七丈小屋の予約とテント場|夏山営業と冬期営業で変わる泊まり方・水・休業日

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。

七丈小屋の小屋泊は完全予約制で、予約は公式ページから予約サイト「やまたん」に進んで取ります。テント泊は予約不要・先着順で、張れる数は夏が30張程度、冬が10〜20張(積雪で大きく変わる)です。2026年の夏山営業は11月23日宿泊までで、11月24日から冬期営業に切り替わり、2027年1月4日からは週末中心の営業になって、休業日は小屋に泊まれません。

七丈小屋は、甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根の七合目に建つ小屋です。北杜市の案内では、尾白川渓谷駐車場から山頂までの標準コースタイムが登り約9時間40分・下り約6時間20分、合計約16時間。登山口と山頂の標高差は約2,200mあります。日帰りで往復するには長すぎる行程なので、多くの計画は七丈小屋で1泊を挟む形になります。

ややこしいのは、同じ小屋が季節によって別の施設のように変わる点です。予約の要否は夏も冬も同じでも、食事の中身、水の出し方、テント場の張数、そもそも小屋番がいる日かどうかが、夏山営業と冬期営業で入れ替わります。秋の終わりから冬に計画を立てる人ほど、去年の情報や年の書かれていない料金表に引っぱられやすくなります。

営業・予約・水・テント場の値は、小屋公式の「2026夏山営業」「2026-27冬期営業」と予約ページ、北杜市のコース案内(いずれも2026年10月12日確認)によります。行く日を「時期×泊まり方」の判定表に当てはめ、冬は水の追加本数を式で出し、最後に日の長さから1泊2日の時刻を組む、という順に読み進めると計画が固まります。

  • 予約が要るのは小屋泊だけ。テント泊は夏も冬も予約不要・先着順で、張れる数は夏30張程度・冬10〜20張
  • 2026年の夏山営業は11月23日(月)宿泊まで。11月24日(火)からの冬期営業は2027年5月21日(金)宿泊まで続く
  • 冬期は2027年1月3日(日)宿泊まで毎日営業、1月4日(月)からは週末中心。休業日は小屋番がいないので小屋泊はできない
  • 休業日でもトイレは開放、テント場も使えるが、飲料水の提供はない
  • 冬の水は小屋泊・テント泊とも1泊2Lまで無料、追加は500mlごとに100円。自分の必要量を入れて追加本数を出す式
  • 電話で予約するのは「11名以上」「現金払い」「オンラインに無い組み合わせ」「小屋番に確かめたいことがある」の4つの場合
  • 冬の公式案内に持ち物として明記されているのはシャベル。12月1日〜3月31日の南アルプス登山は山梨県の条例で登山計画書の提出が義務

予約が要るのは小屋泊だけ、テント泊は予約なしの先着順

最初に決めるのは「自分の泊まり方に予約が要るかどうか」です。七丈小屋の公式案内では、小屋泊は夏山営業・冬期営業とも完全予約制で、定員は最大24名。テント泊は夏・冬とも予約不要の先着順です。

つまり小屋泊を考えている人は、日程が決まった時点で予約サイトの空きを見にいく必要があります。反対にテント泊の人は予約の手続きがない代わりに、当日に張る場所が残っているかどうかを自分で引き受けることになります。どちらが気楽かは、出発時刻と体力の読みで変わります。

泊まり方 予約 当日に起きうること
小屋泊 完全予約制(最大24名)。やまたん、または電話 予約がなければ泊まれない。1月4日以降は休業日に当たると予約自体ができない
テント泊 予約不要・先着順 張れる数に上限がある(夏30張程度・冬10〜20張)。到着が遅いと場所の選択肢が減る
日帰り・通過 不要 夏は売店と水道(協力金100円)を使える。冬は宿泊しない人への水の提供がない

黒戸尾根のテント泊で心配すべきなのは「予約が取れないこと」ではなく「着くのが遅れること」です。予約が要らない分、時間の読みの甘さがそのまま張る場所の問題になります。

