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神奈川県秦野市の大倉は、丹沢の塔ノ岳(1,491m)へ大倉尾根で登るときの起点です。車で来る人がまず停めることになるのが、県立秦野戸川公園の「大倉駐車場」。公園の公式ページによると、普通車は150台(うち障がい者専用4台)で、入庫できるのは6:30から21:00まで、出庫は24時間できます(2026年10月1日確認)。
この「入庫は6:30から」という時刻の枠が、塔ノ岳の一日を決めます。大倉〜塔ノ岳の往復は、神奈川県立丹沢ビジターセンターの公式コース情報で約14km・約6時間10分、高低差約1,200m。しかもこれは休憩を含まない目安です。6:30に停めて歩き出しても、戻りは昼を大きく過ぎます。秋から冬にかけては横浜(県庁所在地)の日の入が16時台まで早まるので、「何時に着けるか」と「何時までに戻るか」を駐車場の時刻と日没の両方から組む必要があります。
料金は平日と休日等で当日最大が違い、普通車で平日500円・休日等800円です。ヤビツ峠側から表尾根を歩く計画なら、県道70号(秦野清川)の今日の状況を出発前に公式で確かめる手間も加わります。ここでは、駐車場・バス・道路・日没という「山に入る前の段取り」だけを、公式の値で順番に決めていきます。
道の状況や料金、時刻は変わります。本文の数字には確認日を添えているので、出かける前日と当日の朝に、それぞれの公式ページをもう一度開いてください。
- 大倉駐車場は普通車150台・入庫6:30〜21:00・出庫24時間という公式の枠で、到着と下山の時刻がどう決まるか
- 料金は30分未満無料、当日最大は平日500円・休日等800円で、塔ノ岳往復ならほぼ確実に当日最大の区分になること
- 夏季(7/21〜8/31)と年末年始(12/29〜1/3)は平日でも休日等の料金になること
- 満車のときの代わりに、同じ公園の水無川駐車場(87台)・諏訪丸駐車場(97台)が公式に載っていること
- 渋沢駅北口2番のりばの「渋02」系統で大倉まで約15分、始発・最終は神奈中バスの時刻表で確かめること
- ヤビツ峠へ上がる県道70号は、2025年12月22日付の「通行止め解除」告知があり、今日の状況は県の通行規制ページとJARTICで確かめること
- 11〜2月の横浜の日の入(16:29〜17:35)から、大倉に戻る目標時刻を決める計算のしかた
塔ノ岳の大倉口へは車か、渋沢駅からのバスか
最初に決めるのは、大倉まで車で行くか、電車とバスで行くかです。ここが決まると、朝の出発時刻も、下山後に急ぐ理由も変わります。
秦野戸川公園の公式ページが案内している行き方は2つです。車なら、新東名高速の秦野丹沢スマートIC、または東名高速の秦野中井ICから各10〜30分、国道246号からは10分。公共交通なら、小田急線の渋沢駅北口・2番のりばから神奈中バスの「渋02」系統で約15分、終点「大倉」で降ります。大倉のバス停はパークセンター付近のバスロータリーです(いずれも2026年10月1日確認)。
| 比べる点 | 車(大倉駐車場) | 電車+バス(渋02) |
|---|---|---|
| 最後の移動 | 秦野丹沢スマートIC・秦野中井ICから各10〜30分、国道246号から10分 | 渋沢駅北口2番のりばから約15分、終点大倉 |
| 朝の制約 | 入庫は6:30から。それより前には停められない | 始発時刻に縛られる(時刻は神奈中バスの時刻表で確認) |
| 帰りの制約 | 出庫は24時間可能。最終便の心配がない | 最終便に縛られる(時刻は神奈中バスの時刻表で確認) |
| 費用の決まり方 | 駐車料金(当日最大は平日500円・休日等800円)+高速代・燃料 | 電車とバスの運賃(運賃は各社の公式で確認) |
| ほかの登山口への移動 | 車を置いた場所に戻る必要がある | ヤビツ峠から入って大倉へ下りる縦走も組みやすい |
表の読み方を一言で言うと、車は「帰りに強く、朝に弱い」、バスは「縦走に強く、時刻表に縛られる」です。車は出庫が24時間なので、下山が遅れても駐車場から出られないという心配は公式の運用上ありません。一方で入庫は6:30からなので、夜明け前に着いても停められず、歩き出しの時刻には下限があります。
バスは始発・最終の両方に縛られますが、登った山と別の場所へ下りられるのが強みです。ヤビツ峠から表尾根を歩いて大倉へ下りる縦走は、車1台では起点に戻れないので、バスのほうが組みやすくなります。
大倉尾根そのものがどれくらいきついか、標高差1,200mをどう区切って登るかは、塔ノ岳の大倉尾根の標高差を段で分けて読む記事にまとめています。ここから先は、そこへ行く前の「駐車場・バス・道路」の段取りに絞ります。
判断の目安はこうです。大倉尾根を往復するだけなら車、ヤビツ峠から入る縦走ならバス、と最初に分けてしまうと迷いが減ります。往復なら車を置いた大倉に必ず戻ってくるので、出庫24時間の駐車場は相性がいい。縦走なら起点と終点が違うので、車は足かせになります。
もう1つの分かれ目は、家を出る時刻です。車の場合、入庫開始の6:30に合わせて着くには、家からの所要時間を足した時刻に出ることになります。バスの場合は、始発に間に合う電車から逆に組みます。どちらも「6時台に大倉に立てるか」が一日の余裕を左右するので、ここで無理があるなら、行き先を変える選択肢も持っておいてください。
編集部の見立て:大倉口で車かバスかを迷うときは、朝より帰りの条件を先に見るのがおすすめです。塔ノ岳の往復は休憩を除いても6時間を超えるので、下山は午後遅くになりがちです。そこで「最終便を気にしたくない」なら車、「表尾根も歩きたい」ならバス。行きやすさより、戻り方で決めたほうが後悔が少ないと考えています。
大倉駐車場の台数と入庫時刻|6:30〜21:00入庫・出庫は24時間
大倉駐車場の中身を、公式ページの値だけで整理します。秦野戸川公園のアクセスページによると、収容台数は普通車150台(うち障がい者専用4台)、中型車10台、二輪は2か所で計10台です。入庫できるのは6:30から21:00まで、出庫は24時間可能です(2026年10月1日確認)。
この時刻を登山の言葉に言い換えると、次のようになります。まず「6:30より前には停められない」。夜明け前に着いて車内で待つことはできても、駐車場に入れるのは6:30からです。次に「21:00を過ぎると新しく入れない」。前夜のうちに入って朝を待つ計画は、21:00という締め切りがあることになります。最後に「出るのはいつでもよい」。下山が遅れても、出庫そのものは24時間できます。


