YAMAPとヤマレコの違いを地図・記録・救助の3点で比較|2026年8月時点の公式情報で選ぶ

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。

登山アプリを入れようとして最初にぶつかるのが、YAMAPとヤマレコのどちらにするかという分かれ道です。どちらも日本の山を歩く人が使っているアプリで、地図を見て、歩いた軌跡を残して、家族に居場所を伝えるところまでを一つでまかなえます。名前が並んで出てくるので優劣がはっきりしているように見えますが、公式ページを読み比べると、勝ち負けというより得意な方向が違うという形になっています。

この記事では、比べる軸を3つに絞ります。「地図」=オフラインでどれだけ地図を持ち出せるか。「記録」=歩いた軌跡を書き出して他のサービスへ移せるか。「救助」=登山計画や位置情報が、自治体・警察・家族にどう届くか。この3つのうち自分が一番使うものが決まれば、選ぶ作業はほとんど終わります。

もう一つ、この記事では料金の金額を書きません。プランの中身も上限も改定される部分で、記事に書いた数字はすぐ古くなるからです。代わりに「無料でどこまでできて、有料にすると何が外れるか」という線だけを、2026年8月27日時点の公式ページに書かれている範囲でまとめます。金額と最新の条件は、契約する前に公式ページで確認してください。

なお、この記事はYAMAPとヤマレコの2本に限定した比較です。他のアプリも並べて見たい場合は、登山アプリの無料おすすめ5選と選び方のほうに一覧があるので、そちらから入ってください。

  • YAMAPとヤマレコを「地図」「記録」「救助」の3点に分解して比べる考え方と、その順番の理由
  • オフライン地図の持ち出し方の違い(YAMAPの無料会員は端末に保存できる地図が1枚まで、登録後半年は2枚。ヤマレコは事前にダウンロードしておけば圏外でも現在地を確認できる/2026年8月27日時点の公式表示)
  • 歩いた軌跡をGPXで書き出せるか、他アプリへ移せるか。YAMAPの取り込みはGPX形式のみ・容量上限10MBという公式ヘルプの記載
  • 登山届がどう届くか。YAMAPは協定を結んだ自治体へオンライン提出、ヤマレコは「コンパス」へ登録して提携都道府県に提出した扱いになるという2系統の違い
  • 滋賀県警・広島県警・石川県が実際に公表している協定と注意喚起の中身
  • 警察庁の令和7年統計(山岳遭難3,122件・遭難者3,623人、道迷い30.9%)から読む「アプリだけに頼らない」理由
  • 無料でどこまでできるかの線と、使い方別にどちらへ寄せるかの目安。両方入れるという選び方も含む
  • 電池切れ・圏外・端末の破損でアプリが使えなくなったときに、何が残るかの備え方

結論:地図・記録・救助の3点で、どちらを入れるか決める

比較記事を何本読んでも決まらないのは、たいてい「総合的にどちらが良いか」を探しているからです。総合点はつけられません。両方とも、地図を見て歩いて記録を残すという中心の機能は持っていて、そこでは差がつきにくいためです。差がつくのは、その周りにある3つの領域です。

1つ目が地図です。山の中は電波が届かない区間が普通にあります。そのため、どちらのアプリも「あらかじめ端末に地図を落としておいて、圏外でもGPSで現在地を出す」という作りになっています。ここで違いが出るのは、落とせる地図の枚数と、その管理のしかたです。

2つ目が記録です。歩いた軌跡はGPXという形式のファイルで持ち出せます。持ち出せるかどうかは、そのアプリを使い続けるかどうかとは別に効いてきます。数年ぶんの記録が入ったあとで乗り換えたくなったとき、書き出せる作りになっていれば移せますし、そうでなければ記録はそのアプリの中に置いていくことになります。

編集部の見立て:この3点のうち、多くの人が最初に気にするのは地図ですが、選び分けの差がいちばん大きく出るのは救助まわりです。地図の使い勝手は慣れである程度吸収できますが、登山届がどこへ届くかは慣れでは変えられません。

3つ目が救助です。登山届(登山計画書)をアプリから出せるか、その届け先が自治体や警察とつながっているか、家族が現在地を見られる仕組みがあるか。ここは両アプリで仕組みの系統そのものが違います。YAMAPは自社のシステムで自治体と協定を結ぶ形、ヤマレコは「コンパス」という登山届のプラットフォームへ登録する形です。どちらも捜索・救助に活用される案内が公的機関側からも出ていますが、経路が違うので、行き先の自治体によって噛み合い方が変わります。

決め方の原則:①自分が山でいちばん頻繁にやる操作はどれかを決める(地図を見る/記録を残す/家族に伝える)、②その領域の公式ページだけを読み比べる、③残り2つは「最低限できていればよい」と割り切る。3つとも比べようとすると決まりません。3つのうち1つを主、2つを従にすると決まります。

