

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。
乾徳山(けんとくさん)は、山梨市の北部にある標高2,031mの山です。山梨市の観光案内では、登山口として徳和(乾徳公園)と大平高原の2つが紹介されています(山梨市公式、2026年9月13日確認時点)。どちらから入るかは、脚力より先に「何で登山口まで行くか」で決まります。徳和にはJR山梨市駅からのバスが通り、大平高原は市の案内に車でのアクセスだけが載っているからです。
もう一つややこしいのが、徳和の「乾徳山登山口」バス停に、運行会社も始発駅も違う2つの系統が停まることです。山梨市駅を発着する山梨市民バス西沢渓谷線と、塩山駅を発着する山梨交通の季節便がそれにあたります。バス停の名前が同じなので、2つの時刻表を混ぜて読むと「待っているバスがその日は走っていない」「乗ったバスが思っていた駅に着かない」ということが起こりえます。
この記事はアクセスに絞っています。鳳岩の鎖場やコース全体の組み立ては、乾徳山のコースと鎖場をまとめた記事で扱いました。ここでは、登山口の決め方、2系統のバスの時刻と運行日、駐車場の台数の読み方、大平方面の道路規制、そして帰りのバスから決める下山の締切を順に見ていきます。
時刻表や道路規制は改定されるものです。本文の数字には、確認日と改定時期をできるだけ添えました。記事の数字は「どこを見に行けばよいか」の目印として使い、乗る前・出る前に公式の最新の値を自分で確かめてください。
- 徳和はバスと車の両方で行けるが、大平高原は山梨市の案内に車のアクセス(中央道勝沼ICから80分)しか載っていないこと
- 「乾徳山登山口」バス停には、山梨市駅発着の市民バス(毎日運行)と塩山駅発着の山梨交通(季節運行)が別々に停まり、行き先の駅が違うこと
- 帰りの最終便は市民バスが19:52、山梨交通が16:08で、どちらで帰るかによって下山の締切が3時間半以上ずれること
- 徳和側は乾徳山駐車場20台と徳和駐車場50台、大平駐車場は30台・有料で、混雑する時刻は公式に書かれていないこと
- 大平方面の「市道の通行止め解除(令和6年7月12日現在の表示)」と「県営林道乾徳山(南)線の通行禁止」は、別の区間の話であること
- 下山後の候補だったみとみ笛吹の湯が当面休館で、入浴をあてにしない帰りの組み立てが要ること
- タクシーは現行の営業状況を公式資料で確かめられておらず、使うなら事前の電話が前提になること
乾徳山の登山口は2つ:徳和と大平高原は「何で行くか」で分かれる
山梨市の観光案内は、乾徳山の登り口を2つのページに分けて載せています。1つは徳和側です。市は登山口を「乾徳公園」として案内し、アクセスを「中央道勝沼ICから60分」「JR山梨市駅からバス30分、乾徳山登山口下車」と書いています。もう1つが大平高原で、こちらのアクセスは「中央道勝沼ICから80分」という車の案内です(いずれも山梨市公式、2026年9月13日確認時点)。
この2つの書き方の違いが、そのまま登山口を決める材料になります。車を使わない人にとって、候補は実質的に徳和になるでしょう。大平高原について、市の案内ページには2026年9月13日時点で公共交通の定期便の記載が見つかりません。バスと電車だけで大平高原に立つ組み立ては、この記事の範囲では示せない、ということです。タクシーを使う場合の注意は、後の章でまとめています。
| 項目 | 徳和(乾徳公園) | 大平高原 |
|---|---|---|
| 車(中央道勝沼ICから) | 60分 | 80分。国道140号から先は道幅が狭く急なカーブが続く市道 |
| 公共交通 | JR山梨市駅からバス約30分、「乾徳山登山口」下車 | 2026年9月13日時点で、市の案内に定期便の記載が見つからない |
| 駐車場(市の案内) | 乾徳山駐車場20台・徳和駐車場50台 | 大平駐車場30台(有料) |
| 料金 | 市の案内に金額の記載はない。現地の案内表示に従う | 有料。金額は市の案内に記載がなく、現地の看板か市に確認 |
| トイレ(市の案内) | 乾徳公園に公衆トイレ | 大平高原の案内ページには記載が見つからない |
| 向く人 | バスで行く人、車でも運転の負担を減らしたい人 | 車で行き、狭い山道の運転に慣れている人 |


車で行く人には、両方が選択肢に残ります。勝沼ICからの時間は徳和が60分、大平高原が80分で、差は20分です。数字だけを見れば大きな差ではありません。ただ大平高原へは、国道140号から先が「道幅が狭く急なカーブが続く」と市が案内する市道になります。狭い道のすれ違いに慣れていない人にとって、この20分は時間以上に神経を使う20分になるはずです。
最初に決める順番:①車を使うか使わないかを決める。②使わないなら登山口は徳和にし、市民バスと山梨交通のどちらで行くかを選ぶ。③車を使うなら、駐車場の台数と道の性格で徳和か大平高原かを選ぶ。登山口の選択は「どちらのコースが好きか」より先に、「帰りに何に乗って、どこへ戻るか」で決まります。
車の人が見落としやすいのが「戻る場所」です。登山口が2つあると、片方から登ってもう片方へ下りる計画を考えたくなります。けれども車は置いた場所から動きません。徳和に置いたなら徳和へ、大平に置いたなら大平へ戻る計画が基本になります。別の登山口へ下りるなら、車を取りに戻る手段を先に確保しておく必要があるでしょう。バスで来た人はその逆で、下りる登山口を徳和にしておけば、朝と同じバス停から帰りのバスに乗れます。
市の2つの案内ページは、台数やアクセス時間のほかに道路の状況も載せています。大平高原のページには市道の通行止め解除の表示があり、その日付は令和6年(2024年)7月12日現在のままです。数字を読むときは、その値が「いつ時点のものか」も一緒に読んでおくと、あとの章で扱う道路規制の話で混乱しにくくなります。
編集部の見立て:乾徳山のアクセスで迷う人の多くは、登山口を「どちらが楽か」で比べようとしています。実際には、楽さを比べる前に、移動手段で候補が1つに絞られる人がほとんどです。車が無ければ徳和、車があっても狭い山道の運転に不安があれば徳和、という順で考えると、迷う時間はかなり短くなると考えています。
山梨市駅から市民バス西沢渓谷線で徳和へ:毎日運行、登山口を通る便は上下6本ずつ
車を使わない人の主力になるのが、山梨市民バスの西沢渓谷線です。山梨市の市民バスのページによると、この路線は山梨市駅から乾徳山登山口を通り、西沢渓谷入口まで走ります。運行は毎日で、運休は1月1日と2日だけ。平日も土曜も日曜・祝日も同じ時刻で走ると案内されています。運行会社は笛吹観光自動車株式会社(0553-23-0002)です(山梨市公式、ページ更新2025年8月1日、2026年9月13日確認時点)。
