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ザックカバーを買おうとして、最初につまずくのがサイズです。「30Lのザックだから30Lのカバー」——そう思って選ぶと、大きすぎて風にはためくか、小さすぎて雨蓋にかからないか、どちらかになります。ザックの容量とカバーの表示サイズは、そのまま一致しません。
数字で見てみましょう。モンベルのジャストフィット パックカバーは、公式の商品ページで「対応パックサイズ」を明示しています。20Lモデルの対応は15〜20L、30Lモデルは25〜30L、50Lモデルは40〜50L。つまり表示サイズは対応できる上限を指しています。オスプレーのULレインカバーはMサイズで30〜50L、イスカのベーシックパックカバー60Lは45〜60Lというレンジ表示。メーカーによって刻み方が違うので、数字だけを見て買うと外します。
そしてもうひとつ、カバーを買う前に知っておくべきことがあります。カバーをかけても中は濡れます。これは製品の欠陥ではなく、構造上そうなるという話です。この記事では、サイズの決め方と、濡れる前提でどう組み立てるかを扱います。
- ザックの容量とカバーの表示サイズの対応表(メーカー公表値ベース)
- 大きすぎ・小さすぎで何が起きるか。外付け装備がある場合の考え方
- カバーだけでは中が濡れる3つの経路と、その埋め方
- レインカバー内蔵ザックとの比較、風で飛ばされないための対策
- ゴミ袋で代用できるか、を正直に
ザックそのものの選び方は登山用ザックの選び方、中身を濡らさないための防水袋はドライバッグの使い方が担当します。ここではカバー本体に絞ります。
サイズは「ザックの容量」ではなく「対応パックサイズ」で選ぶ
まず、各社が公表している対応容量を並べます。カバーを選ぶときは、自分のザックの容量がどのレンジに入るかを見てください。
| 製品 | 対応するザックの容量 | 重量 | 収納サイズ |
|---|---|---|---|
| モンベル ジャストフィット パックカバー 20L | 15〜20L | 80g | 7×7×3.5cm(0.2L) |
| 同 25L | (20〜25L相当) | 88g | 公表を確認できず |
| 同 30L | 25〜30L | 98g | 8×8×4cm(0.3L) |
| 同 40L | (35〜40L相当) | 127g | 公表を確認できず |
| 同 50L | 40〜50L | 138g | 9×9×4.5cm(0.4L) |
| 同 60L | (50〜60L相当) | 147g | 公表を確認できず |
| オスプレー ULレインカバー M | 30〜50L | 112g | パッカブル収納(寸法は公表を確認できず) |
| ドイター レインカバーⅡ | 30〜50L | 公表を確認できず | 公表を確認できず |
| イスカ ベーシックパックカバー 60L | 45〜60L | 130g | 公表を確認できず |
この表から読み取れることが2つあります。ひとつは、同じ「30L」でもメーカーによって意味が違うこと。モンベルの30Lは「25〜30Lのザックに合う」の意味ですが、オスプレーのMは30Lから始まって50Lまでをカバーします。もうひとつは、重量が80g台から140g台に収まっていること。容量が3倍近く違っても、重さの差は60g程度です。
サイズ選びの手順
① 自分のザックの容量を確認する(本体に印字がある。無ければ製品ページで)
② 外付けしているものを数える(マット、サイドポケット、テント、三脚など)
③ 外付けが無ければ、その容量がレンジの上のほうに来るサイズを選ぶ
④ 外付けがあるならワンサイズ大きくする
④はモンベルが公式の商品ページに書いていることでもあります。「別売のサイドポケットやマットなどをパック外側に装着する場合は、ワンサイズ大きめのパックカバーをご使用ください」。想像で言っているのではなく、メーカーの指定です。
大きすぎるとどうなるか
余った生地が風をはらみます。稜線の風の中では、カバーが背中の上でばたばたと暴れ、音がうるさいうえに体力を削られます。最悪の場合、風にあおられて外れ、そのまま飛んでいきます。斜面の下へ落ちたカバーを取りに行くのは危険なので、事実上そこで失われます。
小さすぎるとどうなるか
雨蓋の上や底面の一部が覆えず、そこから濡れます。無理に引っ張って装着するとゴムやシームに負担がかかり、次に使うときに裂ける原因になります。ザックに荷物を満載した日ほど、この問題が出やすいでしょう。
