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「高原山に登ろう」と地図を開くと、まず戸惑うのが「高原山」という名前の山頂が見当たらないことです。栃木県の矢板市・塩谷町・那須塩原市にまたがる高原山は、釈迦ヶ岳・鶏頂山・御岳山・西平岳などを含む山塊全体の呼び名で、最高峰は釈迦ヶ岳の1,795mです(国土地理院、2026年9月26日確認時点)。この記事で扱うのは、この栃木県の高原山です。
山塊なので、登山口も一つではありません。八方ヶ原の大間々台、小間々、日塩もみじライン側の鶏頂山登山口、山の駅たかはらのある学校平。どこから入るかで、使う道路も、冬に閉まる道も、目指しやすい峰も変わります。検索上位の紹介ページは一つの登山口・一つのコースを説明するものが多く、「自分はどこから入ればいいのか」を決める材料は意外と揃っていません。
2026年9月26日時点で確認できた「今日の状態」を先に書いておきます。大間々台へ上がる八方ヶ原線車道(入口ゲート〜大間々駐車場)は、2026年4月22日16時に通行止めが全線解除されています(栃木県)。学校平から塩原へ抜ける主要地方道塩原矢板線は例年12月上旬〜3月下旬に冬期通行止めになる区間で、今年度の開始日時は未確認です。高原山は気象庁の活火山総覧に載る活火山ですが、常時観測火山ではなく、噴火警戒レベルの運用対象ではありません。クマは2026年5月30日に矢板市の小間々台駐車場付近で目撃があり、市が注意を呼びかけています。
この記事は、峰の名前の整理から始めて、登山口ごとの道路・駐車・時間の目安、冬期閉鎖、火山、クマ、紅葉の時期まで、出発前に自分で確かめる先を順番に並べます。数字は公表元を添え、公表されていないものは「確認できていない」と書き分けています。
- 「高原山」は山頂名ではなく山塊の総称で、最高峰は釈迦ヶ岳1,795m(三角点名は「高原山」)であること
- 登山アプリには標高754mの別の「高原山」のページもあり、峰名と標高をセットで確かめないと取り違えること
- 大間々台・小間々・鶏頂山登山口・学校平で、使う道路と目指しやすい峰がどう違うか
- 公式のコースタイムは確認できず、時間の目安は山と溪谷オンラインのモデルコース(周回は歩行8時間35分)を出所つきで使うしかないこと
- 八方ヶ原線車道は2026年4月22日に解除済み、塩原矢板線は例年12月上旬〜3月下旬に閉まる区間であること
- 高原山は活火山だが噴火警戒レベルの運用対象外で、「レベル1だから安全」という読み方自体が当てはまらないこと
- 2026年5月の小間々台付近のクマ目撃を例に、出発前に見るべき県と市の確認先
高原山は山頂の名前ではない|釈迦ヶ岳・鶏頂山を含む山塊の総称
国土地理院は、高原山を単独のピークではなく、釈迦ヶ岳・鶏頂山・御岳山・西平岳などの総称として扱っています(国土地理院、2026年9月26日確認時点)。「富士山」や「筑波山」のように、名前を聞けば一つの頂上が浮かぶ山とは性格が違います。山塊の中にいくつもの峰があり、それぞれに登山道が付いている、という構造です。
この構造を知らずに計画を立てると、よく起きるのが「登山口と目標の峰がかみ合っていない」という状態です。たとえば八方ヶ原の大間々台から歩き始めると、道は釈迦ヶ岳の方向へ延びていきます。一方、日塩もみじライン側の鶏頂山登山口から入れば、先にあるのは鶏頂山です。同じ「高原山に登った」でも、立った頂上が違えば、歩いた時間も標高差もまったく別の話になります。
山と溪谷オンラインの山の紹介ページにも「4つの登山コースがある」と書かれています(2026年9月26日確認時点)。つまり「高原山のコースタイムは何時間か」という問いには、そのままでは答えがありません。先に決めるべきなのは「どの峰に立つか」で、コースと時間はそのあとに決まります。
峰ごとの標高については、この記事では釈迦ヶ岳以外の値を書きません。鶏頂山・西平岳・剣ヶ峰・御岳山の標高を国土地理院の原典で照合しきれていないためです。地形図で自分の目標の峰を探し、標高をその場で読むのが確実です。
計画の順番:①目指す峰を決める(最高峰の釈迦ヶ岳か、鶏頂山か)→②その峰に向かう登山口を選ぶ→③その登山口へ行く道路の今日の状態を確かめる→④時間の目安を自分のペースに直す。高原山では①を飛ばすと、残りの手順がすべて別の山の話になってしまいます。
もう一つ気をつけたいのが、山塊の広さです。矢板市・塩谷町・那須塩原市の3市町にまたがるため、自治体の情報も一か所にまとまっていません。クマの目撃情報は矢板市、道路の通行止めは栃木県の土木事務所、登山届は栃木県警察、というように、確かめる先がばらけます。この記事の後半で、確認先を項目ごとに整理しています。
編集部の見立て:高原山の情報で一番混乱しやすいのは、書き手ごとに「高原山」が指す範囲が違うことです。あるページは釈迦ヶ岳だけを、別のページは鶏頂山を、また別のページは八方ヶ原の遊歩道一帯を「高原山」と呼んでいます。読む側は、見出しより先に「このページは、どの峰の話か」を探すくらいでちょうどいいと考えています。
最高峰・釈迦ヶ岳1,795m|別の754m「高原山」と取り違えない
高原山の最高峰は釈迦ヶ岳で、標高は1,795mです。ここに置かれた三角点の名前が「高原山」になっています(国土地理院、2026年9月26日確認時点)。山塊の総称と三角点名が同じ「高原山」なので、地形図で三角点を探すと「高原山」の文字が釈迦ヶ岳の山頂に出てくる、という少しややこしい関係です。
混乱のもとはもう一つあります。登山アプリのYAMAPには、釈迦ヶ岳(高原山)1,795mのページとは別に、標高754mの「高原山」という別地点のページがあります(2026年9月26日確認時点)。検索で最初に出てきたページが754mのほうだと、標高も場所も、登山口もまったく違う情報を読んでしまうことになります。
アプリや地図サイトで「高原山」と検索したら、ページに表示されている標高が1,795mかを必ず見てください。754mのページは、この記事で扱う釈迦ヶ岳とは関係のない別の地点です。ルートを保存したり、登山計画を登録したりする前に、峰名と標高の両方が一致しているかを確かめます。
