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くじゅう連山(大分県)の紅葉は、環境省が牧ノ戸峠のコース紹介の中で、展望台から見る沓掛山の斜面や星生山方面の見頃を「10月から11月」と案内しています(2026年9月29日確認時点)。2026年の色づき状況は、同じ9月29日の時点で、環境省・九重町・大分県の公式観光サイトのいずれにも発表が見当たりません。行く日を決めるのは、この3か所に今年の情報が出てからで遅くありません。
規制の「今日の状態」も先に書いておきます。気象庁は九重山の噴火警戒レベルをレベル1(活火山であることに留意)としており、硫黄山噴気孔群では高温の火山ガスに注意するよう記載しています(2026年9月29日確認時点)。登山道の通行止めやクマの出没による入山禁止は、2026年9月29日時点で全路線をまとめて確認できる公式ページが見当たらないため、有無は出発前に九重町・環境省の最新情報で確かめてください。道路については、九重町が紅葉期の混雑・満車と路上駐車の禁止を案内しています。
紅葉の時期のくじゅう連山は、見に行く場所によって一日の組み立てがまったく変わります。牧ノ戸峠の展望台や九重“夢”大吊橋なら短い時間で済みますが、長者原から坊ガツルを抜けて大船山の御池まで往復する日は、日の入から下山時刻を決めないと帰り道が暗くなります。以下では、場所別の時期の目安、駐車場とバス、吊橋とビジターセンターの営業時間、日の入から出す引き返しの時刻を、公式の値だけで組み立てます。
久住山や中岳へのルートそのものは、九重連山の登り方|久住山・中岳と牧ノ戸峠から入る3つの入口にまとめてあります。ここでは登り方を繰り返さず、「紅葉の時期に、いつ・どこへ・何時までに」を決める材料に絞ります。
- くじゅう連山の紅葉の公式の目安は、環境省の牧ノ戸峠コース紹介にある「10月から11月」で、2026年の色づき情報は9月29日時点で未発表であること
- 九重山の噴火警戒レベルは1で、気象庁が硫黄山噴気孔群の高温の火山ガスに注意を促していること、そして登山道の規制範囲は当日に九重町・環境省で確かめる必要があること
- 大船山の御池・坊ガツル・三俣山には公式の場所別の見頃の記載が見当たらず、二次情報の目安は幅をもって読むべきこと
- 長者原から坊ガツルまでは環境省の区間値を合計すると110分・5.3kmで、大分の日の入(11月1日は17:22)から坊ガツルを発つ時刻を決められること
- 長者原駐車場は約450台で、九重町が紅葉期に満車になることがあると案内していること
- 亀の井バス「牧の戸峠線」は2026年4月4日〜11月29日の土日祝運行で、由布院駅前バスセンター発が10:20と13:45の2本であること
- 九重“夢”大吊橋は9〜10月が8:30〜18:00(入場券販売は17:30まで)、長者原ビジターセンターは9:00〜17:00(11月からは16:00閉館)であること
- 出発の前日と当日の朝に見るべき公式ページの順番
くじゅう連山の紅葉2026、9月29日時点で分かっていること
最初に、2026年9月29日の時点で「公式の値として言えること」と「まだ言えないこと」を分けます。紅葉の記事は毎年たくさん出ますが、その多くは前の年の写真と、例年の時期の表現を組み合わせたものです。今年の色づきがどこまで進んでいるかは、公式の発表が出るまで誰にも分かりません。
公式に言えることは、大きく四つあります。一つめは紅葉の目安の表現で、環境省が牧ノ戸峠のコース紹介で、展望台から見る沓掛山の斜面・星生山方面について見頃を「10月から11月」としていることです。二つめは火山の状態で、気象庁が九重山を噴火警戒レベル1としていることです。三つめは長者原駐車場の台数で、九重町によれば約450台です。四つめは周辺施設の営業時間で、九重“夢”大吊橋と長者原ビジターセンターの時間がそれぞれの公式ページに出ています。
反対に、まだ言えないことは、2026年の色づきの進み具合、登山道ごとの通行止めの現況、紅葉期に道路の区間規制が行われるかどうか、秋に臨時のバスが走るかどうかです。まだ言えないことは推測で埋めず、「どこを見れば分かるか」を押さえておくのがいちばん確実です。
| 項目 | 2026年9月29日確認時点の状態 | 確認先 |
|---|---|---|
| 紅葉の目安 | 牧ノ戸峠展望台から見る沓掛山斜面・星生山方面は「10月から11月」 | 環境省 阿蘇くじゅう国立公園 牧ノ戸峠コース |
| 2026年の色づき | 未発表 | 環境省・九重町・大分県公式観光サイト |
| 火山 | 九重山は噴火警戒レベル1。硫黄山噴気孔群は高温の火山ガスに注意 | 気象庁 九重山の活動状況 |
| 長者原駐車場 | 約450台。紅葉期に満車の状況があると町が案内 | 九重町の駐車場案内 |
| 通行止め・クマ | 全体の現況をまとめて確認できる公式ページは見当たらない | 出発前に九重町・環境省の最新情報 |


表の中で、読者が当日までに動かせるのは「確認先を見る順番」だけです。噴火警戒レベルも駐車台数も営業時間も、こちらの都合では変わりません。だからこそ、前日の夜と当日の朝にどのページをどの順で開くかを決めておくと、現地で迷う場面が減ります。
九州全体で紅葉の山を探している段階なら、九州の紅葉登山|入山規制の現状と標高から読む見頃・山の選び方で、ほかの山の規制や時期と並べてから、くじゅう連山に絞る流れが組みやすくなります。
もう一つ、名前の使い分けにも触れておきます。気象庁の火山の名前は「九重山」、環境省の国立公園の名前は「阿蘇くじゅう国立公園」、山の集まり全体を指すときは「くじゅう連山」と呼ばれることが多い、という関係です。以下では、火山の話では「九重山」、山域全体の話では「くじゅう連山」と書き分けます。検索で情報を探すときも、火山情報は「九重山」、観光や紅葉の情報は「くじゅう」で探すと、公式ページに早くたどり着けます。
編集部の見立て:9月末の時点で「今年の見頃は◯日」と書いている記事があったら、その根拠がどこにあるかを見てください。公式が色づきの情報を出していない以上、日付の予想は例年の表現を当てはめたものにすぎません。予想の日付を追いかけるより、今年の情報が出たときにすぐ動ける準備をしておくほうが、計画は立てやすくなります。
九重山の噴火警戒レベル1と硫黄山の火山ガス、出発前に見る場所
くじゅう連山は紅葉の山であると同時に、気象庁が常に火山活動を見ている活火山でもあります。気象庁は九重山の噴火警戒レベルをレベル1「活火山であることに留意」としています(2026年9月29日確認時点)。このレベルが発表されたのは平成19年12月1日で、それ以降、2026年9月29日時点でもレベル1のまま運用されています。
