もりを取る必要があります。
Q. 納期はどのくらい見ておけばよいですか
社と修理範囲によって差があります。公開されているものでは、SCARPAが到着後の修理完了まで約8〜10週間を予定(2026年8月20日時点の正規輸入元案内)、LOWAが「通常約1か月半」で年末年始や連休を挟む場合は「さらに1~2週間」、ASHIDOがアウトソール交換で1か月・オールソール交換で1か月半~としています。モンベルのリソールについては、今回確認した公式ページに具体的な日数の記載を確認できませんでした。
Q. ソールを張り替えたら、防水性能はどうなりますか
公式に注意書きを確認できたのはSCARPAのみで、ソール交換後は防水保証の対象外としています(2026年8月20日時点)。モンベルやLOWAの確認したページには、張り替え後の防水性能についての記載を確認できませんでした。これは他社で防水性能が保たれるという意味ではなく、確認できていないという意味です。SCARPA以外のブランドについては、依頼時に窓口へお尋ねください。
Q. 他社ブランドの靴を、モンベルの窓口で直してもらえますか
いいえ。モンベル・カスタマーサービスは他社製ブーツの修理を受け付けていないと明記しています(2026年8月20日時点)。他社ブランドの靴を張り替えたい場合は、そのブランドの正規ルート、または独立系の修理専門店に相談してください。ASHIDOはLOWA・SCARPA・Zamberlanなど海外ブランドの対応を明記しています。
Q. 冬用の靴で、アイゼンを付けるためのコバも直してもらえますか
依頼先によります。ASHIDOは、アイゼン取付用の前コバの修理は不可で、その場合はメーカー修理を利用する旨を掲載しています(2026年8月20日時点)。前コバの状態が気になる場合は、まずメーカーの窓口に相談してください。
Q. ミッドソールの寿命は何年ですか
単一の年数では言い切れません。LOWAの国内サポート窓口は「一般的には5年程度」、ASHIDOは「一般的に5~8年ほど」としています(いずれも2026年8月20日時点)。およそ5年、使用状況によっては8年程度まで幅があるという目安として受け取ってください。使用頻度と保管方法で変わる旨は各社が明記しています。
Q. 依頼したのに、途中で「できません」と言われることはありますか
あります。ロストアローのFAQは、SCARPAについて内部のミッドソールの破損がソールを剥がすまで分からない場合があり、破損していた場合は交換を中断して返却することがあるとしています(2026年8月20日時点)。また、LOWAは廃盤等で同一仕様のソールを用意できない場合があると案内しています。受付されたことと、完了することは別だと考えておいてください。
Q. SCARPAの修理は、いまどこに頼めばよいですか
2026年8月20日時点では、正規輸入元であるロストアローの案内に沿って依頼する形です。ただし、同社は代理店業務が2026年8月末で終了し、2026年9月1日から株式会社ブルーシープが代理店業務(ユーザーサポートを含む)を承継する旨を告知しています。修理業務の移行の詳細は告知に明記がないため、依頼前に必ず公式ページで最新の窓口をご確認ください。
Q. 張り替えるか買い替えるか、どちらがよいか迷っています
靴全体の消耗度で判断が分かれます。モンベルは、消耗度によってはリソールより買い替えを勧める場合があると案内しています(2026年8月20日時点)。ソール以外の部分が健全なら張り替えの見積もりへ、アッパーや内部にも傷みが出ているなら買い替えの検討へ、という順番になります。寿命の見極め方は登山靴の寿命の記事で詳しく扱っています。
まとめ:張り替えという選択肢を残すために、いまできること
登山靴のソール張り替えは、条件が合えば靴の寿命を大きく延ばせる修理です。ただし「登山靴なら張り替えられる」とは言えません。製法・モデル・靴の状態の3つが揃ってはじめて成立し、その判断はメーカーまたは正規代理店・取扱店の修理窓口が行います。
この記事で確認できたこと:金額を公開しているのはモンベルとASHIDOのみ。納期は社と範囲で1か月〜約10週間の幅。防水についての注意書きを公式に確認できたのはSCARPAのみ。ミッドソールの寿命の目安はおよそ5年、使用状況によっては8年程度まで幅がある。いずれも2026年8月20日時点の情報です。
- 今日:靴を出して10分点検する。ソールの溝、ソールと本体のすき間、ミッドソールの側面、アッパーの割れ、ランドラバーの浮きを見て、写真に残します。モデル名と購入時期もメモしておきます。
- 今週:ブランドの公式ページで修理の案内を探す。自社受付か販売店経由か、対象モデルかどうかを確認します。SCARPAの靴をお持ちの方は、2026年9月1日以降の窓口の案内が出ていないかも確認してください。
- シーズンオフに:依頼する。納期は最低でも1か月、連休を挟むならさらに上乗せです。次に履きたい時期から逆算して、余裕のある時期に出します。
編集部の見立て:もし今回「張り替えはできない」という結論になっても、点検して分かったこと自体が収穫です。どこがどう傷んでいたかを知っていれば、次の靴の使い方が変わります。そして、下山後に泥を落として乾かすという5分の習慣が、次の靴で「張り替えられる」という答えを引き寄せます。
出典
- モンベル「修理サービスのご案内」 https://www.montbell.jp/generalpage/disp.php?id=904(2026年8月20日時点)
- モンベル メンテナンス情報 https://support.montbell.jp/maintenanceinfo/disp.php?c=2&i=9(2026年8月20日時点)
- ロストアロー FAQ(SCARPA 登山靴) https://www.lostarrow.co.jp/faq/faq/hiking_boots(2026年8月20日時点)
- ロストアロー 公式サイト ニュース:代理店業務終了および株式会社ブルーシープへの承継に関する告知(2026年8月20日時点で確認)
- 岩谷産業 サポート FAQ(LOWA) https://www.iwatani-primus.co.jp/support/faq/(2026年8月20日時点)
- 岩谷産業 修理について https://www.iwatani-primus.co.jp/support/repair/(2026年8月20日時点)
- LA SPORTIVA JAPAN FAQ https://lasportiva.jp/faq.html(2026年8月20日時点)
- ASHIDO 登山靴・トレッキングシューズ修理メニュー https://ashido-hokkaido.jp/service-menu/work-boots/trekking-shoes/(2026年8月20日時点)