市のページからリンクされている時刻表PDFで、「乾徳山登山口」を通る時刻は次のとおりです。行き(山梨市駅から西沢渓谷方面)と帰り(西沢渓谷方面から山梨市駅方面)で向きが逆になるので、表の左の列を先に確かめてから時刻を読んでください。
| 向き | 乾徳山登山口を通る時刻(時刻表PDFの掲載値) | 登山での使いどころ |
|---|---|---|
| 行き:山梨市駅→乾徳山登山口→西沢渓谷方面 | 7:06/7:46/10:38/11:48/15:36/16:51 | 朝の7:06と7:46の2本が、日帰りの行きの本命 |
| 帰り:乾徳山登山口→山梨市駅方面 | 9:44/10:53/14:22/15:49/18:22/19:52 | 午後の14:22・15:49が本命、18:22・19:52は遅れたときの予備 |
時刻は2026年9月13日確認時点で市のページに掲載されている時刻表の値です。表の時刻は「山梨市駅を出る時刻」ではなく「乾徳山登山口を通る時刻」なので、駅での発車時刻は同じPDFの山梨市駅の欄で確かめてください。市の案内では、山梨市駅から乾徳山登山口までバスで約30分とされています。
この時刻を登山の目で読み直すと、使える便はかなり絞られます。行きで日帰りの山行に向くのは、朝の7:06と7:46の2本でしょう。次の10:38は、登山口に立つ時刻としては遅めです。その日の行動に使える時間が、朝の便より3時間以上短くなります。帰りは14:22、15:49、18:22、19:52が午後以降の便です。どれを「帰りの便」に決めるかで下山の締切が変わるので、詳しくは後の章で逆算の表にしました。
運賃は距離に応じた加算方式です。市の時刻表PDFでは、初乗り12kmまで200円、以後3kmごとに100円を加算すると案内しています。乾徳山登山口までの具体的な金額は、この記事では特定できていません。乗車時に確認してください。小銭の用意は、方式が加算制である以上、少し多めに見ておくと落ち着いて乗れます。
西沢渓谷線の終点側にある西沢渓谷は、甲武信ヶ岳の登山口の1つでもあります。同じ路線で別の山へ行く計画を考えるなら、甲武信ヶ岳の2つの登山口(毛木平と西沢渓谷)へのアクセスをまとめた記事も参考になります。西沢渓谷入口の時刻は、乾徳山で使うのと同じ西沢渓谷線の時刻表に載っています。
市民バスのページの更新日は2025年8月1日です。時刻表は改定されることがあり、改定されると朝の2本の時刻が動く可能性があります。山行の前日に市のページを開き直し、リンク先の時刻表PDFが記事と同じ時刻かを確かめてください。1月1日と2日は運休なので、年始の山行には使えません。
編集部の見立て:市民バス西沢渓谷線の強みは、便の多さより「毎日、同じ時刻で走る」ことにあると見ています。曜日で時刻が変わらないので、平日休みの人も週末の人も同じ計画書が使えます。一方で、朝の登山向きの便は実質2本しかありません。この2本のどちらに乗るかを先に決め、そこから家を出る時刻を組み立てるのが素直な順番だと考えています。
塩山駅から山梨交通の季節便で徳和へ:運行日は2026年版、時刻は2025年4月改定の表
徳和の同じ「乾徳山登山口」バス停には、塩山駅を発着する山梨交通の路線バスも停まります。こちらは市民バスと違い、1年中毎日走る路線ではありません。山梨交通が掲載している2026年版の案内では、運行日は「4月25日〜11月23日の土曜・休日」と、「4月30日・5月1日・7月21日〜8月31日・10月1日〜11月13日」です(山梨交通公式、2026年9月13日確認時点)。
読み替えると、9月の平日は2026年版の運行日の列挙に入っていません。9月に平日休みを取ってこの系統で行こうとすると、バスが走っていない日に当たることになります。反対に、10月1日から11月13日までは曜日を問わず運行日に入っています。山梨交通の便を使う計画は、まず「山行日が運行日の列挙に入っているか」を確かめるところから始まります。
便の時刻は、山梨交通が掲載している2025年4月1日改定の時刻表PDFの値です。運行期間は2026年版の案内で確かめましたが、便の時刻そのものが2026年も同じかは、この記事では確かめきれていません。乗る前に山梨交通の公式で最新の時刻表を確認してください。
| 行き:塩山駅発 | 乾徳山登山口着 | 登山での使いどころ |
|---|---|---|
| 8:30 | 9:02 | この系統で行くなら行きの本命 |
| 9:05 | 9:37 | 1本目に乗れなかったときの次の便 |
| 13:30 | 14:02 | 日帰り登山の行きには遅い |
| 14:30 | 15:02 | 日帰り登山の行きには遅い |
行きの所要は、塩山駅から乾徳山登山口まで約32分です。朝の1本目で乾徳山登山口に着くのは9:02。市民バスの朝の1本目が乾徳山登山口を通る7:06と比べると、登山口に立つ時刻が2時間ほど遅くなります。帰りの便の最終も早いので、山梨交通で行って山梨交通で帰る日は、行動できる時間が短い日だと考えておくのが安全です。
| 帰り:乾徳山登山口発 | 塩山駅着 | 登山での使いどころ |
|---|---|---|
| 10:03 | 10:35 | 登山の帰りには使わない時間帯 |
| 13:38 | 14:10 | 早めに下りる日の帰り |
| 15:08 | 15:40 | この系統で帰るなら本命 |
| 16:08 | 16:40 | 最終便。遅れたときの逃げ道を別に用意する |
運賃は、時刻表PDFに運賃表が載っていますが、乾徳山登山口までの金額はこの記事では特定していません。乗車時に確認してください。また2025年4月改定のPDFには、運行期間外は窪平発着になる便や運休になる便があること、12月31日から1月3日は全便運休であることも書かれています。これも2025年版の記載なので、2026年の扱いは山梨交通の公式で確かめてください。
同じ「乾徳山登山口」バス停から、市民バスは山梨市駅方面へ、山梨交通は塩山駅へ向かいます。帰りにバス停で「来たバスに乗る」と、朝に使った駅とは別の駅に着くことがあります。車を駅の近くに置いてきた人や、帰りの電車を予約している人は、乗る前に車両の行き先表示を必ず確かめてください。
編集部の判断:山梨交通の季節便は、市民バスの「代わり」ではなく「追加の選択肢」として扱うのがよいと考えています。運行日が限られ、時刻の2026年版もこの記事では確かめきれていません。計画の軸は毎日走る市民バスに置き、山梨交通は「塩山駅側から来る人の行き」や「帰りの便の予備」として重ねる。この順で組むと、運行日を読み違えたときの被害が小さくなります。