比べる点 YAMAP(2026年8月27日時点の公式表示) ヤマレコ(同) ここが効く人
地図 無料会員が端末に保存できる地図は1枚まで(登録後半年は2枚)。プレミアムは月間無制限・端末保存50枚 事前に地図・ルート・地名をダウンロードしておけば、圏外でもGPSで現在地を確認できると案内 月に何座も行き先を変える人ほど、保存枚数の上限が効いてくる
記録 活動日記の軌跡をGPX形式でエクスポートできると公式ヘルプに記載。取り込みはGPX形式のみ・容量上限10MB 取り込みの上限や条件は、公式アプリ内の案内で確認する必要がある 他サービスやGPSウォッチと行き来したい人
救助 登山計画を、協定を結んだ自治体へオンライン提出できる(未締結の自治体は印刷して提出) 山行計画を「コンパス」に登録でき、提携都道府県には登山届を提出した扱いになる 行き先の都道府県がどちらの系統に対応しているかで変わる
家族への共有 「みまもり」は無料がメール通知・通知先1件、プレミアムはLINE通知・通知先5件(同時通知は1件) GPSログ取得中の現在位置を定期的に保存し、家族は「いまココ」アプリで確認できる(圏外時は通信復帰後に送信) 単独行が多い人、家に連絡を残す運用をしたい人
YAMAPとヤマレコの選び方を3点に分解した図解。中央に「自分が山でいちばん使うのはどれか」を置き、そこから「①地図(オフライン保存の枚数と管理)」「②記録(GPXで書き出せるか・移せるか)」「③救助(登山届の届き先と家族共有の仕組み)」の3本に分岐させる。①の下に「YAMAP=無料は端末保存1枚(登録後半年は2枚)/ヤマレコ=事前ダウンロードで圏外も現在地」、②の下に「YAMAP=GPXエクスポートの記載あり・取り込みはGPXのみ10MBまで」、③の下に「YAMAP=協定自治体へオンライン提出/ヤマレコ=コンパス経由で提携都道府県へ」と注記。図の下部に「3点とも比べると決まらない。1つを主・2つを従にする」「機能とプランは変わる。出発前に公式ページで確認」と横断の注意書きを添えた図解
YAMAPとヤマレコの選び方を3点に分解した図解。中央に「自分が山でいちばん使うのはどれか」を置き、そこから「①地図(オフライン保存の枚数と管理)」「②記録(GPXで書き出せるか・移せるか)」「③救助(登山届の届き先と家族共有の仕組み)」の3本に分岐させる。①の下に「YAMAP=無料は端末保存1枚(登録後半年は2枚)/ヤマレコ=事前ダウンロードで圏外も現在地」、②の下に「YAMAP=GPXエクスポートの記載あり・取り込みはGPXのみ10MBまで」、③の下に「YAMAP=協定自治体へオンライン提出/ヤマレコ=コンパス経由で提携都道府県へ」と注記。図の下部に「3点とも比べると決まらない。1つを主・2つを従にする」「機能とプランは変わる。出発前に公式ページで確認」と横断の注意書きを添えた図解

両アプリの基本情報と、使い始めるまでの手順

どちらもスマートフォンのアプリとして配布されていて、アプリストアから入手します。ヤマレコはApp Storeにアプリの案内があり、そこに機能の説明が並んでいます。YAMAPはプラン比較のページを公式サイトに持っていて、無料でできること・有料プランでできることが表の形で並んでいます。有料プランの正式名称は、YAMAPが「YAMAPプレミアム」、ヤマレコが「プレミアムプラン」です。名前が似ているので、検索するときは会社名とセットで入れたほうが混ざりません。

ヤマレコ側は公式サイトで、無料でも大半の機能を使えると案内しています(2026年8月27日時点)。「まず無料で試したい」という入り方をする場合、ヤマレコのほうが最初の制限にぶつかりにくい構えになっている、という読み方はできます。ただし、どこまでが無料でどこからがプレミアムかの一覧は、公式の使い方ガイドで最新版を確認してください。この記事の執筆時点では、その詳細一覧を一次情報として確認しきれていません。

使い始めるまでの流れは、どちらもおおむね同じ順番になります。アプリを入れて、アカウントを作り、行き先の地図をダウンロードし、山行の計画を作る。この4つです。順番で言うと、地図のダウンロードは家のWi-Fiで済ませておく作業で、登山口に着いてから慌ててやる作業ではありません。山麓は電波が弱いことが多く、数十メガバイト単位のデータを落とすには向きません。

もう一つ、始める前に決めておくとよいのが「誰に伝えるか」です。両方のアプリとも、家族や仲間に居場所や下山を伝える仕組みを持っています。ただし通知先の登録は、アプリを入れた日にやらないと、そのまま忘れます。入れた日にやる作業として、地図のダウンロードと通知先の登録をセットにしておくと抜けません。

編集部の本音:アプリを入れた日にやる作業を1つに絞るなら、家族への通知先の登録です。地図はあとから落とせますが、通知先が空のまま何年も使っている人は珍しくありません。効き目が出るのは、いちばん困った日だけです。

この記事が扱わないこと

金額は書きません。プランの構成も上限も改定される領域で、公開時点で正しくても数か月後には合わなくなります。この記事で扱うのは「無料でできる/有料でできる」という区分だけで、しかもそれも2026年8月27日時点の公式表示にもとづく整理です。契約の前には、YAMAPならプラン比較のページ、ヤマレコなら公式の使い方ガイドを開いて、そのときの表示を自分の目で確かめてください。

他のアプリとの比較も扱いません。地形図系のアプリやGPSウォッチ連携を前提にしたサービスなど、選択肢は他にもありますが、それらを混ぜると軸が増えて決まらなくなります。この記事は2本に絞った比較として読んでください。

地図で比べる:オフライン地図の持ち出し方

山でアプリが役に立つ場面は、ほぼ「今どこにいるか」を見る瞬間に集中します。分岐で立ち止まったとき、思ったより時間がかかっているとき、踏み跡が薄くなったとき。その全部が、電波が届かない場所で起きます。だから比べるべきは通信中の使い勝手ではなく、通信が切れたあとに何が残るかです。

ヤマレコは、事前に地図・ルート・地名をダウンロードしておけば、圏外でもGPSで現在地を確認できると案内しています(2026年8月27日時点)。ここで挙げられている対象が「地図」だけでなく「ルート」「地名」まで分かれているのが、実務上のポイントです。地図だけ落としてルートを落としていない、という中途半端な状態が起こりうるということでもあります。