レベル1は、噴火警戒レベルの中でいちばん低い段階です。ただし「安全が保証された状態」という意味ではありません。気象庁の九重山のページには、硫黄山噴気孔群で高温の火山ガスに注意するよう記載があり、火口付近では噴気や火山ガスの噴出が見られ、その範囲に入ると生命に危険が及ぶことも明記されています。レベル1は「山に入れる」合図であって、「どこへ入ってもよい」合図ではないと読むのが自然です。
硫黄山噴気孔群の周辺で、登山道のどこからどこまでが立入規制にかかっているかは、気象庁のページには書かれていません。境界を推測で決めることはできません。登山道の通行の可否は、出発前に九重町と環境省の情報で確かめてください。地図に道の線が引かれていても、それだけで通れるとは判断しないでください。
では、紅葉の時期に登る人は、火山について何を見ればよいのでしょうか。見る場所は二つに絞れます。一つは気象庁の九重山の活動状況のページで、噴火警戒レベルが変わっていないか、新しい解説情報が出ていないかを確かめます。もう一つは九重町と環境省のページで、登山道の通行止めや立入規制の案内が出ていないかを確かめます。前者は「火山そのものの状態」、後者は「道が通れるかどうか」で、見ている対象が違います。
- 前日の夜に、気象庁の九重山のページで噴火警戒レベルが1のままかを見た
- 同じページで、火山ガスや噴気についての新しい記載が増えていないかを見た
- 九重町と環境省のページで、歩く予定の登山道に通行止めや立入規制の案内が出ていないかを見た
- 当日の朝にもう一度、気象庁のページだけは開き直した
- 現地で規制の看板やロープを見たら、地図より看板を優先すると決めている
火山ガスは風向きで流れる方向が変わるため、同じ道でも日によって条件が違います。紅葉を撮るために稜線で長く立ち止まる人ほど、風下に長くいる可能性が高くなります。景色に集中しすぎると、においや息苦しさに気づくのが遅れることもあります。立ち止まる場所を決めるときは、噴気の見える方向と風の向きを一度確かめてから足を止めるようにしてください。
噴火警戒レベルは「レベルの数字」と「そのレベルでの対応」がセットで決まっています。数字だけを見て判断するのではなく、気象庁のページに書かれている注意の文章まで読むのが基本です。九重山の場合、その文章に硫黄山噴気孔群のことが書かれています。
もう一つ知っておきたいのは、噴火警戒レベルが引き上げられた場合に、紅葉の計画そのものが成り立たなくなることがある点です。レベルが上がると、立入規制の範囲が変わり、歩けるはずだった道が使えなくなる可能性があります。紅葉の見頃は毎年あるものなので、火山の情報に変化が出た年は、無理にその年の見頃を追わないという判断も選択肢に入れておくと、気持ちが楽になります。
編集部の見立て:火山の状態は、紅葉の見頃の日付より先に確かめてほしい項目です。色づきは一週間ずれても取り返せますが、規制のかかった道に入ってしまうと取り返しがつきません。気象庁のページを開く習慣は、紅葉の時期に限らず、くじゅう連山へ行く日すべてに持ち歩いてほしい手順だと考えています。
牧ノ戸峠(標高1,330m)の紅葉は環境省の表現で「10月から11月」
くじゅう連山で紅葉を見に行く人がまず候補に挙げるのが、牧ノ戸峠です。環境省のコース紹介によれば、牧ノ戸峠の標高は1,330mで、峠の展望台から沓掛山の斜面や星生山方面の紅葉を眺められ、その見頃を「10月から11月」と案内しています(2026年9月29日確認時点)。この「10月から11月」は、例年の目安として示された表現です。2026年に何日から色づくかを示したものではありません。
「10月から11月」は、ずいぶん幅のある書き方に見えるかもしれません。これは、場所によって色づく時期が違い、年によっても前後するためだと読むのが自然です。標高の高い斜面から色づき、低いところへ下りてくるという紅葉の一般的な進み方を考えると、同じくじゅう連山の中でも、峠から眺める斜面と、谷あいの湿原のまわりでは時期がずれます。「10月から11月」は、一つの日付ではなく、山域全体に色が広がっていく期間の長さを表していると受け取ると、計画の立て方が見えてきます。
牧ノ戸峠で紅葉を見る日の考え方:峠の展望台から斜面を眺めるだけなら、長い距離を歩く必要はありません。環境省の区間目安では、牧ノ戸登山口から沓掛山までが25分・1kmです。紅葉の見頃の幅が広い分、「今年の色づき情報が出てから、近い週末に短く行く」という動き方がしやすいのが牧ノ戸峠の強みです。
牧ノ戸峠からさらに奥へ進むと、環境省の区間目安では沓掛山から扇ヶ鼻分岐までが45分・1.5km、扇ヶ鼻分岐から久住分れまでが30分・1.5kmです。牧ノ戸登山口から久住分れまでを、公式の区間値を合計すると100分・4kmになります。これは環境省が総計として出した数字ではなく、区間の値を足したものです。休憩や撮影の時間は含まれていません。
数字だけ並べると短く感じるかもしれませんが、紅葉の時期は写真を撮るために立ち止まる回数が増えます。100分という合計は、立ち止まらずに歩いた場合の目安です。紅葉の斜面を眺めながら歩く日は、この数字に撮影の時間を上乗せして考えるのが現実的です。
牧ノ戸峠のコースで出てくる「御池」は、環境省の区間目安で久住分れから45分・1km、そこから中岳まで25分・0.5kmとされている池です。この池は中岳の近くにあり、大船山の山頂近くにある「御池」とは別の場所です。紅葉の名所として「大船山の御池」を目指す日に、牧ノ戸峠から入って中岳側の御池に着いても、目的地には着いていません。地図で位置を確かめてから計画を立ててください。
牧ノ戸峠の紅葉の時期を自分で見積もりたい人は、標高と色づきの進み方の関係を知っておくと役に立ちます。峠の標高1,330mという数字は、平地より気温が低く、色づきが早く進む高さです。ただし、それが何日早いかは、年ごとの気温で変わります。
標高と見頃の関係を、自分で読み解く方法は紅葉登山の時期は標高で読む|見頃を自分で見積もる早見表と判定チェック【2026年版】に整理しています。牧ノ戸峠の1,330mを当てはめると、どのあたりの時期から色づきの情報を気にし始めればよいかの見当がつきます。
牧ノ戸峠は駐車場からすぐ歩き始められるため、紅葉の時期は朝早くから車が集まりやすい場所です。峠の駐車場の台数や満車の時刻は、2026年9月29日時点で公式の資料に記載が見当たりません。台数が分からない以上、「何時に着けば停められる」という目安も立てられません。後の章で扱う長者原駐車場の台数と、バスの時刻を組み合わせて、どちらを起点にするかを決めてください。