編集部の見立て:迷ったときは大きめではなくぴったりを選ぶのが基本だと考えています。ただし外付けの習慣がある人は例外で、ワンサイズ上げてください。テント泊でマットを外に付ける前提なら、公称容量より一段上のカバーが正解になります。
日帰り〜小屋泊クラスに合わせる
20〜30Lのザックで日帰りを歩く人が、いちばん人口の多い層でしょう。この帯には、モンベルの30Lモデルが素直に当てはまります。
対応パックサイズ25〜30L、重量98g、収納時8×8×4cm(0.3L)。素材は40デニールのナイロン・リップストップで、裏面にハイドロプロ加工が施されていると公式が記載しています。スタッフバッグが付属するので、ザックの雨蓋のポケットに入れっぱなしにしておけます。握りこぶしより小さいという収納サイズが、この製品のいちばんの美点かもしれません。
ザックが30Lちょうどで、サイドにボトルを差す程度の使い方なら、このサイズで足ります。日帰りの容量の考え方は登山リュック20Lが日帰りの基準になる理由や30Lで何ができるかで扱っています。
30〜50Lをまとめて見るなら
複数のザックを持っていて、日帰り用と小屋泊用を1枚のカバーで兼ねたい——という要望には、レンジの広い製品が向きます。
オスプレーのULレインカバーMは適合容量30〜50L、重量112g。生地はリサイクル40デニールの高強度ナイロンで、上部のバックルとヒップベルトのバンジーコードで固定する構造、そしてテープドシームによる防水加工が公表されています。固定方法が2系統あるのは、風対策として意味のある設計です。
ドイターのレインカバーⅡも30〜50Lに対応する1枚です。同社のザックを使っているなら、背面の形状との相性という点で候補に入ります。重量と収納サイズについては、今回の調査でメーカー公表値を確認できませんでした。
テント泊・大型ザック向け
40Lを超えると、選択肢が絞られてきます。ここは容量よりも、外付けの有無で決まる領域です。
モンベルのジャストフィット パックカバー 50は、対応パックサイズ40〜50L、重量138g、収納時9×9×4.5cm(0.4L)。30Lモデルとの差は40gと、収納サイズにして1cm前後です。迷ったら大きいほうを持っても、重量ペナルティはほとんどありません。この事実は、サイズ選びの心理的なハードルを下げてくれるはずです。
イスカのベーシックパックカバーは60Lで、対応容量は45〜60L、重量130g、防水コーティング加工ナイロン製。テント泊装備で60L級を背負う人、あるいはマットやテントを外付けして実質的にひと回り大きくなる人が対象になります。テント泊の容量設計はテント泊のザックは何Lかで扱っているので、そちらで自分の実容量を把握してから選ぶと確実です。
カバーだけでは中が濡れる。3つの経路
ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。ザックカバーを付けても、中身が濡れることがあります。理由は3つあります。
| 濡れる経路 | 起きること | 対策 |
|---|---|---|
| 背面から | カバーは背中側を覆わない。レインウェアを伝った水が背面へ回り込む | 中身を防水袋に分ける。背面側に濡れて困る物を置かない |
| 風で外れる・めくれる | 下からの吹き上げでカバーが持ち上がり、隙間から雨が入る | ドローコードを締める。固定用ストラップを本体に留める |
| 縫い目・生地から | 長時間の雨で縫い目から染みる。生地の撥水が落ちると保水する | シームテープ付きの製品を選ぶ。撥水の手入れをする |
この3つのうち、いちばん効くのが1行目です。ザックカバーは背中側を覆いません。構造上、背負う面には掛けられないからです。そして雨の日、レインウェアの表面を流れ落ちた水は、背中とザックの隙間へ向かいます。ここから濡れるのを、カバーは止められません。
だからこそ、中身の防水はカバーとは別に用意するのが原則になります。カバーは「本体が水を吸って重くなるのを防ぐ道具」、防水袋は「中身を濡らさない道具」。役割が違うので、どちらか一方では足りません。この考え方は登山リュックの詰め方で扱っている「防水の3段階」と同じ発想です。
インナーバッグという解
防水袋を何個も使い分けるのが煩雑なら、ザックの内側全体を1枚の袋で覆ってしまう方法があります。
イスカのウェザーテック インナーバッグ 45Lは、ザックの中に入れて使う大型の防水袋です。荷物をこの中に入れてから口を閉じれば、背面から水が回り込んでも中身は無事という構造になります。重量と素材の詳細については、今回の調査でメーカー公表値を確認できませんでした。