YAMAPは、端末に保存できる地図の枚数そのものを、プランの区切りとして表に出しています。2026年8月27日時点の公式のプラン比較では、無料会員が端末に保存できる地図は1枚まで、ただし登録後半年は2枚。YAMAPプレミアムは月間無制限で、端末保存は50枚とされています。

編集部の見立て:「1枚」という数字は、実際の使い方に落とすと想像より厳しくなります。同じ山でも別ルートで入ると別の地図になることがありますし、縦走で県境をまたぐと隣の地図が要ります。月に1〜2回、同じエリアを歩く人なら足りますが、行き先を毎回変える人は早い段階で上限に当たります。

なお、YAMAPの旧いヘルプページには無料会員の保存枚数を2枚とする記述も残っています。この記事では、現行のプラン比較ページの表示(1枚まで、登録後半年は2枚)を採用しました。公式サイト内でも更新の時期がページごとに違うことがあるので、枚数のような上限は、いちばん新しそうなページを1枚選んで、そこの表示を基準にするのが安全です。

枚数の上限をどう受け止めるかは、歩き方で変わります。決まったフィールドを繰り返し歩く人にとっては、地図は入れ替える対象ではなく、置きっぱなしにするものです。反対に、週末ごとに行き先を探して決めるタイプの人にとっては、地図は消耗品に近い扱いになります。前者なら無料の枠でも回りますし、後者なら上限がそのまま不便になります。

ダウンロードの手順を、出発前の作業として固定する

どちらのアプリを選んでも、事前ダウンロードを忘れたら山の中では同じ結果になります。手順として固定してしまうのが早道です。

  1. 行き先が決まった日のうちに、家のWi-Fiで地図をダウンロードする。ヤマレコの場合は地図だけでなくルート・地名も対象になっているか確認する
  2. 出発前日に、スマートフォンを機内モードにしてアプリを開き、地図が表示されるかを目で確かめる。表示されなければダウンロードが完了していない
  3. 登山口では、電波があるうちに計画の提出・共有を済ませてから歩き出す

機内モードでの確認は、キャッシュが効いていて「落とせているように見える」ことがあります。前日ではなく、地図を落とした直後に一度アプリを終了させ、しばらく経ってから機内モードで開くと、より確からしい確認になります。それでも確実とは言い切れないので、紙の地図を別に持つ意味は残ります。

そもそも、画面に出ている現在地の点が何を意味しているかを読めないと、地図があっても判断材料になりません。等高線の間隔から斜面の急さを読む、尾根と谷を見分ける、といった基礎は、アプリの操作とは別に必要です。このあたりは登山地図の読み方の基本と等高線の見方に分けて書いてあるので、アプリを入れた直後に一度目を通しておくと、画面の情報量が変わります。

地図アプリは、コースの分岐ごとに何度も見返す道具です。ザックの中にしまうと、見たいたびに下ろして開けることになり、その手間が惜しくて確認の回数が減ります。マムート エクセロン サコッシュのような小型のショルダーは、スマートフォンと行動食、地図の切れ端くらいを胸元に出しておくための入れ物で、「取り出す動作」を1つ減らす方向の道具です。ザックを新調するより影響が小さく、確認の頻度に直接効くのがこの部分になります。

記録で比べる:GPXで書き出して他アプリへ移せるか

歩いた軌跡は、GPXという形式のファイルでやり取りされます。GPSの点の列に時刻と標高が付いたテキストで、登山アプリ、GPSウォッチ、地図ソフトのあいだで共通に使われている入れ物です。この形式で書き出せるかどうかは、日常の使い勝手には出てきませんが、あとから効きます。

効き方は2つあります。1つは乗り換えです。数年ぶん記録を貯めたあとで別のアプリに移りたくなったとき、書き出せれば持っていけます。もう1つは併用です。GPSウォッチで取った軌跡をアプリへ入れる、あるいはアプリで作ったルートをウォッチへ入れる、という行き来をしたい場合、入口と出口の両方が要ります。

編集部の見立て:記録の持ち出しは「今すぐ必要ではないが、必要になったときには手遅れになりやすい」種類の機能です。アプリを決める段階で一度だけ確認しておくと、あとで戻って調べ直す手間がなくなります。

YAMAPについては、活動日記の軌跡をGPX形式でエクスポートできることが公式ヘルプに記載されています(2026年8月27日時点)。逆方向、つまり外部のファイルを取り込む側については、対応する形式はGPXのみ、容量の上限は10MBという記載があります。他の形式のファイルを持っている場合は、いったんGPXに変換する必要があるということになります。

10MBという上限は、単発の山行の軌跡としてはかなり余裕のある大きさです。上限に当たりやすいのは、記録の間隔を細かくした長期の縦走ログや、複数の軌跡をまとめた1ファイルです。取り込みがうまくいかないときは、まずファイルの大きさを見て、必要な区間だけに分けると通ることがあります。

ここで一つ、この記事では断定を避けている点があります。GPXの書き出しに対応する環境がパソコン(Webサイト)だけなのか、アプリからもできるのかという点です。同じ公式ヘルプのページの中で、冒頭の説明と操作手順の見出しで扱いが揃っておらず、記事の側でどちらが現行の正しい説明かを確定できませんでした。手順そのものは公式ヘルプに載っているので、自分が使っている環境(アプリかWebか)でできるかどうかは、公式ヘルプを開いて確かめてください

ヤマレコ側の外部GPXファイルの取り込みについては、手順や容量の上限、無料とプレミアムでの違いを、公式のヘルプ本文から確定できていません。アプリストアの案内には機能の記載がありますが、条件までは書かれていません。取り込みの上限や条件は、公式アプリ内の案内で確認してください。この記事で「できる/できない」を書いてしまうと、実際と食い違う可能性があります。