編集部の見立て:牧ノ戸峠は、くじゅう連山の紅葉を「短く見て帰る」日にいちばん組み立てやすい入口だと考えています。一方で、峠から中岳側の御池へ向かう道と、大船山の御池へ向かう道を取り違える人が出やすい場所でもあります。名前が同じ池が二つあることだけは、出発前に必ず頭に入れておいてほしいところです。
大船山の御池・坊ガツル・三俣山、奥へ入る日の時期の目安と判断
くじゅう連山の紅葉の写真でよく見かけるのが、大船山の御池の水面に映る紅葉です。ほかにも、湿原が広がる坊ガツルや、長者原から見上げる三俣山の斜面が紅葉の名所として知られています。ただ、これらの場所について、公式の資料には場所ごとの見頃の時期の記載が見当たりません(2026年9月29日確認時点)。
公式の場所別の目安がない代わりに、登山情報サイトなどが目安を出しています。YAMA HACK(2026年8月28日更新)はルート別に10月上旬〜11月中旬の幅で目安を示し、JAPAN 47 GO(2026年1月21日更新)は色づき始めを10月中旬、最盛期を10月下旬〜11月中旬としています。どちらも自治体や国の公式ではない二次情報で、どちらが正しいかを決める材料はありません。参考として見るにとどめ、計画の軸には環境省の「10月から11月」という表現を置くのが確実です。
| 場所 | 公式の時期の表現 | 二次情報の目安(参考) | 行く日の決め方 |
|---|---|---|---|
| 牧ノ戸峠展望台(沓掛山斜面・星生山方面) | 環境省「10月から11月」 | ルート別に10月上旬〜11月中旬(YAMA HACK) | 今年の色づき情報が出た後の近い週末 |
| 大船山の御池 | 公式資料に場所別の記載が見当たらない | 同上の幅の中で扱われている | 日の入から下山時刻を決められる日だけ |
| 坊ガツル | 公式資料に場所別の記載が見当たらない | 色づき始め10月中旬・最盛期10月下旬〜11月中旬(JAPAN 47 GO・山域全体として) | 長者原からの区間値で往復時間を見積もる |
| 三俣山 | 公式資料に場所別の記載が見当たらない | 同上の幅の中で扱われている | 長者原から見上げるか、登るかで分ける |
表を見ると分かるとおり、奥の名所ほど公式の情報が少なくなります。これは紅葉の名所としての価値が低いからではなく、場所ごとに時期を断定できるほどの公式の観測がないためだと考えられます。公式の情報が少ない場所ほど、今年の現地の情報が出るのを待ってから動く価値が大きいということになります。
大船山の御池までの時間にも注意が必要です。坊ガツルから大船山、その先の御池までの区間は、2026年9月29日時点で信頼できる公式の区間所要時間が見当たりません。環境省のページに区間時間らしき数字が載っている箇所はありますが、同じページの地名がくじゅう連山のものと一致せず、取り違えの疑いがあるため、そのまま当てはめないでください。坊ガツルから先の時間は、登山地図や地形図で自分で見積もってください。
坊ガツルから先の所要時間を、ほかの人の山行記録の数字だけで決めないでください。記録の数字は、その人の体力と、その日の天気と、休憩の取り方の結果です。紅葉の時期は日が短く、見積もりが外れたときに取り返す時間がありません。見積もるときは、自分が普段歩いている山の登山地図のコースタイムとの比で考えるほうが安全です。
大船山の御池を目指す日は、紅葉の時期のくじゅう連山の中でも、いちばん長い一日になります。長者原から坊ガツルまでだけでも、環境省の区間値を合計すると110分・5.3kmあり、そこから大船山へ登り、同じ道を帰ってくることになります。岩の多い道、ぬかるみ、湿原の木道と、足元の条件が次々に変わる行程です。この日の足回りは、普段の低山より一段しっかりしたものが必要になります。
その足回りの候補として一つ挙げると、キャラバンのトレッキングシューズ「C1_02S」(品番10106)の3E幅のモデルがあります。キャラバンのC1シリーズは登山靴の入門として長く知られているシリーズで、この3Eの表記は足幅が広めの人向けのつくりであることを示しています。普段の靴で指の付け根が当たりやすい人や、長い下りで足の横が痛くなりやすい人が、長い日のための一足を探すときの候補になります。
編集部の見立て:大船山の御池は、くじゅう連山の紅葉でいちばん写真映えする場所の一つです。ただ、その分だけ公式の時間の情報が薄く、行程の見積もりを自分で引き受ける必要があります。見積もりに自信が持てない年は、坊ガツルで引き返す計画を最初から用意しておくのが、結果として紅葉を楽しめる近道だと考えています。
長者原から坊ガツル・大船山の御池へ、日の入から決める引き返し時刻
紅葉の時期のくじゅう連山で、いちばん気をつけたいのが日の短さです。国立天文台の暦計算室によれば、大分(県庁所在地)の日の入は、2026年10月1日が17:59、10月15日が17:41、10月30日が17:24、11月1日が17:22、11月15日が17:12、11月30日が17:06です(2026年9月29日確認)。10月の初めと11月の半ばでは、日の入が50分近く早くなります。
これは県庁所在地の大分の値で、山の中の値ではありません。登山口や谷あいの道では、山の陰に入るため、この時刻より早く暗くなる場所があります。とくに坊ガツルのような周りを山に囲まれた場所では、太陽が稜線の向こうに隠れた時点で、足元が急に見えにくくなります。日の入の時刻は「暗くなる時刻」ではなく「これより前に下山を終えておく時刻」として使うのが基本です。
| 日付 | 大分の日の入 | 長者原に戻る目標(日の入の1時間前) | 坊ガツルを発つ最終の目安(区間値110分を引く) |
|---|---|---|---|
| 10月15日 | 17:41 | 16:41 | 14:51 |
| 11月1日 | 17:22 | 16:22 | 14:32 |
| 11月15日 | 17:12 | 16:12 | 14:22 |
表の考え方を説明します。長者原から坊ガツルまでは、環境省の区間値で長者原から雨ヶ池越が70分・3.5km、雨ヶ池越から坊ガツルが40分・1.8kmです。合計すると110分・5.3kmになります。帰りも同じ道を歩くとすると、坊ガツルから長者原まで少なくとも110分はかかる計算です。長者原に日の入の1時間前に戻るには、その時刻から110分を引いた時刻までに坊ガツルを発つ必要があります。