車で徳和へ:勝沼ICから60分、駐車場は乾徳山駐車場20台と徳和駐車場50台
車で徳和へ行く場合、山梨市の案内は「中央道勝沼ICから60分」です。駐車場は2か所に分かれていて、市は乾徳山駐車場を20台、徳和駐車場を50台と書いています(山梨市公式、2026年9月13日確認時点)。山梨県の公式観光情報には「普通車70台」とあり、これは市の内訳を足した20台+50台と一致するとみられます。記事では市の内訳を主に使い、県の70台は合計の目安として扱います。
料金について、市の徳和の案内ページには金額の記載がありません。徳和側には無料の駐車場があるとみられますが、案内ページの駐車場名と条例上の名称が完全に一致するかをこの記事では確かめきれていません。現地の案内板の表示に従ってください。料金の有無を理由に、案内の無い場所へ車を停めることは避けましょう。
読者がいちばん知りたいのは「何時に着けば停められるか」だと思います。ところが、市の案内にも県の観光情報にも、混雑する時刻や満車になりやすい時期の記載は、2026年9月13日時点で見つかりません。つまり「◯時までに着けば入れる」という目安は、公式の値としては出せないということです。台数しか分からない駐車場へ車で行くときは、到着時刻を早めるより先に「満車だったらどうするか」を家で決めておくほうが確実です。
満車だったときの第2案は、大きく2つ考えられます。1つは大平高原の駐車場(30台・有料)へ回る案です。ただし徳和から大平高原まで車で何分かかるかは公式に書かれていません。しかも大平高原からの登山は、車を置いた大平へ戻る計画に組み直す必要があります。もう1つは、その日は乾徳山をあきらめて帰る、あるいは別の山に切り替える案です。どちらを選ぶかを前夜のうちに決めておくと、駐車場の前で迷う時間がなくなります。
- 停める駐車場の名前が、市の案内にある「乾徳山駐車場」か「徳和駐車場」かを案内板で確かめた
- 料金の表示を確かめた(金額の記載が無い案内ページの情報だけで無料と決めつけていない)
- 満車だったときに大平高原へ回るか、その日はやめるかを前夜に決めてある
- 乾徳公園の公衆トイレの位置を、歩き出す前に確かめた
- 下山後に戻る場所が、車を置いたこの駐車場であることを計画書に書いた
駐車場がいっぱいでも、道の路肩や空き地、民家の前に車を停めて登り始めないでください。狭い道の路肩に停めた車は、地元の車や緊急車両の通行をふさぎます。駐車場が満車なら、それは「今日はこの登山口の許容量を超えている」という合図として受け取り、第2案に切り替えるのが筋です。
駐車場は、登山靴に履き替える場所でもあります。家から運転用の靴で来て、ここで山の靴に替える人は多いでしょう。乾徳山は草原の道から岩の混じる道まで足元が変わる山なので、足首まわりを支える山用の靴で歩き出したいところです。
キャラバンのトレッキングシューズ C1_02S は、日帰りの山を歩く1足目の登山靴を探している人に向くモデルです。運動靴で低山を歩いてきて、岩の混じる山に進むにあたって靴を見直したい人の候補になります。防水の仕様や重さは、商品ページの公表値で確かめてから選んでください。
編集部の見立て:徳和の駐車場は「70台ある」と合計で覚えるより、「20台と50台の2か所に分かれている」と覚えておくほうが現地で役に立つと考えています。片方が埋まっていても、もう片方に空きがあるかもしれないからです。ただし混雑の目安は公式に書かれていません。台数から到着時刻を当てにいくより、満車のときの行き先を先に決めておくことを勧めます。
車で大平高原へ:勝沼ICから80分、大平駐車場は30台・有料
大平高原側の登山口へは、山梨市の案内では「中央道勝沼ICから80分」です。駐車場は大平駐車場の30台で、市は「有料」と書いています(山梨市公式、2026年9月13日確認時点)。有料であることは市の案内に明記されていますが、金額は案内ページに書かれていません。個人のブログなどに金額が載っていることはあっても、台数の記載が市と食い違う例があるため、この記事では採用していません。金額は現地の看板で確かめるか、事前に市に問い合わせてください。
大平高原へ向かう道について、市は「国道140号から大平までは市道で、道幅が狭く急なカーブが続く」と案内しています。徳和より20分長い80分という時間は、この狭い区間を含んだ数字です。すれ違いのたびに停まったり下がったりすることを考えると、時間の数字以上に運転の負担を見込んでおいたほうがよいでしょう。
大平高原を選ぶ前提:車で行くこと、狭い山道の運転に慣れていること、30台の駐車場が埋まっていたときの第2案を持っていること、そして下山後に大平の駐車場へ戻る計画であること。この4つがそろわないときは、登山口を徳和にしたほうが計画は崩れにくくなります。
30台という台数は、徳和側の合計(20台+50台)の半分以下です。何時に着けば停められるかについては、徳和と同じく、2026年9月13日時点で市の案内に混雑時刻の記載は見つかりません。台数が少ないぶん、満車だったときの影響は徳和より大きくなります。しかも大平高原から徳和の駐車場へ回るには、狭い市道を下り直すことになるでしょう。第2案まで含めて考えると、大平高原を選ぶ日は時間にも気持ちにも余裕を多めに取っておきたいところです。
トイレについては、市の大平高原の案内ページに記載が見つかりません(2026年9月13日確認時点)。トイレが無いと決めつけることはできませんが、あてにしない計画のほうが安全です。国道沿いなど、手前でトイレに寄れる場所を出発前に地図で押さえておくと、登山口で慌てずにすみます。
公共交通で大平高原へ行く方法は、前の章でも触れたとおり、2026年9月13日時点で市の案内に定期便の記載が見つかりません。車を持たない人が大平高原から登りたい場合は、タクシーを使う組み立てになります。タクシーの営業状況は現行の公式資料で確かめられていないので、使うなら事前に電話で確認してください(山梨市の大平高原の案内で最新の記載も確かめてください)。
大平駐車場が満車だったときに、市道の路肩に停めて歩き出すのはやめてください。市が「道幅が狭く急なカーブが続く」と案内する道で路肩に車があると、後から来た車がすれ違えなくなります。停められなかった日は、徳和へ回るか、その日はやめるかの二択で考えるのが安全です。
大平高原の駐車場は「有料」と市が書いているので、現地で料金を払う前提で小銭や千円札を用意しておくと安心です。支払い方法(現金のみかどうかなど)も市の案内には書かれていません。金額と一緒に、現地の看板で確かめてください。