小屋泊とテント泊のどちらにするか迷っている段階なら、荷物の量で決めるのが現実的です。小屋には寝具があるので、テント・寝袋・マットを背負わずに済みます。一方でテント泊は、冬になると雪の上に張る道具一式とシャベルまで背負う計画になります。予約の一般的な流れや、満室だったときの考え方は山小屋の予約の取り方|いつから空くか、満室のとき、当日行けなくなったときにまとめています。

行く日が夏山営業か冬期営業かで、泊まり方の条件が入れ替わる

ここが七丈小屋の計画でいちばん大事なところです。小屋公式は夏と冬で別のページを用意していて、書いてある条件がほぼ全部違います。下の表は、その2ページを「時期」と「泊まり方」の2軸に並べ直したものです。セルに入れたのは、小屋公式が書いている営業・予約・水・寝具・装備の条件だけです。

時期(宿泊日) 小屋泊 テント泊 日帰り・通過
夏山営業
2026年5月25日〜11月23日
完全予約(最大24名)。寝具あり、インナーシーツかシュラフカバーを持参。朝夕2食(早朝出発は夕食+朝弁当)。水は宿泊料金に含む 予約不要・先着順・30張程度。週末は混雑の予想。食事の提供なし 売店を利用できる。小屋前の水道は協力金100円
冬期・毎日営業
2026年11月24日〜2027年1月3日
完全予約。朝夕2食だが夏より簡素で、朝食は弁当のみ。水は1泊2Lまで無料。手洗い用の水なし 予約不要・先着順・10〜20張(積雪で変動)。シャベル必携。水は1泊2Lまで無料 宿泊しない人は水を自分で用意。12月1日からは登山計画書の提出が義務
冬期・週末中心
2027年1月4日〜5月21日
営業日だけ泊まれる。休業日は小屋番不在で小屋泊不可。営業日は完全予約 休業日もテント場は使えるが、飲料水の提供なし。トイレは開放。10〜20張・先着順 休業日は水の提供なし・小屋番不在。トイレだけ使える。3月31日までは計画書の提出が義務

表を横に読むと、同じ時期でも泊まり方で準備が分かれることがわかります。縦に読むと、同じテント泊でも夏と冬で「張れる数」「水」「道具」がまるごと変わります。とくに1月4日以降のテント泊は、テント場が使えても水が出ない日があるという点が、夏の感覚のままだと抜けやすいところです。

七丈小屋 2026-27年の営業と予約。左に時期・泊まり方、右に小屋公式の案内を並べた対応表の図解。夏山営業=2026年11月23日宿泊まで/冬期の毎日営業=11月24日〜2027年1月3日宿泊/1月4日から=週末中心・休業日は小屋泊不可/小屋泊=完全予約制・最大24名/テント泊=予約不要・先着順・冬は10〜20張。図の下部に「七丈小屋公式の夏山・冬期案内(2026年10月12日確認)」と注記。
七丈小屋 2026-27年の営業と予約。左に時期・泊まり方、右に小屋公式の案内を並べた対応表の図解。夏山営業=2026年11月23日宿泊まで/冬期の毎日営業=11月24日〜2027年1月3日宿泊/1月4日から=週末中心・休業日は小屋泊不可/小屋泊=完全予約制・最大24名/テント泊=予約不要・先着順・冬は10〜20張。図の下部に「七丈小屋公式の夏山・冬期案内(2026年10月12日確認)」と注記。

判定の物差し:まず宿泊する日付を、上の3段のどこに入るかで決めます。次に泊まり方の列を見て、「予約」「水」「持ち物」の3つを書き出します。日付が段の境目(11月23日と24日、1月3日と4日)にかかる計画は、2泊目の条件を別に読むことが要ります。

営業期間:11月23日宿泊までが夏、11月24日からが冬

2026年の夏山営業は5月25日(月)から11月23日(月)宿泊まで(予定)です。冬期営業は11月24日(火)から2027年5月21日(金)宿泊まで。冬期のうち、2027年1月3日(日)宿泊までは毎日営業し、1月4日(月)以降は週末中心の営業に変わります。

冬期営業のページには毎日営業の終わりが「2026年1月3日(日)」と書かれていますが、同じページの営業期間(2026年11月24日〜2027年5月21日)と曜日(1月3日が日曜、1月4日が月曜)から読むと、2027年の1月3日にあたります。年をまたぐ計画を立てるときは、曜日が合っているかで年を確かめておくと取り違えません。