この110分には、休憩の時間が入っていません。紅葉の時期は写真を撮る人が多く、木道や狭い道で待つ時間も出ます。表の「坊ガツルを発つ最終の目安」は、それより遅れたら確実に日の入に食い込むという線で、余裕を見た時刻ではありません。実際には、ここからさらに30分ほど早めておくと、疲れや渋滞で遅れても日の入の前に戻れます。
- 行く日の大分の日の入を、国立天文台の「各地のこよみ」で確かめる。その1時間前を「長者原に戻る目標」にする
- 目標から、坊ガツル→長者原の区間値110分と、休憩・撮影の余裕を引いて「坊ガツルを発つ最終時刻」を決める
- 坊ガツルから大船山の御池までの往復時間を登山地図で見積もり、最終時刻から引いて「御池を折り返す時刻」を決める。その時刻を過ぎたら、御池に着いていなくても引き返す
たとえば11月1日に歩く場合、坊ガツルを14:32までに発つ必要があります。休憩の余裕を30分とると、14:00頃が目安になります。朝に長者原を7:00に出れば、区間値どおりなら8:50頃に坊ガツルに着きます。そこから14:00までの約5時間が、大船山の御池を往復し、休憩し、写真を撮るための持ち時間です。国立天文台の値で11月1日の大分の日の出は6:31なので、7:00の出発は明るくなってすぐの時間帯になります。
「日の入まであと1時間ある」と思った時点で、坊ガツルより奥にいるなら、すでに遅れています。暗くなってからの湿原の木道や岩の多い下りは、昼間とは足元の見え方がまったく違います。予定より遅れたら、紅葉が見頃であっても、その場で引き返す時刻を守ってください。
引き返し時刻を決めても、下山が日の入に近づくことはあり得ます。そのときに頼りになるのが、ヘッドライトです。日帰りでも、紅葉の時期のくじゅう連山では、ザックに入れておく装備の一つとして扱ってください。ヘッドライトは「暗くなってから使う道具」ですが、実際には「暗くなる前に出して頭に付けておく」ほうが、足元が見えなくなってから慌てて探すより安全です。
日の入の時刻から下山を組み立てる考え方は、登山の日没は秋に早まる|月別早見表と引き返し時刻の出し方で、別の地域の値も使って詳しく説明しています。くじゅう連山の場合は、この記事の表の大分の値に置き換えて使ってください。
ヘッドライトの候補として、レッドレンザーの「MH7」(品番501599)があります。USB充電式のモデルで、日本正規品として販売されています。電池の買い置きを管理するのが面倒な人や、出発前夜に充電して持っていく習慣をつけたい人に向きます。充電式を選ぶ場合は、前日に満充電にしてから出かけることを手順に入れておいてください。
編集部の見立て:長者原から大船山の御池までの日は、紅葉の見頃より日の入のほうが一日の予定を強く縛ります。出発前にいちばんやっておきたいのは、「御池を折り返す時刻」を出発前に紙かスマートフォンに書いておくことです。現地で景色を前にして時刻を決めようとすると、ほとんどの場合、あと少しと先へ進んでしまうからです。
御池まで往復する長い日の足回りと、稜線の風・冷えへの備え
長者原から坊ガツルを経て大船山の御池まで往復する日は、くじゅう連山の紅葉の時期の中でも、道具の差が出やすい一日です。道の条件が一日のうちに何度も変わるからです。雨ヶ池越の前後にはぬかるみやすい場所があり、坊ガツルのまわりには木道があり、大船山へ向かう道は岩や石の多い登りになります。そして標高の高い稜線では、平地では想像しにくい強い風が吹くことがあります。
選ぶ基準は、四つに絞るのが分かりやすいと考えています。一つめは、ぬれた木道や石の上で滑りにくく、長い下りで足首がぐらつかない靴であることです。二つめは、長い一日の食料・水・防寒着・雨具をまとめて入れられるザックであることです。三つめは、稜線の風を止めながら、登りで汗を逃がせる上着であることです。四つめは、それぞれが自分の体の大きさと、その日の行程の長さに合っていることです。
| 商品 | 型番・品番 | 商品名から分かること | 向く人 |
|---|---|---|---|
| キャラバン C1 DL ミッドカット | 0010122459 | 足首まで覆うミッドカットのトレッキングシューズ | 長い下りで足首を支えたい人 |
| カリマー tatra20 | AU-SGBJ-0403-0711 | 日帰り向けのデイパック | 荷物を一つにまとめて背負いたい人 |
| カリマー Mars Panel Load 18 | 501074 | ポケッタブル(収納可)のリュックサック | 車や宿に置いて、必要な日だけ使いたい人 |
| マムート Ultimate VII SO Hooded Jacket AF | 商品ページで確認 | フード付きのソフトシェルジャケット(アジアンフィット) | 稜線の風を止めつつ汗を逃がしたい人 |
足回りから見ていきます。キャラバンの「C1 DL ミッドカット」(品番0010122459)は、足首まで覆うミッドカットのトレッキングシューズです。長い下りの後半で足首が疲れてぐらつきやすい人や、ぬかるみで足首まで泥に入る場面を気にする人に向きます。さきほどの3E幅のC1_02Sと比べると、足幅の広さを優先するか、足首の支えを優先するかで選び分けることになります。
次にザックです。カリマーの「tatra20」は日帰りの山歩きを想定したデイパックです。食料・水・防寒着・雨具を一つのザックにまとめ、両手を空けて歩きたい人に向きます。紅葉の時期は、朝晩と日中の気温差が大きいため、脱いだ上着をしまう余裕のあるザックのほうが、行動中に服を調節しやすくなります。
同じカリマーの「Mars Panel Load 18」(品番501074)は、小さくたたんで収納できるポケッタブルのリュックサックです。車で長者原まで来て、メインのザックとは別に、吊橋やビジターセンターを回る日の軽い荷物用を用意しておきたい人に向きます。一日のうちに「長く歩く時間」と「観光で回る時間」を分ける人にとって、使い分けの幅が広がります。
最後に上着です。マムートの「Ultimate VII SO Hooded Jacket AF」は、フード付きのソフトシェルジャケットで、商品名のAFはアジアンフィットを示しています。稜線の風で体が冷えやすく、それでいて登りでは汗をかきやすい人に向きます。ソフトシェルは雨を完全に防ぐものではないので、雨の予報がある日はレインウェアと組み合わせて考えてください。
ソフトシェルと役割が重なりやすいのがレインウェアです。雨の日はもちろん、風の強い稜線で一枚羽織るものとしても使えます。素材の層の違いやサイズの決め方は、登山レインウェアの10着と、2層・2.5層・3層の違い・サイズの決め方で詳しく整理しています。紅葉の時期のくじゅう連山では、晴れの予報でもザックに入れておく一枚として考えてください。