時刻の枠から決まること:歩き出しの最早時刻は、6:30に入庫して身支度を終えた時刻です。帰りは出庫が24時間なので、駐車場の都合では急かされません。帰りの締め切りを決めるのは駐車場ではなく、日没と自分の足です。
ただし、公式ページに書かれていないことも2つあります。1つは夜間にゲートが閉まるかどうか。入庫と出庫の時刻は載っていますが、ゲートの閉鎖の有無や時刻は公式ページに記載が見当たりません(2026年10月1日確認)。下山が暗くなりそうな計画なら、出かける前に秦野戸川公園の公式サイトから問い合わせておくと安心です。
もう1つはトイレです。大倉駐車場のトイレについて、公式のアクセスページに記載がありません(2026年10月1日確認)。バスロータリーは「パークセンター付近」とだけ書かれています。登山口周辺のトイレは、出発前に秦野戸川公園の公式ページで確かめてください。
満車になる時刻は、公式には出ていません。「休日は◯時に満車」といった話を見かけても、公式の数字ではないので当てにしないでください。確かなのは、普通車150台という収容台数と、入庫が6:30から始まるという2点です。早く停めたい日は、入庫開始に合わせて動くのが現実的です。
150台という数字は、登山者だけの台数ではありません。秦野戸川公園は公園そのものを訪れる人も使う施設です。台数が多いから必ず停められる、とは考えず、停められなかったときの次の手(同じ公園の別の駐車場か、バスへの切り替え)を先に決めておくと、当日に慌てずに済みます。その候補は、あとの「混んだときの代わり」の節で整理します。
また、中型車10台・二輪計10台という枠も公式に載っています。バイクで来る場合は二輪の枠が2か所に分かれているので、到着したら案内に従ってください。車中泊については、公式ページに可否の記載はありません。21:00までに入庫できて出庫は24時間という運用が載っているだけなので、夜を越す使い方を前提にするなら、公園に直接確かめるのが筋です。
編集部の見立て:「出庫24時間」という言葉は安心材料ですが、それを「暗くなっても大丈夫」と読み替えるのは危ういと考えています。駐車場から出られることと、暗い大倉尾根を安全に下りられることは別の話です。駐車場の時刻は、あくまで計画の外枠。中身の時刻は日没から決めてください。
料金は平日500円・休日等800円が当日最大|塔ノ岳往復なら上限まで
大倉駐車場の料金は、平日と休日等で表が分かれています。秦野戸川公園のアクセスページによると、30分未満は共通で無料です。そこから先の普通車の料金は下の表のとおりです(2026年10月1日確認)。
| 駐車時間(普通車) | 平日 | 休日等 |
|---|---|---|
| 30分未満 | 無料 | 無料 |
| 30分〜1時間 | 100円 | 200円 |
| 1〜2時間 | 200円 | 400円 |
| 2〜3時間 | 300円 | 600円 |
| 4時間を超える場合 | 当日最大500円 | 当日最大800円 |
「休日等」に入るのは、土日・祝日だけではありません。公式ページでは、夏季の7月21日〜8月31日と、年末年始の12月29日〜1月3日も同じ区分です。平日に休みを取って行く場合でも、この期間に当たると休日等の料金になります。冬の塔ノ岳を年末年始に計画するなら、この区分を覚えておいてください。
では、塔ノ岳の往復ではいくらになるのか。公式のコースタイムは大倉〜塔ノ岳の往復で約6時間10分、しかも休憩を含まない目安です。身支度と休憩を足せば、駐車時間は4時間を大きく超えます。塔ノ岳を往復する日は、平日なら500円、休日等なら800円で見積もっておけば足ります。細かい区分を気にする必要はほとんどありません。
日をまたいで停める場合の料金の扱いは、公式の料金表で確かめてください。「当日最大」という表現どおり、1日単位で上限が決まる料金です。山小屋に泊まって翌日に下りる計画では、日数分がどう数えられるかを公園に確認しておくと確実です。
料金の差は平日と休日等で300円です。この差だけで平日に行く理由にはなりませんが、平日を選べると駐車場の混み具合も違ってくる可能性があります(混雑の傾向は公式には出ていません)。休みの取り方に自由がきくなら、料金よりも「空いている日に、早い時刻から歩ける」ことのほうが、塔ノ岳では効いてきます。
次に、足回りの話を先にしておきます。大倉尾根の往復は、登りの標高差約1,200mをそのまま下りで返す行程です。駐車料金を当日最大で払うほど長い一日になるので、足元は「長い下りを最後まで踏ん張れるか」で選ぶ必要があります。
コロンビアの「セイバー シックス ロー アウトドライ」(型番YM0238)は、足首を覆わないローカットのトレッキングシューズで、名前のとおり同社の防水構造「アウトドライ」を使ったモデルです。ハイカットの登山靴に抵抗がある人、雨上がりの木段やぬかるみで足を濡らしたくない人が、日帰りの低山〜中級の山で使う1足目の候補になります。足首の支えが欲しい人は、あとで並べるミッドカット寄りの靴と比べてください。
編集部の見立て:駐車料金の区分は、塔ノ岳の往復ではほぼ「当日最大」一択です。だから料金の計算に頭を使うより、平日か休日等か、そして年末年始や夏季の期間に当たっていないかだけを見れば十分です。浮いた注意力は、日没と下山時刻の計算に回してください。
混んだときの代わり|水無川駐車場・諏訪丸駐車場
大倉駐車場に停められなかったときの代わりとして、秦野戸川公園の公式ページには同じ公園内の別の駐車場が2つ載っています。水無川駐車場は普通車87台(うち障がい者専用4台)、諏訪丸駐車場は普通車97台(同2台)と二輪8台です(2026年10月1日確認)。
| 駐車場 | 台数(普通車) | 料金 | 入庫の時刻 | トイレ | 冬の扱い |
|---|---|---|---|---|---|
| 大倉駐車場 | 150台(障がい者専用4台) | 30分未満無料、当日最大は平日500円・休日等800円 | 6:30〜21:00(出庫は24時間) | 公式ページに記載なし | 公式ページに記載なし |
| 水無川駐車場 | 87台(障がい者専用4台) | 公式ページで確認 | 公式ページで確認 | 公式ページに記載なし | 公式ページに記載なし |
| 諏訪丸駐車場 | 97台(障がい者専用2台)・二輪8台 | 公式ページで確認 | 公式ページで確認 | 公式ページに記載なし | 公式ページに記載なし |
| ヤビツ峠 | 公式の記載が見当たらない | 公式の記載が見当たらない | 公式の記載が見当たらない | 別途確認 | 県道70号の状況を確認 |