標高1,795mという数字は、関東の日帰り登山としては高いほうに入ります。ただし高原山の場合、登山口そのものが高い位置にあるため、山頂との標高差は数字ほど大きくないのでは、と考える人もいるでしょう。この点は登山口ごとに違い、公式の標高差は公表されていません。後の章で扱う山と溪谷オンラインのモデルコースでは、小間々を起点に釈迦ヶ岳と鶏頂山をめぐる周回で累積標高差が上り1,371m・下り1,371mと書かれています(2026年9月26日確認時点)。
この1,371mは「山頂と登山口の高さの差」ではなく、途中のアップダウンをすべて足した「累積」の値です。周回で二つの峰に立つため、いったん下ってまた登り返す区間が含まれます。山頂の標高だけを見て行程の重さを判断すると、実際に脚を使う量を小さく見積もります。
下の表は、この記事で扱う基本データを出典ごとにまとめたものです。
| 項目 | 値・状態 | 出典(2026年9月26日確認) |
|---|---|---|
| 高原山の位置づけ | 単独の山頂名ではなく山塊の総称。最高峰は釈迦ヶ岳 | 国土地理院 |
| 釈迦ヶ岳の標高 | 1,795m(三角点名「高原山」) | 国土地理院 |
| 火山としての扱い | 活火山総覧No.40に掲載。常時観測火山ではなく、噴火警戒レベルの運用対象外 | 気象庁 |
| 別地点の「高原山」 | YAMAPに標高754mの別ページあり。本記事とは無関係 | YAMAP |


編集部の判断:この記事では、タイトルでも本文でも「高原山1,795m」とは書かず、「釈迦ヶ岳1,795m」と峰名を付けて書くことにしました。三角点名が「高原山」なので間違いではないのですが、山塊全体が1,795mであるかのように読めてしまいます。峰名と標高をセットで書く習慣は、読む側にも持っておいてほしいところです。
登山口は大間々台・小間々・鶏頂山登山口・学校平|目指す峰から決める
高原山の主な登山口として、この記事では大間々台(八方ヶ原)・小間々・鶏頂山登山口・学校平(山の駅たかはら)の4か所を扱います。それぞれ、つながる道路と向かいやすい峰が違います。下の表は、その違いを「何を確かめればいいか」の形で並べたものです。駐車台数やトイレの有無は、公式の一次情報を確認できていないため表に入れていません。
| 登山口 | 向かいやすい峰 | 関係する道路 | 出発前に見る先 |
|---|---|---|---|
| 大間々台(八方ヶ原) | 釈迦ヶ岳(モデルコースでは大間々の先の登山口から山頂まで時刻差2時間50分) | 八方ヶ原線車道(入口ゲート〜大間々駐車場) | 栃木県の通行止め情報 |
| 小間々 | 大間々台を経て釈迦ヶ岳・鶏頂山の周回(モデルコースの起点) | 八方ヶ原の道路 | 矢板市のクマ出没情報(2026年5月に付近で目撃) |
| 鶏頂山登山口 | 鶏頂山(日塩もみじライン側。モデルコースは往復3時間45分) | 日塩もみじライン(無料) | 冬期の積雪・凍結の案内 |
| 学校平(山の駅たかはら) | 八方ヶ原方面の起点として使われる | 主要地方道塩原矢板線 | 冬期通行止め(例年12月上旬〜3月下旬)の今年度の日時 |
表の時間の値は、いずれも山と溪谷オンラインのモデルコースのものです(2026年9月26日確認時点)。公式に公表されたコースタイムではない点は、後の章で詳しく扱います。
選び方の軸は二つです。一つ目は目指す峰。最高峰の釈迦ヶ岳に立ちたいなら八方ヶ原側(大間々台・小間々)、鶏頂山を往復するなら日塩もみじライン側の鶏頂山登山口、というのが大まかな分かれ方です。二つ目は自宅からの道路。矢板方面から上がるのか、塩原・日光方面から入るのかで、使う道が変わります。冬が近づくほど、この二つ目の軸が重くなります。
行程の長さも比べておきます。モデルコースの周回は歩行8時間35分、鶏頂山の往復は3時間45分です。同じ「高原山」でも、登山口と目標の峰の組み合わせで、歩く時間は2倍以上違います。自分がいま無理なく歩ける時間の中に収まる組み合わせを選ぶのが先で、「最高峰だから」で選ぶのはそのあとです。行動時間と標高差から「いまの自分に合う山か」を見分ける手順は、標高差とコースタイムで「いま登れる山」を見分ける方法にまとめています。
足回りも登山口選びとセットで考えます。周回コースのように行動が8時間を超える日は、靴の防水性と、長時間歩いたあとの足の疲れ方が効いてきます。たとえばアディダスの「テレックス AX4 GORE-TEX」(HP7395)は、モデル名にGORE-TEXを冠したトレッキングシューズで、ミッドカットほどの足首の固定より、足さばきの軽さを取りたい人に向きます。鶏頂山の往復のように行動時間が短めの日や、日帰りの低山から高原山へ一段上げたい人の一足目の候補です。
靴を選ぶときの軸(足幅=ワイズ、ソールの寿命、足首までの高さ=カット)は、トレッキングシューズのワイズ・寿命・カットの比べ方で詳しく書いています。高原山の周回のような長い日を考えているなら、カットの章から読むと判断が早くなります。
編集部の見立て:高原山で「どの登山口がいいか」と聞かれたら、まず「どの峰に立ちたいか」と「何時間まで歩けるか」を聞き返すと思います。周回の8時間35分と鶏頂山往復の3時間45分は、同じ山の話とは思えないほど違います。登山口を先に決めてしまうと、この差に現地で気づくことになります。
大間々台・小間々・学校平へ|八方ヶ原線車道の開通と駐車場の確かめ方
釈迦ヶ岳を目指す人の多くが起点にするのが、八方ヶ原の大間々台です。ここへ車で上がる道が八方ヶ原線車道で、栃木県は2026年、入口ゲート〜大間々駐車場の通行止めを4月22日16時に全線解除したと発表しています(栃木県、2026年9月26日確認時点)。
「解除した」という発表があるということは、それまでの期間は通れなかった、ということでもあります。冬から春にかけて、この区間は大間々台まで車で上がれない時期がある、と考えておくのが安全です。今年度(2026年度)の冬に向けた通行止めの開始日は、この記事の確認時点では公表を確認できていません。秋が深まってから大間々台を起点にするなら、出発の前日と当日の朝に栃木県の通行止め情報を見るのが確実です。
