入道ヶ岳(906m)登山|椿大神社と宮妻峡の登山口・駐車場・規制と冬の備え

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入道ヶ岳(にゅうどうがたけ)は、三重県の鈴鹿山脈にある山です。椿大神社の案内では標高906mとされ、山頂には同社の奥宮があります。登山口は大きく分けて、鈴鹿市側の椿大神社と、四日市市側の宮妻峡の2か所です。

標高だけを見ると「1,000mに届かない低山」です。ただし入道ヶ岳で出かける前に決めておきたいのは、体力よりも入口の選び方です。椿大神社には「無料駐車場が、500台分あります。」と神社のFAQに書かれていますが、登山者が停めてよいかは書かれていません。宮妻峡は四日市市が火災予防のためにキャンプ場の利用を制限していて、駐車場とトイレは使えると案内されています(いずれも2026年10月3日確認)。

さらに、鈴鹿市は林道御幣線を2025年12月27日の一部崩落で、歩行者を含め全面通行止めにしています(2026年3月13日更新)。この規制が入道ヶ岳のどの登山道に関わるのかは、市の告知からは読み取れません。出かける前に見るべきなのは、山の難しさより「行く日に、その登山口と道が使えるか」です。

以下、登山口ごとの駐車・トイレ・バス・規制を並べ、11〜3月に登る場合の判断材料として気象庁の平年値と国立天文台の日の入時刻を添えます。公式の標準コースタイムが見当たらない山なので、時間の見積もり方も手順で示します。

  • 入道ヶ岳は三重県・鈴鹿山脈の山で、椿大神社の案内では標高906m。長野・岐阜の御嶽山とも、他県の同名の山とも別であること
  • 林道御幣線の全面通行止め(鈴鹿市の道路規制)と、宮妻峡キャンプ場の利用制限(四日市市の火災予防の措置)は別の話で、宮妻峡では「登山道へは入れます」と市が案内していること
  • 椿大神社の駐車場は無料・500台分だが、登山者の利用可否は記載が無いので、神社へ問い合わせるのが先であること
  • バスは三重交通の近鉄四日市〜椿大神社(62系統)と宮妻口行き(61系統)。時刻表PDFは2024年10月改正で、山行日の時刻は公式検索で確かめること
  • 北尾根・二本松尾根・井戸谷・宮妻峡の標準コースタイムは市や県の公式に無く、地図の標準タイムを自分の時間に直して見積もること
  • 11〜3月は、亀山(山麓)の日最低気温の平年値が12〜2月で0.1〜2.2℃。稜線はさらに冷える前提で凍結に備えること
  • 津の日の入は2026年11月15日16:49、12月15日16:44。ここから下山完了の目標時刻を決める方法
  • 三重県警は登山計画書を、登る山を管轄する警察署へ郵送またはFAXで提出するよう案内していること

入道ヶ岳は三重県・鈴鹿山脈の906m|自分の力で歩ける山かの前提

まず所在地をはっきりさせておきます。入道ヶ岳は三重県の鈴鹿山脈にある山で、南東の麓に椿大神社(鈴鹿市)、東側に宮妻峡(四日市市)があります。観光三重の表記は「ニュウドウガタケ」、椿大神社は「入道ヶ嶽」と書いています(2026年10月3日確認)。地図アプリで検索するときは、どちらの表記でも引けるようにしておくと迷いません。

標高は椿大神社の案内で906mとされています。神社は山頂に奥宮があることを紹介したうえで、登る人に向けて「装備(登山用)を整え、時間に余裕を持って」と書いています。参拝の延長で軽装のまま上がる山ではない、と神社自身が案内している点は、出発前に覚えておきたいところです。

906mという数字は、鈴鹿山脈の中では中くらいの高さです。同じ山脈には、ロープウエイのある御在所岳のように、もっと標高の高い山があります。数字だけを並べると入道ヶ岳は「手前の低い山」に見えますが、登山口はどちらも麓の平地に近い位置にあるので、歩いて稼ぐ高さは数字の印象ほど小さくありません。登山口の標高は公式の記載が見当たらないため、地図アプリの等高線で、自分が使う登山口から山頂までの高低差を一度確かめてください。

四日市市の自然案内では、宮妻峡は入道ヶ岳と雲母峰(きららみね)に囲まれた渓谷として紹介され、入道ヶ岳などの登山の起点とされています。同じ案内によると、この一帯は鈴鹿国定公園の中にあります。国定公園は自然公園法にもとづく区域なので、植物の採取や焚き火などには決まりがあります。歩くだけなら特別な手続きはいりませんが、「公園の中を歩いている」という前提は持っておきましょう。

では、自分の力で歩ける山かどうかを何で判断すればよいでしょうか。目安になるのは、登りの高低差を休まずに続けられるかと、下りで脚が持つかの2点です。入道ヶ岳は登山口ごとに尾根や谷の性格が違い、同じ山でも入口の選び方で負担が変わります。次のチェックに当てはまらない項目が多いときは、まず登山口と下山路を緩やかなほうに寄せて考えてください。

  • 地図の等高線を見て、登山口から山頂までの高低差を自分で読み取れる
  • 高低差が数百mある山を、途中で長く止まらずに登り切ったことがある
  • 急な下りで、膝が笑う前に歩幅を詰めて下りる歩き方を知っている
  • 日没の時刻と、自分の下りにかかる時間から、山頂を出る時刻を決めてから歩いている
  • 行き先と下山予定を、家族か知人に伝えてから出かけている

入道ヶ岳には、行政が公表した難易度の区分やグレードは見当たりません。そのため「◯段階の何番目」という言い方はできません。判断は、上のような自分側の条件で行うのが確実です。

編集部の見立て:906mという数字は、計画を甘くさせる方向に働きやすいと考えています。麓から歩く山では、標高そのものより「どこから登るか」のほうが一日の重さを決めます。入道ヶ岳は、標高の数字を見て安心する前に、登山口と下り道を先に決めておくべき山です。

出かける前に確かめる規制|林道御幣線の通行止めと宮妻峡の利用制限は別の話

入道ヶ岳のまわりには、2026年10月3日の時点で、性格の違う2つの制限が出ています。1つは鈴鹿市による林道御幣線の全面通行止め、もう1つは四日市市による宮妻峡キャンプ場の利用制限です。どちらも「入道ヶ岳の近くで何かが止まっている」と読めてしまうため、取り違えないように並べて整理します。