編集部の本音:比較記事の多くはこの領域を飛ばします。理由は単純で、公式に書かれていないと調べようがないからです。書かれていないことを推測で埋めるより、「ここは公式で確認してほしい」と書いたほうが、読んだ人の実害が小さくなります。

記録まわりで、選ぶ前に確認しておくこと

  • 自分が使っているGPSウォッチや他サービスと、GPXでやり取りする予定があるか
  • 書き出しの操作を、パソコンでやるつもりか、スマートフォンだけで完結させたいか
  • 取り込みたいファイルがGPX以外の形式なら、変換する手段を持っているか
  • 写真を含む記録の保存容量について、公式ページで上限の記載を確認したか
  • 記録を公開するのか、非公開で自分用に残すのか(公開範囲の設定がどこにあるか)

この5つのうち、上の2つに「はい」が付く人は、記録の軸が主になります。その場合は、アプリを決める前に公式ヘルプの該当ページを開いて、自分の環境で手順が成立するかを先に見ておくのが順番として合理的です。逆に、記録は残るだけでよく、他へ持ち出す予定がない人は、この軸を従に回してかまいません。

救助・遭難対策で比べる:登山届と自治体・警察との連携

ここが両アプリでいちばん構造が違う部分です。どちらも「アプリから登山届を出せる」と説明されますが、届く経路が別です。

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YAMAPは、登山計画を、協定を結んだ自治体へオンラインで提出できるという案内を公式ヘルプに載せています。協定が未締結の自治体については、計画を印刷して提出する形になります。つまりYAMAP側は、自治体と個別に協定を結んでいく形で対応範囲を広げています。公式ブログでは2026年7月31日付で、登山届のオンライン提出に関する協定について福岡県を「34例目」として案内しています。

ヤマレコは、山行計画を「コンパス」に登録でき、提携している都道府県については登山届を提出した扱いになると案内しています。コンパスは登山届のプラットフォームで、ヤマレコ専用のものではありません。ヤマレコ公式サイトは2025年8月19日付で、コンパスへの登山届提出が無料になったことを案内しています。これはアプリを経由して提出する際の手数料の話で、アプリそのものの料金の話ではない点に注意してください。

編集部の見立て:この2系統は優劣ではなく、行き先で決まります。よく行く都道府県がどちらに対応しているかを先に調べると、比較の半分は片付きます。逆に言えば、全国どこでも同じ結論になるわけではありません。

コンパスの公式サイトは、登山届を全国どの山域でも提出でき、家族・仲間と共有できると案内しています。あわせて、アプリで目的地までの時間・距離・標高差を確認できること、下山通知やGPSログでの記録作成ができることも挙げられています(2026年8月27日時点)。登山届の提出先としての機能と、行動中の機能の両方を持っているサービス、という位置づけです。

項目 YAMAPの系統 ヤマレコの系統 確認しておくこと
届け先 協定を結んだ自治体へオンライン提出。未締結の自治体は印刷して提出 「コンパス」に登録。提携都道府県には登山届を提出した扱いになる 行き先の都道府県がどちらに対応しているか
広がり方 自治体と個別に協定を結ぶ形。公式ブログは2026年7月31日付で福岡県を34例目と案内 コンパス側の提携都道府県に準じる。件数・一覧は公式アプリ内の案内で確認 件数は増減するので、そのつど公式で見る
家族への共有 「みまもり」で通知。無料はメール・通知先1件、プレミアムはLINE・通知先5件(同時通知は1件) GPSログ取得中の現在位置を定期的に保存し、家族は「いまココ」アプリで確認。圏外時は通信復帰後に送信 通知先の登録を済ませてあるか
捜索での扱い 登山計画や位置情報が捜索・救助に活用される仕組みがあると、自治体・警察側の案内にも記載がある どの情報がどの条件で共有されるかの詳細は、各アプリとコンパスの公式案内で確認

自治体・警察の側が実際に何を公表しているか

アプリ側の説明だけでなく、受け取る側の公表資料を読むと、この仕組みの現在地が見えます。

滋賀県警は、コンパスとの閲覧協定と、YAMAPの登山計画書届出システムの活用協定(2023年10月4日締結)を案内しています。あわせて、令和7年の県内の山岳遭難77件のうち、登山届が提出されていたのは20件だったことを公表しています。4件に1件ほどしか届が出ていないという数字です。

編集部の本音:77件中20件という数字は、アプリの善し悪しの話ではありません。アプリを入れている人でも、計画を作って提出するところまでやっていない、という状態がかなりあるということです。入れただけでは、この仕組みは動きません。

広島県警は、コンパスとYAMAPの協定(2023年11月6日締結)に基づき、アプリの登録情報を捜索・救助活動に活用すると案内しています。石川県は、白山のオンライン登山届の手段としてコンパスとYAMAPを案内しており、YAMAPで提出した場合は県への登山届の提出とみなすとしています。

石川県は同じ案内の中で、アプリを使う場合でも圏外や電池切れに備えて、計画を家族や友人に共有しておくよう注意を促しています。つまり公的機関の側も、アプリでの提出を「これさえやれば済むもの」としては案内していません。アプリでの提出と、人に伝えることは、置き換えではなく重ねる関係です。

この3つの事例から読めるのは、協定は都道府県単位で個別に進んでいて、対応状況も案内の書き方も揃っていないということです。「YAMAPなら全国どこでも自治体に届く」「コンパスなら全部カバーされる」といった読み方はできません。行き先が決まったら、その都道府県の公式ページで登山届の出し方を一度確認する、という手順が結局のところ必要になります。