新しい靴を、大船山の御池を往復する日に初めて履くのは避けてください。長い一日の後半で靴擦れが起きると、ペースが落ちて、引き返し時刻の計算がすべて崩れます。新しい靴は、近くの短い山か、牧ノ戸峠から沓掛山までのような短い区間で一度慣らしてから、長い日に使うのが安全です。
編集部の見立て:長い日の道具選びでいちばん大事なのは、どれか一つを良いものにすることより、靴・ザック・上着の組み合わせで「一日の最後まで同じペースで歩けるか」を考えることだと思っています。とくに足回りは、紅葉を見る時間を守るための道具です。景色のための装備ではなく、時間を守るための装備として選んでください。
長者原駐車場は約450台、紅葉期に着く時刻の決め方
車でくじゅう連山へ行く人の多くが起点にするのが長者原です。九重町の案内によれば、長者原の駐車場は約450台です(2026年9月29日確認時点)。町は、例年ミヤマキリシマの時期と紅葉の時期に満車の状況があることを案内しています。450台という数は小さくありませんが、紅葉の週末には、それでも足りなくなることがあるということです。
では、何時に着けば停められるのでしょうか。これについては、九重町の案内に満車になる時刻の記載はありません。待ち時間についての記載もありません。公表されていない時刻を当て推量で決めるより、「着く時刻を自分の行程から決める考え方」を持っておくほうが確実です。
着く時刻を決める考え方:長者原を起点に坊ガツルや大船山を目指す人は、そもそも朝早く歩き始める必要があります。前の章の計算では、11月1日なら7:00に長者原を出ると、坊ガツルに着くのが8:50頃になります。長い日を歩く人は、行程の都合で朝早く着くことになり、それが結果として駐車場の混雑を避けることにもつながるという関係です。
一方で、紅葉を短く見て帰る人は、朝早く着く理由が行程の中にはありません。そうした人は、駐車場の混雑の度合いを受け入れるか、時間をずらすかを選ぶことになります。満車の時刻が公表されていない以上、確実な方法は「早く着く」ことしかありません。もう一つは、公共交通を使って駐車場の問題をそもそも避けることです。これは次の章で扱います。
九重町は、紅葉期の混雑・満車に加えて、路上駐車の禁止を案内しています。駐車場が満車だったときに、道路の路肩に車を停めて歩き始めることはしないでください。路上駐車は、ほかの車の通行や、緊急車両の通行の妨げになります。満車だったときは、別の駐車場に回るか、その日の計画を変えることを前提に考えておいてください。
紅葉の時期に、区間を決めた道路の交通規制が行われるかどうかは、2026年9月29日時点で九重町の案内に記載が見当たりません。町の案内は、混雑と満車、路上駐車の禁止の注意喚起にとどまっています。区間規制の有無は、公式の案内が出るまで判断できません。出発の前に、九重町のページで最新の案内が出ていないかを確かめてください。
- 長者原の駐車場は約450台で、紅葉期に満車になることがあると知っている
- 満車の時刻は公表されていないので、自分の行程から着く時刻を決めた
- 満車だったときに回る先と、計画を変える場合の代わりの予定を決めた
- 路上駐車・路肩駐車はしないと決めている
- 出発の前に、九重町のページで交通や駐車場の新しい案内がないかを見た
朝早く長者原に着いた場合、歩き始めるまでの時間は、思った以上に体が冷えます。標高のある場所の朝は、秋でも平地の感覚とは違います。着替えや準備の間に体を冷やさないよう、車を降りる前に一枚羽織れるものを手元に出しておくのがおすすめです。
その一枚の候補として、マムートの「グラナイト ソフトシェル フーデッド ジャケット アジアンフィット」(GRANITE SO Hooded Jacket AF、品番1011-00323)があります。フード付きのソフトシェルで、アジアンフィットのモデルです。朝の準備の間や歩き始めの冷えをしのぎつつ、そのまま歩き出しても汗がこもりにくい一枚を探している人に向きます。前の章のUltimate VIIと同じソフトシェルの仲間なので、どちらか一着を選ぶ前提で見比べてください。
編集部の見立て:駐車場の満車の時刻は公表されていないので、「◯時までに着けば停められる」という数字を見かけたら、根拠を確かめてから使ってください。数字がないところに当てはめた数字は、誤った安心につながりやすいと考えています。長い日を歩く人は行程の都合で早く着くはずなので、駐車場の混雑は、むしろ短く見て帰る人が向き合う問題だと整理しています。
牧ノ戸峠・長者原・吊橋へのバスと、2026年に確認できた運行
車以外でくじゅう連山へ行く方法として、路線バスがあります。亀の井バスの「牧の戸峠線」は、2026年4月4日から11月29日までの土日祝に運行し、由布院駅前バスセンターを10:20と13:45に出る便があります。道の駅ゆふいん、九重夢大吊橋、くじゅう登山口を経由して、牧の戸峠まで走ります(亀の井バスの案内、2026年9月6日確認の値)。
この情報で読み取れることは、いくつかあります。まず、紅葉の時期の土日祝は、運行期間に入っています。次に、由布院駅前を出るのは10:20と13:45の2本で、いずれも朝早い時間ではありません。10:20の便で牧の戸峠まで行く日は、長い行程ではなく、峠のまわりで紅葉を眺める短い計画に向いていることになります。
牧の戸峠線の帰りの便の時刻は、出発前に必ず押さえておきたい値です。帰りの便の時刻が分からないまま歩き始めると、引き返し時刻を決められません。出発の前に、亀の井バスの案内で帰りの便の時刻を確かめ、その時刻から、歩ける時間を決めてください。運行や時刻は変わることがあるので、利用の直前にもう一度確かめてください。
帰りのバスを使う日の引き返し時刻は、日の入の場合と同じ考え方で出せます。帰りの便の発車時刻から、バス停までの下りの時間と、余裕の時間を引いたものが、折り返す時刻です。たとえば牧ノ戸峠から沓掛山まで歩いて戻る場合、環境省の区間目安では牧ノ戸登山口から沓掛山までが25分なので、帰りも少なくとも25分はかかる計算です。沓掛山を折り返す時刻は、帰りの便の発車時刻から25分と余裕を引いた時刻になります。
春に九重町が運行したパーク&ライドの「つなぐ号」についても触れておきます。九重町のページに載っているのは、2026年5月から6月の特定の日の運行です。秋の紅葉の時期に同じような運行があるかどうかは、九重町のページに記載が見当たりません(2026年9月29日確認時点)。秋の運行の有無は、九重町か長者原ビジターセンターで確かめてください。
| 起点 | 車・駐車場について分かること | バスについて分かること |
|---|---|---|