項目 林道御幣線 宮妻峡キャンプ場 登山者への意味
出している所 鈴鹿市 四日市市 確認先が別々になる
制限の種類 道路の通行止め 市の火災予防の措置(法令の規制ではない) 理由も範囲も違う
中身 2025年12月27日の一部崩落により、起点から終点まで歩行者を含め全面通行止め(当面) 直火・バーベキュー等を禁止し、キャンプ場の一部を立入制限。駐車場は利用可、トイレは使用可 宮妻峡は「登山道へは入れます」と市が案内
更新日 2026年3月13日 2026年4月17日 どちらも解除の有無を出発前に見る

林道御幣線について、鈴鹿市は「歩行者を含め」全面通行止めとしています。歩く人も通れない、という意味です。ただし、この林道が入道ヶ岳の各登山道とどうつながっているのか、どの登山道に影響があるのかは、市の告知に書かれていません。「林道が止まっている=入道ヶ岳に登れない」とも、「登山道は関係ない」とも、告知からは言えません。地図で自分の歩くルートが林道御幣線を通るかを確かめ、通る場合はその計画を使わないのが安全です。

通行止めの区間に、歩きなら入れるだろうと考えて立ち入らないでください。鈴鹿市の告知は歩行者も対象にしています。崩落の現場は、見た目では足元の状態がわかりません。地図アプリのルートが林道を通る場合は、別の登山口に切り替えてください。最新の状況は鈴鹿市の掲載ページ(https://www.city.suzuka.lg.jp/sangyo/nousui/1003361/1015899.html)で確かめてください。

宮妻峡のほうは、四日市市が火災予防のためにとっている措置です。直火やバーベキューなどが禁止され、キャンプ場の一部に立ち入れない区域があります。一方で、同じ案内には駐車場は利用可、トイレは使用可、「登山道へは入れます」と書かれています。立入制限の範囲と期間は明記されていません。また、令和8年度中に宮妻峡周辺の再整備工事を始める予定と書かれているので、工事の進み具合で現地の状況が変わる可能性があります。

観光三重も、入道ヶ岳の紹介の中で登山道が崩れるおそれに触れ、最新の情報を確かめるよう促しています。行政と観光案内の両方が「行く前に見て」と言っている山だと受け止めてください。確認の順番は次のとおりです。

  1. 鈴鹿市の林道御幣線のページで、通行止めが続いているか、範囲が変わっていないかを見る
  2. 四日市市の宮妻峡のページで、駐車場・トイレ・登山道への出入りの記載が変わっていないかを見る
  3. 使う登山口とルートを決め、地図上で林道御幣線を通らないかを確かめる

編集部の見立て:規制の情報は「近くで何か止まっている」という印象だけで判断されがちです。道路の通行止めと、キャンプ場の火災予防の措置は、出している自治体も理由も違います。入道ヶ岳では、この2つを分けて読めるかどうかで、行けるはずの日を諦めることも、行くべきでない道に入ることも防げると考えています。

登山口は椿大神社と宮妻峡|北尾根・二本松尾根・井戸谷をどう選ぶか

入道ヶ岳の主な入口は、鈴鹿市の椿大神社と、四日市市の宮妻峡です。椿大神社の側からは、北尾根、二本松尾根、井戸谷と呼ばれる道が山頂へ向かっています。宮妻峡の側からも山頂へ登る道があります。どの道をどう組み合わせるかで、駐車・トイレ・バスの条件と、一日の歩き方が変わります。

登山口 駐車場(公式の記載) トイレ・規制 バス(三重交通)
椿大神社(北尾根・二本松尾根・井戸谷) 無料駐車場500台分。登山者の利用可否は記載なし 神社の駐車場・トイレを登山者が使ってよいかは神社に確認 近鉄四日市〜椿大神社(62系統)
宮妻峡 「利用可」(四日市市・2026年4月17日更新)。台数・料金は記載なし トイレ使用可。キャンプ場の一部は立入制限。「登山道へは入れます」 宮妻口行き(61系統)

椿大神社側の3本の違いについて、市や県の公式には整理された案内が見当たりません(2026年10月3日確認)。尾根の道と谷の道では、一般に性格が違います。尾根は見通しがよく、風を受けやすく、傾斜が続くことがあります。谷は沢沿いで湿りやすく、増水や落石、落ち葉の積もった斜面に気を配る場面が出ます。どちらが自分に合うかは、地図で等高線の間隔を見て判断してください。等高線が詰まって並ぶ区間ほど急で、下りに使うと脚への負担が大きくなります。

コースの呼び名について補足します。「北尾根」「二本松尾根」「井戸谷」は登山地図やアプリで広く使われている呼び名ですが、行政が公式に定めたコース名として確認できたものではありません。現地の道標の表記と、地図アプリの表記が少し違うことがあります。分岐では、地図の線と道標の行き先を両方見て進んでください。

周回にするか、往復にするかも決めておきます。椿大神社から登って同じ側へ下りる周回なら、駐車場やバス停に戻ってこられます。宮妻峡へ抜けると、帰りのバスの系統が変わり、車の場合は登山口に戻る手段を別に考える必要があります。片道で抜ける計画は、帰りの足を先に確保できたときだけ選ぶのが、日帰りでは無理のない考え方です。

足回りは、どの登山口を選ぶにしても、土の急な斜面と落ち葉の下りに対応できるものを選びます。ハイキングシューズで登る人が候補にしやすいのが、メレルのMOAB 3(モアブ3)です。ここで紹介するカードは、ローカットのレディース版(型番J035896)で、商品ページでは並行輸入品と表示されています。スニーカーから登山用の靴へ移る人や、足首まで覆う靴の窮屈さが苦手な人に向きます。ローカットは足首の保護が少ないので、急な下りや荷物が重い日には、次に紹介するミッドカットの靴も比べてください。

谷沿いの道は、雨のあとや雪解けの時期に足元が変わります。前日までの雨量が多いときは、谷を下りに使う計画を避けるのが無難です。尾根の道でも、落ち葉が厚く積もった急斜面では靴底の溝が埋まり、滑りやすくなります。下りに選ぶ道ほど、地図で傾斜を確かめてから決めてください。