カバーとインナーバッグの併用は、装備としては二重になりますが、役割が重なっていません。外側は本体の保水と汚れを防ぎ、内側は中身を守る。雨が長く続く縦走ほど、この二段構えの価値が上がります。
風で飛ばされないために
ザックカバーの事故で多いのが、風による紛失です。稜線で装着し直そうとした瞬間に持っていかれる、休憩中に外して置いておいたら飛ばされる、というパターンが典型でしょう。
- 装着は風下を向いて、ザックを地面に置いた状態で行う
- ドローコードは装着後に必ず引き絞る。緩んだままだと下から風が入る
- 固定用のストラップやバンジーコードがある製品は、必ず本体に留める
- 外したカバーは畳んで即座にポケットへ。置いておかない
- 強風時は、装着そのものを見送る判断もある(かえって危険なため)
オスプレーのULレインカバーが上部のバックルとヒップベルトのバンジーコードという2系統で留める設計になっているのは、この問題への回答です。ゴムだけで留まっている製品は、強風下では過信できません。
降り出してから装着するまでの動線
カバーの性能より、実際に濡れるかどうかを分けるのはいつ出すかです。ぽつぽつ来てから「そろそろかな」と考え、本降りになってからザックを下ろす——この数分の遅れで、すでに本体は水を吸っています。
動線を先に決めておくと迷いません。まず、カバーの定位置を決めます。雨蓋の内ポケット、あるいはサイドポケットの上のほう。ザックを下ろさずに手が届く場所なら理想的でしょう。次に、レインウェアとの順番です。先にカバー、あとからレインウェアが基本になります。逆にすると、レインウェアの袖でカバーを引っかけて広げにくくなるためです。
装着そのものは、ザックを地面に置いて行います。背負ったまま片手で被せようとすると、風にあおられた瞬間に手を離すことになりかねません。地面が濡れているなら、背面を上にして置けば背中が汚れずに済みます。
降り出し前にやる3つ
① 電子機器(スマホ・モバイルバッテリー・カメラ)を防水袋か内ポケットへ移す
② 濡らせない防寒着を袋の底、背面から遠い側へ寄せる
③ カバーとレインウェアを、ザックを開けずに取り出せる位置へ
この3つを、空が暗くなった段階で済ませておくと、降り出してからの作業が1つで済みます。
山の天気の読み方については山の天気予報はどこを見るかで扱っています。「降り出す前に準備を終える」という判断のためには、そもそも降ることを予想できている必要があります。
濡れて困るものには順番がある
中身の防水を袋で確保すると決めたら、次は「何を包むか」です。全部を防水袋に入れるのは重量と手間の両面で現実的ではないので、優先順位をつけます。
| 優先度 | 中身 | 濡れたときに起きること |
|---|---|---|
| 最優先 | 防寒着(ダウン・化繊インサレーション) | 保温力が落ち、低体温症のリスクに直結する |
| 最優先 | 着替え・予備の手袋 | 乾いた物がなくなり、休憩で体が冷える |
| 高 | スマホ・モバイルバッテリー・ヘッドライト | 地図と連絡手段、明かりを同時に失う |
| 中 | 紙地図・行動食 | 読めなくなる、食べられなくなる |
| 低 | クッカー・水筒・工具類 | 濡れても機能は落ちない |
上の2行を防水袋に入れるだけで、雨の日のリスクの大半は下がります。逆に言えば、クッカーや水筒まで包む必要はありません。包む物を絞れば、袋は2〜3枚で足ります。
ヘッドライトの扱いは特に見落とされがちです。雨で行動が遅れ、日没にかかるという流れは秋によくあるパターンで、そのときに明かりが濡れて使えないのは避けたい事態でしょう。予備電池の考え方は登山ヘッドライトの選び方にまとめています。
生地の数字をどう読むか
ザックカバーの製品情報には、生地の情報が短く書かれています。読み方を押さえておくと、比較が少し楽になります。
まずデニール(D)。糸の太さの単位で、数字が大きいほど厚く丈夫になり、そのぶん重くなります。モンベルのジャストフィット パックカバーは40デニール、オスプレーのULレインカバーも40デニールの高強度ナイロン。この帯が、軽さと強さの妥協点として広く採用されている、と読めます。
次にシームテープ(テープドシーム)。生地そのものが防水でも、縫い目には針の穴が開いています。そこを内側からテープでふさぐ処理があるかどうかで、長時間の雨での染み方が変わります。オスプレーのULレインカバーは、テープドシームによる防水加工を公表しています。