| 長者原 | 駐車場約450台。紅葉期に満車の状況があると九重町が案内 | 牧の戸峠線の経由地「くじゅう登山口」。秋の「つなぐ号」の運行は公式の記載なし |
| 牧ノ戸峠 | 駐車場の台数・満車の時刻は公式資料に記載が見当たらない | 牧の戸峠線の終点。2026年4月4日〜11月29日の土日祝運行 |
| 九重“夢”大吊橋 | 中村側:普通車229台・大型車37台。北方側:普通車46台 | 牧の戸峠線の経由地 |
表の「くじゅう登山口」が、実際にどこにあるバス停なのかは、亀の井バスの案内で停留所の位置を確かめてください。バス停の名前だけで、どの登山道の入口に近いかを決めつけると、歩き始めの場所がずれることがあります。
編集部の見立て:バスで行く日は、駐車場の満車を心配しなくてよい代わりに、帰りの便が一日の予定を決めます。車の日は日の入が、バスの日は帰りの便が、それぞれの締め切りになると整理すると分かりやすいと思います。どちらの日も、締め切りを先に決めてから、歩く範囲を決める順番は同じです。
九重“夢”大吊橋と長者原ビジターセンター、紅葉の日に入れる時間
紅葉の時期のくじゅう連山を訪れる人の中には、山を歩くだけでなく、九重“夢”大吊橋に立ち寄る人も多いはずです。吊橋の公式サイトによれば、9月から10月の営業時間は8:30〜18:00で、入場券の販売は17:30までです(2026年9月29日確認時点)。悪天候などのときは、入場が制限されることがあるとも案内されています。
この営業時間から分かるのは、吊橋に寄る場合、入場券を買うのは17:30までに済ませる必要があるということです。山を歩いた帰りに寄る計画なら、下山してから吊橋までの移動時間を足して、17:30に間に合うかを見積もってください。11月の営業時間は、ここで挙げた9〜10月の値とは別に定められている可能性があるため、11月に行く人は公式サイトで確かめてください。
九重“夢”大吊橋の駐車場は、吊橋の公式サイトによれば、中村側に普通車229台・大型車37台、北方側に普通車46台です(2026年9月29日確認時点)。吊橋は渓谷にかかる橋で、山を歩かなくても紅葉の時期の景色を楽しみたい人にとっての選択肢になります。
もう一つ、立ち寄り先として知っておきたいのが長者原ビジターセンターです。くじゅうファンクラブのサイトによれば、長者原ビジターセンターの開館時間は9:00〜17:00で、11月から4月は16:00に閉館します。休館日は12月29日から1月3日です(2026年9月29日確認時点)。
ここで気をつけたいのは、10月と11月で閉館の時刻が1時間違うことです。10月は17:00まで開いていても、11月に入ると16:00で閉まるので、紅葉の見頃の後半に行く人は、下山してから立ち寄ろうとしても間に合わないことがあります。朝早く歩き始める人は、開館の9:00より前に出発することになるので、歩き始める前には立ち寄れません。
立ち寄りのタイミング:長い日を歩く人にとって、ビジターセンターに立ち寄れるのは、主に下山した後です。11月の閉館は16:00なので、前の章の表の「長者原に戻る目標」(11月1日なら16:22)より早く閉まります。11月に長い日を歩く人は、ビジターセンターへの立ち寄りを前提に計画しないほうが、予定が崩れにくくなります。
短く紅葉を見て帰る日なら、ビジターセンターと吊橋の両方に寄る計画も立てやすくなります。たとえば、午前中に牧ノ戸峠のまわりで紅葉を眺め、昼過ぎに長者原のビジターセンターに立ち寄り、夕方の入場券販売の締め切りまでに吊橋に寄る、という順番です。それぞれの営業時間の中に、移動の時間をはさんで組み立ててください。
吊橋の入場券販売の17:30は、9〜10月の値です。10月の後半は日の入が17:30より前になる日もあり、国立天文台の値では10月30日の大分の日の入は17:24です。吊橋の営業時間の中であっても、暗くなってからの移動になる場合があることを見込んでおいてください。
編集部の見立て:吊橋とビジターセンターは、山を歩かない家族や同行者と一緒に紅葉を楽しむ日の、いちばん組み立てやすい行き先だと考えています。一方で、山を長く歩く日にこれらを全部回ろうとすると、どれかの締め切りに追われることになります。長い日と観光の日は、無理に一日にまとめないほうが、どちらも楽しめると思います。
紅葉だけを見る短い日と、奥まで歩く長い日の分け方
ここまでの内容を整理すると、くじゅう連山の紅葉の日は、大きく「短い日」と「長い日」に分けられます。短い日は、牧ノ戸峠の展望台や沓掛山のまわり、九重“夢”大吊橋、長者原のまわりで紅葉を眺める日です。長い日は、長者原から坊ガツルを抜け、大船山の御池まで往復する日です。この二つは、準備も、締め切りも、必要な装備もまったく違います。
短い日の締め切りは、主に施設の営業時間と帰りのバスの時刻です。吊橋の入場券販売の17:30、ビジターセンターの閉館(10月は17:00、11月は16:00)、そして帰りのバスの時刻が、一日の予定を決めます。歩く距離が短い分、日の入に追われることは少なくなりますが、施設の締め切りには注意が必要です。
長い日の締め切りは、日の入です。前の章で示したとおり、11月1日なら坊ガツルを14:32までに発つ必要があり、余裕を見れば14:00頃が目安になります。大船山の御池をいつ折り返すかは、そこから逆に見積もって決めることになります。長い日は、紅葉が見頃かどうかより、日の入までに戻れるかどうかで行くかを決めるのが基本です。
| 比べる点 | 短い日(峠・吊橋・長者原のまわり) | 長い日(長者原→坊ガツル→大船山の御池) |
|---|---|---|
| 一日の締め切り | 吊橋の入場券17:30、ビジターセンターの閉館、帰りのバス | 大分の日の入から決めた坊ガツルの最終出発時刻 |
| 起点 | 牧ノ戸峠・長者原・吊橋 | 長者原 |
| 公式の区間値 | 牧ノ戸登山口→沓掛山 25分・1km | 長者原→坊ガツル 区間値を合計すると110分・5.3km。坊ガツルより先は公式の区間値が見当たらない |
| バスとの相性 | 由布院駅前10:20発の便でも組める | 朝早い出発が必要なため、牧の戸峠線の由布院発の時刻とは合いにくい |
もう一つの選択肢として、坊ガツルに泊まる計画があります。坊ガツルのまわりには「坊ガツル・法華院野営場」があり、大分県の資料ではこの名前で記載されています。環境省のくじゅう地域の公園計画では、野営場以外での野営は禁止とされています。泊まるなら、決められた野営場か山小屋を使うことが前提です。坊ガツルから法華院温泉山荘までは、環境省の区間値で15分・1kmです。