編集部の見立て:登山口を決めるときは、登りの道より下りの道を先に決めるほうが失敗が少ないと考えています。疲れて判断が鈍るのは下りです。椿大神社側のように道が複数ある山では、登りに使う道より緩やかな道を下りに当てる組み方が、日帰りでは素直な選び方です。

車で行く人の駐車場|椿大神社の無料500台と宮妻峡の「利用可」

車で行く場合、停める場所の候補は椿大神社と宮妻峡の2つです。どちらも公式に書かれていることと、書かれていないことがはっきり分かれます。分けて見ていきます。

椿大神社のFAQには「無料駐車場が、500台分あります。」と書かれています(2026年10月3日確認)。台数と無料であることは、神社の記載として確かです。ところが、登山者が停めてよいか、登山者向けの区画があるかは、記載が見当たりません。「500台ある」と「登山者が使ってよい」は別の問いです。参拝のための駐車場である以上、行事や参拝の多い日は混むことがあります。出かける前に、神社の問い合わせ先(https://tsubaki.or.jp/contact/)で登山者の駐車について確かめてください。

駐車場が満車のときに、周辺の路上や路肩に停めないでください。参拝者や地域の車の通行を妨げます。満車だった場合に備えて、バスで行く案や、日を改める案をあらかじめ用意しておくと、現地で無理な判断をせずに済みます。

宮妻峡の駐車場は、四日市市の2026年4月17日更新の案内で「利用可」とされています。台数と料金は、市の公式の記載が見当たりません。また、令和8年度中に宮妻峡周辺の再整備工事が始まる予定と書かれているため、工事の時期によっては駐車できる範囲が変わることがあります。出かける前に市の案内(https://www.city.yokkaichi.lg.jp/www/contents/1776403987795/index.html)を見てください。

どちらに停めるかの判断を、表にまとめておきます。

確かめること 椿大神社 宮妻峡
台数 500台分(神社のFAQ) 公式の記載が見当たらない
料金 無料(神社のFAQ) 公式の記載が見当たらない
登山者の利用 記載が見当たらないので神社へ問い合わせる 市の案内で駐車場は「利用可」
状況が変わる要因 参拝・行事の日の混雑 令和8年度中に始まる予定の再整備工事
入道ヶ岳の数字。左に項目、右に値・条件を並べた対応表の図解。山頂の標高=906m(椿大神社の記載)/椿大神社の駐車場=無料・500台分(登山者の利用可否は記載なし)/宮妻峡の駐車場=利用可(四日市市 2026/4/17更新・台数は記載なし)/宮妻峡のトイレ=使用可(四日市市 2026/4/17更新)/林道御幣線=歩行者を含め全面通行止め(鈴鹿市 2026/3/13更新)。図の下部に「椿大神社・四日市市・鈴鹿市の公表値(2026年10月3日確認)」と注記。
入道ヶ岳の数字。左に項目、右に値・条件を並べた対応表の図解。山頂の標高=906m(椿大神社の記載)/椿大神社の駐車場=無料・500台分(登山者の利用可否は記載なし)/宮妻峡の駐車場=利用可(四日市市 2026/4/17更新・台数は記載なし)/宮妻峡のトイレ=使用可(四日市市 2026/4/17更新)/林道御幣線=歩行者を含め全面通行止め(鈴鹿市 2026/3/13更新)。図の下部に「椿大神社・四日市市・鈴鹿市の公表値(2026年10月3日確認)」と注記。

車の場合は、帰りの動き方も決めておきます。椿大神社に停めて宮妻峡へ下りると、車に戻る手段が要ります。2台で行って片方を下山口に置く方法もありますが、どちらの駐車場も登山者向けの扱いが公式に整理されていないため、2か所に停める計画は確認の手間が倍になります。車なら、停めた登山口に戻ってくる周回か往復が、確かめることが一番少なく済みます。

林道御幣線は、2026年3月13日更新の鈴鹿市の告知で、歩行者を含め全面通行止めとされています。カーナビやアプリの経路が林道を案内する場合があるので、登山口までの道順は出発前に地図で確かめ、林道を通らない道で向かってください。

編集部の見立て:駐車場の台数が多いと、つい「停められるだろう」と考えてしまいます。けれども神社の駐車場は参拝のための場所です。登山者として使ってよいかを一本電話で確かめておくことが、当日に気持ちよく歩き出すための一番安い準備だと考えています。

バスで行く人|近鉄四日市から62系統と61系統、時刻は公式検索で

公共交通で行く場合は、三重交通の路線バスが候補です。三重交通の公式案内には、近鉄四日市から椿大神社へ向かう「62系統」と、「宮妻口」行きの「61系統」が表示されています(2026年10月3日確認)。春の梅の時期の公式PDFでも、62系統が椿大神社への足として案内されています。

注意したいのは時刻です。公式サイトで見られる時刻表のPDFは2024年10月1日改正のもので、2026年の現行ダイヤとして有効かは確定できません。バスの時刻はPDFを保存して使わず、山行日を指定して公式の検索で引き直すようにしてください。確認先は三重交通の時刻表検索(https://www.sanco.co.jp/timetables.php?code=2015)です。

路線バスは、平日と土休日で本数が変わることがあります。行きの便だけ調べて出かけると、帰りの最終便に間に合わない、あるいは次の便まで長く待つことになりかねません。帰りの最終便と、その一本前の便の時刻を、行きと同じタイミングで控えておいてください。

バスで行くときの組み立て方は、登山口によって変わります。62系統で椿大神社へ行き、同じ椿大神社へ下りる計画なら、帰りも62系統を使えます。宮妻峡へ下りる場合は、61系統の宮妻口から乗ることになります。宮妻口のバス停から宮妻峡の登山口までの道のりは、三重交通や四日市市の案内で距離が示されていないため、地図アプリで歩く距離を確かめてください。

バスの山行では、帰りの便から逆に時刻を決めていきます。手順は次のとおりです。

  1. 山行日を指定して、下山するバス停の最終便と一本前の便の時刻を調べる
  2. 乗りたい便の発車時刻から、バス停までの下りにかかる時間と余裕を引いて、山頂を出る時刻を決める
  3. 山頂を出る時刻と、その日の日の入の時刻を比べ、早いほうに合わせて行動を締める

このとき、バスの最終便と日の入の時刻は、どちらか早いほうが一日の締め切りになります。秋から冬は日の入が早くなるので、最終便に余裕があっても、暗くなる時刻のほうが先に来ることがあります。日の入の時刻は、この先の「11〜3月に登るなら」の節にまとめています。