休業日に当たると、小屋泊はできない

1月4日以降の休業日は、小屋番が不在です。この日は小屋に泊まれません。公式の冬期案内によると、休業日もトイレは常時開放され、テント場も使えますが、飲料水の提供はありません。

どの日が営業日になるかは「週末中心」とだけ書かれていて、個別の日付は公式の最新案内と予約サイトのカレンダーで決まります。冬の後半に計画を立てる人は、行きたい日が営業日かどうかを最初に確かめ、営業日でなければテント泊(水は全量持参)に切り替えるか、日をずらすかを決めます。

山小屋の多くは秋に営業を終えますが、七丈小屋は冬期営業を続ける数少ない小屋です。ほかの小屋で「小屋閉め」の後に何が変わるか(水・トイレ・避難小屋としての扱いなど)を知っておくと、七丈小屋の休業日の条件も読みやすくなります。

小屋泊の予約はやまたんで取り、4つの場合だけ電話にする

小屋公式の「ご予約」ページにある「ご予約はこちらから」から、予約サイト「やまたん」の七丈小屋のプランに進みます。オンラインの予約は24時間受け付けています。2026-27冬期営業の予約は、公式トップの告知で2026年10月5日13時に始まっています。

オンラインで済まない予約は、電話で受けています。公式が挙げている場合は次の4つです。

  • 11名以上のグループで泊まる
  • 現金での支払いを希望する
  • オンラインに無い組み合わせで予約したい(同じグループに食事付きと素泊まりが混ざる、など)
  • 予約の前に小屋番に確かめたいことがある

電話番号は090-3226-2967、受付は13〜20時です。16時30分〜18時30分ごろは夕食の対応で電話に出られないことがある、と公式に書かれています。かけるなら13時台から16時前か、19時以降が無難です。

キャンセル料は前日までなら0%

キャンセル料は夏・冬とも同じ書き方で、前日までは0%、当日は50%、連絡なしは100%です。黒戸尾根は天気で計画を変えることが多い山なので、前日の夕方に天気予報と積雪情報を見て判断する、という段取りを先に決めておくと迷いが減ります。

料金は「通常料金」と「繁忙日料金」の2区分

宿泊とテントの料金は「通常料金」と「繁忙日料金」の2区分です。夏山営業では、平日と連休でない日曜日が通常料金、土曜・特定日・連休最終日以外の連休などが繁忙日料金。冬期営業の繁忙日は、土曜・年末年始・連休(連休最終日は除く)です。

金額は年ごとに変わるため、公式の料金表と予約サイトの料金画面で確かめます。北杜市のページにも料金の表示がありますが、小屋公式の現行料金と同じものかは確かめられないため、参考にとどめるのが安全です。北杜市のふるさと納税の返礼品として七丈小屋のクーポン(3,000円・6,000円・9,000円の3種)があり、チェックインのときに提示して使います。

支払い方法の一覧は公式ページにありません。書かれているのは「現金を希望する場合は電話予約」という点だけです。オンライン予約のつもりで現金を持っていく、あるいはその逆、という食い違いを避けるため、支払い方法は予約の時点で決めておいてください。なお旅行会社向けの予約は2026年度は12月1日(月)から専用フォームで受け付けるもので、一般の予約には使えません。

テント泊は予約不要でも、夏30張程度・冬10〜20張の上限がある

七丈小屋のテント場は、予約なしの先着順です。小屋公式の夏山営業のページでは上限が30張程度で、週末は混雑が予想されると書かれています。冬期は10〜20張で、積雪の状況で大きく変わるとされています。夏の上限のおよそ3分の1から3分の2まで減る計算です。

張る場所の次に考えたいのが、夜の冷え込みです。黒戸尾根の七合目は、秋から冬にかけて夜に食事やトイレでテントの外へ出るときがいちばん冷えます。テントの中でも外でもさっと羽織れる保温着は、寝袋とは別に1枚持っておくと使い道が多い道具です。