八方ヶ原線車道の通行止めは「道路の管理者による通行止め」で、登山道そのものの閉鎖とは別の話です。道路が閉まっていれば、登山道が歩ける状態でも車で登山口に着けません。逆に、道路が開いていても登山道側に倒木や崩落がある場合もあります。道路と登山道は、別々の確認先で見てください。
大間々台の駐車場の台数は、登山情報サイトによって「約35台」「30台」と数字が分かれていて、どちらも二次情報で更新日も分かりません。この記事では具体的な台数を書かず、「複数台分の駐車スペースがある」という程度にとどめます。トイレについても、冬季は閉鎖されるという記載と、「故障中・使用禁止」という記載があり、いつ時点の状況なのかが特定できません。冬期は使えない場合があると考え、手前で済ませておくのが無難です。
駐車場の規模が読めないときの考え方は一つで、満車だった場合の次の手を先に決めておくことです。大間々台が埋まっていたら小間々から歩き始めるのか、その日は行き先を変えるのか。モデルコースでは小間々から大間々まで時刻差で40分なので、小間々に回ると往復でその分が行程に乗ります。路肩や路上に停めて歩き出すのは、道路の通行の妨げになるので選択肢に入れません。
- 前日:栃木県の通行止め情報で、八方ヶ原線車道(入口ゲート〜大間々駐車場)に規制が出ていないか
- 前日:栃木県の登山道・遊歩道情報に、八方ヶ原・高原山の周辺の歩道の通行止めが出ていないか
- 前日:矢板市のクマ出没情報に、八方ヶ原・小間々台付近の新しい目撃が載っていないか
- 当日朝:大間々台が満車だった場合に、小間々から歩くのか行き先を変えるのかを決めてあるか
- 当日朝:トイレを手前の施設で済ませたか(大間々台のトイレの現況は確認できていない)
栃木県の「登山道・遊歩道情報」のページには、2026年9月26日時点で塩原地域の複数の歩道の通行止め・迂回が載っています。ただし、それが高原山の登山道と同じ道なのかは、ページの記載からは判断できません。同じページに高原山の名前での通行止めは見当たりませんでしたが、これは規制が無いことの証明にはなりません。歩く道の名前と照らし合わせて読むのが確実です。
編集部の判断:大間々台の駐車台数を書かなかったのは、手抜きではなく、書ける根拠がなかったからです。30台と35台のどちらを書いても、読む人はその数字で「朝何時に着けば停められるか」を計算し始めます。根拠の弱い数字から逆に時刻を組み立てるより、満車だったときの次の手を決めておくほうが、当日の判断はずっと楽になります。
小間々・学校平(山の駅たかはら)から歩き始める場合
大間々台より手前から歩き始める選択肢が、小間々と学校平です。山と溪谷オンラインの周回モデルコースは、大間々台ではなく小間々を起点にしています(2026年9月26日確認時点)。時刻の記載は「小間々08:00→大間々08:40」で、小間々から大間々まで時刻の差で40分です。
小間々を起点にする利点は、周回の出発点と到着点を同じ場所にできることです。モデルコースは釈迦ヶ岳と鶏頂山をめぐり、大入道を経て小間々へ戻ってきます。大間々台に車を停めた場合、下山路によっては最後に車まで歩いて戻る区間が増えます。どちらを起点にするかは、歩く道の順番と、最後に何分歩けるかで決まります。
その小間々台駐車場の付近では、2026年5月30日にクマの目撃があり、矢板市が近づかないよう注意を呼びかけています(矢板市、2026年9月26日確認時点)。その後の規制の有無はこの記事では確認できていません。「規制なし」と読まず、出発前に矢板市と栃木県の最新の発表を見てください。クマの確認手順は後の章でまとめています。
クマの目撃があった場所を起点に選ぶこと自体は、禁止されていない限り自分の判断です。ただ、早朝や夕方の薄暗い時間に駐車場と登山道を行き来する計画は、見直す余地があります。モデルコースの時刻どおりに歩いても、小間々への戻りは16時35分です。秋はこの時間帯に日が傾きます。
学校平には「山の駅たかはら」があります。学校平は、主要地方道塩原矢板線の冬期通行止め区間の起点として栃木県が示している地点でもあり、区間は「矢板市下伊佐野(学校平・山の駅たかはら前)〜那須塩原市塩原」とされています(栃木県、2026年9月26日確認時点)。つまり学校平より塩原側は、冬になると車で抜けられなくなります。
山の駅たかはらの駐車場の台数や、施設の営業時間は、この記事では書きません。Web検索の要約に台数が出てきましたが、施設の公式サイトの原文を開いて確認できていないためです。駐車場の案内は山の駅たかはらの公式サイトに載っているので、使う前に原文を見てください。施設の駐車場を登山の車に使ってよいかどうかも、公式の案内に従うのが前提です。
起点を下げると、そのぶん行程が伸びます。小間々起点なら大間々までの往復分、学校平起点ならさらに長くなります。地図の上では数百メートルの違いに見えても、帰りの最後にそれを歩くのは疲れた脚です。起点を下げる判断をしたら、下山の予定時刻もそれに合わせて前にずらします。
時間の目安は山と溪谷オンラインのモデルコースで読む|周回は歩行8時間35分
高原山のコースタイムを、矢板市・塩谷町・栃木県のいずれかが公表している資料は、この記事の確認時点では見つかっていません。栃木県には「山のグレーディング」の資料がありますが、内容を本文まで確認できていないため、ここでは使いません。そこで時間の目安として、出版社である山と溪谷社の「山と溪谷オンライン」に掲載されたモデルコースの値を、出所を明記して使います。公式値ではありません。
周回のモデルコースは「展望の山 高原山最高峰の釈迦ヶ岳と鶏頂山をめぐる 日帰り」で、歩行8時間35分・約15.287km・累積標高差 上り1,371m 下り1,371m・コース定数35と書かれています(山と溪谷オンライン、2026年9月26日確認時点)。歩行時間は「山の初心者が無理なく歩ける時間を想定・休憩を含まない」とページにあります。
| 区間(ページの地点名) | 時刻 | 前の地点との時刻差(編集部が計算) |
|---|---|---|
| 小間々 | 08:00 | 出発 |
| 大間々 | 08:40 | 40分 |