冬のバスの本数について、季節運行や冬期の扱いを示す公式の情報は見当たりません(2026年10月3日確認)。11〜3月に行く場合も、登る日を指定して三重交通の公式検索で確かめてください。2024年10月改正の時刻表PDFは、現行のダイヤとは限りません。

帰りの便に乗り遅れたときの代わりの手段も、一つは考えておきます。タクシー会社の連絡先を控えておく、近くの駅まで歩ける距離かを地図で見ておく、といった準備です。代わりの手段が一つもない計画は、下りで急ぐ原因になります。急いで下りると転倒のおそれが増えるので、計画の段階で逃げ道を作っておく意味があります。

編集部の見立て:バスの時刻表は、一度保存するとそのまま使い続けてしまいがちです。入道ヶ岳へ向かうバスの時刻表PDFは2024年の改正版なので、そのまま信じるのは危ういと考えています。出かける前日に、行きと帰りの両方を公式で引き直す。それだけで、下山を急がされる展開をかなり減らせます。

コースタイムは公式の区間値が無い|地図の標準タイムを自分の時間に直す

入道ヶ岳では、北尾根・二本松尾根・井戸谷・宮妻峡それぞれの標準コースタイムが、鈴鹿市・四日市市・三重県の公式に載っていません(2026年10月3日確認)。周回した場合の合計時間も、公式は出していません。そのため、時間の見積もりは地図アプリや登山地図の標準タイムを使い、自分の歩く速さで掛け直す方法になります。

ネット上には個人の山行記録に書かれた時間もあります。ただ、それは特定の年の、特定の人の記録です。歩いた日の天気や荷物、休憩の取り方で時間は大きく変わります。他人の記録は「その人がその日にかかった時間」であって、自分の標準タイムではありません。

自分の時間に直す手順を、表にしておきます。

段階 やること 気をつける点
1. 区間を分ける 登山口→分岐→山頂→下山口のように、地図の標準タイムを区間ごとに書き出す 登りと下りを分けて書く。合計だけを見ない
2. 自分の倍率を掛ける 過去に歩いた山で、標準タイムに対して自分が何倍かかったかを掛ける 倍率がわからないうちは、標準タイムより長めに見る
3. 休憩を足す 食事や写真、山頂での休みの時間を別に足す 標準タイムには休憩が含まれていない前提で考える
4. 締め切りと比べる 日の入とバスの最終便の早いほうから、山頂を出る時刻を決める 山頂を出る時刻を過ぎたら、山頂に届いていなくても引き返す

地図の標準タイムを自分の時間に直す方法は、登山のコースタイムの読み方と、自分の時間への直し方で詳しく整理しています。倍率の決め方や、登りと下りで倍率を変える考え方もまとめています。

周回の合計時間を見積もるときも、同じ考え方です。たとえば北尾根で登って二本松尾根で下りる場合、地図の区間値を足し合わせて、自分の倍率を掛け、休憩を足します。足し算の結果は、公式の値ではなく「自分の見積もり」として扱うのが正確です。見積もりは外れることがある、という前提で、余裕を残してください。

休憩の時間を見込むときは、立ち止まったときの冷えにも備えます。尾根や山頂で風を受けながら休むと、汗で濡れた体が急に冷えます。休憩のたびにさっと羽織れる薄い上着が一枚あると、休憩を短く切り上げずに済み、結果として後半のペースが崩れにくくなります。モンベルのO.D.パーカ(型番1103320)は、ナイロン生地のウインドブレーカーで、商品名にもその用途が書かれています。休憩で冷えやすい人や、雨具とは別に風よけを一枚持ちたい人に向きます。

予定より遅れていると気づいたときに、休憩を削って取り戻そうとしないでください。疲れがたまって下りの足取りが乱れ、転びやすくなります。遅れが出たら、山頂を出る時刻を守るか、山頂を諦めて引き返すかのどちらかで調整するのが安全です。

編集部の見立て:公式のコースタイムが無い山では、どの数字を信じるかで一日の計画が変わります。編集部は、他人の記録の時間より、自分が過去に歩いた山での倍率を信じるべきだと考えています。倍率を持っていない人は、入道ヶ岳を「倍率を測る山」にするつもりで、早めの時刻に設定して歩くのが堅実です。

急な尾根の下りと霜の道に備える|晩秋〜冬の入道ヶ岳の靴と防寒

晩秋から冬にかけて入道ヶ岳へ向かう日を想定して、足回りと防寒を考えます。椿大神社から北尾根や二本松尾根を登り、山頂でひと息ついて下る日です。この季節は、朝の冷え込みで道に霜が降りたり、日陰の土が凍ったりすることがあります。また、尾根や山頂は谷より風を受けやすく、休んでいる間に体が冷えます。

選ぶ基準は4つです。1つ目は、急な下りで足首と足裏を支えられる靴かどうか。2つ目は、霜や薄い雪で濡れた道でも、靴の中まで濡れにくいかどうか。3つ目は、防寒着と飲み物を入れても背負いやすい容量のザックか。4つ目は、山頂で止まったときに羽織る保温着が、行動中は小さくしまえるかどうかです。冬の低山の道具は、歩いているときより「止まったとき」と「下りるとき」を基準に選ぶと迷いません。

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商品(型番) 商品名に書かれている特徴 向く人
サロモン OUTpulse GTX W(L41689700) 女性用ハイキングシューズ。商品名にGTX(ゴアテックス)とある 濡れた道でも軽い靴で歩きたい女性
シリオ PF302 ライトトレック トレッキングシューズ(登山靴) 急な下りで足首まで支えたい人
ドイター フューチュラプロ 36(3401121) 登山用バックパック。名前の数字は容量の目安 防寒着と温かい飲み物を足して背負う人
ザ・ノース・フェイス Aconcagua Hoodie フード付きのダウンジャケット 山頂で長めに休む人・冷えやすい人
ザ・ノース・フェイス Light Heat Jacket ダウンジャケット(フードなし) 中間着として薄く着込みたい人

サロモンのOUTpulse GTX W(L41689700)は、女性用のハイキングシューズです。商品名にGTXとあり、霜が解けて濡れた道や、ぬかるんだ谷沿いの道で、靴の中を濡らしたくない女性に向きます。