たとえばモンベルのライトアルパインダウンジャケットは、メーカー公表の平均重量が312gで、800フィルパワーのEXダウンを使った保温着です。行動中に着るというより、小屋やテント場に着いてから羽織る、寝袋に入るまでの時間を埋める、という役割に向いています。

先着順のテント場で気にすべきなのは、到着時刻です。北杜市のコースタイムでは、登山口から山頂までの登りが約9時間40分あります。七丈小屋はその七合目にあり、そこまでに五合目〜七合目の梯子と鎖場が続く区間を越えます。小屋までの区間ごとの時間は公的な案内に出ていないため、自分のペースで「何時に着くか」を見積もることがテント泊の計画の中心になります。

冬のテント場の「10〜20張」は、幅そのものが情報です。雪が多ければ張れる面が狭くなる。週末に遅い時間に着く計画なら、20張ではなく10張の側で考えておくべきだと思います。

夏のテント泊は食事の提供がなく、水は小屋前の水道を使います。宿泊者(テント泊を含む)は料金に含まれ、宿泊以外の人は協力金100円です。テント場の位置や水場・トイレの配置は、公式の最新案内に詳しい記載がありません。休業日もトイレは開放されていることだけは、冬期の案内に明記されています。

テント場ごとの受付の流れ、水場やトイレの見方は施設によってまちまちです。七丈小屋のほかにも候補を比べたいときは、山のテント場の選び方|予約・受付時間・水場・トイレを公式で確認する10施設比較で同じ観点に並べています。

冬期の小屋泊・テント泊は、水・食事・手洗いの条件が夏と変わる

11月24日からの冬期営業では、水と食事のルールが夏と変わります。ここを夏の感覚のままにすると、運ぶ水の量を読み違えます。

スポンサーリンク


項目 夏山営業 冬期営業
飲料水 小屋前の水道。宿泊者は料金に含む、宿泊以外は協力金100円 小屋泊・テント泊とも1泊2Lまで無料。追加は500mlごとに100円。宿泊しない人は自分で用意
お湯 500mlごとに200円 500mlごとに200円
食事 朝夕2食。朝食は5時30分から。早朝出発は「夕食+朝弁当」を選ぶ(当日変更不可)。昼の弁当はなし 朝夕2食だが夏より簡素。朝食は弁当のみ
手洗い (記載なし) 手洗い用の水はない。ウェットティッシュの持参と、備え付けのアルコールの利用を勧めている

冬の水は、小屋の備蓄量に限りがあると公式に書かれています。雪を溶かして水を作る季節の小屋では、水は使い放題ではないという前提で組み立てます。1月4日以降の休業日は、この1泊2Lの提供そのものがありません。

冬の水を何本追加するかは、自分の量を入れて計算する

何Lあれば足りるかは、体格・行動時間・調理の仕方で人によって大きく違います。ここでは必要量を決めつけず、自分の量を入れて追加の本数を出す式にしておきます。

冬の水の追加本数の式:
不足分(L)= 自分が小屋で受け取りたい水の合計 − 2L × 泊数
追加本数 = 不足分 ÷ 0.5(端数は切り上げ)
追加の費用 = 追加本数 × 100円(お湯でもらう分は500mlごとに200円)

計算の例を1つ置きます。2泊して、行動中に飲む分と夕食・朝食の調理に使う分を合わせて小屋で合計5.5L受け取りたい人なら、無料分は2L×2泊で4L。不足分は1.5Lで、1.5÷0.5=3本の追加になり、追加の費用は300円です(計算の仕方を示す例で、受け取れる量を保証するものではありません)。同じ人が受け取る分のうち1Lをお湯にしたいなら、その1L(2本分)は500mlごとに200円の扱いになります。

式の「自分が小屋で受け取りたい水の合計」には、登山口から背負って上がる分は入れません。登山口から持ち上げる分と小屋で受け取る分を分けて考えると、重さと費用のどちらを優先するかが決めやすくなります。泊数分の2Lをまとめて受け取れるかなど、受け取り方の細かい扱いは予約の際に小屋へ確かめておくと確実です。

足元の冷えは、靴の中から組み立てる

冬の小屋泊・テント泊では、行動を終えて止まった時間に足先が冷えやすくなります。靴下は「靴との組み合わせ」で選ぶ物で、メーカーがどんな靴を想定しているかが目安になります。