| 登山口 | 08:55 | 15分 |
| 八海山神社 | 09:45 | 50分 |
| 大入道分岐 | 10:15 | 30分 |
| 釈迦ヶ岳 | 11:45 | 1時間30分(登山口から山頂まで時刻差2時間50分) |
| 鶏頂山 | 12:45 | 明神岳分岐・分岐を経由 |
| 大入道分岐 | 14:45 | 分岐・明神岳分岐を経由 |
| 大入道 | 15:45 | 1時間 |
| 小間々 | 16:35 | 50分(到着) |
時刻の差から計算すると、大間々の先の登山口から釈迦ヶ岳まではモデルコースで2時間50分です。ここで注意したいのは、このページは周回コースなので、釈迦ヶ岳から大間々台へ同じ道を戻る下りの時間は載っていないことです。「登り2時間50分だから往復は◯時間」と自分で総計を作ると、根拠のない数字になります。往復を考えるなら、下りの時間を別の地図で確かめてください。
コース定数35という値は、行程の体力的な重さを表す指標としてページに示されているものです。鶏頂山を日塩もみじライン側から往復するモデルコースはコース定数15なので、周回はその倍以上の重さということになります。
モデルコースの時刻は「休憩を含まない」歩行時間です。昼食や写真、トイレの時間を足すと、到着は16時35分より後ろにずれます。秋の高原山で周回を選ぶなら、休憩込みの到着時刻が日没よりどれだけ前かを先に確かめる必要があります。日没の時刻は月ごとに早まります。出発前に、国立天文台の「こよみ」で当日の日没時刻を見ておきます。
地図や解説ページの時間を、自分の歩く速さに直す方法は登山のコースタイムの読み方(地図の数字を自分の時間に直す方法)で扱っています。秋の日没が何時ごろまで早まるか、そこから引き返し時刻をどう決めるかは秋の日没の月別早見表と引き返し時刻の決め方が参考になります。
長い行程では、午後に天気が変わる時間帯を山の上で迎えることになります。ザ・ノース・フェイスの「クライムライトジャケット」(NP12301)は、商品名に「ゴアテックス 防水透湿 軽量」とあるレインジャケットで、ザックの中に入れておく時間が長い人、雨具の重さを抑えたい人に向きます。
編集部の判断:モデルコースの時刻表から「往復何時間」を作りたくなる気持ちは分かります。ただ、周回のページに往復の下りは書かれていません。書かれていない数字を足し算で作ると、それが公式値のように独り歩きします。このサイトでは、作れない数字は作らず、「登りの時刻差は2時間50分」までで止めることにしました。
釈迦ヶ岳を往復する日の靴・ザック・雨具を5点で比べる
高原山の登山道は、八方ヶ原のなだらかな遊歩道から離れると、岩や木の根の出た道になります。釈迦ヶ岳1,795mへの往復や周回では、濡れた根や岩で足を取られないこと、稜線に出たときの風と冷え、秋の雨への備えが、道具の役割になります。選ぶときの基準を先に並べます。
基準は四つです。一つ目は靴の足首の高さ(カット)で、長い下りで足首をどこまで支えたいか。二つ目は足幅(ワイズ)で、長時間歩いても指先や小指が当たらないか。三つ目はザックの容量で、秋の防寒着と雨具を上下とも入れて、なお余裕があるか。四つ目は雨具の防水透湿の仕様で、登りで汗をかいても中が濡れにくいか。価格より先に、この四つで自分の条件に合うものを絞るのが近道です。
| 商品(型番) | 商品名にある仕様 | 向く人 |
|---|---|---|
| アディダス テレックス スカイチェイサー AX5 ミッド GORE-TEX(NMQ36) | ミッドカット・GORE-TEX・ユニセックス | 周回の長い下りで足首の支えがほしい人 |
| キャラバン C1_02S(10106) | 足幅3E表記 | 幅広の足で、長時間歩くと小指が当たる人 |
| ミレー プロライター 38+10(MIS2271) | 容量38+10 | 防寒着を増やす晩秋に、容量を伸ばしたい人 |
| ミレー サースフェー NX 40+5(MIS0754) | 容量40+5 | 日帰りでも荷物が多めで、40L台を基準にしたい人 |
| ザ・ノース・フェイス マウンテンレインテックスジャケット | ゴアテックス・防水透湿 | 秋の稜線の雨と風を1枚でしのぎたい人 |
靴は「今日買って今日の本番」に使わないでください。新しい靴は、足の当たりが出る場所が履いてみるまで分かりません。周回のように歩行8時間を超える行程で初めて履くと、後半に靴擦れが出たときの逃げ場がありません。近くの低山で一度歩いてから高原山に持っていく、という順番を守ります。
アディダスの「テレックス スカイチェイサー AX5 ミッド GORE-TEX」(NMQ36)は、商品名のとおりミッドカットでGORE-TEXを使ったユニセックスのトレッキングシューズです。周回の後半、大入道から小間々へ下る区間のように、疲れた脚で長く下る場面で足首を支えたい人に向きます。
キャラバンの「C1_02S」は、商品名に足幅3Eの表記があるトレッキングシューズです。普段の靴で幅がきつく感じやすい人、長く歩くと小指側が痛くなる人が最初に試す候補になります。
ミレーの「プロライター 38+10」は、38Lに10Lを足せる容量表記のザックです。9月は軽装、11月は防寒着が増える、というように季節で荷物の量が変わる人が、1つのザックで通したいときに向きます。
ミレーの「サースフェー NX 40+5」は、40Lに5Lを足せる容量表記です。日帰りでも行動食や水、上下の雨具、防寒着を余裕をもって入れたい人、荷物を詰め込むより整理して入れたい人に向きます。
ザ・ノース・フェイスの「マウンテンレインテックスジャケット」は、商品名に「ゴアテックス 防水透湿」とあるレインジャケットです。稜線で雨と風に同時に当たる場面で、1枚でしのげる雨具を持ちたい人に向きます。先のクライムライトジャケットと比べて、軽さより雨の日の着心地を優先したい人の候補です。
編集部の見立て:高原山で道具を考えるとき、一番差が出るのは靴だと考えています。周回の8時間35分は、歩き始めの1時間より、最後の1時間の足の状態で安全が決まります。靴選びで迷ったら、デザインより先に「長い下りで足首と指先がどうなるか」で選ぶのがいいと思います。