シリオのPF302 ライトトレックは、登山靴として売られているトレッキングシューズです。急な尾根を下る日に、足首まわりまで靴で支えたい人に向きます。ローカットの靴で下りに不安を感じる人が、次の一足として候補にしやすい靴です。

ドイターのフューチュラプロ 36(3401121)は、名前の数字が容量の目安を示す登山用のバックパックです。冬はダウンや手袋、保温ボトルが増えるので、夏の日帰りより一回り大きいザックが要る人に向きます。

ザ・ノース・フェイスのAconcagua Hoodieは、フード付きのダウンジャケットです。風を受ける山頂で、首まわりと頭まで覆って休みたい人や、冷えやすく休憩が長めになる人に向きます。

同じブランドのLight Heat Jacketは、フードのないダウンジャケットです。上にウインドブレーカーやレインウェアを重ねて、中間着として使いたい人に向きます。

ダウンは歩いている間に着続けると、汗で湿って保温力が落ちます。登っている間は脱いでザックにしまい、止まったときだけ着るのが基本です。また、ダウンは雨や雪で濡れると保温力が落ちやすいので、天気が崩れそうな日は上に雨具を重ねられるようにしておいてください。

重量や素材、サイズ展開などの詳しい公表スペックは、各商品のページで確かめてください。靴は同じサイズ表記でもメーカーごとに足型が違うので、山へ行く前に、近所の坂道や階段で一度慣らしておくと、当日の靴擦れを防げます。

編集部の見立て:冬の低山で道具を足すとき、最初にお金をかけるべきは下りの足回りだと考えています。暖かい上着は重ね着で何とかなる場面がありますが、滑る靴は現地でどうにもなりません。入道ヶ岳のように急な下りがある山では、靴を見直してから、防寒着を足す順番が筋の通った選び方です。

トイレ・水・装備|宮妻峡はトイレ使用可、椿大神社側は神社に確認

登山口で済ませておきたいのがトイレです。宮妻峡のトイレは、四日市市の2026年4月17日更新の案内で「使用可」とされています。キャンプ場の一部に立入制限がかかっていても、トイレは使えると明記されています。ただし、令和8年度中に周辺の再整備工事が始まる予定なので、工事の時期によっては場所や使える時間が変わる可能性があります。出かける直前に市の案内を見てください。

椿大神社側のトイレについては、登山者が使えるかを含めて、神社の公式に登山者向けの案内が見当たりません。参拝者のための設備であることを踏まえ、駐車と合わせて神社に問い合わせておくと安心です。山の中にトイレがあるという公式の記載も見当たらないので、トイレは登山口か、その手前の駅や店で済ませてから歩き出す計画にしてください。携帯トイレを1つザックに入れておくと、道迷いや待機で時間が延びたときにも困りません。

水場についても、行政の公式に入道ヶ岳の登山道上の水場の案内は見当たりません。飲み水は登山口から持って上がる前提で用意します。目安は、季節と歩く時間で変わります。夏は汗の量が多く、冬は喉が渇きにくいぶん飲む量が減りがちです。冬は保温ボトルに温かい飲み物を入れると、休憩のたびに少しずつ飲みやすくなります。

  • 飲み水(季節と歩く時間に合わせた量。冬は保温ボトルに温かい飲み物)
  • 行動食(休憩ごとに少しずつ食べられるもの)
  • 雨具の上下(風よけを兼ねる)
  • ヘッドライトと予備の電池(日帰りでも入れておく)
  • 地図アプリを入れたスマートフォンと、予備のバッテリー
  • 携帯トイレ、ごみ袋、小さな救急セット
  • 汗冷えを防ぐ肌着と、止まったときに着る保温着

肌着は、汗をかいたあとの冷えに直結します。登りで汗をかき、山頂で風を受けると、綿の肌着は濡れたまま体温を奪います。登山用の肌着は、汗を肌から離したり、濡れても冷えを感じにくくしたりする素材で作られています。スマートウールのクラシックオールシーズンメリノベースレイヤー ロングスリーブは、メリノウールを使った長袖の肌着です。汗をかきやすく、休憩で冷えを感じやすい人や、秋から春まで一枚で通したい人に向きます。

神社の境内を通って登る場合は、参拝の場所であることを意識しましょう。椿大神社は山頂の奥宮への「ご登拝」を案内しています。入山に関する決まりがあるかは神社に確かめてください。これは神社の案内で、法令にもとづく規制ではありません。

日帰りの低山でも、ヘッドライトは必ずザックに入れてください。秋から冬は日の入が早く、下山が少し遅れただけで樹林の中は暗くなります。スマートフォンのライトは電池を大きく使い、地図アプリが使えなくなるおそれがあります。

編集部の見立て:トイレと水は、登山口の設備が工事や制限で変わると、一番先に困るところです。宮妻峡のトイレは今は使えると市が案内していますが、工事の予定がある以上、明日も同じとは限りません。トイレは手前で済ませ、携帯トイレを一つ持つ。この二段構えにしておけば、現地の変化に振り回されずに済むと考えています。

クマ・ヤマビルの確認先|三重県の出没マップと、ヒルの時期の考え方

三重県は、県内全域でツキノワグマに遭遇する可能性があると注意を呼びかけています(2026年10月3日確認)。県の案内では、クマの活動期として10〜12月が明記されています。秋の紅葉の時期から初冬にかけて入道ヶ岳へ行く人は、ちょうどこの活動期に重なります。

出没の情報は、三重県の出没情報マップ(Mie Click Maps)で確認できます。マップには過去1年分の情報が載っていますが、クマと断定できない情報も含まれると県は書いています。マップの点の数で安全か危険かを決めるのではなく、行く登山口のまわりで最近どんな情報があったかを見る使い方が向いています。確認先は三重県のページ(https://www.pref.mie.lg.jp/JTAISAKU/HP/m0114900048.htm)です。

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出没情報を出発前にどの順番で確認すればよいかは、登山前のクマ出没情報を都道府県の公式マップで調べる手順にまとめています。地図の見方と、情報があったときに予定をどう変えるかの考え方も整理しています。

クマへの備えは、まず出会わないようにすることが基本です。鈴や声で人がいることを知らせる、見通しの悪い場所では特に気をつける、食べ物のごみを山に残さない、といった対策がとられます。早朝や夕方の薄暗い時間に歩くのを避けるのも、出会いを減らす考え方の一つです。秋から冬は日の入が早いので、下山を明るいうちに終える計画は、クマの面でも意味があります。