モンベルのメリノウール アルパイン ソックスは、メーカーの用途表示が「厳冬期対応ブーツ」、素材はウール63%の靴下です。冬靴に合わせる厚手の靴下を探している人に向く1足で、3シーズンの登山靴に合わせる前提の物ではありません。

冬の七丈小屋で装備を考える順番は、水、寝る道具、足元です。軽くしたくなるのはわかりますが、水を削る計画は1月4日以降の休業日にそのまま行き詰まります。

小屋に頼れない分は自分で背負う:テント・寝袋・夜明け前の明かり

小屋泊なら寝具は小屋にあります。小屋公式は清潔を保つため、インナーシーツかシュラフカバーの持参を夏は求め、冬は勧めています。一方でテント泊に切り替えた瞬間、住まい・寝る道具・夜の明かりはすべて自分の荷物になります。小屋泊でも、合計約16時間の黒戸尾根では夜明け前に歩き出す日が出てきます。

選ぶ基準は3つに絞れます。1つめは、テントが1人で張れて、冬に雪の上で使うならどこまで対応する作りか(積雪期にはシャベルで整地する前提がある)。2つめは、寝袋の暖かさの表示を、行く時期の夜の冷え込みに合わせて読むこと。3つめは、明かりが長い行程の夜明け前と下山の遅れの両方をまかなえることです。どれも「軽い物」から選ぶのではなく、行く時期の条件から逆算して決めます。

まず住まいです。アライテントのエアライズ1は、メーカーの表記で「1人用(最大2人)」の山岳テントです。重さは本体・フレーム・フライシートで1360g(ペグと張り綱は別に約220g)、設営時の大きさは間口100×奥行205×高さ100cm。夏から秋のテント場で1人で張る人に向きます。メーカーは冬季の保温と耐風性を上げる専用の「エアライズ1用外張」(570g)を別に用意しています。冬の雪の上で使うときは、外張りや雪対策の装備まで含めて考える必要があり、3シーズン用と雪山用の違いは雪山テントと3シーズン用の違いは?外張り・スカート・換気で比べる判定チェックリスト付きで判定の物差しを並べています。

次に寝る道具です。イスカのエア プラス 450は、マミー型のダウンシュラフです。メーカー公表の最低使用温度は−7℃、平均重量は840g。同じシリーズにはエア プラス 630(−15℃)、810(−25℃)があり、表示の温度が低いほど重くなります。夏山営業の終わりのテント泊で寝袋を1つ選ぶ人が、行く時期の夜の冷え込みと表示を照らし合わせて検討する候補です。冬期の雪の上のテント泊なら、シリーズの中でも表示温度の低い側から考えます。冬期のテント泊で寝袋の表示をどう読むか(コンフォートとリミットの違い)は、冬用シュラフは3シーズン用と何が違うか|コンフォートとリミットの読み方で確かめてから決めてください。

最後に明かりです。ペツルのアクティック コアは、頭に着けるLEDライトです。小屋泊・テント泊のどちらでも、夜明け前に小屋を出る人、下山が日没にかかる可能性のある人に向きます。合計約16時間の行程では、明かりが切れると行動が止まるので、予備の電池か充電の手段まで含めて持ちます。

小屋泊で持つ物(インナーシーツ、耳栓、着替えの量など)は、テント泊とは考え方が違います。寝具は小屋にある前提で日帰りの装備に何を足すかは、山小屋泊の持ち物|寝具は小屋にある。日帰りの装備に足す8点と、小屋ごとに違う3つのルールにまとめています。冬に手洗い用の水がない点に合わせて、ウェットティッシュを加えておきます。

冬の黒戸尾根に入る前に、計画書・積雪情報・装備を揃える

冬期営業の七丈小屋に泊まる計画は、小屋の予約だけでは完結しません。小屋公式の冬期案内は、登山計画書と装備について次のように案内しています。

  1. 登山計画書を出す。山梨県の条例により、令和元年から12月1日〜3月31日の南アルプスの登山は計画書の提出が義務になっている。小屋公式は提出先として「オンライン登山届コンパス」を案内している
  2. 積雪の情報を見る。北杜市は黒戸尾根の積雪期を11月中旬〜4月中旬、残雪期を4〜5月上旬としている。直近の積雪と小屋の最新案内を、出発の数日前と前日に見る
  3. テント泊ならシャベルを入れる。公式の冬期案内は、積雪が多いとテントの設営に必要になるとして、シャベルの持参を必ずとしている