冬期閉鎖は道路ごとに違う|塩原矢板線と八方ヶ原線車道の確かめ方
高原山の登山口につながる道路は、冬になると閉まる区間があります。ここで大事なのは、どの道路の、どの区間が、どの主体の判断で閉まるのかを分けて読むことです。別の区間の規制を見て「高原山は冬は行けない」「まだ行ける」と結論すると、判断を間違えます。
主要地方道塩原矢板線は、栃木県が冬期通行止めの区間を示しています。区間は矢板市下伊佐野(学校平・山の駅たかはら前)〜那須塩原市塩原で、時期は毎年12月上旬〜3月下旬というのが例年のパターンです(栃木県、2026年9月26日確認時点)。個別の年度の開始・解除の日時は毎年変わります。
今年度(2026年12月からの冬)の具体的な開始日時は、この記事の確認時点では確認できていません。検索エンジンの要約には日付が出てくることがありますが、栃木県のページを直接開いたところ、掲載されていたのは古い年度の情報でした。検索結果の要約に出てきた日付は、県のページの原文で確かめるまで使わないのが安全です。出発直前に、栃木県のページか、矢板土木事務所保全部(0287-44-2538)で確認してください。
八方ヶ原線車道(入口ゲート〜大間々駐車場)は、前の章で書いたとおり2026年4月22日16時に通行止めが全線解除されています。冬に向けていつ閉まるかは、この記事の確認時点では公表を確認できていません。秋の終わりに大間々台を使う予定なら、塩原矢板線とは別に、この道路の情報も見る必要があります。
| 道路 | 区間 | 確認できたこと | 確認先 |
|---|---|---|---|
| 主要地方道塩原矢板線 | 矢板市下伊佐野(学校平・山の駅たかはら前)〜那須塩原市塩原 | 例年12月上旬〜3月下旬に冬期通行止め。今年度の日時は未確認 | 栃木県のページ/矢板土木事務所保全部 |
| 八方ヶ原線車道 | 入口ゲート〜大間々駐車場 | 2026年4月22日16時に全線解除。冬の開始日は未確認 | 栃木県の通行止め情報 |
| 日塩もみじライン | 鶏頂山登山口側 | 通行は無料。冬期は積雪・凍結のおそれがある区間として案内 | 道路・観光の最新情報 |
もう一つ、閉鎖の前の時期にも注意が要ります。通行止めが始まる前でも、標高の高い道路は朝晩に路面が凍ることがあります。11月の早朝に上がる場合は、閉鎖されていないことと、路面が安全であることを別々に考えます。冬用タイヤの要否も、出発前に判断しておきます。
11〜12月に閉まる登山口への道と、その調べ方は登山口の冬季通行止め(11〜12月に閉まる道と、自分で調べる手順)にまとめています。高原山のように、道路ごとに管理者も時期も違う山で役に立つ手順です。
閉鎖が近い時期は、山の上の雨がみぞれに変わることもあります。下半身の濡れは体温を奪うので、雨具は上だけでなく下も持ちます。ザ・ノース・フェイスの「クライムライトジップパンツ」(レディース・NPW62304)は、クライムライトジャケットと同じシリーズ名のレディースのレインパンツで、上下の雨具をそろえたい女性に向きます。防水の仕様の詳細は、商品ページの記載で確かめてください。
編集部の判断:冬期閉鎖の日付を書かなかったのは、書ける日付が検索エンジンの要約にしかなかったからです。県のページを開くと別の年度の情報が出てきた、という食い違いがありました。道路の閉鎖日は、1日ずれるだけで「行けたはずの日」と「行けない日」が入れ替わります。ここは記事を読むより、出発直前に県のページを見るほうが確実です。
日塩もみじラインは無料|鶏頂山側から入る日の道路と冷え
鶏頂山登山口側から入るときに使うのが日塩もみじラインです。かつては有料道路でしたが、栃木県の発表では2020年12月11日から、もみじライン・龍王峡ラインとも無料開放されています(料金徴収期間の満了による。栃木県、2026年9月26日確認時点)。通行料金の心配は要りません。
山と溪谷オンラインの山の紹介ページには、鶏頂山について「日塩もみじライン側の鶏頂山北麓のスキー場方面より登るのが一般的」「山頂まで2時間30分ほど」とあります(2026年9月26日確認時点)。この紹介文は2023年8月の改定で、原典は1998年刊『日本の山1000』とページに書かれています。同じサイトのモデルコースでは、鶏頂山の往復が3時間45分・コース定数15です。
紹介文の「登り2時間30分ほど」とモデルコースの「往復3時間45分」は、同じサイトの別々の記載で、前提や改定時期が同じとは限りません。二つの数字を組み合わせて「下りは1時間15分」と読むのは避けます。計画には、行程が明示されているモデルコースの往復3時間45分を使い、休憩の時間を足して考えるのが素直です。
「スキー場方面より登る」という記載は、スキー場の駐車場を登山者が使ってよいという意味ではありません。スキー場や周辺施設の駐車場を登山の車に使えるかどうかは、この記事では公式の記載を確認できていません。施設の案内に従い、路肩に停めて歩き出すことはしないでください。
冬期の日塩もみじラインは、観光協会の案内で積雪・路面凍結のおそれがある区間とされています。道路管理者による具体的な閉鎖日程は、この記事の確認時点では公式の発表を確認できていません。無料で通れることと、冬に安全に通れることは別の話です。晩秋以降は冬用タイヤの要否と、最新の道路情報を確かめてから出かけます。
道路の冷えは、そのまま山の上の冷えでもあります。釈迦ヶ岳1,795mや鶏頂山の稜線は、秋の朝晩には平地よりはっきり冷え込みます。歩いているあいだは暑くても、山頂で休んだとたんに汗が冷える、という体の変化が起きやすい季節です。行動中に着たまま温度を調節できる中間着があると、脱ぎ着の回数が減ります。
モンベルの「クリマプラス ニットパーカ」(1106589)は、フリース素材のパーカで、山頂や休憩での冷え対策に1枚足したい人、フードで首まわりまで覆いたい人に向きます。9〜12月のどの時期にどの厚さのフリースを選ぶかは、登山用フリースの厚さを9〜12月の実気温から決める方法で比べています。
編集部の見立て:鶏頂山の往復は、周回に比べると時間の面では気持ちに余裕があります。そのぶん、防寒着を「今日は短いからいいか」と置いていきたくなるのが落とし穴だと考えています。歩行時間が短くても、立っている場所の標高は変わりません。短い日ほど、休憩で冷える分を先に見込んでおくのがいいと思います。