編集部の判断:大平高原は、車があって運転に慣れている人にとっては有力な登山口です。ただ、駐車場が30台と少なく、そこへ続く道も狭いので、「行ってみて停められなかった」ときの立て直しが徳和より難しくなります。初めて乾徳山へ行く日なら、徳和を基本にして、大平高原は2回目以降の選択肢に回すのが無理のない判断だと考えています。
大平方面の道路は「市道の解除」と「県営林道の通行禁止」を分けて読む
大平高原について調べると、「通行止め解除」と「通行禁止」という、逆の意味に見える2つの情報に出会います。これは矛盾ではなく、別の区間の、別の管理者が出している情報です。ここを取り違えると、「大平高原には行けない」と早合点したり、逆に「全部通れる」と思い込んだりしてしまいます。
1つ目は、山梨市が大平高原の案内ページに載せている市道の情報です。国道140号から大平までの市道について、市は「通行止め解除(令和6年7月12日現在)」と表示しています。これは大平駐車場へ向かう道そのものの話です。ただしこの表示は2024年7月12日時点のもので、それ以降に更新されたかはページ上で確かめられません。2024年7月時点で通行止めは解除されていた、と読むのが正確です。
2つ目は、山梨県が林道の規制情報で公表している「県営林道乾徳山(南)線」の情報です。県によると、この林道の起点は山梨市三富下釜口字大平、終点は三富川浦広瀬で、延長16,696m、幅員4.0m、未舗装で段差や凹凸があり、安全速度は20km/hとされています。11人乗り以上の車両は通行禁止です。そして現在、路肩決壊により通行禁止で、解除時期は未定と掲載されています(山梨県公式、2026年9月13日確認時点)。
| 道路 | 情報を出している所 | 表示されている状況 | 大平駐車場へ行く人への意味 |
|---|---|---|---|
| 国道140号〜大平の市道 | 山梨市(大平高原の案内ページ) | 通行止め解除(令和6年7月12日現在の表示) | 大平駐車場へ向かう道そのもの。出発前に最新状況を市に確認 |
| 県営林道乾徳山(南)線 | 山梨県(林道の規制情報) | 路肩決壊により通行禁止・解除時期未定(2026年9月13日確認時点) | 大平を起点に三富川浦広瀬へ抜ける別区間。大平駐車場へ行けないという意味ではない |
表にすると、2つの情報の関係がはっきりします。通行禁止になっているのは大平から先へ抜ける県営林道で、大平駐車場へ上がってくる市道の話ではありません。大平高原へ車で行く人に直接かかわるのは市道の情報のほうです。一方、大平から林道を通って川浦方面へ抜ける走り方を考えている人は、県営林道の通行禁止にかかわります。
とはいえ、市道の情報も2024年7月の表示で止まっています。どちらの情報も「今日の状態」を保証するものではない、という前提で扱うのが安全です。また、国道140号から大平までの区間で工事が行われる可能性もあり、2026年9月13日時点の工事の有無はこの記事では確かめられていません。道幅が狭い区間での工事は、通行時間に大きく響きます。
- 出発の前日に、山梨市の大平高原の案内ページを開き、市道の通行状況の表示と日付を確かめる。日付が古いままなら、市に電話で現在の状況を問い合わせる
- 大平から先の林道を使う予定があるなら、山梨県の林道規制情報で県営林道乾徳山(南)線の規制を確かめる。通行禁止のままなら、その走り方は計画から外す
- 当日、国道140号から市道に入る前に、現地の通行止めや工事の表示を見る。表示があれば無理に進まず、徳和へ切り替える
カーナビや地図アプリは、通行禁止になっている林道を経路に選ぶことがあります。大平から帰るときに、ナビが見慣れない林道へ案内し始めたら、県営林道乾徳山(南)線に入ろうとしていないか疑ってください。来た市道を戻るのが基本です。
編集部の見立て:大平方面の道路情報でいちばん危ないのは、「通行禁止」の文字だけを見て大平高原そのものをあきらめることと、「解除」の文字だけを見て2024年の表示を今日の状態だと思い込むことの両方です。規制は「どの区間の話か」「誰が出しているか」「いつの表示か」の3点で読むと、取り違えがほとんど起きなくなると考えています。
バスの時刻に合わせて早朝に歩き出す日に、駅を出る前に揃えておくもの
バスで乾徳山へ行く日は、駅を出た時点で「買い足し」も「着替えを取りに戻る」もできなくなります。車なら車内に予備を置いておけますが、バスの日は背負ったものがすべてです。そのうえ朝の便に乗る日は、家を出る時刻が早く、準備に使える時間が短くなります。
選ぶ基準は3つに絞れます。1つ目は、バスの乗り降りや車内で扱いやすい大きさで、日帰りの装備が収まるザックかどうか。2つ目は、朝のバス停の冷えと、登りでかく汗の両方に合わせて脱ぎ着できるかどうか。3つ目は、帰りのバスを待つ間に体を冷やさない服を持っているかどうかです。容量や型番は商品ページの公表値で確かめ、自分の日帰り装備を家で実際に詰めてから決めてください。
| 商品 | 役割 | 向く人 | 家で確かめること |
|---|---|---|---|
| ザ・ノース・フェイス テルスエアー35(NM62621) | 日帰りのザック(商品名に35の数字) | 雨具と防寒着を全部入れても余裕を持たせたい人 | 車内で膝に載せられる大きさか |
| カリマー cleave 30 | 日帰りのザック(商品名に30の数字) | 荷物を絞って軽くまとめたい人 | 雨具・防寒着・水が入りきるか |
| マムート アルティメイト 7 ソフトシェル フーデッド ジャケット(アジアンフィット・ウィメンズ) | フード付きの上着 | 朝のバス停や稜線の風に備えたい女性 | ザックの中でどれだけかさばるか |
| ザ・ノース・フェイス ビューポイントパンツ(メンズ) | 歩行用のパンツ | 移動の服装のまま登山口で歩き出したい男性 | 足を高く上げたときに突っ張らないか |
ザックから考えます。ザ・ノース・フェイスのテルスエアー35(NM62621)は、商品名に35の数字が入るザックです。日帰りでも雨具と防寒着をしっかり持ちたい人や、帰りのバス待ち用の上着まで入れておきたい人に向きます。
カリマーのcleave 30は、商品名に30の数字が入るザックです。持ち物を絞って軽くまとめられる人、バスの車内で荷物を小さく抱えたい人に向きます。
上着はマムートのアルティメイト 7 ソフトシェル フーデッド ジャケットです。フード付きのソフトシェルで、アジアンフィットのウィメンズモデルになります。早朝のバス停や、登りの途中で風を受けたときに羽織るものを探している女性に向きます。