表のとおり、公式ページで台数まで確かめられるのは、公園内の3つの駐車場です(2026年10月1日確認)。水無川と諏訪丸の料金・入庫時刻は、大倉駐車場と同じページで確かめてから使ってください。3つを合わせると普通車は300台を超えますが、これは公式の台数を足した数で、そのまま「停められる確率」を意味するものではありません。
水無川駐車場・諏訪丸駐車場から登山口(大倉バス停)までの距離は、公式ページに書かれていません。停める前に地図で位置を確かめ、歩く時間を行程に足してください。登山口まで歩く分は、帰りにも同じだけ歩くことになります。
大倉周辺の民間駐車場については、台数・料金とも公的な一次情報が見当たりません(2026年10月1日確認)。満車のときに路肩や空き地へ停めるのはやめてください。周辺の生活道路をふさぐうえ、下山したら車が動かせない事態にもなりかねません。公式に載っている代わりは、同じ公園の2つの駐車場です。
公園内の駐車場も埋まっていたら、次の一手はバスへの切り替えです。車を渋沢駅周辺の駐車場に停めて「渋02」で大倉へ向かう方法もありますが、駅周辺の駐車場の情報は公園の公式ページには載っていないので、使う場合は自分で確かめてください。もう1つは、その日は塔ノ岳をやめて、別の山に行き先を変える判断です。
大倉からは塔ノ岳だけでなく、鍋割山へも登れます。駐車場の段取りは同じでも、歩く距離と標高差が違うので、混雑で出発が遅れた日の候補になるかどうかは鍋割山の大倉からの標高差と、最終バスから決める引き返し時刻の記事で比べてください。
秋の紅葉の時期は、丹沢全体で人が増えることが考えられます。見頃の目安や、表丹沢・西丹沢で出ている通行止めについては丹沢の紅葉2026の時期と通行止めの記事で整理しています。紅葉の週末に大倉を使うなら、駐車場の代わりを先に決めておく意味がいっそう大きくなります。
編集部の見立て:満車の対策でいちばん効くのは、当日の機転ではなく「停められなかったら◯◯」を家で決めておくことです。水無川・諏訪丸へ回るのか、バスに切り替えるのか、行き先を変えるのか。3つのうちどれにするかを出発前に1行メモしておくだけで、駐車場の前で迷う時間がなくなります。
渋沢駅から大倉バス停へ|「渋02」約15分と始発の確かめ方
電車とバスで行く場合の入り口は、小田急線の渋沢駅です。秦野戸川公園の公式ページによると、渋沢駅北口の2番のりばから神奈中バスの「渋02」系統に乗り、約15分で終点「大倉」に着きます。大倉のバス停は、パークセンター付近のバスロータリーです(2026年10月1日確認)。
始発と最終の時刻は、ここには書きません。時刻はダイヤ改正で変わるので、神奈中バスの公式時刻表(https://www.kanachu.co.jp/dia/diagram/)で、出かける日の曜日の時刻を確かめてください。平日と土日・祝日でダイヤが違う場合もあるので、曜日の欄まで見ることが大事です。
公園の公式ページが案内しているのは、渋沢駅北口2番のりばの「渋02」系統(約15分)です。ほかの駅から大倉へ向かうバスがあるかどうかは、神奈中バスの時刻表で確かめてください。
時刻表を開いたら、見るのは次の順番です。
- 渋沢駅北口発・大倉行きの、出かける曜日の始発時刻を見る。そこに約15分を足した時刻が、大倉に立てる最早の時刻になる
- 大倉発・渋沢駅行きの最終便の時刻を見る。これが下山の動かせない締め切りになる
- 最終便の時刻と、その日の日の入(国立天文台)の早いほうから1時間以上前を、大倉に戻る目標時刻に置く
バスで行く日の計画は、車の日と逆の形になります。車は朝の6:30という下限があり、帰りの締め切りは日没で決まります。バスは始発という下限と、最終便という上限の両方があります。最終便と日没のうち早いほうが、その日の本当の締め切りです。
最終便の時刻ちょうどに大倉へ着く計画は立てないでください。バス停に着いてから靴を替えたり荷物をまとめたりする時間が要りますし、下山が少し遅れただけで乗り遅れます。乗り遅れた場合の移動手段(タクシーを呼べるか、何分かかるか)も、出発前に調べておくと安心です。
冬のバスの時刻は、季節ダイヤがあるかどうかを含めて、神奈中バスの公式時刻表で出発の前日に確かめてください。11月以降は日の入が16時台まで早まるので、最終便より日没のほうが先に締め切りになる日が増えます。
バスで行くことの利点も1つ挙げておきます。帰りに運転しなくてよいことです。大倉尾根の往復は、休憩を除いても約6時間10分の行程で、下りは標高差約1,200mを脚で受け止め続けます。下山後に高速道路を運転して帰るより、電車で座って帰れるほうが体には楽です。疲れが残りやすい人や、帰り道が長い人は、この点も選ぶ材料にしてください。
また、始発のバスで大倉に着く時刻が、車の入庫開始(6:30)より遅い場合は、朝の余裕は車のほうが大きくなります。どちらが早く歩き出せるかは、出かける日の時刻表を見ないと決まりません。計画の最初に、始発の到着時刻と6:30を並べて比べてみてください。
編集部の見立て:バスの日は、行きの始発より帰りの最終便を先に確かめてください。行きが1本遅れても計画を縮めれば済みますが、帰りの最終便を逃すと、その後の段取りが一気に難しくなります。時刻表は「帰りから読む」と決めておくと、見落としが減ると考えています。
何時に停めて何時に戻るか|往復6時間10分と日の入から組む一日
ここまでの材料を、実際の時刻に置き換えます。使う数字は3つです。1つ目は大倉駐車場の入庫開始の6:30。2つ目は大倉〜塔ノ岳の往復約6時間10分(休憩を含まない、神奈川県立丹沢ビジターセンターの公式コース情報。昭文社「山と高原地図」2020年版を参考とした目安で、体力・気象で変動)。3つ目は国立天文台の日の入です。
国立天文台・暦計算室の「各地のこよみ」によると、横浜(県庁所在地)の日の入は次のとおりです(2026年10月1日確認)。山頂や登山口の値ではないので、谷あいや尾根の陰ではこれより早く暗くなる場所がある、という前提で読んでください。
| 日付(横浜) | 日の出 | 日の入 | 大倉に戻る目標(日の入の1時間前) |
|---|---|---|---|
| 2026年10月1日 | 5:36 | 17:26 | 16:26まで |
| 2026年10月15日 | 5:47 | 17:07 | 16:07まで |
| 2026年11月1日 | 6:03 | 16:47 | 15:47まで |
| 2026年11月15日 | 6:16 | 16:35 | 15:35まで |
| 2026年12月1日 | 6:31 | 16:29 | 15:29まで |
| 2026年12月15日 | 6:43 | 16:30 | 15:30まで |