高原山は活火山|ただし噴火警戒レベルの運用対象ではない
高原山は、気象庁の活火山総覧にNo.40として掲載されている活火山です(気象庁、2026年9月26日確認時点)。一方で、気象庁が常時観測している火山(常時観測火山)の一覧には、高原山の記載がありません。つまり高原山は、活火山ではあるものの、噴火警戒レベルの運用対象外です。
この整理は矛盾ではありません。気象庁が「活火山」として総覧に載せている火山と、24時間体制で観測して噴火警戒レベルを出している火山とは、範囲が違います。高原山は前者に入り、後者には入っていない、という位置づけです。
高原山について「噴火警戒レベル1だから安全」と書かれた情報を見かけたら、読み方を改めてください。高原山は噴火警戒レベルの運用対象ではないため、「レベル1」という状態自体がありません。レベルの数字が出ていないことを、「安全が確認された」と読み替えることもできません。
では登山者は何を見ればいいのか。噴火警戒レベルの運用がない火山でも、気象庁は火山に関する情報を出すことがあります。出発前に気象庁の火山のページで、高原山について新しい情報が出ていないかを確認する、というのが現実的な手順です。見るのは「レベルの数字」ではなく「高原山について何か発表が出ているか」です。
火山のリスクを必要以上に大きく見る必要はありませんが、無いものとして扱うのも正確ではありません。気象庁の分類どおりに「活火山だが、常時観測火山ではない」と理解しておけば、情報の見方を間違えずに済みます。山と溪谷オンラインや登山アプリのページには火山の扱いが書かれていないことも多いので、ここは気象庁の原典で確かめるのが確実です。
火山の見方:高原山=気象庁の活火山総覧No.40に掲載/常時観測火山の一覧には無し→噴火警戒レベルの運用対象外。出発前は、気象庁の火山のページで高原山についての新しい発表の有無だけを確かめる。
火山の話は、登山口選びや道路の話と比べると、登山者の判断で変えられる部分が小さい項目です。だからこそ、読み方を一度正しく覚えてしまえば、あとは出発前に一度ページを見るだけで済みます。道路や駐車場のように毎回悩む必要はありません。
編集部の判断:高原山を「火山の山」として紹介するのは、少し大げさに感じる人もいると思います。それでもこの章を独立させたのは、ほかの火山の山と同じ感覚で「レベルはいくつか」を探してしまうと、見つからないことに戸惑うからです。探しても出てこないのが正しい状態だと知っておくだけで、出発前の確認は落ち着いてできます。
クマ出没情報の確かめ方|2026年5月の小間々台付近の目撃を例に
矢板市は、2026年5月30日に小間々台駐車場付近でクマが目撃されたとして、近づかないよう注意を呼びかけています(矢板市、2026年9月26日確認時点)。小間々は、山と溪谷オンラインの周回モデルコースの起点でもあります。高原山に登る人にとって、クマの情報は「どこか遠くの話」ではありません。
ただし、この目撃のあとに入山規制がかかったのか、いまも注意が続いているのかは、この記事では確認できていません。栃木県のクマ出没状況のデータ本文も、この記事の確認時点では確かめられていません。「規制が出ていない」とも「危険だ」とも決めつけず、出発前に最新の発表を自分で見るのが正しい順番です。
- 矢板市のクマ出没情報のページを開き、八方ヶ原・小間々台・大間々台など、使う登山口の近くで新しい目撃がないかを確かめる
- 栃木県のクマに関するページ(「クマによる人身事故に御注意ください!」と、同じページの「クマ出没状況」)で、県全体の出没の傾向と注意の呼びかけを確かめる
- 登山口の近くで新しい目撃があったら、その日の行き先を変えるか、人の多い時間帯・道に計画を寄せるかをその場で決める
山塊が3市町にまたがるため、鶏頂山側から入る場合は塩谷町や那須塩原市の情報も対象になります。登山口がどの自治体にあるかを地図で確かめ、その自治体の情報を見ます。矢板市の情報だけで山塊全体を判断しないことが、この山の確かめ方の要点です。
都道府県ごとの公式の出没マップの探し方と、出発前・登山口・行動中の3段階の確認手順は登山前のクマ出没情報の調べ方(都道府県公式マップと3段階の確認手順)にまとめています。高原山のように自治体をまたぐ山では、県の情報と市町の情報を両方見る手順が役に立ちます。
行動中の備えとしては、音の出るものを身につける、見通しの悪い場所では声を出す、薄暗い時間帯に歩く時間を減らす、といった基本があります。いずれも「クマに出会わないための工夫」で、出会ったときの対処とは別です。出会わない工夫を積み重ねるほうが、あとの判断は楽になります。
ゴミや食べ残しを山に残すと、クマを人のいる場所へ引き寄せる原因になります。行動食の包み紙まで持ち帰るのは、次にその道を歩く人のためでもあります。とくに駐車場まわりは人が集まる場所なので、車の外に食べ物を置いたままにしないでください。
編集部の見立て:クマの話は、書き方を間違えると「怖いから行かない」か「気にしすぎ」の両極端になりがちです。高原山の場合、確かな事実は「2026年5月に、登山口の駐車場の近くで目撃があった」ということだけです。それ以上でもそれ以下でもない事実として受け止めて、出発前に最新の発表を見る。この一手間が、一番確実な備えだと考えています。
紅葉とレンゲツツジの時期は公式に確認できない|自分で確かめる方法
八方ヶ原はレンゲツツジや紅葉の名所として知られていますが、例年の見頃の時期を示した公式の原典は、この記事の確認時点では確認できていません。矢板市の公式サイトで探しましたが、紅葉の例年の見頃を載せたページ、レンゲツツジの開花期間を示したページには行き当たりませんでした。
そのため、この記事では「八方ヶ原の紅葉は◯月◯旬」という時期を書きません。ブログや口コミには時期が書かれていることがありますが、年によって前後し、どの年の話かが書かれていないことも多いからです。見頃の時期は、矢板市の最新の観光情報で、その年の状況を確かめるのが確実です。