最後に裏面の加工。モンベルは裏面にハイドロプロ加工を施していると記載しています。表面の撥水と裏面のコーティング、この二段構えで水を止める設計が一般的です。なお耐水圧の数値については、今回参照した各製品ページで公表を確認できませんでした。数字で横並びに比較したい場面もあると思いますが、無い数字を推測で書くことはできません。
編集部の見立て:ザックカバーは、数字で選ぶより固定方法と対応容量で選ぶ道具だと考えています。生地はどれも40デニール前後に収れんしていて、そこで大きな差はつきにくい。差が出るのは、風の中でずれないかどうかのほうです。
レインカバー内蔵ザックとの比較
最近のザックには、底部のポケットにレインカバーを内蔵しているモデルがあります。別売のカバーとどちらがよいか、という問いには、次のように整理できます。
| 内蔵型 | 別売のカバー | |
|---|---|---|
| サイズ合わせ | そのザック専用。迷わない | 自分で対応容量を確認する必要がある |
| 忘れる心配 | 常に付いている | 入れ忘れると使えない |
| 外付けへの対応 | 想定外のサイズになると覆えない | 大きめを選べば対応できる |
| 交換 | 破れたときの交換がしにくい場合がある | 単体で買い替えられる |
| 重量 | ザックの空重量に含まれている | 80〜150g程度が別途 |
内蔵型を持っているなら、それをまず使ってください。買い足す理由が生まれるのは、外付け装備を増やしたとき、あるいは内蔵カバーが破れたときです。
秋の雨は、夏の雨と何が違うか
同じ雨でも、9月以降は意味が変わります。夏なら濡れても歩いていれば体温が保てますが、気温が下がる季節の雨は、そのまま体温を奪います。標高が上がればなおさらで、標高100mにつきどれだけ気温が下がるかという計算は登山の気温は標高でどれだけ下がるかで扱っています。
秋の雨で怖いのは、雨そのものより濡れたあとの風です。稜線に出た瞬間に体温が持っていかれる。このときに効くのが、乾いた防寒着が1枚残っているかどうかで、ザックカバーと防水袋はそのための装備だと言い換えることもできます。装備としての優先順位は秋の登山の防寒対策にまとめました。
もうひとつ、秋は日が短くなります。雨で行動が遅れると、そのまま暗くなる。日没から逆算する引き返し時刻の考え方と組み合わせて、「雨が降ったら何時までに下山するか」を先に決めておくと、判断が速くなるでしょう。
落ち葉と泥が増える季節でもある
秋の登山道は、濡れた落ち葉で滑りやすくなります。転倒してザックを地面に打ちつけると、カバーが破れることがあります。破れたカバーは、その場ではどうにもなりません。替えを持つ必要はありませんが、破れたときに中身が無事である構成にしておく——ここでも、防水袋との二段構えが効いてきます。
そして下山後の手入れです。泥がついたカバーをそのまま袋に押し込むと、次に出したときにカビています。水で流して陰干し、というひと手間だけは省かないでください。ザック本体の手入れも同じタイミングでやってしまうと効率的でしょう。
ゴミ袋で代用できるか
正直に書きます。短時間ならしのげます。恒久的な代用にはなりません。
大型のポリ袋をザックにかぶせれば、確かに雨は防げます。急に降られて手持ちのカバーがないとき、緊急避難として意味のある方法です。しかし問題が3つあります。ひとつは固定できないこと。ドローコードもストラップもないので、風で簡単にめくれます。ふたつめは破れやすいこと。枝に引っかけただけで裂けます。3つめは、破れた袋が山に残るリスクです。
むしろポリ袋が本領を発揮するのは、ザックの内側です。中身を包んでから詰めれば、背面からの回り込みにも効きます。外にかけるより内に敷く、と覚えておいてください。ゴミ袋そのものの使い分けはドライバッグの記事で触れています。
雨具の組み立て全体で見れば、カバーは脇役です。まずレインウェアが機能していること(選び方)、次に中身の防水、そしてカバー。行動を止めるかどうかの判断は雨の日の登山はどこまでOKかにまとめてあります。樹林帯限定なら登山用の傘という選択肢もあるでしょう。
よくある質問
Q. ザックカバーは本当に必要ですか?
「中身を守る」目的なら、防水袋のほうが確実です。カバーの価値は、ザック本体が水を吸って重くなるのを防ぐ点と、泥はねや擦れから生地を守る点にあります。長時間の雨のなかを歩く前提があるなら、持っておく意味は十分あるでしょう。