なお、遭難したときに警察や自治体へ「具体的にどの情報が、どの条件で」共有されるのかという技術的な詳細については、この記事では書きません。協定・共有・捜索への活用という大枠は各所の案内に書かれていますが、データの項目や自動送信の条件まで踏み込んだ一次情報を確認できていないためです。詳細は、各アプリとコンパスの公式案内で確認してください。

提出する登山届の中身は、そのまま登山計画です。どこから入って、どこで引き返し、何時までに下山するか。この骨格ができていないと、アプリの入力欄を埋めるだけの作業になります。計画の立て方そのものは登山計画の立て方とコースタイムの見積もりにまとめてあるので、提出の前段としてそちらを先に踏んでください。

もう一点。届け出た計画も、家族に渡した情報も、山の中で自分の手元に残るとはかぎりません。端末が使えなくなれば、自分が見られるのは持っている紙だけになります。登山用の紙地図の選び方と持ち方で書いているように、計画のコピーと紙地図を一緒に持つのは、アプリを使う人ほど意味のある備えです。

行き先の都道府県の対応を調べる手順

協定や提携の状況は都道府県ごとに違い、しかも増えていきます。記事に一覧を書いても、その一覧が古くなるだけです。調べ方のほうを覚えておくと、行き先が変わっても同じ手順が使えます。

探す場所は3か所です。1つ目は都道府県の警察のサイトで、「登山届」「登山計画書」といった見出しのページに、どのサービスから提出できるかが書かれていることがあります。滋賀県警や広島県警の案内がこの形です。2つ目は都道府県庁側の防災・自然公園の担当部署のページで、石川県の白山のように、特定の山域について条例や火山関係の案内とセットで登山届の出し方が置かれていることがあります。3つ目は、コンパスとYAMAPそれぞれの公式案内にある対応自治体の情報です。

この順番にしているのは、受け取る側の記述のほうが具体的だからです。アプリ側の一覧は全国をまとめて扱うので、「その県で今どうなっているか」を細かく書けません。県側のページは、提出先の窓口、締め切りの扱い、紙で出す場合の方法まで書いてあることがあります。県側で見つからなかったときに、アプリ側の一覧で補う、という順にすると空振りが減ります。

編集部の本音:この確認は、行き先の県が変わるたびに毎回やる必要はありません。自分がよく行く県を2〜3つ決めて、その分だけ一度調べておけば、当面は使い回せます。年に一度、シーズンの入りに見直す程度で足ります。

  • 行き先の都道府県警察のサイトで「登山届」「登山計画書」のページを開いたか
  • そのページに、オンライン提出に使えるサービス名(コンパス/YAMAPなど)が書かれているか確認したか
  • 特定の山域だけ条例で提出が義務づけられていないか(火山・積雪期など)を確かめたか
  • ページに掲載日や更新日があるかを見て、いつ時点の案内かを把握したか
  • オンラインで出せない場合の、紙での提出先と方法を控えたか

遭難者データで見る「アプリだけに頼らない」理由

アプリの話をしていると、遭難対策の全部がアプリで片付くように感じられてきます。統計を見ると、そうはなりません。

警察庁が公表している「令和7年における山岳遭難の概況等」(2026年6月18日発表)によると、全国の山岳遭難は3,122件、遭難者は3,623人。遭難の態様では道迷いが30.9%で最も多く、次いで転倒19.2%、滑落17.3%となっています。

編集部の見立て:この3つの数字の並びが、アプリの守備範囲をそのまま示しています。道迷いには効きます。転倒と滑落には、ほとんど効きません。合わせて36.5%を占めるこの2つは、画面を見ても減らない部分です。

道迷いが3割を占めているという事実は、地図アプリを入れる強い理由になります。現在地が分かれば、間違った尾根に入り込んだことに早く気づけます。実際、道に迷う過程の多くは「間違ってから気づくまでが長い」という形で進みます。そこを短くできる道具は、確かに効きます。

一方で、転倒と滑落を足すと36.5%になります。こちらは足元と体力とペース配分の領域で、画面の中の情報では変わりません。むしろ、画面を見ながら歩けば足元の注意は減ります。地図を見るときは立ち止まる、という当たり前の手順が、この統計の裏側にあります。

アプリの守備範囲:道迷い(令和7年で30.9%)には効く。転倒(19.2%)・滑落(17.3%)には効かない。だからアプリを入れたら「迷いにくくなった」とだけ考えて、行動時間や引き返す判断は、アプリを入れる前と同じ厳しさで持っておく。装備を1つ増やしたぶんだけ行程を伸ばす、という方向に使うと、効いた領域の外側で事故が起きます。

アプリを入れたことで、以前なら選ばなかったルートや時間帯を選ぶようになるなら、それはリスクが増えています。道具が増えたぶんの余裕は、行程を伸ばすためではなく、判断の余白として残しておいてください。石川県や広島県警の案内も、アプリでの提出や共有を「これで足りる」とは書いていません。

それでも道に迷ったときにどうするかは、アプリの操作とは別に決めておく必要があります。現在地が分かっていても、そこから安全に戻る手順を知らなければ動けません。登山道で道に迷ったときの対処と引き返す判断のほうに、気づいた時点で何をするかを順番に書いてあります。アプリの画面を見て「ずれている」と分かった直後にやることは、そちらで確認しておいてください。

編集部の本音:登山アプリの比較記事で遭難統計まで出すのは、話を重くするためではありません。アプリを入れる目的が「道迷いを減らすこと」だと分かっていれば、3点のうちどれを主にするかも決めやすくなるからです。