ヤマビルについては、入道ヶ岳での活動時期を示す鈴鹿市・四日市市・三重県の公式な案内が見当たりません(2026年10月3日確認)。鈴鹿山脈はヤマビルの話題が出る山域として知られていますが、入道ヶ岳で何月から何月まで出るかを、行政の資料で示すことはできません。ヤマビルの一般的な対策と季節の目安は、ヤマビルの生息地と時期の目安、服装と忌避剤の選び方で整理しています。

ヤマビルは、湿った落ち葉の多い場所や、雨のあとに活発になるといわれます。暖かい時期の雨上がりに入道ヶ岳へ行く場合は、靴と裾まわりの対策をしてから歩き出してください。休憩の前後には、足首や靴の中を確かめる習慣をつけておくと、気づくのが早くなります。

クマもヤマビルも、出発前に情報を見て、行く日と登山口を決めるという順番は同じです。県のマップで最近の出没情報を見る、雨の翌日や暖かい日のヒル対策を用意する、明るいうちに下りる計画にする。生き物への備えは、現地で慌てるより、家を出る前に半分は終わらせておけるものです。

編集部の見立て:クマやヒルの話は、不安をあおる方向に流れやすい話題です。三重県はクマの活動期を10〜12月と明記し、マップで情報を出しています。編集部は、怖がって山を避けるより、県の情報を見たうえで登山口と時間帯を選ぶ人を増やしたいと考えています。

入道ヶ岳に11〜3月に登るなら|平年値と日の入から下山時刻を決める

11月から3月にかけて入道ヶ岳へ登る場合の判断材料を、気温・凍結・日の入・装備・交通の順に並べます。まず気温です。山頂付近の気温を示す公式の観測値は無いので、山麓の観測地点である気象庁の亀山アメダスの平年値(1991〜2020年)を参考にします。

月 月平均気温(平年値) 日最低気温(平年値)
11月 11.7℃ 6.8℃
12月 6.6℃ 2.2℃
1月 4.3℃ 0.1℃
2月 4.7℃ 0.3℃
3月 8.0℃ 3.0℃

この値は、山頂ではなく麓の亀山で観測された平年値です(気象庁・2026年10月3日確認)。標高の高い稜線や山頂は、一般に麓より気温が低くなります。12月から2月は、麓の日最低気温の平年値でも0.1〜2.2℃なので、稜線ではさらに冷え込み、朝のうちは道が凍る可能性を見込んで計画するのが安全です。

山頂付近の積雪や霧氷について、鈴鹿市・四日市市・三重県の公式な案内は見当たりません(2026年10月3日確認)。亀山アメダスの降雪や積雪の欄は11〜3月とも「///」(資料なし)で、これは観測していないという意味であり、雪が無いという意味ではありません。積雪や霧氷が毎年見られる、とも、見られない、とも言い切れない山だと考えてください。

次に日の入です。国立天文台の暦計算室によると、県庁所在地である津の日の入は次のとおりです(2026年10月3日確認)。この表の右端は、編集部が目安として「日の入の1時間前に下山を終える」と置いた時刻です。山の中は、谷や樹林でこれより早く暗くなる場所があります。

日付(津) 日の入 下山完了の目安(1時間前)
2026年11月1日 17:01 16:01
2026年11月15日 16:49 15:49
2026年11月30日 16:43 15:43
2026年12月15日 16:44 15:44
2027年1月15日 17:06 16:06
2027年2月15日 17:36 16:36

山頂を出る時刻の決め方:山頂を出る時刻=下山完了の目安−自分の下りの見積もり時間。たとえば12月15日なら、下山完了の目安は15:44です。ここから、地図の標準タイムに自分の倍率を掛けた下りの時間を引いた時刻が、山頂を出る締め切りになります。締め切りを過ぎたら、山頂に届いていなくてもその場で引き返すと決めてから歩き出してください。バスで行く日は、最終便の時刻から出した締め切りと比べ、早いほうを使います。

日の入から締め切りを考える方法は、秋に早まる日没の早見表と引き返し時刻の決め方でも整理しています。11〜12月は、日の入そのものが1年で最も早い時期にあたり、10月と同じ感覚で出発すると時間が足りなくなります。

冬に足す装備は、入道ヶ岳で本当に要るものに絞ります。まず防寒着と手袋です。止まったときに着るダウンやフリースと、風を通しにくい上着を用意します。風よけの上着をどう選ぶかは、登山用ウィンドブレーカーの選び方と、レインウェアとの違いで、重量の幅も含めて比べています。

滑り止めは、朝の凍結や薄い雪が見込まれる日に要るかどうかが分かれます。行政の公式に入道ヶ岳の凍結時期の案内は無いため、「冬は必ず要る」とも「要らない」とも言えません。前日の天気予報で山麓の最低気温が氷点下に近い日や、数日前に雪が降った日は、チェーンスパイクを持っていく判断が合理的です。逆に、暖かい日が続いて麓の最低気温も高い日は、持たずに済む場合もあります。チェーンスパイクと軽アイゼン・アイゼンの使い分けは、チェーンスパイクはいつ必要かを公式値で整理した記事にまとめています。

モンベルのチェーンスパイク(1129740)は、靴に被せて使う滑り止めです。オレンジのMサイズのカードを置いておきます。凍った土や薄い雪の道を下るのが不安な人や、冬の低山に一つ目の滑り止めを用意したい人に向きます。サイズは手持ちの靴に合うかを、商品ページの対応表で確かめてください。

チェーンスパイクは、深い雪や硬く凍った急斜面のための道具ではありません。山頂付近がしっかり雪に覆われているとわかっている日や、氷の張った急な斜面が続く日は、チェーンスパイクで解決しようとせず、その日の入道ヶ岳は見送ってください。冬に雪のない山を選ぶ基準は、冬の低山日帰りで雪のない山を選ぶ基準と凍結への備えで整理しています。

冬の交通は、バスの季節運行や冬期の扱いについて公式の情報が見当たりません。登る日を指定して三重交通の公式検索で確かめてください。駐車場の冬期の扱いも、椿大神社・宮妻峡ともに公式の記載が見当たらないため、駐車の可否を問い合わせるときに冬の扱いも合わせて聞いておくと確実です。