計画書の書き方やコースタイムの決め方は登山計画の立て方|登山届の出し方とコースタイムの決め方、出発前にどの順番で積雪の情報を見るかは雪山の積雪情報の調べ方|出発前に見る5つの情報源と順番で扱っています。

スポンサーリンク


北杜市が示すグレード「6D」は山梨県のグレーディングに基づく評価で、技術的難易度Dは「転落・滑落の危険箇所が多い」段階です。北杜市の案内は登山適期を6〜10月上旬、積雪期を11月中旬〜4月中旬としています。冬に入るかどうかは、このグレードだけでなく、直近の積雪情報と小屋の案内、自分の積雪期の経験で判断してください。

靴とアイゼンは、公式の指定がないので自分の基準で決める

小屋公式・北杜市とも、冬の黒戸尾根に持つ靴やアイゼンの種類を指定していません。公式の冬期案内に持ち物として明記されているのはシャベルだけです。積雪期の黒戸尾根に入る装備は、小屋の最新情報と山梨県警の山岳情報で確かめたうえで、自分の経験と照らして決めることになります。

手持ちの3シーズンの登山靴でどこまで行けるか、冬靴が必要になる条件は何かは、雪山の登山靴の選び方|手持ちの3シーズン靴で行ける限界と、冬靴が必要になる条件で条件ごとに分けています。積雪期の山に入る冬靴の一例として、スカルパのモンブランプロGTXがあります。メーカーの公表値で、重さは900g(サイズ42・片足)、保温材入りのGORE-TEXインサレーテッドで、ワンタッチクランポンに対応する作りです。メーカーはクランポンを使うテクニカルな登攀から冬期縦走までを用途に挙げていて、雪の山に冬靴を1足用意しようと考えている人が比べる候補の1つになります。

冬の七丈小屋は「小屋が開いているから行ける」山ではない、と考えています。小屋の予約が取れることと、黒戸尾根の積雪期を歩けることは別の話です。

七丈小屋は黒戸尾根の七合目、梯子と鎖場を越えた先にある

北杜市のコース案内では、黒戸尾根は尾白川渓谷駐車場から竹宇駒ヶ岳神社の参道を奥へ進み、つり橋を渡った先から登山道が始まります。駐車場は無料で100台、夏の週末は満車になりやすいとされています。冬の駐車場やトイレの扱いは、出発前に北杜市の最新情報で確かめます。

項目 公的な案内の値
標準コースタイム 登り約9時間40分/下り約6時間20分/合計約16時間(北杜市)
標高差 2,197m(北杜市)。小屋公式は約2,200m。山頂は2,967m
グレード 6D(6=体力度、D=技術的難易度。山梨県の評価基準)
難所 五合目〜七合目は梯子と鎖場が続く核心部。「刃渡り」は過去に滑落事故があり慎重な通過が必要

七丈小屋は七合目にあり、北杜市の案内ではここから八合目の御来迎場へ続きます。小屋の手前に、梯子と鎖場が続く五合目〜七合目の核心部があります。つまり七丈小屋に泊まる計画は、1日目の後半に核心部を越えてから小屋に着く形になります。疲れのたまった時間帯に梯子と鎖場が来る、という順番を前提に、出発時刻を決めます。小屋の標高と、登山口から小屋までの区間ごとの時間は、公的な案内に数値がありません。

鎖場や梯子で三点支持をどう使うか、鎖に体重を預けてはいけない場面はどこかは、登山の鎖場・岩場の通過|三点支持の使いどころと、鎖に頼ってはいけない場面で確かめておくと、核心部の手前で迷いません。