パンツはザ・ノース・フェイスのビューポイントパンツ(メンズ)です。バス移動の服装のまま登山口で歩き出したい男性や、岩の混じる道で足を大きく上げる場面に備えたい人に向きます。
編集部の判断:バスの日の装備で優先したいのは、軽さより「駅を出たら足せない」ことへの備えだと考えています。車の日なら車内に置いてくる予備の上着も、バスの日はザックに入れておくしかありません。だからザックは、日帰りの荷物がぎりぎり入る大きさより、帰りのバス待ち用の1枚まで入る大きさで選ぶほうが、計画全体としては崩れにくくなります。
帰りのバスから決める下山の締切:市民バスと山梨交通で最終便が3時間半以上違う
バスで行く日の下山の締切は、山頂の時計でも気分でもなく、帰りのバスの発車時刻から決まります。徳和の「乾徳山登山口」バス停を最後に出るバスは、市民バス(山梨市駅方面)が19:52、山梨交通(塩山駅行き)が16:08です。差は3時間44分。どちらの系統で帰るつもりかによって、下山の締切が3時間半以上ずれることになります。
ただし、この差をそのまま「市民バスなら遅くまで山にいられる」と読むのは危険です。19:52は、山の中ではすでに暗くなっている時間帯です。18:22の便も、季節によっては暗くなってからの時刻になります。締切は「帰りの便の発車時刻」と「明るいうちに登山口へ戻れる時刻」の、早いほうで決めてください。日の入りの時刻は季節で大きく変わるので、山行日の値を出発前に調べておきます。
表では、バス停に戻る目標を発車の30分前に置きました。30分という余裕は公式の値ではなく、登山口での片付けや靴の履き替え、バス停の位置の確認に使う時間として編集部が置いたものです。2つの系統は運行日も行き先も違うので、表を分けています。
| 市民バス:乾徳山登山口の発車(山梨市駅方面) | バス停に戻る目標(発車30分前) | 計画での扱い |
|---|---|---|
| 14:22 | 13:52 | 早めに下りる日の帰りの便 |
| 15:49 | 15:19 | 明るいうちに戻る日の帰りの本命 |
| 18:22 | 17:52 | 遅れたときの予備。季節によっては暗くなってから |
| 19:52 | 19:22 | 最終便。計画の締切には使わず、非常時の最後の便として扱う |
市民バスの時刻は、2026年9月13日確認時点で山梨市のページに掲載されている時刻表の値です。毎日運行(1月1日・2日は運休)で、曜日による時刻の違いはありません。午前の9:44と10:53も時刻表には載っていますが、日帰り登山の帰りに使う時間帯ではないので表から外しました。
| 山梨交通:乾徳山登山口の発車(塩山駅行き) | バス停に戻る目標(発車30分前) | 計画での扱い |
|---|---|---|
| 13:38(塩山駅着14:10) | 13:08 | 早めに下りる日の帰りの便 |
| 15:08(塩山駅着15:40) | 14:38 | この系統で帰る日の本命 |
| 16:08(塩山駅着16:40) | 15:38 | 最終便。遅れたら同じバス停の市民バスへ切り替える |
山梨交通の時刻は、2025年4月1日改定の時刻表PDFに掲載されている値です(2026年9月13日確認時点で山梨交通が掲載しているもの)。運行日は2026年版の案内で4月25日〜11月23日の土曜・休日などに限られ、2026年の時刻が同じかはこの記事では確かめきれていません。乗る前に山梨交通の公式で確認してください。
山頂を離れる時刻の出し方:山頂を離れる時刻 =「バス停に戻る目標」−「自分の計画の下山時間」−「余裕」。下山時間は、自分の歩くペースを反映したコースタイムで見積もります。そのうえで、答えが「明るいうちに登山口へ戻れる時刻」より遅くならないかを確かめます。山頂に着いた時刻がこの時刻を過ぎていたら、景色を見る時間を削ってでも下り始めるのが計画どおりの行動です。
2つの系統が同じバス停に停まることは、ここでは逃げ道として働きます。山梨交通の16:08に乗り遅れても、時刻表の上では、同じバス停から市民バスの18:22と19:52が山梨市駅方面へ出ます。塩山駅に戻るつもりだった人も、着く駅が山梨市駅に変わることを受け入れれば帰る手段は残るわけです。逆に市民バスの15:49に遅れた場合、山梨交通が走る日なら16:08(塩山駅着16:40)が次の便になります。運賃はそれぞれの事業者の方式で別々にかかる点と、山梨交通は運行日しか使えない点は忘れないでください。
- 行きに乗る系統と便を決め、帰りに乗る「本命の便」を1本決める(市民バスなら15:49、山梨交通なら15:08など)
- 本命の便の30分前を「バス停に戻る目標」とし、自分の計画の下山時間と余裕を引いて「山頂を離れる時刻」を出す
- 本命に遅れたときの「予備の便」を、もう一方の系統も含めて1本書き出し、日の入り時刻と見比べて暗くならないかを確かめる
下山時間の見積もりは、地図やガイドのコースタイムに自分のペースの差を掛け合わせて決めます。コースタイムをどう読み、どう自分の計画に直すかは、登山計画の立て方と登山届の出し方をまとめた記事で扱っています。バスの時刻から逆に組む計画は、この手順とそのままつながります。
「最終バスに間に合えばよい」と考えて、19:52を締切にした計画を立てないでください。最終便に遅れたら、その日の公共交通の帰り道はなくなります。そのうえタクシーの営業状況は事前に確かめられておらず、山の中から呼べるかどうかも分かりません。締切は、遅れても次の便が残る時刻に置くのが原則です。
編集部の見立て:乾徳山のバス登山で計画を左右するのは、行きの便より帰りの便のほうだと考えています。行きは朝の数本から選ぶだけですが、帰りは「どの便を本命にして、どの便を予備にするか」で、山頂を離れる時刻が大きく変わります。最終便の19:52を締切に使わず、15時台の便を本命にしておくと、途中で遅れても計画の中で立て直せます。
予定が崩れて帰りが遅くなったときに、足元を照らす明かりが無いと下山のペースは大きく落ちます。ペツルのヘッドライト ティカコア(E067AB00)は、日帰りでもヘッドライトを必ずザックに入れておきたい人、まだ自分用のライトを持っていない人に向くモデルです。明るさや電池の方式は、商品ページの公表値で確かめてください。
タクシーを使う場合:営業状況は公式資料で確かめられず、事前の電話が前提
乾徳山のアクセスでタクシーが出てくる場面は、主に3つあります。1つ目は、車を持たない人が大平高原から登りたいとき。2つ目は、朝のバスに間に合わなかったり、帰りのバスに乗り遅れたりしたとき。3つ目は、車を置いた登山口とは別の登山口へ下りて、車を取りに戻るときです。どの場面でも、タクシーは「使えたら助かる手段」であって、計画の柱にするには不確かな部分が残ります。