計算のしかたは単純です。大倉に戻る目標時刻から、往復の約6時間10分と、自分が取る休憩の合計を引きます。それが歩き出す時刻の上限です。たとえば11月15日なら、目標は15:35。休憩を合計1時間半取るつもりなら、6時間10分と1時間半を引いて、7:55までに歩き出す計算になります。入庫開始の6:30に停めて7:00前後に歩き出せれば、この日は1時間近い余裕が残ります。
歩き出しの上限の式:歩き出す時刻の上限 = 大倉に戻る目標時刻(日の入の1時間以上前)− 6時間10分 − 休憩の合計。休憩を多めに見積もるほど、式は安全側に働きます。コースタイムは目安なので、自分の足がコースタイムより遅い人は、その差も引いてください。
次は、山の上での引き返し時刻です。公式のコース情報は往復の合計なので、登りと下りの内訳は出ていません。そこで自分の実績で決めます。大倉から歩き始めて山頂に着くまでにかかった時間を覚えておき、「大倉に戻る目標時刻 − 登りにかかった時間」を過ぎても山頂に届いていなければ、そこで引き返す。下りは登りより速いこともありますが、標高差約1,200mを下る脚の疲れを考えると、登りと同じだけかかると見ておくのが安全側です。
山頂で長く休むほど、下山の余裕は削られます。紅葉や展望を楽しむ時間を取りたいなら、その分を最初の計算で休憩に入れておいてください。山頂に着いてから休憩を延ばすと、計算の前提が崩れます。
日没の早さと引き返し時刻の考え方を、ほかの地域や月でも使えるようにしたいなら、秋に早まる日没の月別早見表と引き返し時刻の出し方の記事にまとめています。塔ノ岳以外の山へ行くときにも、同じ式がそのまま使えます。
そして、どれだけ計算しても下山が暗くなる可能性はゼロになりません。日の入の1時間前に戻る計画でも、ヘッドライトは必ず持ってください。秋冬は朝の暗いうちに身支度をすることもあるので、日帰りでも出番があります。どのくらいの明るさ・重さを選ぶかは登山用ヘッドライトを軽さ・防水・価格帯で比べた記事で見比べてください。
編集部の見立て:塔ノ岳の往復で時刻の計算をするとき、いちばん削られやすいのは休憩時間の見積もりです。コースタイムの6時間10分は休憩を含まないので、「6時間ちょっとで戻れる」と読むと、秋冬は簡単に日没に追いつかれます。休憩は多めに、歩き出しは早めに。この2つで余裕を作ってください。
ヘッドライトを1つ選ぶなら、レッドレンザーの「MH5」は、充電式で使えるアウトドア向けのヘッドライトです。電池を買い足す手間を減らしたい人、朝の暗い駐車場での身支度と、万一の遅い下山の両方に1台で備えたい人に向きます。出かける前夜に充電しておくことを、準備の手順に入れてください。
大倉尾根の下り1,200mと冬の山頂に備える、靴・ポール・ダウン
大倉の駐車場に停めて塔ノ岳を往復する日は、登りより下りのほうが足に効きます。高低差は約1,200m(大倉290m/塔ノ岳1,491m、神奈川県立丹沢ビジターセンターの公式コース情報)。その分を最後にまとめて下りるので、膝や太ももへの負担は後半に集中します。さらに秋冬は、山頂の風と早い日没が重なります。
ここで選ぶ基準は4つです。1つ目は、足首まわりの支えと靴底の安定。長い下りで足首が揺れると、疲れが膝に回ります。2つ目は、下りの衝撃を腕に分けられるかどうかで、トレッキングポールが担う部分です。3つ目は、山頂で止まったときの保温。歩いているうちは暑くても、止まった瞬間に体が冷えます。4つ目は、重さと収納のしやすさ。日帰りのザックに入るかどうかも大事な条件です。
| 商品(型番) | 役割 | 向く人 |
|---|---|---|
| アディダス テレックス AX4(HP7388) | 足回り(靴) | 普段履きに近い感覚のトレッキングシューズで、日帰りの登り下りを歩きたい人 |
| DABADA SG承認品 軽量アルミ製トレッキングポール 2本セット | 下りの衝撃を分ける | 長い下りで膝に不安がある人、ポールを初めて使う人 |
| モンベル ライトアルパインダウンジャケット(1101608) | 山頂での保温 | 秋冬の日帰りで、止まったときの防寒を軽く持ちたい人 |
| ザ・ノース・フェイス Thunder Jacket | 山頂・下山後の保温 | 山でも街でも着られるダウンを1枚で済ませたい人 |
表の順番は、そのまま準備の順番でもあります。まず足元を決め、次に下りの負担を分ける道具、最後に止まったときの防寒です。どれか1つを削るなら、自分の弱いところから守ってください。膝に不安がある人はポールを、寒さに弱い人はダウンを優先します。
アディダスの「テレックス AX4」(型番HP7388)は、同社のアウトドア向けラインのトレッキングシューズです。コロンビアのローカットと比べて、登山靴らしい作りを求める人、スニーカーから一段上の靴に替えたい人が見比べる候補になります。サイズは実店舗や公式のサイズ表で、登山用の靴下を履いた状態を前提に確かめてください。
DABADAのトレッキングポールは、商品名のとおり軽量のアルミ製で、SG承認品の2本セットです。長い下りで膝の負担を腕に分けたい人、ポールを初めて試す人に向きます。2本で使うと左右のバランスが取りやすく、木段の下りで一歩ずつ体重を預ける先ができます。
モンベルの「ライトアルパインダウンジャケット」(型番1101608)は、登山用として作られた軽量のダウンジャケットです。秋冬の山頂で休むときに羽織り、歩き出したら脱いでザックにしまう、という使い方をしたい人に向きます。日帰りのザックに入れっぱなしにしておける防寒着を探している人の候補です。
ザ・ノース・フェイスの「Thunder Jacket」は、同社のダウンジャケットです。山頂の休憩だけでなく、冬の早朝に駐車場で身支度をするときや、下山後に冷えた体で車やバスを待つときにも着る、という使い方を考えている人に向きます。山と街の両方で着る1枚を選びたい人が比べる候補になります。
ダウンは濡れると保温力が落ちやすい素材です。雨や汗で濡れる場面では、上に雨具を重ねるなどの使い分けが要ります。山頂で着るときは、汗が引く前に羽織るほうが冷えにくくなります。
編集部の見立て:大倉尾根の往復で道具に投資するなら、最初は下りの負担を減らすものからだと考えています。登りは休めば回復しますが、下りで脚が終わると、日没までに戻る計算そのものが崩れます。靴とポールで下りを守り、ダウンで止まったときの冷えを守る。この順番が、この山の一日の組み立てに合っています。
ヤビツ峠側から入るときの県道70号|2025年12月の解除告知と確かめ方
塔ノ岳へは、大倉尾根のほかに、ヤビツ峠から表尾根を歩いて入る道もあります。ヤビツ峠へ車で上がるときに使うのが、県道70号(秦野清川)です。この道の状況は、大倉の駐車場とは別に確かめる必要があります。