合計約16時間を1泊で割ると、2日とも長い日になります。小屋泊かテント泊かを決める前に、核心部を越える時間帯が自分の何時間目に来るかを数えておきたいところです。

1泊2日の時刻は、日の長さとコースタイムの差から組む

黒戸尾根の計画で七丈小屋に泊まる理由は、数字で見るとはっきりします。北杜市の標準コースタイムは登りだけで約9時間40分です。これを、国立天文台が公表している甲府の日の出・日の入りと並べます。

日付 日の出(甲府) 日の入り(甲府) 日の長さ 登り約9時間40分との差
2026年11月15日 6:21 16:39 10時間18分 38分
2026年11月24日 6:30 16:35 10時間5分 25分
2026年12月15日 6:48 16:34 9時間46分 6分
2027年1月15日 6:55 16:55 10時間0分 20分
2027年2月15日 6:33 17:27 10時間54分 1時間14分
2027年3月15日 5:57 17:53 11時間56分 2時間16分

差の列は「日の長さ − 登りのコースタイム」の引き算です。12月中旬は、日の出に歩き始めて、休憩を1分も取らずに標準コースタイムどおりに登り続けても、6分の余裕しか残りません。実際には休憩が入り、雪があれば足は遅くなるので、山頂までを1日の明るい時間で登りきる計画は、冬の黒戸尾根では成り立ちにくいことがこの表から読めます。日の出・日の入りは甲府の値で、尾根の上では地形や向きで明るさの始まりと終わりが変わります。

小屋泊を挟むときの時刻の組み方:1日目は「七丈小屋に着きたい時刻」から逆算して登山口を出る時刻を決め、核心部の梯子と鎖場を明るいうちに越えます。2日目は小屋から山頂を往復して下山する長い日になるため、日の入りの時刻から「登山口に戻る時刻」を先に置き、小屋を出る時刻を決めます。どちらの日も、区間ごとの時間は公的な案内に無いので、自分の過去の山行のペースで割り振ることになります。

夏山営業の小屋泊では、朝食が5時30分からで、早朝に出発するなら前日に「夕食+朝弁当」を選んでおきます(当日の変更はできません)。冬期は朝食がもともと弁当なので、出発時刻に合わせて食べる段取りが組みやすくなります。夜明け前に小屋を出る日は、ヘッドライトと予備の電池がそのまま行動できる時間を決めます。

日の長さが最も短いのは12月中旬で、1月の後半からは少しずつ伸びます。冬期の週末中心営業に入る2027年1月4日以降は、日が伸びていく一方で、行きたい日が営業日かどうかという別の条件が加わります。時刻の計画と営業日のカレンダーを、同じ紙の上で照らし合わせておくと抜けがありません。

よくある質問

Q. 七丈小屋のテント場は予約できますか?

テント場は夏・冬とも予約不要の先着順で、予約はできません。張れる数は夏が30張程度、冬が10〜20張(積雪の状況で大きく変わる)です。夏の週末は混雑が予想されると公式に書かれています。

Q. 七丈小屋は冬も営業していますか?

営業しています。2026-27冬期営業は2026年11月24日(火)から2027年5月21日(金)宿泊までで、2027年1月3日(日)宿泊までは毎日、1月4日(月)以降は週末中心です。休業日は小屋番がいないため小屋に泊まれません。

Q. 七丈小屋の冬の予約はいつから取れますか?

2026-27冬期営業の予約は、小屋公式トップの告知で2026年10月5日13時に始まっています。オンラインは予約サイト「やまたん」で24時間受け付けています。旅行会社向けの予約は別で、2026年度は12月1日(月)からの専用フォームです。

Q. 黒戸尾根は七丈小屋に泊まらず日帰りで往復できますか?

北杜市の標準コースタイムは登り約9時間40分・下り約6時間20分で、合計約16時間です。甲府の日の長さは2026年11月15日で10時間18分、12月15日で9時間46分です。冬期に明るい時間の中で往復を収める計算は成り立たないため、冬は七丈小屋での1泊を前提に組み立てます。

Q. 1月4日以降の休業日にテント泊をするときは、何を足して持てばいいですか?

休業日は小屋番がいないため、飲料水の提供がありません。飲む分と調理の分の水をすべて登山口から運ぶか、雪から作る道具と燃料を持ちます。トイレは開放されています。積雪が多いときの設営に使うシャベルは、営業日と同じく必ず入れます。3月31日までは登山計画書の提出も要ります。