その不確かさは、情報の古さにあります。この記事の調査で確認できたタクシーの資料は、山梨市観光協会の公式PDFに載っていた、2023年3月末現在の掲載データだけでした。現在その営業所が営業しているか、電話番号が変わっていないかは、各事業者の現行の公式情報まで確かめられていません。そのため、この記事では社名や電話番号を転記していません。
タクシーを使う計画にするなら、山行の前日までに、自分で現在の営業状況を電話で確かめるのが前提になります。当日の朝に駅で探す、下山後に登山口から呼ぶ、という「その場で何とかする」前提の計画は、山の登山口では成り立たないことがあると考えてください。台数が少ない地域では、予約なしで配車されるとは限りません。
- 電話で、乾徳山登山口(徳和)や大平高原まで行ってもらえるかを確かめた
- 早朝の配車に対応しているか、何時から予約できるかを確かめた
- 帰りに登山口まで迎えに来てもらう場合、呼ぶ方法と待ち合わせ場所を決めた
- 料金の目安を電話で聞いた(記事には金額を載せていないため、自分で確かめる)
- タクシーがつかまらなかったときに、バスで戻る第2案を用意した
下山後に登山口からタクシーを呼ぶ計画は、電話がつながることが前提です。登山口周辺の携帯電話の電波状況は、確認した公式資料には書かれていません。つながる前提で締切を遅らせるのではなく、迎えの時刻をあらかじめ決めて予約しておくほうが確実です。
バス・タクシー・シャトルを、登山口ごとにどう使い分けるかの考え方は、車がなくても登山口に立つためのバス・タクシー・シャトルの使い分けをまとめた記事で整理しています。乾徳山の場合は、毎日走る市民バスを軸にして、タクシーは補助として重ねる形が組みやすくなります。
大平高原へタクシーで上がる場合は、道の性格にも注意が要ります。国道140号から大平までは、市が「道幅が狭く急なカーブが続く」と案内する市道です。運転手がその道を走れるかどうかも含めて、電話で相談しておきましょう。また、前の章で見た市道の通行状況の表示が2024年7月のままであることも、配車を頼むときに一緒に確かめておくと安心です。
編集部の判断:タクシーは、乾徳山のアクセスでは「計画を広げる手段」より「計画が崩れたときの保険」として位置づけるのがよいと考えています。情報が2023年3月末現在の資料で止まっている以上、当日に使えるかは電話でしか確かめられません。保険として使うなら、保険が効かなかった場合の帰り方まで決めてから出発する。そこまで決めて初めて、タクシーを計画に入れてよいと見ています。
バス停・駐車場から登山道へ:徒歩時間は公式に記載がなく、トイレは乾徳公園
バス停や駐車場に着いてから、登山道の入口まで何分歩くのか。これも気になるところですが、「乾徳山登山口」バス停から登山道の入口までの徒歩時間は、確認した公的機関の資料には書かれていません。この記事では分数を書かず、「バス停から登山口まではすぐ」という程度にとどめます。実際の道順は、現地の案内板で確かめてください。
分数が分からないときに役立つのは、「着いたら何をするか」の順番を決めておくことです。バスを降りたら、まず帰りに乗るバス停の位置と、どちら向きのバスに乗るのかを確かめます。行きに降りた場所と帰りに乗る場所が、道路の反対側になることもあるからです。次にトイレ、身支度、案内板での道順の確認と進みます。
トイレについて、山梨市の徳和の案内には、乾徳公園に公衆トイレがあると書かれています(山梨市公式、2026年9月13日確認時点)。どの駐車場に近いかといった位置の対応までは、案内ページに明記されていません。また同じ案内には、高原ヒュッテ内のトイレは冬期閉鎖と書かれています。登り始める前に乾徳公園のトイレを済ませておくのが、この山の歩き出しの基本の段取りになります。
朝のバスで着いた日は、降りたあとの時間の使い方で差が出ます。バス停で上着を脱ぎ、飲み物を取り出しやすい位置に移し、帰りのバスの時刻をスマートフォンの画面やメモで見える所に置く。この3つを先にすませてから歩き出すと、登りの途中で立ち止まる回数が減ります。
車の人も、駐車場からの動き方は同じです。車を停めたら、まず駐車場の名前(乾徳山駐車場か徳和駐車場か)を確かめ、スマートフォンで写真に残しておきましょう。下山後に「どちらに停めたか」で迷わないためです。そのあと乾徳公園のトイレに寄り、身支度をして、案内板で道順を確かめてから歩き出します。
下山してきたときも、段取りは逆順で考えます。バスの人は、登山道を出たら靴の泥を落とし、汗で濡れた服を着替えられるならここで着替えて、発車の前にバス停に立ちます。帰りのバスは、市民バスは山梨市駅方面、山梨交通は塩山駅行きです。同じバス停に2つの系統が来るので、車両の行き先表示を見てから乗り込んでください。
冬の山行では、高原ヒュッテ内のトイレが冬期閉鎖になると市が案内しています。途中のトイレをあてにした計画は、季節によって成り立ちません。どの季節でも、乾徳公園で済ませてから登り始めることを基本にし、携帯トイレを持っていくかどうかも季節ごとに判断してください。
編集部の見立て:バス停から登山口までの分数が公式に書かれていないことは、不安に感じる人もいると思います。ただ、アクセス記事として大事なのは分数より、着いてからの順番のほうだと考えています。帰りのバス停の位置、行き先の違い、トイレの場所。この3つを歩き出す前に確かめておけば、下山してきたときに慌てる場面はかなり減るはずです。
バス停で上着を脱いで歩き出し、登りで汗をかいたあとに風で冷える、という温度差のある日は、肌に触れる1枚から見直すと楽になります。モンベルのジオライン クールメッシュ Tシャツ(メンズ、1107752)は、汗をかきやすく、登りの途中での冷えも気になる男性に向く肌着代わりのTシャツです。素材や重さは商品ページの公表値で確かめてください。
前泊するか始発バスで来るか:バス停のそばの宿という選択肢
乾徳山へ公共交通で行く人が悩むのが、「当日の朝に家を出るか、前の日に近くへ泊まるか」です。市民バスの朝の便が乾徳山登山口を通るのは7:06と7:46。山梨交通の朝の1本目が着くのは9:02です。住んでいる場所によっては、7:06の便に乗るために、かなり早い時刻に家を出ることになります。
前泊の候補として、登山口バス停のそばに民間の宿があります。Mt.Kentoku Fish&Lodgeで、宿の公式サイトでは「乾徳山登山口」バス停から徒歩すぐと案内しています(宿の公式サイト、2026年9月13日確認時点)。宿の設備や料金、朝の出発時刻への対応は、この記事では確かめていません。予約の前に宿の公式サイトで確かめてください。