神奈川県の通行規制のページには、「2025年12月22日【お知らせ】県道70号(秦野清川)『通行止め解除』」が掲載されています(2026年10月1日確認)。ただし、ページの本文に現在の規制内容は載っておらず、最新の通行規制は日本道路交通情報センター(JARTIC)で確認するよう案内されています。
今日の県道70号の状態:2026年10月1日時点で公式に確認できるのは、2025年12月22日付の「通行止め解除」のお知らせだけです。今日通れるかどうかは、出かける日の朝に、県の通行規制ページとJARTICで確かめるしかありません。
ここで区別しておきたいのは、県道70号の通行止めは「道路の管理者による通行止め」だということです。駐車場の料金や、バスの運行判断とは別の仕組みで決まります。道が閉まっていれば、ヤビツ峠に車で上がることはできませんし、ヤビツ峠を通るバスの運行にも影響が出ることが考えられます。どちらの影響が出ているかは、それぞれの公式(道路は県とJARTIC、バスは神奈中バス)で確かめてください。
確認先は2つです。1つは神奈川県の通行規制ページ(https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ck2/cnt/f440028/tsukoukisei.html)。県からのお知らせが出ているかをここで見ます。もう1つは、そこから案内されている日本道路交通情報センター(JARTIC)で、現在の規制の有無を見ます。
次に、ヤビツ峠の駐車場です。ヤビツ峠の駐車場について、台数・利用時間・料金の公式の記載は見当たりません(2026年10月1日確認)。ヤビツ峠側から入る予定なら、出かける前に神奈川県の道路・公園の案内で確かめてください。大倉駐車場のように「何台・何時から・いくら」が公式ページでそろっているわけではない、という違いを頭に入れておくと、計画の立て方が変わります。
ヤビツ峠の駐車場が埋まっていたときに、県道70号の路肩へ停めるのはやめてください。峠道の路肩は、ほかの車の通行や緊急車両の妨げになります。停められなかったら、大倉口に切り替えるか、その日はやめる判断をしてください。
判断をまとめると、こうなります。朝の時点で県道70号の状況が公式で確かめられ、ヤビツ峠の駐車場の条件も分かっているなら、ヤビツ峠から入る計画を進めてよい。どちらかが確かめられない日は、大倉口から歩く計画に切り替える。大倉駐車場は台数・時刻・料金が公式に載っているので、計画の土台にしやすい起点です。
ヤビツ峠には、登山計画書の投函箱も設置されています(神奈川県警の案内。後の節で詳しく扱います)。ヤビツ峠側から入る日も、大倉側から入る日も、計画書を出す場所は確保されているので、起点を当日に切り替えても届け出の手間は変わりません。
編集部の見立て:ヤビツ峠側は、大倉側に比べて「公式に書いてあること」が少ない起点です。だから計画の軸は大倉に置き、ヤビツ峠は道路と駐車場の状況が確かめられた日にだけ使う、という考え方が扱いやすいと思います。確かめられない情報を前提に峠まで車で上がり、そこで行き詰まるのが一番もったいない形です。
表尾根を縦走して大倉へ下りる日の、車の置き場所|公式約6時間35分
ヤビツ峠から表尾根を歩いて塔ノ岳へ登り、大倉尾根で大倉へ下りる縦走は、神奈川県立丹沢ビジターセンターの公式コース情報に載っています。ヤビツ峠〜三ノ塔〜新大日〜塔ノ岳〜大倉尾根〜大倉で約14km・約6時間35分、高低差約730m(起点のヤビツ峠が760m)。大倉尾根の往復と同じく、休憩を含まない目安です(2026年10月1日確認)。
大倉尾根の往復(約6時間10分)とは別のルートなので、所要時間の違いは矛盾ではありません。数字だけを見ると、縦走は高低差が約730mと小さく見えますが、これは起点のヤビツ峠が760mと高いためです。下りは塔ノ岳から大倉までの大倉尾根をそのまま使うので、下りの長さは往復の日と変わりません。
縦走で車が抱える問題:車1台では、起点のヤビツ峠と終点の大倉が離れているため、下山後に車へ戻れません。縦走の日は、車を大倉に置いてバスでヤビツ峠へ上がるか、最初から電車とバスで行くかのどちらかを選ぶことになります。
車を大倉駐車場に置く場合は、入庫開始の6:30以降に停め、そこからヤビツ峠へ移動する手段を確保する必要があります。ヤビツ峠へ向かうバスの時刻・経路は、公園の公式ページには載っていないので、神奈中バスの時刻表で確かめてください。バスがなければ、この形は成り立ちません。
車をヤビツ峠に置く場合は、下山後に大倉からヤビツ峠へ戻る手段が要ります。ヤビツ峠の駐車場の条件が公式で確かめられないこと、県道70号の状況を当日確かめる必要があることを考えると、この形は条件がそろう日を選びます。
| 組み方 | 成り立つ条件 | 確かめる先 |
|---|---|---|
| 電車とバスだけで行く | ヤビツ峠行きの朝の便と、大倉発の最終便がそろう | 神奈中バスの時刻表 |
| 車を大倉に置き、バスでヤビツ峠へ | 6:30以降に大倉から峠へ向かう手段がある | 神奈中バスの時刻表・秦野戸川公園 |
| 車をヤビツ峠に置き、下山後に戻る | 県道70号が通れ、峠の駐車場の条件が分かり、大倉から峠へ戻る手段がある | 県の通行規制ページ・JARTIC・県の案内 |
表尾根の通行状況も、出発前に確かめてください。神奈川県の登山道情報で確認できるのは、大倉尾根線(T09)の見晴茶屋付近が通行可能であることです(2026年10月1日確認、ページ更新は2026年8月20日)。表尾根(ヤビツ峠側)の区間は、同じ県のページで最新の状況を確かめてください。
縦走の日の時刻計算は、往復の日と同じ式で組めます。大倉に戻る目標時刻(日の入の1時間以上前)から、約6時間35分と休憩の合計を引いたものが、ヤビツ峠を歩き出す時刻の上限です。ただし縦走の日は、そこに「ヤビツ峠へ上がるまでの移動時間」が朝の側に加わります。朝の移動が長くなる分、秋冬は往復より時間の余裕が小さくなりやすいことを覚えておいてください。
大倉尾根のきつさそのもの、つまり長い木段や、標高差をどの区間で稼ぐかという話は、最初に紹介した大倉尾根の記事で扱っています。縦走の日もその下りを歩くので、目を通しておくと下山の計画が立てやすくなります。
編集部の見立て:表尾根の縦走は魅力的ですが、段取りの難しさは往復の比ではありません。初めて塔ノ岳に行くなら、まず大倉に車を置いて往復し、大倉尾根の下りの長さを知ってから縦走を考える、という順番が無理のない選び方だと考えています。縦走は、帰り道の手段が確実にそろう日だけの計画です。