紅葉の時期を自分で読むときの手がかりは、標高です。紅葉は標高の高いところから始まり、低いところへ下りてきます。釈迦ヶ岳1,795mの山頂付近と、八方ヶ原の登山口付近とでは、同じ日でも色づきの段階が違うことがあります。山頂付近の紅葉を見たいのか、登山口の周辺の紅葉を見たいのかで、狙う時期も変わります。
- 矢板市の観光情報に、その年の紅葉やレンゲツツジの状況が載っていないか
- 見たいのは山頂付近か、八方ヶ原の登山口付近か(標高で時期がずれる)
- 紅葉を見に行く時期が、道路の冬期閉鎖の時期と重なっていないか
- 見頃の週末は駐車場が混む前提で、満車だった場合の次の手を決めてあるか
関東で日帰りの紅葉登山の行き先を探し直すなら、関東の紅葉登山を標高から選ぶ方法(見頃の読み方と下山時刻の決め方)が参考になります。高原山の見頃の情報がつかめない年に、ほかの山と比べて行き先を決める材料になります。
紅葉の時期に歩くなら、朝の冷え込みと日中の汗の差にも備えます。肌に触れる1枚目(ベースレイヤー)が汗で濡れたままだと、山頂で止まったときに冷えます。スマートウールの「クラシックオールシーズンメリノベースレイヤー ロングスリーブ」(SW61030)は、メリノウールのベースレイヤーで、汗をかく登りと冷える休憩を行き来する秋の行程で、肌着から整えたい人に向きます。
編集部の判断:紅葉の時期を書かないのは、読む人にとって物足りないと分かっています。それでも、公式の原典が見つからない時期を「例年この頃」と書くと、その数字が次の記事、その次の記事へと写されていきます。ここは空欄のままにして、確かめる先を示すほうが、結果的に役に立つと判断しました。
登山届と当日の段取り|栃木県警の提出先と、確認の順番
栃木県警察は、登山届の提出先として登山口のポスト、警察本部・警察署などを案内し、登山計画を登録できるコンパスやYAMAPとの連携も案内しています(栃木県警察、2026年9月26日確認時点)。高原山のように登山口が複数ある山では、登山届に「どの登山口から入り、どの峰を経て、どこへ下りるか」を書くことが、万一のときの捜索範囲を絞る手がかりになります。
高原山の登山届で特に意識したいのは、峰名を正確に書くことです。「高原山」とだけ書くと、釈迦ヶ岳なのか鶏頂山なのか、周回なのか往復なのかが伝わりません。登山アプリで計画を登録するときも、754mの別の「高原山」を選んでいないかを確かめます。
ここまでの章で扱った確認先を、出発前の順番に並べ直すと次のようになります。前日にまとめて見ておけば、当日の朝は変化がないかを確かめるだけで済みます。
| いつ | 何を確かめるか | どこで |
|---|---|---|
| 計画時 | 目指す峰と登山口、行程の長さ(周回8時間35分か、鶏頂山往復3時間45分か) | 山と溪谷オンラインのモデルコース・地形図 |
| 前日 | 使う道路の通行止め(八方ヶ原線車道・塩原矢板線) | 栃木県の通行止め情報/矢板土木事務所保全部 |
| 前日 | クマの目撃情報、登山道・遊歩道の通行止め | 矢板市・栃木県のページ |
| 前日 | 火山についての新しい発表の有無 | 気象庁の火山のページ |
| 前日〜当日朝 | 登山届の提出(峰名・登山口・下山口まで書く) | 登山口ポスト・警察署・コンパス/YAMAP |
当日、登山口に着いてからは、予定どおりに歩けているかを節目ごとに確かめます。周回モデルコースの時刻では、大入道分岐10:15、釈迦ヶ岳11:45が一つの目安になります。自分の歩みがこの時刻から大きく遅れているなら、その場で周回をやめて同じ道を戻る判断を考えるのが、秋の短い日の中では現実的です。
「ここまで来たから最後まで」は、長い周回で一番危ない考え方です。周回の後半には鶏頂山への往復と、大入道を経る長い下りが残っています。引き返す判断は、疲れ切ってからではなく、まだ余力がある地点でするほうが安全です。
編集部の見立て:登山届は「出すかどうか」より「何を書くか」で役に立ち方が変わると考えています。高原山では、峰名と登山口と下山口の三つが書かれていれば、万一のときに探す範囲がぐっと絞られます。逆に「高原山」とだけ書かれた届は、山塊のどこを探せばいいかを伝えられません。
高原山で起きやすい計画の取り違え|5つの型と、その防ぎ方
ここまでの内容を、計画の段階で起きやすい取り違えの形にまとめ直します。どれも高原山が「山塊の総称」であることと、情報がいくつもの自治体や管理者に分かれていることから生まれるものです。
一つ目は峰の取り違えです。釈迦ヶ岳を目指すつもりで、鶏頂山の登山口の情報を読んでしまう。あるいはその逆。防ぎ方は、読んでいるページの見出しではなく、本文に出てくる峰名と標高を確かめることです。
二つ目は地点の取り違えです。登山アプリで754mの別の「高原山」を選んでしまう。これは標高の数字を一度見れば防げます。
三つ目は時間の取り違えです。周回モデルコースの8時間35分と、鶏頂山往復の3時間45分を混同したり、周回のページから往復の時間を自分で組み立てたりする。モデルコースの数字は、そのコースの形のまま使い、形を変えるなら別の根拠を探すのが原則です。
取り違えを防ぐ一行:「峰名+標高」「登山口+道路」「コースの形+時間」をいつもセットで読む。高原山の情報は、このどれかが欠けた形で出回っていることが多いので、欠けている部分を自分で補ってから計画に入れます。
四つ目は道路の取り違えです。塩原矢板線の冬期閉鎖を見て、八方ヶ原線車道も同じ日に閉まると考える。あるいは、日塩もみじラインが無料だから冬も通れると考える。道路ごとに区間も管理も違うので、自分が使う道路の情報を個別に見ます。
五つ目は「情報が無い」ことの取り違えです。クマの規制が見つからない、紅葉の見頃が見つからない、噴火警戒レベルが見つからない。これらはどれも、「無いから安全」「無いから気にしなくていい」という意味ではありません。見つからない理由が「発表されていない」のか「自分が見つけられていない」のかを、確認先を変えて確かめます。
この5つの型は、高原山に限らず、複数の峰と登山口を持つ山塊に共通するものです。那須や日光の山のように、一つの山名が広い範囲を指す山では、同じ確かめ方がそのまま使えます。