Q. 七丈小屋に現金で支払えますか?

公式の予約ページは、現金での支払いを希望する場合は電話で予約するよう案内しています(090-3226-2967、13〜20時)。ほかの支払い方法の一覧は公式ページに出ていないため、予約のときに確かめます。

Q. 七丈小屋に泊まるとき、寝具は持っていく必要がありますか?

寝具は小屋に完備されています。清潔を保つため、インナーシーツかシュラフカバーの持参を、夏は求め、冬は勧めています。寝袋そのものを背負う必要はありません。

Q. 日帰りで七丈小屋の水や売店は使えますか?

夏山営業では、売店は日帰り・通過の人も利用でき(数量に限りあり)、小屋前の水道は宿泊以外の人は協力金100円です。冬期営業では、宿泊しない人への水の提供はなく、自分で用意します。

まとめ|七丈小屋は小屋泊だけ予約、冬は1月4日からの休業日と水の量で計画が決まる

七丈小屋の計画は、予約の要否より先に「宿泊日がどの営業期に入るか」で決まります。小屋泊は夏も冬も完全予約制でやまたんから、テント泊は予約不要の先着順。2026年は11月23日宿泊までが夏山営業、11月24日から冬期営業、2027年1月4日からは週末中心で、休業日は小屋に泊まれず、水も出ません。

  • 宿泊日が「夏山営業」「冬期・毎日営業」「冬期・週末中心」のどれに入るかを決めた
  • 小屋泊なら、やまたんで空きを見た。11名以上・現金払い・混在の予約・確かめたいことがあれば電話(13〜20時)
  • テント泊なら、到着時刻を見積もり、冬は10張の側で考えた。冬はシャベルを入れた
  • 冬の水の追加本数を、自分の必要量で式に入れて出した(1泊2Lまで無料、追加は500mlごとに100円)
  • 1月4日以降なら、行く日が営業日かを予約サイトのカレンダーで見た
  • 12月1日〜3月31日なら、登山計画書を出した。積雪情報と小屋の最新案内を前日に見た
  • 料金は通常料金と繁忙日料金のどちらに当たるかを、公式の料金表と予約サイトで確かめた

小屋の案内は年ごとに書き換わります。営業日、料金、水の扱いは、出発の前にもう一度小屋公式のページで確かめてください。

出典

  • 七丈小屋 公式トップ(冬期予約の開始告知・標高差・山頂標高) https://www.kaikoma.info/ (2026年10月12日確認)
  • 七丈小屋 2026夏山営業 https://www.kaikoma.info/2026summer (2026年10月12日確認)
  • 七丈小屋 2026-27冬期営業 https://www.kaikoma.info/winter (2026年10月12日確認)
  • 七丈小屋 ご予約 https://www.kaikoma.info/reservation-calendar (2026年10月12日確認)
  • やまたん 七丈小屋 予約プラン https://www.yamatan.net/hut/shichijogoya/plan (2026年10月12日確認)
  • 国立天文台 暦計算室「各地のこよみ」甲府 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2026/s2011.html ・ https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2026/s2012.html ・ https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2027/s2001.html ・ https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2027/s2002.html ・ https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2027/s2003.html (2026年10月12日確認)
  • 北杜市 甲斐駒ヶ岳(黒戸尾根)コース案内 https://www.city.hokuto.yamanashi.jp/mountain-guide/course/kaikomagatake.html (2026年10月12日確認)
  • モンベル ライトアルパインダウン ジャケット https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1101608 (2026年10月12日確認)
  • モンベル メリノウール アルパイン ソックス https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1118418 (2026年10月12日確認)
  • アライテント エアライズ https://arai-tent.co.jp/lineup/tent/air2.html (2026年10月12日確認)
  • イスカ エア プラス https://www.isuka.co.jp/products/lineup/schlaf.php?sub=1 (2026年10月12日確認)
  • スカルパ モンブランプロGTX(ブルーシープ) https://www.bluesheep.co.jp/store/g/gSC23212001390/ (2026年10月12日確認)

スポンサーリンク