無料でどこまでできるか、と使い方別の目安

ここでも金額は書きません。書いても数か月で合わなくなるからです。代わりに、2026年8月27日時点の公式表示から読める「無料と有料の線」だけを並べます。

YAMAPは、プラン比較のページで無料会員とYAMAPプレミアムの差を表にしています。この記事で確認できた範囲では、端末に保存できる地図の枚数(無料は1枚まで、登録後半年は2枚/プレミアムは月間無制限・端末保存50枚)と、「みまもり」の通知方法と通知先の数(無料はメール・通知先1件/プレミアムはLINE・通知先5件、ただし同時通知は1件)が、はっきりした線として出ています。

編集部の見立て:YAMAPの線は「行き先を頻繁に変える人」と「家族への通知を厚くしたい人」に当たるように引かれています。逆に、決まった山を月1回歩いて、通知先も1件でよい人には、当たりにくい線です。

ヤマレコは、公式サイトで無料でも大半の機能を使えると案内しています。有料は「プレミアムプラン」という名称です。ただし、無料とプレミアムで何がどう違うかの一覧については、公式ページを直接確認できず、この記事では確定させていません。個人のまとめ記事に書かれている内容はありますが、一次情報として扱えるものではないので、外しました。無料とプレミアムの違いは、公式の使い方ガイドで最新版を見てください。

プランの比較を調べるときのコツとして、検索でたどり着いた個人ブログの表をそのまま信じないという点があります。プランの改定は表の更新より速く進むので、数年前の記事の表が上位に残っていることがあります。開いたページに「いつ時点の情報か」が書かれていなければ、その表は判断材料に使えないと考えてください。

使い方別に、どちらへ寄せるかの目安

ここからは断定ではなく目安です。どちらが優れているかという話ではなく、「この使い方ならこちらの設計と噛み合いやすい」という整理として読んでください。

あなたの使い方 寄せ先の目安 理由になる公式表示 確認すること
月1〜2回、決まったエリアの低山を歩く どちらでもよい 地図の保存枚数の上限に当たりにくく、無料の範囲で回りやすい 通知先の登録を済ませたか
毎週のように行き先を変える 保存枚数の条件を先に見る YAMAPは無料が端末保存1枚(登録後半年は2枚)と明示されている 自分の行き先が何枚の地図にまたがるか
家族に居場所を伝えたい・単独行が多い 通知の仕組みで選ぶ YAMAPは「みまもり」の通知先が無料1件・プレミアム5件。ヤマレコは「いまココ」で家族が確認 圏外では届かない前提を家族と共有したか
GPSウォッチや他サービスと行き来したい 書き出し・取り込みの条件で選ぶ YAMAPはGPXエクスポートの記載あり。取り込みはGPXのみ・10MBまで 自分の環境(アプリ/Web)で手順が成立するか
行き先の都道府県が決まっている その県の対応で選ぶ 協定・提携は都道府県ごとに個別。滋賀・広島・石川はいずれも案内を公表 その県の公式ページで登山届の出し方

両方入れる、という選び方もある

どちらか一方に決めなければならない理由は、実はあまりありません。どちらも無料で使い始められますし、片方を地図と記録の主、もう片方を登山届と家族共有の窓口として使う、という分担も成り立ちます。特に、行き先の都道府県によって協定の対応が違うのであれば、両方持っておくほうが取りこぼしが減ります。

両方入れる場合に気をつけるのは、記録が二重になることと、電池の消費です。GPSのログを2つのアプリで同時に取ると、そのぶん電池は減ります。行動中に軌跡を取るのは片方だけにして、もう片方は計画の提出と地図の予備として置いておく、という分け方にすると、負担が増えません。

編集部の見立て:「どちらか1つを選ばなければならない」と思い込むと、決められないまま何も入れない期間が延びます。まず両方入れて、3か月ほど使ってから片方を消す、という順番のほうが実際的です。消すのはいつでもできます。

  • 行動中にGPSログを取るのはどちらか、1つに決めてある
  • 登山届の提出はどちらから出すか、行き先の県ごとに決めてある
  • 家族に見せる仕組みはどちらか一方に統一し、家族に伝えてある
  • 地図のダウンロードは、行動中に使うほうのアプリで済ませてある

電池切れ・圏外に備える

ここまでの話は、スマートフォンが動いていることが前提です。その前提が崩れる原因のうち、いちばん多いのは電池切れです。

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地図アプリは、GPSを動かし続け、画面を頻繁に点灯させ、機種によっては軌跡の記録をずっと回します。通常の使い方より消費は速くなります。加えて、圏外の場所ではスマートフォンが電波を探し続けるため、そこでも消費が増えます。だから山では、通信を切る側の操作が電池を延ばします。

編集部の本音:電池対策で最初にやるべきなのは、予備電源を買うことではなく、機内モードにすることです。費用がかからず、効き方も大きい。そのうえで足りない分を予備電源で埋める、という順番になります。

  1. 登山口で計画の提出と共有を済ませたら、機内モードにする。GPSは機内モードでも動くので、事前ダウンロードした地図上の現在地は表示される
  2. 画面の明るさを下げ、地図は必要なときだけ開く。歩きながらの常時表示をやめる
  3. 寒い時期は、スマートフォンを外側のポケットに入れず、体に近い内側に入れる。低温では電池の減りが速くなる

ヤマレコは、事前に地図・ルート・地名をダウンロードしておけば圏外でもGPSで現在地を確認できると案内しています。この「圏外でも現在地は出る」という性質は、多くの人が思っているより重要です。電波と位置測定は別の仕組みなので、通信を切っても地図の上での位置は分かります。逆に言えば、事前にダウンロードしていない地図は、圏外では何も表示されません。