よくある質問
Q. 高原山の山頂はどこですか?
A. 「高原山」という名前の単独の山頂はありません。高原山は釈迦ヶ岳・鶏頂山・御岳山・西平岳などを含む山塊の総称で、最高峰は釈迦ヶ岳1,795mです(国土地理院、2026年9月26日確認時点)。釈迦ヶ岳の山頂にある三角点の名前が「高原山」です。
Q. 大間々台から釈迦ヶ岳まで何時間かかりますか?
A. 公式のコースタイムは確認できていません。山と溪谷オンラインの周回モデルコースでは、大間々の先の登山口08:55から釈迦ヶ岳11:45まで、時刻の差で2時間50分です(休憩を含まない。2026年9月26日確認時点)。このページは周回なので、同じ道を戻る下りの時間は載っていません。
編集部の見立て:この質問に「往復◯時間」と答えられないのはもどかしいのですが、根拠のない数字を置くより、分かっている「登り2時間50分」と「下りは別の地図で確かめる」を並べたほうが、計画には役に立つと考えています。
Q. 高原山は噴火警戒レベルいくつですか?
A. 高原山は気象庁の活火山総覧に掲載されている活火山ですが、常時観測火山ではなく、噴火警戒レベルの運用対象ではありません(気象庁、2026年9月26日確認時点)。そのため「レベル◯」という状態はありません。出発前は、気象庁の火山のページで高原山についての新しい発表がないかを確かめます。
Q. 冬でも大間々台まで車で行けますか?
A. 八方ヶ原線車道(入口ゲート〜大間々駐車場)は、2026年は4月22日16時に通行止めが全線解除されました(栃木県)。解除の発表があるので、冬から春にかけては通れない期間があると考えられます。今年度の冬の開始日は確認できていないため、出発前に栃木県の通行止め情報を見てください。
Q. 高原山でクマは出ますか?
A. 2026年5月30日に、矢板市の小間々台駐車場付近でクマの目撃があり、市が注意を呼びかけています(矢板市、2026年9月26日確認時点)。その後の規制の有無はこの記事では確認できていません。出発前に矢板市と栃木県の最新の発表を見てください。
編集部の判断:クマについては「出るか・出ないか」より「最新の発表を見たか」を基準にしてほしいと考えています。目撃の情報は日々更新されるので、この記事に書いた5月の事例は、確かめ方の例として読んでもらうのがちょうどいいと思います。
まとめ:今日やることは1つ、「どの峰に立つか」を決めること
高原山は、名前だけでは行き先が決まらない山です。最高峰の釈迦ヶ岳1,795mに立つのか、日塩もみじライン側から鶏頂山を往復するのか。それが決まれば、登山口、使う道路、冬期閉鎖の確認先、時間の目安が、順番に決まっていきます。
時間の目安は、公式の公表が確認できないため、山と溪谷オンラインのモデルコース(周回は歩行8時間35分、鶏頂山往復は3時間45分)を出所つきで使います。道路は、八方ヶ原線車道が2026年4月22日に解除済み、塩原矢板線は例年12月上旬〜3月下旬に閉まる区間です。火山は噴火警戒レベルの運用対象外、クマは2026年5月に小間々台付近で目撃がありました。いずれも、記事の数字は確認日時点のもので、出発前に自分で原典を見ることが前提です。
編集部の見立て:高原山は、情報を整理するまでが一番大変な山だと考えています。整理さえできてしまえば、あとは一つひとつの確認先を見るだけです。この記事が、その整理の手間を少しでも減らせていればと思います。
- 地形図とこの記事の表を見て、目指す峰(釈迦ヶ岳か鶏頂山か)と登山口を1つずつ決める。アプリで登録するときは標高が1,795mの釈迦ヶ岳になっているかを確かめる
- 前日に、使う道路の通行止め(栃木県)、クマの目撃(矢板市・栃木県)、火山の発表(気象庁)を順に見る
- 登山届に峰名・登山口・下山口を書いて出し、モデルコースの時刻から大きく遅れたら引き返す地点を、出発前に1つ決めておく
編集部の判断:三つの手順のうち、もし一つだけやるなら一つ目です。行き先の峰が決まっていない計画は、ほかのどの確認をしても的が定まりません。まずは地図を開いて、立ちたい頂上に指を置くところから始めてみてください。
出典
- 国土地理院「日本の典型地形(火山)」 https://www.gsi.go.jp/kikaku/tenkei_kazan.html (2026年9月26日確認)
- 国土地理院「日本の主な山岳標高」 https://cyberjapandata.gsi.go.jp/3d/mountain/mountain.html (2026年9月26日確認)
- 気象庁「日本活火山総覧」 https://www.data.jma.go.jp/vois/data/filing/souran/souran_jma_hp.html (2026年9月26日確認)
- 気象庁「常時観測火山の観測データ」 https://www.data.jma.go.jp/vois/data/obs/kansoku/data_index.html (2026年9月26日確認)
- 栃木県「八方ヶ原線車道の通行止め解除」 https://www.pref.tochigi.lg.jp/d56/tuukoudome/documents/r8happougahara-kaitsu.pdf (2026年9月26日確認)
- 栃木県「冬期通行止め区間」 https://www.pref.tochigi.lg.jp/h56/toukituukoudomekukukan.html (2026年9月26日確認)
- 栃木県「日塩有料道路の無料開放」 https://www.pref.tochigi.lg.jp/h03/r021211_nitienyuryoudouro_free_open.html (2026年9月26日確認)
- 栃木県「登山道・遊歩道情報」 https://www.pref.tochigi.lg.jp/d53/information/mountaintrail.html (2026年9月26日確認)
- 栃木県「クマによる人身事故に御注意ください!」 https://www.pref.tochigi.lg.jp/d04/eco/shizenkankyou/shizen/kumahogokannri3.html (2026年9月26日確認)
- 栃木県警察「登山届」 https://www.pref.tochigi.lg.jp/keisatu/n15/info/tozan-chukounen.html (2026年9月26日確認)
- 矢板市「クマの出没情報」 https://www.city.yaita.tochigi.jp/soshiki/nougyosinkou/kumasyutubotu.html (2026年9月26日確認)
- 国立天文台「こよみの計算(2026年)」 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2026/dni09.html (2026年9月26日確認)
- 山と溪谷オンライン「展望の山 高原山最高峰の釈迦ヶ岳と鶏頂山をめぐる 日帰り」 https://www.yamakei-online.com/yamanavi/route_detail.php?id=11033 (2026年9月26日確認)
- 山と溪谷オンライン「鶏頂山」 https://www.yamakei-online.com/yamanavi/yama.php?yama_id=268 (2026年9月26日確認)