法華院温泉山荘の宿泊の予約や、テント場の運用については、山荘の案内が情報源になります。予約の受付の方法や、テント場の料金・受付の時間は変わることがあるので、泊まる計画を立てる場合は、山荘の最新の案内で直接確かめてください。坊ガツルは、くじゅう坊ガツル・タデ原湿原として2005年11月8日にラムサール条約に登録された湿地の一部でもあります。
九州の中で、くじゅう連山以外の紅葉の山も候補に入れている人は、時期の違う山と組み合わせることもできます。英彦山の紅葉2026|見頃の目安と例年の幅、出発前に確かめる5項目では、福岡県と大分県の境にある英彦山の時期と確認先をまとめています。くじゅう連山の色づきが早い年と遅い年で、行き先を入れ替える候補として持っておくと、計画に幅が出ます。
編集部の見立て:同じ「くじゅう連山の紅葉」でも、短い日と長い日は別の計画だと考えたほうがうまくいきます。とくに、短い日のつもりで出かけて、現地で景色に誘われて長い日に切り替えるのは避けてほしい動き方です。長い日に必要な時刻の計算と装備は、出発する前に済ませておくものだからです。
通行止め・クマ出没・登山届と、2026年の色づき情報を見る公式ページ
紅葉の時期のくじゅう連山について、出発の直前まで確かめる必要があるのが、通行止めとクマの出没の情報です。冒頭でも触れたとおり、2026年9月29日の時点で、全登山道・全路線の通行止めの現況をまとめて確認できる公式のページは見当たりません。九重町の公開ページは駐車場の案内が中心です。環境省の登山道の規制のページは2017年時点の情報で、現在の状態の根拠にはできません。
通行止めやクマの出没による入山禁止は、年や時期によって変わります。現在そうした規制があるかどうかは、出発の直前の情報でしか判断できません。出発の前に、九重町と環境省の最新の情報を見ることが、規制の有無を知るための唯一の確かめ方です。
クマの出没について、ほかの地域の情報や、前の年の情報をそのまま当てはめないでください。出没の状況は地域と時期によって変わります。2026年9月29日時点で、くじゅう連山のクマの出没について断定できる公式の情報は見当たりません。出発の前に、九重町と環境省の最新の情報を見て判断してください。
登山届についても触れておきます。大分県警は、登山届の提出の方法として、インターネット、山岳関係のアプリ(コンパス、YAMAP)、登山口、山を管轄する警察署の四つを案内しています(大分県警のページ、2026年2月9日更新)。紅葉の時期のくじゅう連山は、短い日でも人が多く、長い日は日の入と競う行程になります。どちらの日でも、行き先と戻る時刻を誰かに伝える手段として、登山届を出しておくことを勧めます。
2026年の色づきの情報は、まだどこにも出ていません(2026年9月29日確認時点)。情報が出たときに見に行く場所は、三つに絞れます。環境省の阿蘇くじゅう国立公園の牧ノ戸峠のコース紹介、九重町の公式サイト、大分県の公式観光サイトの該当ページです。この三つをブックマークしておき、10月に入ったら週に一度見に行くと、見頃の情報を逃しにくくなります。
- 出発の3日前:環境省・九重町・大分県の公式観光サイトで、2026年の色づきの情報が出ていないかを見る
- 出発の前日:気象庁の九重山のページで噴火警戒レベルを、九重町・環境省で通行止めとクマの出没の案内を見る。登山届を出す
- 出発の当日の朝:気象庁の九重山のページをもう一度開く。バスで行く人は、亀の井バスの案内で帰りの便の時刻を見直す
九州全体の紅葉の山の規制や、標高から見頃を見積もる方法は、九州の紅葉登山の記事で山ごとに並べています。くじゅう連山の情報がなかなか出ないときは、九州のほかの山の色づきの情報を参考に、今年の進み具合の見当をつけることもできます。
編集部の見立て:規制の現況がはっきりしないときに「たぶん通れる」と考えて出かけるのが、いちばん危ない動き方です。確かめられないものを確かめたつもりで歩き出すと、規制のかかった場所へ自分から近づくことになりかねません。どのページをいつ見るかという段取りを先に決め、最後の判断は出発の直前の情報に任せてください。
紅葉の時期のくじゅう連山、雨具と防寒の最終チェック
最後の章では、出発の前夜にザックの中身を確かめるための視点をまとめます。紅葉の時期のくじゅう連山は、朝晩の冷え込みと、稜線の強い風と、急な天気の変化が重なりやすい季節です。晴れの予報の日でも、雨具と防寒着はザックに入れておくのが基本です。
雨具は、雨の日のためだけのものではありません。稜線で風が強いとき、上に一枚羽織るだけで体の冷え方が大きく変わります。紅葉の撮影で立ち止まる時間が長い日ほど、体が冷えやすくなるので、風を止める一枚の出番は増えます。長い日を歩く人は、ソフトシェルとレインウェアのどちらを持つか、あるいは両方を持つかを、天気予報と行程の長さで決めてください。
防寒着は、行動中に着るものと、休憩や非常時に着るものを分けて考えるのが分かりやすい方法です。行動中はフリースのような、汗を逃がしながら保温するものが使いやすくなります。休憩や、予定より下山が遅れて冷えたときには、ダウンジャケットのような、小さくたためて保温力の高いものが役に立ちます。
行動中の保温に使うフリースの厚さは、行く月の気温で決めるのが分かりやすい方法です。登山用フリースの厚さの決め方|マイクロフリースとの違いと9〜12月の実気温で、月ごとの考え方を整理しています。10月と11月では、選ぶ厚さが変わることがあります。
- 雨具(上下)がザックに入っている。晴れの予報でも出していない
- 行動中に着る保温着(フリースなど)と、休憩や非常時に着る保温着(ダウンなど)を分けて持っている
- 手袋と、耳まで覆える帽子を持っている
- ヘッドライトを前夜に充電したか、電池を確かめた
- 長い日を歩く人は、坊ガツルを発つ最終時刻と、大船山の御池を折り返す時刻を紙かスマートフォンに書いた
- 登山届を出した
非常時の保温着の候補として、モンベルの「プラズマ1000 ダウンジャケット」(品番1101493)があります。商品名のとおり1000フィルパワーのダウンを使ったモデルです。ザックの容量を大きく取らずに、休憩や下山の遅れに備えた保温着を一枚持っておきたい人に向きます。行動中に着続けるものではなく、止まったときに羽織るものとして考えてください。
編集部の見立て:紅葉の時期の装備で一番多い失敗は、晴れの予報を見て雨具と防寒着を置いていくことだと考えています。くじゅう連山は稜線に出ると風を遮るものが少なく、止まった瞬間に体が冷えます。雨具と防寒着は、使わずに帰ってくるのが一番よい日の装備だと割り切って、毎回ザックに入れておいてください。