表尾根は稜線を歩く時間が長く、秋冬は風を受けやすい区間です。マムートの「アルティメイト 7 ソフトシェル フーデッド ジャケット」(ウィメンズ、アジアンフィット、型番1011-01790)は、フード付きのソフトシェルジャケットです。稜線の風を防ぎながら歩き続けたい女性が、雨具とは別に行動中に着る1枚として比べる候補になります。
塔ノ岳に11〜3月に登るなら|冬の駐車場・凍結・日没から決める下山時刻
11月から3月の塔ノ岳は、夏と同じ段取りでは組めません。大きく変わるのは3つです。日没が早くなること、朝の路面や木段が凍る可能性があること、そして駐車場や道路の冬の扱いを出発前に確かめる手間が増えることです。
まず日没です。国立天文台の「各地のこよみ」によると、横浜(県庁所在地)の日の入は、2026年11月30日が16:29、12月15日が16:30、12月31日が16:38、2027年1月15日が16:51、1月31日が17:08、2月15日が17:23、2月28日が17:35です(2026年10月1日確認)。11月末から12月中旬が一年でいちばん日の入の早い時期で、16時半前後になります。
| 日付(横浜) | 日の入 | 大倉に戻る目標 | 休憩1時間半なら歩き出しの上限 |
|---|---|---|---|
| 2026年11月30日 | 16:29 | 15:29 | 7:49 |
| 2026年12月15日 | 16:30 | 15:30 | 7:50 |
| 2027年1月15日 | 16:51 | 15:51 | 8:11 |
| 2027年2月15日 | 17:23 | 16:23 | 8:43 |
表の「歩き出しの上限」は、大倉に戻る目標(日の入の1時間前)から、公式の往復約6時間10分と休憩1時間半を引いた値です。12月は8時前に歩き出す必要があり、入庫開始の6:30に停めれば間に合う計算になります。一方、横浜の日の出は12月15日で6:43なので、6:30の入庫時はまだ暗いうちです。朝の身支度にもヘッドライトが役に立ちます。
凍結や積雪がいつ始まるかは、神奈川県の登山道情報に記載がありません(2026年10月1日確認)。標高が上がる大倉尾根では、朝の路面や木段の凍結を見込んでおく必要があります。出発の朝に、県の登山道情報と気象庁の予報で確かめてください。
冬に何を足すかは、公式の装備基準が見当たらないので、次の順で判断してください。出発の朝に県の登山道情報と気象庁の予報を見て、凍結がありそうなら滑り止めを持つ。凍結の心配がない日は、防寒着と手袋、ヘッドライトを足すだけで済みます。道具を先に決めるのではなく、その日の路面から決めるのが基本です。チェーンスパイクと軽アイゼン・アイゼンの違いや、どんな路面で要るのかはチェーンスパイクが登山で必要になる場面を公式値で整理した記事で確かめてください。
駐車場と道路の冬の扱いも見ておきます。冬の大倉駐車場の運用(休業や除雪)について、公園の公式ページに記載はありません(2026年10月1日確認)。凍結や降雪がありそうな日は、出発前に秦野戸川公園へ確かめてください。ヤビツ峠へ上がる県道70号の冬の凍結や通行止めについても、公式の説明は見当たりません。11〜3月は、出発の朝に県の通行規制ページとJARTICで確かめ、確認できない日は大倉口から歩く前提にしておくと安全側です。
冬の料金にも1つ注意があります。12月29日〜1月3日の年末年始は、平日でも休日等の料金(当日最大800円)になります。また、冬のバスの時刻は、神奈中バスの公式時刻表で出発の前日に確かめてください。山荘の営業日や冬期休業は、運営者の公式案内で確かめ、山荘が開いている前提では動かないでください。
凍結の心配が大きい日や、道路・駐車場の状況が確かめられない日は、塔ノ岳をやめる判断もあります。雪のない低山を選び直したいときの基準は冬の低山日帰りで雪のない山を選ぶ基準と凍結への備えの記事にまとめています。
編集部の見立て:冬の塔ノ岳で大事なのは、道具をそろえることより「確かめられない項目があったら計画を変える」と決めておくことです。凍結の有無、道路の状況、駐車場の運用、山荘の営業。どれか1つでも朝に確かめられなければ、大倉口の往復に絞るか、別の山にする。その線引きを家で決めておいてください。
凍結がありそうな日に持つ滑り止めの一例として、モンベルの「チェーンスパイク」(品番1129740、サイズM)があります。登山靴の上から着ける滑り止めで、凍った木段や土の路面に備えたい人が、軽アイゼンとの違いを確かめたうえで選ぶ候補です。サイズは靴の大きさに合わせて選ぶので、自分の登山靴のサイズを先に確かめてください。
登山計画書は大倉入口とヤビツ峠入口の投函箱で出せる|道の通行情報も同時に
塔ノ岳へ登る日は、登山計画書を出してから歩き出してください。神奈川県警察の案内によると、提出先は3種類あります。登山口の投函箱に入れる方法、郵送またはFAXで山岳管轄の警察署(交番・駐在所を含む)か警察本部の地域総務課へ送る方法、そして県警のオンライン届出フォームです(2026年10月1日確認)。
大倉とヤビツ峠には、県警の案内に投函箱が載っています。1つは「大倉入口」(秦野市堀山下1487、どんぐりハウス前)、もう1つは「ヤビツ峠入口」(秦野市寺山字鷹採1728-1、ヤビツバス停付近)です。大倉駐車場から歩き出す日は大倉入口で、ヤビツ峠から入る日はヤビツ峠入口で出せます。
| 出し方 | 向いている場面 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 県警のオンライン届出フォーム | 前日までに計画が決まっている日。家で落ち着いて書ける | 起点を当日に変えたら、内容を直すか投函箱で出し直す |
| 登山口の投函箱(大倉入口・ヤビツ峠入口) | 当日の朝に起点や行程が決まる日 | 記入用紙と筆記具を持っていく |
| 郵送・FAX(管轄警察署・地域総務課) | 早めに計画が固まっていて、紙で出したい日 | 届く日数を見込んで早めに送る |
どの方法でも、同じ内容を家族や知人にも伝えておくことが大切です。計画書は、予定の時刻に戻らなかったときに探す手がかりになります。書く内容は、起点(大倉かヤビツ峠か)、歩くルート、下山予定の時刻、車で行くなら駐車場所、そして引き返す条件です。下山予定の時刻には、前の節で出した「大倉に戻る目標時刻」をそのまま書くと、計画と届けの時刻がずれません。
- 起点は大倉かヤビツ峠か、計画書と実際の起点が一致しているか
- 下山予定時刻を「日の入の1時間以上前」で書いたか
- 車で行く場合、どの駐車場(大倉・水無川・諏訪丸など)に停めたかを書いたか
- 同じ内容を家族や知人にも伝えたか
- 予定を変えた場合に、計画書を直すか出し直す段取りを決めたか
