

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。
由布岳は標高1,583m、「豊後富士」の別称をもつ大分県の山です(由布市公式、2026年9月13日確認時点)。由布市の公式登山マップでは、正面登山口から山頂までの平均所要時間を約2時間30分としています。数字だけを見ると日帰りで十分に手が届く山ですが、計画を立てるときに詰めておくべき点は、標高や所要時間とは別のところにあります。
1つめは帰りの足です。正面登山口には亀の井バスの「由布登山口」バス停があり、車がなくても登山口に立てます。そのかわり、下山の締切はバスの最終便が決めることになります。2026年3月14日現在の時刻表で、由布登山口を通る別府方面の最終は18:15、由布院方面の最終は平日18:57・土日祝18:56です。
2つめはマタエから先の区間です。東峰・西峰・お鉢巡りの区間には別府市が常設の注意書きを出していて、西峰には公式マップで「鎖場危険!」と示された難所があります。どの峰まで行くかを、登り始める前に決めておく必要があります。
この記事は、由布市の公式登山マップ(2023年11月版)、亀の井バスの公式時刻表、別府市・由布市・環境省・気象庁・大分県警の公開情報だけを使い、登山口の選び方から下山の締切、季節の行事までを1本にまとめたものです。数字はすべて2026年9月13日確認時点の値なので、出発前に各公式ページで最新の値を見に行く前提で読んでください。
- 正面登山口約2時間30分・西登山口約3時間・東登山口約2時間20分という公式の平均所要時間と、初回に正面登山口を選ぶ理由
- ゲート15分・合野越60分・マタエ80分という正面ルートの区間表示を足すと、マタエまで155分になり公式の平均と合わないこと
- 由布院駅前バスセンターから由布登山口まで約15分、始発で7:11に登山口に立てるという時刻表の読み方
- 別府方面の最終18:15・由布院方面の最終18:56(土日祝)から、東峰を何時までに発てばよいかを出した下山の締切表
- 正面登山口の駐車場が無料30台・有料70台(普通車以下500円)という規模を、到着時刻の判断に置き換える方法
- 西峰の「カニノヨコバイ」とお鉢巡り(約90分・経験者向き)を、マタエでどう選ぶか
- 2026年9月24日に予定されている火入れ(野焼き)と、遭難統計「由布・鶴見」48件が山系合算であることの読み方
由布岳はどんな山か|標高1,583m・「豊後富士」と呼ばれる東峰と西峰の山
由布岳の山頂部は、東峰と西峰の2つに分かれています。由布市の公式登山マップでは、正面登山口から登ってきた道が「マタエ」で東峰へ向かう道と西峰へ向かう道に分かれ、マタエから東峰まで10分、西峰まで20分と表示されています。遠くから見て2つの頂が並ぶ姿と、登山道がマタエで二股に分かれる構造は、同じことを別の角度から見ているにすぎません。
「山頂まで約2時間30分」と聞くと、どちらの峰に立つかは現地で決めればよいように思えます。ところが、公式マップに書き込まれている注意の中身は東峰と西峰で同じではありません。西峰側には「鎖場危険!」の表示があり、両峰を火口に沿ってつなぐお鉢まわりは「経験者向き」と明記されています。由布岳の計画は「山頂に行くかどうか」ではなく「マタエから先のどこまで行くか」で組むほうが実態に合っています。
| 項目 | 公式の記載 | 出典(2026年9月13日確認) |
|---|---|---|
| 標高 | 1,583m | 由布市 公式ページ |
| 別称 | 豊後富士 | 由布市 公式登山マップ |
| 登山口 | 正面登山口・西登山口・東登山口の3か所 | 由布市 公式登山マップ |
| 主な通過点 | 合野越(ごうやごえ)・マタエ・東峰・西峰 | 由布市 公式登山マップ |
| 国立公園 | 阿蘇くじゅう国立公園に含まれる | 環境省 |
| 火山の情報 | 噴火予報(活火山であることに留意)。「特段の警戒事項はありません」 | 気象庁 由布岳のページ |