| 行き方 | 登山口に立てる時刻の目安 | 良いところ | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 当日、市民バスの朝の便 | 7:06または7:46に乾徳山登山口を通る便で到着 | 宿の手配が要らない。毎日同じ時刻 | 家を出る時刻が早い。乗り遅れると次は10:38 |
| 当日、山梨交通の朝の便 | 9:02着(2025年4月改定の時刻) | 塩山駅側から来る人に合う | 運行日が限られる。行動時間が短くなる |
| 前泊(バス停のそばの宿など) | 朝のバスの時刻に縛られない | 朝の移動が無く、歩き出す時刻を自分で決めやすい | 予約と宿代が要る。帰りのバスの締切は同じ |
| 当日、車 | 勝沼ICから60分(徳和) | 時刻表に縛られない | 駐車場の混雑時刻は公式に記載がない |
前泊のいちばんの利点は、朝のバスの時刻に行動の開始を縛られないことです。ただし前泊しても、帰りのバスの締切は当日組と変わりません。宿から早く歩き出せても、帰りを市民バスの15:49にするなら、下山の締切は前の章で出した時刻のままです。前泊で生まれるのは「朝の余裕」であって、「帰りの余裕」ではないことを押さえておきましょう。
前泊を考える目安として、次のような場合が挙げられます。家から始発のバスに間に合う交通手段が無い場合、鎖場を含む行程に朝から余裕を持って取りかかりたい場合、そして前日のうちに登山口の位置や帰りのバス停を確かめておきたい場合です。逆に、朝の便に無理なく乗れて、行程にも時間の余裕があるなら、前泊しない組み立てで十分なこともあります。
登山口のそばに泊まるか、山小屋や別の宿にするか、夜に着いて朝に動くか。前泊の形の決め方と、予約の前に確かめておきたい項目は、登山口で前泊するか夜に着くかの分かれ目をまとめた記事で扱っています。乾徳山の場合は、バス停からの距離と朝の出発時刻への対応を最初に確かめるのが近道です。
編集部の判断:前泊は「朝が楽になる」選択であって、「山で使える時間が増える」選択ではないと考えています。帰りのバスの締切は泊まっても動かないからです。前泊するかどうかは、朝の便に無理なく乗れるかどうかで決め、行程の長さの問題は、帰りの便の選び方と山頂を離れる時刻の側で解決する。この分け方をすると、宿代をかけた意味がはっきりします。
前泊した日や始発のバスに乗る日は、朝ごはんをゆっくりとる時間が取りにくくなります。サーモスのステンレスボトル FFX-502 は、宿や自宅で温かい飲み物を詰めて出て、バス停や登りの途中で少しずつ飲みたい人に向くボトルです。容量や保温・保冷の公表値は、商品ページで確かめてください。
下山後の入浴:みとみ笛吹の湯は当面休館、入浴をあてにしない帰りの組み立て
乾徳山の下山後に汗を流す場所として、以前は「みとみ笛吹の湯」が候補に挙がっていました。ところが山梨市の案内では、機械設備の故障のため当面の間休館とされています。休館の告知は2026年1月7日に更新されたままです(山梨市公式、2026年9月13日確認時点)。同じページには通常の営業時間の記載が残っていますが、これは営業中という意味ではありません。営業再開の時期も、ページには書かれていません。
確認した山梨市の公式ページには、代わりの入浴施設の案内も見当たりませんでした。この記事では、ほかの施設の名前は挙げません。下山後に入浴したい場合は、自分で候補を探し、その施設が営業しているか、営業時間は何時までかを、出発の前に施設の公式情報で確かめてください。みとみ笛吹の湯が再開しているかも、行く前に山梨市のページで確かめるのが確実です。
バスで帰る人にとって、入浴は時刻表との相談になります。登山口のそばで入浴できない以上、入浴を入れるなら、バスで駅方面へ移動してからになるでしょう。そうすると、帰りのバスは入浴の時間を見込んで早めの便を選ぶ必要が出てきます。市民バスの15:49で帰る計画に入浴を足すと、駅に着いてからの時間が夕方以降になる、ということです。
下山後の温泉を登山の計画にどう組み込むか、秋の山行とセットにするときの段取りは、下山後の温泉を段取りで組み立てる方法をまとめた記事で整理しています。乾徳山のように近くの施設が休館している山では、「入れたら入る」くらいの位置づけにして、入れなくても困らない準備をしておくのが現実的です。
入浴をあてにしない帰り方で役に立つのは、着替えの準備です。汗で濡れた服のままバスや電車に乗ると、車内の冷房や夕方の気温で体が冷えます。登山口で着替えられるよう、乾いた上着と下着をザックの底ではなく取り出しやすい位置に入れておきましょう。汗を拭くタオルや、汚れた靴を入れる袋もあると、車内で周りに気をつかわずにすみます。
- みとみ笛吹の湯の休館が続いているかを、出発前に山梨市のページで確かめた
- 別の入浴施設を使うなら、その施設の公式情報で営業日と営業時間を確かめた
- 入浴する場合でも、帰りのバスの本命の便と締切は変えていない
- 入浴できなかったときのために、乾いた着替えとタオルを取り出しやすい位置に入れた
下山後に「温泉に入りたいから」と帰りのバスの締切を後ろへずらす計画は、組み方が逆です。入浴施設の営業状況が確かめられていない地域では、温泉のために下山を急いだり、逆に遅い便に頼ったりすると、帰りの足そのものが危うくなります。入浴は帰りの便が決まったあとで、残った時間に入れるものとして考えてください。
編集部の見立て:下山後の温泉は山行の楽しみの一つですが、乾徳山の場合、登山口近くの候補だった施設が休館中です。ここで無理に代わりを探して計画を複雑にするより、「今回は着替えて帰る」と割り切るほうが、帰りのバスとの相性はよいと考えています。入浴は、施設の営業を自分で確かめられたときにだけ足す、という順番がこの山には合っています。
よくある質問
Q. 車が無くても大平高原から登れますか?
2026年9月13日時点で、山梨市の大平高原の案内ページには公共交通の定期便の記載が見つかりません。案内に載っているのは「中央道勝沼ICから80分」という車のアクセスです。車を持たない人が大平高原から登るなら、タクシーを使う組み立てになります。ただしタクシーの現行の営業状況は公式資料で確かめられていないので、前日までに電話で確認してください。バスだけで行くなら、登山口は徳和にするのが現実的です。
編集部の見立て:車が無い人が大平高原にこだわると、計画の不確かな部分が一気に増えます。タクシーの手配、狭い市道、帰りの足と、確かめることが3つ重なるからです。初めての乾徳山なら、毎日走る市民バスが使える徳和から入る計画にして、大平高原は車を使える日の選択肢として残しておくのがよいと考えています。