当日に起点を変えたのに、前日にオンラインで出した計画書をそのままにしておくと、探す側が違う場所を探すことになりかねません。起点や下山ルートを変えたら、投函箱で出し直すか、届出の内容を直してください。
計画書は、万一のときにだけ役立つものではありません。書く過程で、起点・ルート・時刻・駐車場所を一度文字にすることになるので、計画の穴に自分で気づきやすくなります。たとえば「下山予定時刻」の欄を埋めようとして、日没との関係を初めて計算する、ということも起こります。書くこと自体が、出発前の確認の役目を果たします。
大倉尾根の今の通行状況と、野生動物の注意の確かめ方
駐車場やバスの段取りが整っても、歩く道そのものが通れなければ意味がありません。神奈川県の登山道情報(自然公園歩道の通行情報)によると、大倉尾根線(T09)の「見晴茶屋過ぎ・標高700m急坂付近」は通行可能です。倒木の撤去が完了し、2026年6月17日から通れるようになったと記載されています(2026年10月1日確認、ページの更新は2026年8月20日)。
同じページには、塔ノ岳〜尊仏ノ土平(T23)が「通行不可(安全確認中)」と記載されています(2026年10月1日確認)。塔ノ岳の山頂から大倉尾根や表尾根とは別の方向へ下りる道です。大倉から往復する計画や、ヤビツ峠から表尾根を歩いて大倉へ下りる計画では使いませんが、山頂で行き先を変えようとしたときに、この区間を選ばないよう覚えておいてください。
通行情報の読み方:県の登山道情報は、区間ごとに通行の可否を示す一覧です。「大倉尾根線が通れる」ことを、ほかの区間も通れる根拠にしないでください。自分が歩く区間の行を、1本ずつ探して確かめます。
ページの更新日にも目を向けてください。この一覧は2026年8月20日の更新です。台風や大雨のあとには状況が変わることがあるので、出かける前に最新の更新日と、自分の歩く区間の記載を見比べます。更新日が古いまま大雨があった場合は、現地の状況が一覧に反映されていない可能性も考えておきます。
県の登山道情報のページ(https://www.pref.kanagawa.jp/docs/f4y/02yama/kouen_kouenhodou/003.html)は、出発前日と当日の朝の2回見ておくと安心です。前日に計画を決め、当日の朝に変化がないかを確かめる、という使い方です。
次に野生動物です。クマやヤマビルの最新の注意情報は、神奈川県・秦野市の公式告知で出発前に確かめてください。県の登山道情報は歩道の通行可否の一覧で、野生動物の注意を網羅するものではありません。通行可否を見たついでに、野生動物の注意も同じページで分かる、とは考えないことが大事です。
確かめる先を分けて整理すると、次のようになります。道が通れるかは県の登山道情報、道路が通れるかは県の通行規制ページとJARTIC、駐車場の運用は秦野戸川公園、バスの時刻は神奈中バス、野生動物の注意は県・秦野市の告知、日没は国立天文台。それぞれが別の組織の情報で、1つのページで全部はそろいません。
「前に行ったときは通れた」は、今日通れる根拠になりません。倒木や崩落は季節を問わず起こり、県の一覧もそれに合わせて更新されます。以前の記憶や、他人の山行記録の日付の古い情報で判断せず、公式の最新の記載で決めてください。
編集部の見立て:塔ノ岳の情報は、道・道路・駐車場・バス・動物・日没と、確かめる先がばらばらです。だからこそ「全部を一度に見る」より、「前日に計画を決める情報」と「当日の朝に変化を見る情報」に分けたほうが続けやすいと考えています。次の節で、その順番を1枚にまとめます。
出発前の確認先まとめ|前日と当日の朝に見る順番
ここまでに出てきた確認先を、いつ・何を見るかの順に並べます。どの数字も変わりうるので、記事の値をそのまま信じるのではなく、この順番で自分の目で確かめてください。
| いつ | 確認先 | 見ること |
|---|---|---|
| 前日 | 国立天文台 暦計算室 | 出かける日の横浜の日の入。そこから大倉に戻る目標時刻と歩き出しの上限を出す |
| 前日 | 秦野戸川公園の公式ページ | 大倉駐車場の入庫時刻・料金・台数に変更がないか。夜間の扱いやトイレが気になるなら問い合わせる |
| 前日 | 神奈中バスの時刻表 | 渋02の始発・最終(バスの日)。縦走ならヤビツ峠へ向かう便 |
| 当日の朝 | 神奈川県の登山道情報 | 大倉尾根線・表尾根など、歩く区間の通行可否と更新日 |
| 当日の朝 | 県の通行規制ページ・JARTIC | 県道70号(秦野清川)の規制(ヤビツ峠から入る日) |
| 当日の朝 | 気象庁の予報、県・秦野市の告知 | 凍結の可能性、野生動物の注意 |
前日に見るのは「計画を決める情報」です。日の入から時刻を決め、駐車場とバスの条件を確かめて、車かバスか、往復か縦走かを決めます。当日の朝に見るのは「計画を変える情報」です。道が通れるか、道路が通れるか、凍結の心配はないか。ここで引っかかる項目があれば、前日に決めた計画を縮めるか、変えます。
- 前日の夜、国立天文台で日の入を調べ、大倉に戻る目標時刻(日の入の1時間以上前)と歩き出しの上限を紙に書く
- 同じく前日、秦野戸川公園と神奈中バスで、駐車場とバスの条件を確かめ、車かバスかを決める。計画書をオンラインで出すならこのとき
- 当日の朝、県の登山道情報・通行規制ページ・JARTIC・気象庁の予報を見て、変化があれば大倉口の往復に絞るか、行き先を変える
塔ノ岳にこだわらず、丹沢の日帰りコース全体から行き先を選び直したいときは、丹沢の日帰り登山で標高差・コースタイム・最終バスからコースを見分ける記事が役に立ちます。朝の確認で塔ノ岳が難しいと分かったときの、次の候補を探す手がかりになります。
この順番のよいところは、朝の判断が速くなることです。前日に計画の骨組みを決めておけば、朝は「変化があるかどうか」だけを見れば済みます。朝になってから全部を調べ始めると、出発が遅れ、それだけで日没との計算が苦しくなります。とくに秋冬は、朝の30分の遅れがそのまま下山の余裕を削ります。
- 大倉に戻る目標時刻と、歩き出しの上限を紙に書いたか
- 車かバスか、往復か縦走かを決めたか
- 満車のときの代わり(水無川・諏訪丸・バス・行き先の変更)を1つ決めたか
- ヘッドライトを充電し、ザックに入れたか
- 当日の朝に見る確認先(登山道情報・通行規制・予報)をブックマークしたか
編集部の見立て:確認先が多いと面倒に感じますが、塔ノ岳は「公式に書いてあること」がそろっている山です。駐車場の台数・時刻・料金、コースタイム、登山道の通行情報、計画書の投函箱。書いてあることを順に拾えば、計画はほぼ組み上がります。書いていないことは書いていないと割り切り、そこに頼らない計画にしておくのが、この山との付き合い方だと考えています。