Q. サイズはどう選べばいいですか?
ザックの容量が対応レンジの上のほうに入るサイズを選びます。ただし、マットやテントを外付けするならワンサイズ上げてください。モンベルも公式の商品ページで、外側に装着物がある場合はワンサイズ大きめを使うよう案内しています。
Q. 大は小を兼ねますか?
兼ねません。余った生地が風をはらみ、あおられて外れる原因になります。ドローコードで絞れる範囲を超えて大きい場合は、素直にサイズを下げてください。
Q. カバーをしても背中側が濡れます。
構造上、そうなります。ザックカバーは背負う面を覆いません。レインウェアを伝った水は背面へ回り込むため、中身の防水は袋で別に確保するのが前提です。
Q. 洗ってもいいですか?
泥が付いたら水で流し、陰干ししてください。撥水が落ちてきたら、生地に対応した撥水剤で処理をやり直します。レインウェアと同じ考え方が使えるので、雨天行動の記事とあわせて、シーズン終わりにまとめて手入れするのが効率的でしょう。
Q. 色は何を選べばいいですか?
実用面では、明るい色に利点があります。樹林帯や霧のなかで、後続の同行者から見つけやすくなるためです。モンベルのジャストフィット パックカバーは6色展開で、イエローやブルーなどの視認性の高い色が選べます。一方で、写真の写り込みを気にする人や、落ち着いた色でそろえたい人はダークカラーを選ぶことになるでしょう。どちらが正しいという話ではなく、単独行が多いか、パーティーで歩くことが多いかで判断が変わります。
Q. 夏用と冬用で分ける必要はありますか?
分ける必要はありません。ただし冬に装備が増えて外付けが多くなるなら、そのぶん大きいサイズが要る、という話にはなります。1枚で通年をまかなうつもりなら、いちばん荷物が多くなる季節を基準にサイズを決めておくと失敗しません。
Q. どこに入れておけばいいですか?
雨蓋のポケットか、サイドの取り出しやすいポケットが定番です。降り出してからザックを開けて奥から探す羽目にならない場所へ。モンベルの30Lモデルなら収納時8×8×4cmなので、小さなポケットにも収まります。
手入れと寿命
ザックカバーは消耗品です。畳まれた状態で長く置かれ、雨の日にだけ広げられ、泥をかぶって袋に戻される。使用時間は短いのに、傷みやすい条件がそろっています。
やることは3つだけです。使ったら水で流す。陰干しで完全に乾かす。畳んで袋に戻す前に、匂いを確認する。この3つを守れば、カビと生地の劣化はかなり遅らせられます。乾かさずに袋へ押し込むと、次に出したときに黒い点が浮いています。
撥水が落ちてきたら、レインウェアと同じ考え方で戻せます。洗って、生地に対応した撥水剤をかける。ただしカバーは表地しかないので、スプレータイプで足ります。
買い替えの判断は、生地の裏を見てください。コーティングがめくれている、白い粉が出ている、触るとベタつく——これらは加水分解が進んだ状態で、洗っても撥水剤をかけても戻りません。カバーの寿命は、ザック本体より先に来ると考えておくほうが現実に合っています。
まとめ:今日やることは、容量を確認するだけ
この記事の全部を読み直す必要はありません。今日やることは1つ、自分のザックの容量を確認することです。そのうえで、次の3ステップへ進みます。
- ザックの容量を確認する。本体の印字か、メーカーの製品ページで
- 外付けしているものを数える。マット・テント・サイドポケットがあればワンサイズ上げる
- 対応レンジに自分の容量が収まる製品を選ぶ。同時に、中身を包む防水袋も1枚用意する
3番目まで進めて、はじめて雨の日の備えが完成します。カバーだけでは終わらない、というのがこの記事の結論です。
出典
- モンベル オンラインストア「ジャストフィット パックカバー 20L/30L/50L」および「パックカバー」一覧(該当ページ)/対応パックサイズ・重量・収納サイズ・外付け時はワンサイズ大きめという案内
- ロストアロー(オスプレー国内正規代理店)「ULレインカバー M」(該当ページ)/適合容量30〜50L・重量112g・40Dリサイクルナイロン・テープドシーム・固定方法
- イスカ ベーシックパックカバー 60L 製品情報(該当ページ)/対応容量45〜60L・重量130g・防水コーティング加工ナイロン
※本記事の数値は2026年8月15日時点で各公式ページ・販売ページに記載の値です。
※ドイター レインカバーⅡの重量・収納サイズ、イスカ ウェザーテック インナーバッグ45Lの重量と素材、モンベル25L/40L/60Lモデルの対応パックサイズは、今回の調査で公表値を確認できませんでした。