家族への共有については、圏外での挙動を知っておいてください。ヤマレコの「いまココ」は、GPSログ取得中の現在位置を定期的にヤマレコへ保存する仕組みで、圏外のときは通信が復帰したあとに送信されると案内されています。つまり圏外の区間では、家族の画面上で位置が止まって見えます。止まっている=動いていない、ではありません。この前提を家族に先に伝えておかないと、無用な心配や、逆に早すぎる通報につながります。

どこで電波が入り、どこで切れるのかは山域で大きく違います。山で電波が入らないときの対策と圏外での連絡手段のほうに、圏外を前提にした連絡の組み立て方をまとめてあります。稜線に出れば入ることが多い、谷では切れる、といった傾向も含めて、出発前に押さえておくと計画の作り方が変わります。

予備電源については、容量の数字だけで選ぶと持ち歩かなくなります。選び方の考え方は登山用モバイルバッテリーの選び方と容量の目安にまとめてあるので、日帰りか泊まりかで必要量を決めてから製品を見てください。

そのうえで具体的な製品を1つ挙げるなら、Anker Nano Power Bank 10000mAh 45W 巻取りUSB-Cケーブルは、日帰りから小屋泊の範囲で扱いやすい部類に入ります。地図アプリを開きっぱなしにすると電池の減りは速くなるので、日帰りでも予備を持つ意味は出てきます。この製品はUSB-Cケーブルが本体に巻き取られているため、「ケーブルを忘れて予備電源が使えない」という失敗が1つ減ります。ザックの中で行方不明になりがちなケーブルを、本体と分離させない構造だという点が選ぶ理由になります。

スマホが使えなくなったときの備え

電池以外にも、スマートフォンが使えなくなる原因はあります。雨に濡れる、岩の上で落として画面が割れる、低温で急に落ちる、沢で水没する。どれも珍しい事故ではありません。

ここで効くのは、電池も通信も要らないものです。紙の地図と磁針コンパスは、その代表です。紙は割れませんし、電源も要りません。事前に印刷した登山計画も同じで、自分の行程を確認する手段として最後まで残ります。石川県の案内が「圏外・電池切れに備えて計画を家族・友人に共有しておく」と書いているのも、同じ発想です。

編集部の見立て:アプリを入れた人ほど、紙地図を置いていきます。順序が逆で、アプリで細かく現在地を追う習慣がついている人ほど、それが使えなくなったときの落差が大きくなります。紙は保険であって、アプリと競合する道具ではありません。

紙地図を持っていても、事前に見ていなければ現地では読めません。出発前に、登山口・分岐・引き返す地点・エスケープルートの4か所だけでも紙の上で確認しておくと、いざというときに開ける地図になります。バックパックの底に未開封で入っている地図は、持っていないのとあまり変わりません。

もう一つの方向が、スマートフォンとは別系統の機器を持つことです。GPSウォッチは腕に付いているので落としにくく、スマートフォンとは別の電池で動きます。日常でも使うので充電の習慣がつきやすいという利点もあります。選び方や使いどころは登山用GPSウォッチの選び方とスマホとの使い分けに分けてあります。

編集部の本音:別系統を1つ足すという考え方は、道具を増やす話に聞こえますが、実際には「同じものを2つ持たない」という話です。予備のスマートフォンを持つより、電池も操作系も違う機器を持つほうが、同時に落ちる確率が下がります。

その別系統の道具として、Garmin eTrex SE 屋外GPSハンドヘルドのような専用機があります。この機器はスマートフォンが濡れた・落とした・電池切れになったときのための別の手段であって、地図アプリの上位互換ではありません。画面は小さく、地図表示や機能そのものはスマートフォンのアプリより少なくなります。それでも、乾電池で動く単機能の機器を1つ持っておく意味は、アプリが落ちたあとの手段が残ることにあります。地図アプリの置き換えを探している人には向きません。

専用機を持つ場合も、紙地図は外さないでください。専用機も機械である以上、水没や破損では止まります。「電池で動くもの」と「電池が要らないもの」を1つずつ持つのが、備えとしては素直な組み方です。

まとめ:3点のうち、自分が一番使うものを軸に選ぶ

YAMAPとヤマレコの違いは、地図・記録・救助の3点に分けると見通せます。地図では、YAMAPが保存枚数をプランの区切りとして明示していて(無料は端末1枚まで、登録後半年は2枚/プレミアムは月間無制限・端末保存50枚)、ヤマレコは事前ダウンロードで圏外でも現在地を確認できると案内しています。記録では、YAMAPにGPXエクスポートの記載があり、取り込みはGPX形式のみ・10MBまでとされています。救助では、YAMAPが協定自治体へのオンライン提出、ヤマレコがコンパス経由の提出という別系統になっています。

この3つのうち、自分が一番使うものを1つ決めてください。3つとも比べようとすると決まりません。そして、どちらか片方に決めきれないなら、両方入れて役割を分けるのも成立します。無料で始められるので、決めきらないまま止まっているほうが損になります。

今日やることは1つ:行き先の都道府県の公式ページで、登山届のオンライン提出にどのサービスが使えるかを確認する。この1つで、3点のうちいちばん取り返しがつかない「救助」の軸が決まります。地図と記録は、あとから乗り換えても損失が小さい領域です。

  1. 次に行く山の都道府県の公式ページを開き、登山届のオンライン提出に使えるサービス(コンパス/YAMAPなど)を確認する
  2. 該当するアプリを入れ、その日のうちに家族への通知先を登録し、行き先の地図をWi-Fiでダウンロードする
  3. 出発前日に機内モードで地図が開くかを確かめ、紙地図と印刷した計画をザックに入れる