よくある質問
Q. 大倉駐車場には何時から停められますか?
秦野戸川公園の公式ページによると、入庫できるのは6:30から21:00まで、出庫は24時間可能です(2026年10月1日確認)。6:30より前に着いても駐車場には入れません。夜間にゲートが閉まるかどうかは公式ページに記載が見当たらないので、遅い下山になりそうなら出かける前に公園へ問い合わせてください。
Q. 塔ノ岳を往復すると駐車料金はいくらかかりますか?
普通車で、平日は当日最大500円、休日等は当日最大800円です(4時間を超える場合、2026年10月1日確認)。大倉〜塔ノ岳の往復は公式コースタイムだけで約6時間10分かかるので、ほぼ当日最大の区分になります。土日・祝日のほか、夏季(7/21〜8/31)と年末年始(12/29〜1/3)も休日等の料金です。
編集部の見立て:料金の質問への答えは「平日500円・休日等800円」で覚えてしまって大丈夫です。気にするべきは金額より、年末年始や夏季の期間が休日等に入ることのほう。冬休みに平日の感覚で行くと、少し驚くかもしれません。
Q. 大倉駐車場が満車だったらどうすればいいですか?
同じ秦野戸川公園の水無川駐車場(普通車87台)と諏訪丸駐車場(普通車97台)が、公式ページに載っています(2026年10月1日確認)。登山口(大倉バス停)までの距離は公式ページに書かれていないので、地図で確かめてください。路肩や空き地には停めず、公園の駐車場も埋まっていれば、バスへの切り替えか行き先の変更を考えます。
Q. 渋沢駅から大倉までのバスの時刻は?
公園の公式ページには、渋沢駅北口2番のりばから神奈中バス「渋02」系統で約15分、終点「大倉」下車と載っています(2026年10月1日確認)。始発と最終の時刻はダイヤ改正で変わるので、神奈中バスの公式時刻表で、出かける日の曜日の欄を確かめてください。
Q. 冬でもヤビツ峠まで車で行けますか?
県道70号(秦野清川)の冬の凍結や通行止めについて、公式の説明は見当たりません。県の通行規制ページには2025年12月22日付の「通行止め解除」のお知らせが掲載されていますが、今日の通行可否は載っていません(2026年10月1日確認)。出発の朝に県の通行規制ページとJARTICで確かめ、確かめられない日は大倉口から歩く前提にしてください。
編集部の見立て:冬のヤビツ峠は「行けるかどうか」より「朝に確かめられるかどうか」で決めるのが現実的です。確かめられたら使う、確かめられなければ大倉。この二択にしておけば、冬でも計画が立てられます。
まとめ:今日やることは1つ、出かける日の日の入を調べること
塔ノ岳の大倉駐車場は、公式ページに必要な数字がそろっている駐車場です。普通車150台、入庫は6:30〜21:00、出庫は24時間、料金は30分未満無料で当日最大は平日500円・休日等800円(2026年10月1日確認)。この枠の中で、大倉尾根の往復約6時間10分(休憩を含まない)をどう収めるかが、一日の組み立てのすべてです。
そして、その組み立ての締め切りを決めるのは、駐車場ではなく日没です。出庫が24時間でも、暗い大倉尾根を安全に下りられるわけではありません。だから、今日やることは1つだけです。出かける日の横浜の日の入を国立天文台で調べ、そこから1時間以上前を「大倉に戻る目標時刻」として紙に書いてください。
編集部の見立て:大倉の駐車場の話は、突き詰めると「何時に停めて、何時に戻るか」の2つの時刻に行き着きます。停める時刻は6:30という公式の下限があり、戻る時刻は日の入が決めます。その2つが書ければ、あとの段取りは自然と決まっていきます。
- 国立天文台で出かける日の横浜の日の入を調べ、1時間以上前を大倉に戻る目標時刻にする
- 目標時刻から約6時間10分と休憩の合計を引いて、歩き出しの上限を出し、車(6:30入庫)かバス(渋02の始発)で間に合うかを決める
- 当日の朝、県の登山道情報・通行規制ページ・気象庁の予報を見て、変化があれば大倉口の往復に絞るか、行き先を変える
編集部の見立て:満車の代わり、ヤビツ峠の道路、冬の凍結。どれも「確かめられなければ別の手」を用意しておけば、当日に迷うことはありません。塔ノ岳は、段取りを先に決めておくほど、山の上で余裕が持てる山だと考えています。
出典
- 神奈川県立秦野戸川公園「アクセス・駐車場」 https://www.kanagawa-park.or.jp/hadanotokawa/access.html (2026年10月1日確認)
- 神奈川県立秦野戸川公園 https://www.kanagawa-park.or.jp/hadanotokawa/ (2026年10月1日確認)
- 神奈川県立丹沢ビジターセンター「コース情報」 https://www.kanagawa-park.or.jp/tanzawavc/course.html (2026年10月1日確認)
- 神奈川県「自然公園歩道の通行情報」 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/f4y/02yama/kouen_kouenhodou/003.html (2026年10月1日確認、ページ更新2026年8月20日)
- 神奈川県「通行規制情報」 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ck2/cnt/f440028/tsukoukisei.html (2026年10月1日確認)
- 神奈川県警察「登山計画書の提出」 https://www.police.pref.kanagawa.jp/kurashi/umi_yama_jiko/mesg0004.html (2026年10月1日確認)
- 神奈川中央交通「時刻表」 https://www.kanachu.co.jp/dia/diagram/ (2026年10月1日確認)
- 国立天文台 暦計算室「各地のこよみ」横浜 2026年10月 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2026/s1510.html (2026年10月1日確認)
- 同 2026年11月 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2026/s1511.html (2026年10月1日確認)
- 同 2026年12月 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2026/s1512.html (2026年10月1日確認)
- 同 2027年1月 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2027/s1501.html (2026年10月1日確認)
- 同 2027年2月 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2027/s1502.html (2026年10月1日確認)