編集部の見立て:冬の入道ヶ岳で一番効く判断は、道具を足すことより「行かない日を決めておくこと」だと考えています。前日に雪が降った、麓でも氷点下の予報が出ている、下山の締め切りに余裕がない。こうした日は、滑り止めを持っていても日を改めるほうが、結果として冬の山を長く楽しめます。

迷ったときの引き返しと登山計画書|三重県警の案内と鈴鹿山脈の遭難統計

三重県警は、県内の山岳遭難の状況を公表しています。令和4年1〜8月の統計では、県内で48件59人の山岳遭難があり、そのうち鈴鹿山脈が29件38人と、県内の64.4%を占めていました(2026年10月3日確認)。これは過去の統計で、2026年の現況を示すものではありません。それでも、県内の遭難の多くが鈴鹿山脈で起きていたという事実は、入道ヶ岳へ向かう人にとって知っておく価値があります。

県警は、計画を立てずに入山したことや軽装による道迷いに触れています。道迷いは、山の高さより、計画と準備の有無で起きやすさが変わるということです。尾根や谷が複数ある入道ヶ岳では、分岐で違う道に入ると、意図しない下山口に出ることがあります。

引き返す基準を、歩き出す前に3つ決める:①山頂を出る締め切りの時刻を過ぎたら引き返す。②地図アプリの現在地と予定の道がずれていると気づいたら、確実にわかる地点まで戻る。③天気が崩れて視界が悪くなったら、山頂を目指さずに下りる。基準を現地で考えると、ほぼ必ず「もう少し行ける」に傾きます。

道に迷ったと気づいたときは、下りて道を探すより、来た道を戻るのが基本です。谷へ向かって下りると、沢や急な斜面に入り込んで抜けられなくなることがあります。地図アプリで現在地を確かめ、確実にわかる地点まで戻ってから、道を選び直してください。

登山計画書については、三重県警が、登る山を管轄する警察署へ郵送またはFAXで提出するよう案内しています。あわせて、家族や知人、勤務先にも日程を知らせるよう呼びかけています。計画書を出しておけば、下山しなかったときに、どこを探せばよいかが伝わります。提出の方法と様式は、三重県警のページ(https://www.police.pref.mie.jp/climbing/keikakusyo.html)で確かめてください。

  1. 使う登山口、登りと下りの道、山頂を出る締め切りの時刻を計画書に書く
  2. 三重県警の案内に沿って、登る山を管轄する警察署へ郵送かFAXで提出する
  3. 同じ内容を家族か知人に渡し、何時までに連絡がなければどこへ通報するかを決めておく

引き返す判断をしたあとや、道迷いで立ち止まって待つ場面では、手先から冷えていきます。秋から冬は、指先がかじかむとスマートフォンの操作や地図の確認もしにくくなります。ファイントラックのエバーブレストレイルグローブ(FAU0111)は、男女兼用の登山用手袋です。秋口から薄い手袋を一組持ちたい人や、地図アプリを確かめる機会が多い人に向きます。

遭難の統計を見て、「自分は大丈夫」と思わないでください。統計の数字は、特別な人ではなく、計画や装備が少し足りなかった人が積み重なったものです。締め切りの時刻と引き返す基準を決め、計画書を出す。この3つで、迷ったときの選択肢が大きく変わります。

編集部の見立て:鈴鹿山脈の遭難が県内の6割を超えていたという統計は、身近な山ほど準備が甘くなることを示していると読んでいます。入道ヶ岳は麓から近く、気軽に見える山です。だからこそ、計画書と引き返しの基準という地味な準備が、そのまま安全の差になると考えています。

同じ鈴鹿の山と比べる|御在所岳との違いと、今日はどちらに登るか

鈴鹿山脈で入道ヶ岳と並んで名前が挙がりやすいのが、御在所岳です。御在所岳は入道ヶ岳の北にあり、ロープウエイが通っていることで知られます。同じ山脈の山でも、標高や登り方、混み方がかなり違います。どちらに登るかは、その日の目的と、自分の歩ける時間で決めるのが素直です。

入道ヶ岳は、椿大神社の案内で906mとされる山です。登山口が麓に近く、尾根や谷の道を選んで麓から歩いて登ります。御在所岳はさらに標高が高く、岩場のある道も含まれます。登り方や難しさの違いは、御在所岳の登山ルートの選び方とコースタイムで整理しています。

決めたいこと 入道ヶ岳を選ぶとき 御在所岳を選ぶとき
今日の目的 麓から自分の足で登りたい、神社の奥宮まで歩きたい より高い山に登りたい、ロープウエイも組み合わせたい
使える時間 地図の標準タイムに倍率を掛け、日の入から締め切りを決めて歩く ルートごとの時間とロープウエイの運行を合わせて考える
確かめる規制・設備 林道御幣線の通行止め、宮妻峡の利用制限、神社の駐車 各ルートの状況とロープウエイの運行

2つの山を比べるときに気をつけたいのは、標高の数字だけで難しさを判断しないことです。入道ヶ岳は低いぶん簡単、と考えがちですが、麓から歩いて登る高低差と、急な下りがあります。山の難しさは、標高ではなく、その日に歩く道の内訳で決まります。

季節によっても選び方は変わります。秋の紅葉の時期は、東海の山の見頃が標高によって違うので、行く日に合わせて山を選ぶ考え方が役に立ちます。冬は、より標高の高い山ほど雪や凍結の影響が大きくなる傾向があります。どちらの山も、冬に登るかどうかは、前日の天気と麓の気温、自分の装備で判断してください。

入道ヶ岳と御在所岳を同じ日に縦走する計画は、歩く距離と時間が大きく増えます。公式に縦走の標準コースタイムは示されていないため、地図の区間値を自分の倍率で掛け直し、日の入から締め切りを決めたうえで、無理のない範囲かどうかを見極めてください。

迷ったときの決め方を一つ挙げるなら、「その日に確かめなければならないことが少ないほう」を選ぶ方法です。入道ヶ岳なら駐車と規制、御在所岳ならルートとロープウエイ。確認が済んでいないほうを無理に選ばない、という判断です。

編集部の見立て:同じ山脈の山を比べると、つい「どちらが上か」という話になりがちです。けれども入道ヶ岳と御在所岳は、目的も準備も違う別の山です。今日の自分の時間と、確かめ終えた情報の量で選ぶのが、どちらの山にとっても無理のない向き合い方だと考えています。