最後にもう一度。この記事に書いた条件はすべて2026年8月27日時点の公式表示にもとづくもので、プランも機能も上限も変わります。契約や出発の前に、YAMAPならプラン比較ページと公式ヘルプ、ヤマレコなら公式サイトと使い方ガイド、登山届はコンパスの公式サイトと行き先の自治体ページを、そのつど開いて確かめてください。

編集部の見立て:アプリは道迷いには効きますが、転倒と滑落には効きません。入れたことで行程を伸ばしたくなったら、そこが分かれ目です。増えた道具のぶんは、余裕として残すほうに使ってください。

よくある質問

Q. YAMAPとヤマレコ、どちらか片方だけを選ぶべきですか

片方に絞らなければならない理由は特にありません。どちらも無料で使い始められるので、両方入れて役割を分けるという使い方も成り立ちます。ただし、GPSのログを2つのアプリで同時に取ると電池の消費が増えるので、行動中に軌跡を取るのは片方だけにして、もう片方は登山届の提出と地図の予備に回す、という分け方が現実的です。3か月ほど使ってから片方を消す、という決め方でも遅くありません。

Q. 無料のままでも山で使えますか

2026年8月27日時点の公式表示で見るかぎり、どちらも無料で山に持っていける状態にはなります。ヤマレコは公式サイトで、無料でも大半の機能を使えると案内しています。YAMAPは無料会員が端末に保存できる地図を1枚まで(登録後半年は2枚)としているので、行き先を頻繁に変える人はここで上限に当たります。プランの中身は改定されるため、契約の前には必ず公式のプラン比較ページや使い方ガイドで最新の表示を確認してください。

Q. 圏外でも現在地は分かりますか

事前に地図をダウンロードしてあれば分かります。ヤマレコは、地図・ルート・地名をあらかじめダウンロードしておけば圏外でもGPSで現在地を確認できると案内しています。位置の測定と通信は別の仕組みなので、機内モードにしても現在地は表示されます。ただし、ダウンロードしていない範囲の地図は圏外では出ません。家のWi-Fiで落としておき、前日に機内モードで開いて表示されるかを確かめておいてください。

Q. 歩いた記録を他のアプリへ移せますか

YAMAPについては、活動日記の軌跡をGPX形式でエクスポートできることが公式ヘルプに記載されています(2026年8月27日時点)。ただし、その操作がパソコン(Webサイト)だけなのかアプリからもできるのかは、同じ公式ページ内で説明が揃っておらず、この記事では確定できていません。手順は公式ヘルプに載っているので、自分が使っている環境でできるかを公式ページで確認してください。ヤマレコ側の外部ファイルの取り込み条件も、公式アプリ内の案内で確認してください。

Q. アプリで登山届を出せば、それだけで大丈夫ですか

それだけでは足りません。石川県は、白山のオンライン登山届としてコンパスとYAMAPを案内したうえで、アプリを使う場合でも圏外や電池切れに備えて計画を家族・友人に共有するよう注意を促しています。滋賀県警が公表している令和7年の県内山岳遭難77件のうち、登山届が出ていたのは20件でした。アプリを入れることと、計画を作って提出することは別の作業です。提出まで済ませたうえで、紙の計画と紙地図を持つところまでを1組にしてください。

Q. どちらのアプリが遭難時に救助されやすいですか

どちらが救助されやすいかを比べられる一次情報は確認できていません。分かっているのは、YAMAPが協定を結んだ自治体へのオンライン提出、ヤマレコがコンパス経由の提出という別々の経路を持っていて、滋賀県警・広島県警・石川県などが協定や活用について案内を公表しているということです。どの情報がどの条件で共有されるかという技術的な詳細までは公表資料から確定できないため、この記事では踏み込んでいません。行き先の都道府県がどちらの系統に対応しているかを、その県の公式ページで確認するのが実際的です。

出典

  • YAMAP「YAMAPプレミアム」プラン比較 https://yamap.com/premium (2026年8月27日確認)
  • YAMAPヘルプ「活動日記の軌跡をGPXでエクスポートする」 https://help.yamap.com/hc/ja/articles/900000916666 (2026年8月27日確認)
  • YAMAPヘルプ「GPXファイルの取り込みについて」 https://help.yamap.com/hc/ja/articles/27000104704025 (2026年8月27日確認)
  • YAMAPヘルプ「登山計画の提出について」 https://help.yamap.com/hc/ja/articles/900000957343 (2026年8月27日確認)
  • YAMAP公式ブログ(登山届オンライン提出の協定に関する2026年7月31日付の案内) https://info.yamap.com/ (2026年8月27日確認)
  • ヤマレコ公式 https://www.yamareco.com/ (2026年8月27日確認)
  • ヤマレコ(アプリ案内) https://app.yamare.co/ (2026年8月27日確認)
  • ヤマレコ App Store 掲載ページ https://apps.apple.com/jp/app/id1121091790 (2026年8月27日確認)
  • 登山届プラットフォーム「コンパス」 https://www.mt-compass.com/ (2026年8月27日確認)
  • 警察庁「令和7年における山岳遭難の概況等」 https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/r07_sangakusounan_gaikyou.pdf (2026年8月27日確認)
  • 滋賀県警察「登山届について」 https://www.pref.shiga.lg.jp/police/seikatu/chiiki/104765.html (2026年8月27日確認)
  • 石川県「白山の登山届(火山関係)」 https://www.pref.ishikawa.lg.jp/bousai/bousai_g/hakusan_kazan/jorei.html (2026年8月27日確認)
  • 広島県警察「登山計画書の提出」 https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/police/tozankeikaku.html (2026年8月27日確認)

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