よくある質問
Q. くじゅう連山の紅葉、2026年の見頃はいつですか?
2026年9月29日の時点で、環境省・九重町・大分県の公式観光サイトのいずれにも、2026年の色づきの情報は発表されていません。例年の目安としては、環境省が牧ノ戸峠のコース紹介で、展望台から見る沓掛山の斜面・星生山方面の見頃を「10月から11月」と案内しています。今年の具体的な日付は、公式の情報が出てから確かめてください。
Q. 九重山は噴火の心配はありますか? 登っても大丈夫ですか?
気象庁は九重山の噴火警戒レベルを1「活火山であることに留意」としています(2026年9月29日確認時点)。硫黄山噴気孔群では、高温の火山ガスに注意するよう記載があります。登山道のどこが立入規制にかかるかは気象庁のページに書かれていないため、出発の前に九重町と環境省の情報で、歩く道の通行の可否を確かめてください。
編集部の見立て:「大丈夫かどうか」は、記事を読んで決めるものではなく、出発の前日と当日の朝に気象庁のページを見て決めるものだと考えています。レベル1が続いている今も、その確かめる手順だけは省かないでください。
Q. 長者原の駐車場は何時に着けば停められますか?
長者原の駐車場は約450台で、九重町は紅葉期に満車の状況があることを案内しています。ただし、満車になる時刻や待ち時間は、公式の案内に記載がありません。長い行程を歩く人は、行程の都合で朝早く着くことになります。短く紅葉を見て帰る人は、早く着くか、公共交通を使うことを検討してください。路上駐車は禁止されています。
Q. 大船山の御池まで、長者原から何時間かかりますか?
長者原から坊ガツルまでは、環境省の区間値で長者原→雨ヶ池越が70分・3.5km、雨ヶ池越→坊ガツルが40分・1.8kmで、合計すると110分・5.3kmです。坊ガツルから大船山の御池までの区間は、2026年9月29日時点で信頼できる公式の区間値が見当たりません。登山地図や地形図で、自分の歩く速さに合わせて見積もってください。
Q. バスで行く場合、何時の便に乗ればよいですか?
亀の井バスの「牧の戸峠線」は、2026年4月4日から11月29日の土日祝に運行し、由布院駅前バスセンターを10:20と13:45に出ます(2026年9月6日確認の値)。朝早い便ではないため、バスの日は牧ノ戸峠のまわりで紅葉を眺める短い計画に向きます。帰りの便の時刻は歩ける範囲を決める値なので、利用の前に亀の井バスの案内で確かめてください。
編集部の見立て:バスで行く日は、行きの便より帰りの便の時刻を先に確かめるのが大事だと考えています。帰りの便の時刻が、その日に歩ける範囲を決めるからです。
まとめ:今日やることは1つ
くじゅう連山の紅葉2026は、9月29日の時点で色づきの情報がまだ出ていません。例年の目安は、環境省が牧ノ戸峠のコース紹介で示している「10月から11月」です。九重山の噴火警戒レベルは1で、硫黄山噴気孔群では高温の火山ガスに注意が必要です。長者原の駐車場は約450台で、紅葉期は満車になることがあります。長者原から大船山の御池まで往復する日は、大分の日の入から坊ガツルを発つ時刻を決めてください。
今日やることは1つです。環境省の牧ノ戸峠のコース紹介、九重町の公式サイト、気象庁の九重山のページの三つをブックマークしてください。2026年の色づきの情報が出たら、そこから行く日を決めれば間に合います。
編集部の見立て:紅葉の計画は、見頃の日付を当てることより、情報が出たときにすぐ動ける準備をしておくことのほうが結果を左右すると考えています。今日ブックマークした三つのページが、2026年の紅葉の計画の起点になります。
- 今日:環境省の牧ノ戸峠のコース紹介、九重町の公式サイト、気象庁の九重山のページをブックマークする
- 10月に入ったら:週に一度、2026年の色づきの情報が出ていないかを見に行く。短い日にするか、長い日にするかを決める
- 行く日が決まったら:国立天文台で大分の日の入を確かめ、坊ガツルを発つ最終時刻(長い日)か、帰りのバスの時刻(バスの日)から、引き返す時刻を紙に書く
編集部の見立て:長い日を選ぶ人は、引き返す時刻を書いた紙をザックの一番上に入れておいてください。景色がいちばんきれいな場所で、いちばん迷うのが引き返す判断です。その判断を、出発の前の自分に任せておくのが、紅葉の日を無事に終えるいちばん確かな方法だと考えています。
出典
- 気象庁「九重山の活動状況」 https://www.data.jma.go.jp/vois/data/report/activity_info/502.html (2026年9月29日確認)
- 環境省 阿蘇くじゅう国立公園 牧ノ戸峠コース https://www.env.go.jp/nature/nationalparks/list/aso-kuju/course/10/ (2026年9月29日確認)
- 環境省 阿蘇くじゅう国立公園 コース(牧ノ戸登山口〜久住分れ〜中岳の区間目安) https://www.env.go.jp/nature/nationalparks/list/aso-kuju/course/05/ (2026年9月6日確認)
- 環境省 阿蘇くじゅう国立公園 コース(長者原〜雨ヶ池越〜坊ガツル〜法華院の区間値) https://www.env.go.jp/nature/nationalparks/list/aso-kuju/course/06/ (2026年9月6日確認)
- 九重町 長者原駐車場の案内 https://www.town.kokonoe.oita.jp/docs/2026052200012/ (2026年9月29日確認)
- 九重“夢”大吊橋 営業時間・駐車場 https://www.yumeooturihashi.com/twn/info.html (2026年9月29日確認)
- くじゅうファンクラブ(長者原ビジターセンター) https://kujufanclub.com/en/ (2026年9月29日確認)
- 大分県公式観光サイト https://www.visit-oita.jp/spots/detail/4731 (2026年9月29日確認)
- 国立天文台 暦計算室「各地のこよみ」大分 2026年10月 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2026/s4510.html / 2026年11月 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2026/s4511.html (2026年9月29日確認)
- 亀の井バス「牧の戸峠線」 https://kamenoibus.com/archive/3500.html (2026年9月6日確認)
- 大分県警察 登山届 https://www.pref.oita.jp/site/keisatu/tozan.html (2026年9月6日確認)
- 環境省 ラムサール条約湿地「くじゅう坊ガツル・タデ原湿原」 https://www.env.go.jp/nature/ramsar/conv/ramsarleaflet/45_Kuju_Bogatsuru_and_Tadewara-shitsugen.pdf (2026年9月6日確認)
- 環境省 くじゅう地域 公園計画 https://www.env.go.jp/park/aso/intro/files/kuju/plan_1403.pdf (2026年9月6日確認)
- 大分県 坊ガツル・法華院野営場の資料 https://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/2232279.pdf (2026年9月6日確認)
- 参考(二次情報):YAMA HACK https://yamahack.com/6334 (2026年8月28日更新)/JAPAN 47 GO https://www.japan47go.travel/ja/detail/7053c275-6514-419f-877d-3e8cddfd6ad3 (2026年1月21日更新)