よくある質問

Q. 入道ヶ岳はどこにある山ですか?

三重県の鈴鹿山脈にある山です。南東の麓に鈴鹿市の椿大神社、東側に四日市市の宮妻峡があります。標高は椿大神社の案内で906mとされています。長野・岐阜の御嶽山とは別の山です。

Q. 椿大神社の駐車場に登山者が停めてもよいですか?

椿大神社のFAQには「無料駐車場が、500台分あります。」とあります。登山者が停めてよいか、停める場所の指定があるかは記載が見当たりません(2026年10月3日確認)。参拝や行事の日は混むことがあるので、出かける前に神社(https://tsubaki.or.jp/contact/)へ問い合わせてください。

編集部の見立て:駐車の問い合わせは手間に感じますが、断られたら別の手段を選べばよいだけです。聞かずに停めて気まずい思いをするより、事前の一本の連絡のほうが、ずっと安くつくと考えています。

Q. 宮妻峡から登山道に入れますか?

四日市市の2026年4月17日更新の案内では、火災予防のためキャンプ場の一部が立入制限になっていますが、「登山道へは入れます」と書かれています。駐車場は利用可、トイレは使用可です。令和8年度中に周辺の再整備工事が始まる予定なので、出かける前に市の案内を見てください。

Q. 林道御幣線の通行止めで、入道ヶ岳に登れなくなっていますか?

鈴鹿市は林道御幣線を、2025年12月27日の一部崩落で、歩行者を含め全面通行止めにしています(2026年3月13日更新)。入道ヶ岳のどの登山道に関係するかは告知に書かれていません。自分のルートが林道を通らないかを地図で確かめ、鈴鹿市の掲載ページで解除の有無を見てください。

Q. 冬の入道ヶ岳にチェーンスパイクは要りますか?

行政の公式に入道ヶ岳の凍結や積雪の時期の案内は無いため、一律には言えません。山麓の亀山の日最低気温の平年値は12〜2月で0.1〜2.2℃で、稜線はさらに冷えます。前日に雪が降った日や、麓でも氷点下に近い予報の日は持っていく判断が合理的です。深い雪や氷の急斜面が見込まれる日は、登らない判断をしてください。

編集部の見立て:滑り止めは「持っていけば安心」の道具ではなく、「持っていても行かない日がある」道具だと考えています。要るかどうかを迷う日は、持っていき、そのうえで下山の締め切りを早めに置く。その組み合わせが、冬の低山では一番堅実です。

まとめ:今日やることは1つ、行く日の登山口が使えるかを公式で確かめる

入道ヶ岳は、椿大神社の案内で標高906mとされる、三重県・鈴鹿山脈の山です。登山口は椿大神社と宮妻峡の2か所で、駐車・トイレ・バス・規制の条件がそれぞれ違います。椿大神社の駐車場は無料・500台分ですが、登山者の利用は神社に確認が要ります。宮妻峡は駐車場もトイレも使え、「登山道へは入れます」と市が案内しています。

林道御幣線の全面通行止めは鈴鹿市の道路規制、宮妻峡キャンプ場の利用制限は四日市市の火災予防の措置で、別の話です。公式の標準コースタイムは無いので、地図の標準タイムを自分の倍率で掛け直し、日の入とバスの最終便の早いほうから、山頂を出る締め切りを決めてください。11〜3月は麓でも冷え込むので、凍結を見込み、行かない日を決めておくことが大切です。

編集部の見立て:入道ヶ岳の計画で一番大事なのは、山の情報より入口の情報です。規制、駐車、バス。この3つを出かける前に公式で確かめるだけで、当日の迷いのほとんどは消えると考えています。

最後に、今日やることを3つの手順にまとめます。

  1. 鈴鹿市の林道御幣線のページと、四日市市の宮妻峡のページを開き、行く日の登山口と道が使えるかを確かめる
  2. 車なら椿大神社へ登山者の駐車を問い合わせ、バスなら三重交通の公式検索で山行日の行きと帰りの便を引き直す
  3. 地図の標準タイムを自分の倍率で掛け直し、津の日の入から山頂を出る締め切りを決めて、登山計画書を管轄の警察署へ出す

編集部の見立て:準備に時間をかけるほど、山の上での判断は軽くなります。入道ヶ岳は麓から近い山だからこそ、前の晩の15分の確認が、その日の一日を安全で落ち着いたものにしてくれると考えています。

出典

  • 椿大神社「お問い合わせ(よくある質問)」https://tsubaki.or.jp/contact/(2026年10月3日確認)
  • 観光三重「入道ヶ岳」https://www.kankomie.or.jp/spot/22039(2026年10月3日確認)
  • 四日市市「宮妻峡キャンプ場の利用制限について」https://www.city.yokkaichi.lg.jp/www/contents/1776403987795/index.html(2026年10月3日確認)
  • 四日市市「四日市の自然」https://www.city.yokkaichi.lg.jp/www/contents/1573688141027/files/yokkaichinosizen.pdf(2026年10月3日確認)
  • 鈴鹿市「林道御幣線の通行止めについて」https://www.city.suzuka.lg.jp/sangyo/nousui/1003361/1015899.html(2026年10月3日確認)
  • 三重交通「時刻表検索」https://www.sanco.co.jp/timetables.php?code=2015(2026年10月3日確認)
  • 三重交通「鈴鹿の森庭園 しだれ梅 2026 バス案内」https://www.sanco.co.jp/sancowp/images/suzuka_ume2026.pdf(2026年10月3日確認)
  • 三重県「ツキノワグマの出没について」https://www.pref.mie.lg.jp/JTAISAKU/HP/m0114900048.htm(2026年10月3日確認)
  • 気象庁「亀山 平年値(年・月ごとの値)」https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/nml_amd_ym.php?block_no=0503&prec_no=53(2026年10月3日確認)
  • 国立天文台 暦計算室「各地のこよみ(津)」https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2026/s2511.html ほか2026年10月〜2027年2月の各月(2026年10月3日確認)
  • 三重県警察「山岳遭難について」https://www.police.pref.mie.jp/climbing/nituite.html(2026年10月3日確認)
  • 三重県警察「登山計画書の提出について」https://www.police.pref.mie.jp/climbing/keikakusyo.html(2026年10月3日確認)

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