Q. 行きは市民バス、帰りは山梨交通のように、系統を変えて乗ってもいいですか?
時刻の上では組み立てられます。2つの系統は同じ「乾徳山登山口」バス停に停まるからです。ただし、市民バスは山梨市駅方面、山梨交通は塩山駅行きなので、行きと帰りで使う駅が変わります。運賃もそれぞれの事業者の方式で別々にかかります。山梨交通は運行日が限られ、時刻も2025年4月改定の表の値なので、使う日が運行日に入っているかと最新の時刻を、山梨交通の公式で確かめてください。
Q. 徳和の駐車場は無料ですか?
山梨市の徳和の案内ページには、乾徳山駐車場(20台)と徳和駐車場(50台)の台数は載っていますが、料金の記載はありません。徳和側には無料の駐車場があるとみられますが、案内ページの駐車場名と条例上の名称が完全に一致するかは確かめきれていません。現地の案内板の表示に従ってください。大平駐車場(30台)は市が「有料」と明記していますが、金額は案内ページに書かれていません。
Q. 大平高原への道は、いま通れますか?
山梨市の案内ページでは、国道140号から大平までの市道について「通行止め解除(令和6年7月12日現在)」と表示されています。2024年7月時点で通行止めは解除されていた、ということです。それ以降の更新はページ上で確かめられないので、出発前に市へ最新の状況を確認してください。なお、山梨県が「路肩決壊により通行禁止・解除時期未定」と公表しているのは、大平から三富川浦広瀬へ抜ける県営林道乾徳山(南)線で、大平駐車場へ上がる市道とは別の区間です。
編集部の判断:大平高原の道路情報は、「解除」も「禁止」も、そのままでは今日の答えになりません。市道の表示は2024年7月のもので、林道の通行禁止は別区間の話だからです。この質問への答えは、記事の中ではなく、出発前日の市への確認の中にあると考えています。記事は「どこに聞けばよいか」を知るために使ってください。
Q. 下山後に近くで温泉に入れますか?
登山口近くの候補だったみとみ笛吹の湯は、山梨市の案内で「機械設備故障のため当面休館」とされています(告知は2026年1月7日更新、2026年9月13日確認時点)。確認した市の公式ページには、代わりの施設の案内も見当たりません。入浴したい場合は、自分で候補を探して、その施設の営業状況を出発前に確かめてください。入浴できなくても困らないよう、着替えとタオルを持っていくことを勧めます。
まとめ:今日やることは1つ、「帰りに乗るバス」を決めて書き出す
乾徳山のアクセスは、登山口が2つ、バスの系統が2つ、道路の情報が2つと、似たものが対になって並んでいるのが難しさです。徳和と大平高原は「何で行くか」で分かれ、徳和のバス停には山梨市駅方面の市民バスと塩山駅行きの山梨交通が停まります。大平方面では、市道の通行止め解除と、別区間の県営林道の通行禁止を分けて読む必要がありました。
その中で、計画をいちばん大きく動かすのが帰りのバスです。最終便は市民バスが19:52、山梨交通が16:08で、3時間半以上違います。そして19:52は山の中ではすでに暗い時刻なので、締切には明るさの条件も重なります。
今日やること:帰りに乗る「本命の便」と「予備の便」を1本ずつ決め、その30分前を「バス停に戻る目標」として紙かスマートフォンに書き出す。その時刻から自分の下山時間を引けば、山頂を離れる時刻が決まり、行きの便も駐車場の選び方も自然に決まっていきます。
編集部の見立て:アクセスの記事を読んで「情報が多すぎる」と感じたら、帰りのバスの1行だけ持ち帰ってもらえれば十分だと考えています。帰りの便が決まれば、山頂を離れる時刻が決まり、行きの便が決まり、前泊が要るかどうかも決まります。乾徳山の段取りは、帰りから組み立てると一本の線になります。
- 市民バスの時刻表(山梨市)と、山梨交通の運行日・時刻表を開き、山行日に走る便と、記事の時刻から変わっていないかを確かめる
- 帰りの本命の便と予備の便を1本ずつ決め、「バス停に戻る目標」と「山頂を離れる時刻」を計画書に書く
- 車で行くなら、駐車場が満車だったときの第2案と、大平方面なら市道の最新の通行状況を、前日までに確かめる
編集部の判断:時刻表や道路の表示は、この記事を書いた日から少しずつ古くなっていきます。だからこそ、記事の数字を覚えるより、「市民バスは山梨市のページ、山梨交通は事業者の公式、大平の市道は市のページ、林道は県の規制情報」という確認先の地図を持ち帰ってほしいと考えています。出発前夜にその4か所を開くことが、乾徳山のアクセスでいちばん効く準備です。
出典
- 山梨市「乾徳山(大平高原)」(標高、勝沼ICから80分、大平駐車場30台・有料、市道の通行止め解除の表示)https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/soshiki/17/14047.html(2026年9月13日確認)
- 山梨市「乾徳山(徳和)」(乾徳公園、勝沼ICから60分、山梨市駅からバス30分、乾徳山駐車場20台・徳和駐車場50台、公衆トイレ、高原ヒュッテ内トイレの冬期閉鎖)https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/soshiki/17/14049.html(2026年9月13日確認)
- 山梨市「市民バス 西沢渓谷線」(運行区間、毎日運行・1月1日と2日は運休、運行会社)https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/site/city-bus/9090.html(ページ更新2025年8月1日、2026年9月13日確認)
- 山梨市 市民バス西沢渓谷線 時刻表PDF(乾徳山登山口の時刻、運賃方式)https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/uploaded/attachment/5548.pdf(2026年9月13日確認)
- 山梨交通 塩山駅〜西沢渓谷線 運行期間の案内PDF(2026年版の運行日)https://ykbus.jp/wp/wp-content/themes/yamako/pdf/timetable/220001.pdf(2026年9月13日確認)
- 山梨交通 塩山駅〜乾徳山登山口〜西沢渓谷入口 時刻表PDF(2025年4月1日改定)https://ykbus.jp/wp/wp-content/uploads/nishiza20250401.pdf(2026年9月13日確認)
- 山梨県 林道規制情報「県営林道乾徳山(南)線」https://www.pref.yamanashi.jp/rindoujyouhou/kisei.php?id=89(2026年9月13日確認)
- 山梨県公式観光情報「乾徳山」(普通車70台)https://www.yamanashi-kankou.jp/kankou/spot/p1_4716.html(2026年9月13日確認)
- 山梨市「みとみ笛吹の湯」(当面休館の告知、2026年1月7日更新)https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/soshiki/17/2272.html(2026年9月13日確認)
- Mt.Kentoku Fish&Lodge 公式サイト「アクセス」(「乾徳山登山口」バス停から徒歩すぐ)https://www.mt-kentoku-fandl.com/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9(2026年9月13日確認)
- 山梨市観光協会 公式PDF(タクシー事業者の掲載データ、2023年3月末日現在。社名・番号は本文に転記していない)https://www.yamanashishi-kankou.com/wp/wp-content/uploads/2017/01/7eeb20090653e33f03acf945055a572c.pdf(2026年9月13日確認)