表の最後の行は、見落とされやすいところです。由布岳は気象庁が火山としての活動状況を公表している山で、2026年9月13日確認時点の情報は「噴火予報(活火山であることに留意)」、そのうえで現在は「特段の警戒事項はありません」という内容でした。これは確認した日の状態を示すもので、この先も同じ状態が続くことを約束する情報ではありません。出発の前日か当日の朝に、気象庁の由布岳の火山活動のページを開いて、表示が変わっていないかを見ておくと安心です。
難しさの目安についても書いておきます。確認した範囲では、由布市や大分県の公式資料に、由布岳の技術度・体力度を段階で示した公式のグレーディングは見当たりませんでした。そこでこの記事では「初級」「上級者向け」といったランクを名乗らず、公式マップの区間時間と、鎖場や注意表示がどこにあるかだけで難しさを語ります。ランクで山を選ぶ人には物足りないかもしれませんが、由布岳の場合は、同じ日のうちでも「マタエで引き返す人」と「お鉢巡りをする人」で難しさがまるで違うため、ひとつのランクに押し込むほうがかえって判断を誤らせます。
もう1つ、由布岳の情報は1つの自治体にまとまっていない点も押さえておきます。登山マップや安全の呼びかけは由布市、登山道の区間ごとの規制情報や火入れ(野焼き)・山開きの案内は別府市、火山の情報は気象庁、国立公園としての情報は環境省が出しています。どこを見れば何が分かるのかを知っておくと、出発前の確認が短く済みます。
由布岳のほかにも九州の名の知られた山を並べて比べたいなら、九州本土の百名山5座(九重・阿蘇・祖母・霧島・開聞岳)を比べた記事が参考になります。同じ阿蘇くじゅう国立公園の山も入っているので、次にどこへ行くかを考える材料になります。
編集部の見立て:由布岳を「約2時間30分の山」とだけ覚えて出かけるのは、もったいない読み方だと考えています。この山で本当に決めるべきなのは、マタエに着いた時点で東峰だけにするのか、西峰の鎖場まで行くのか、火口を回るのかという行き先の線引きです。登る前にそこまで決めておけば、現地で迷う時間がほとんどなくなります。
正面・西・東の3つの登山口はどう違うか|約2時間30分・約3時間・約2時間20分
由布市の公式登山マップには、正面登山口・西登山口・東登山口の3つの登山口が載っていて、それぞれ山頂までの平均所要時間が示されています。正面登山口は約2時間30分、西登山口は約3時間で3つのうち最長、東登山口は約2時間20分です。マップにはこの時間が「体力・天候・装備等で異なる」という注記つきで書かれているので、自分の足で何分かかるかは別に見積もる必要があります。
| 登山口 | 山頂までの平均所要時間 | 公式マップの区間表示 | この記事で公式の数字を確認できた設備 |
|---|---|---|---|
| 正面登山口 | 約2時間30分 | 登山口→ゲート15分、ゲート→合野越60分、合野越→マタエ80分 | バス停「由布登山口」・駐車場(無料30台・有料70台)・トイレ |
| 西登山口 | 約3時間(3ルート中最長) | 西登山口→合野越95分(合野越から先は正面ルートと同じ区間表示を使う) | この記事で使った公式資料では数字を確認していない |
| 東登山口 | 約2時間20分 | 東登山口→日向越130分。そこから先の区間時間は公式マップだけでは確定できない | この記事で使った公式資料では数字を確認していない |


平均所要時間だけを比べると、東登山口が最も短く見えます。ただし東登山口のルートは、公式マップに東登山口→日向越の130分という表示がある一方で、日向越から先の区間時間は、図中の「30分」という表示が2か所あってどちらがどの区間を指すのか、マップだけでは一対一に確定できません。途中の通過点で自分のペースを確かめる材料が少ないルートは、初めて登る山では時間の読み違いに気づくのが遅れます。そのため東登山口については、区間の足し算ではなく、ルート全体の平均「約2時間20分」を目安にするのが安全です。
西登山口は、西登山口→合野越の95分に、正面ルートと同じ合野越→マタエの80分、マタエ→東峰の10分を足すと185分になります。公式の平均約3時間とおおむね近い値です。3ルートの中で最も長いルートなので、同じ日の下山の締切から逆算すると、登り始めの時刻を正面登山口より早める必要があります。
そして正面登山口は、区間表示が3つに刻まれていて現在地の確認がしやすく、バス停・駐車場・トイレの情報が公式の数字でそろっている登山口です。初めて由布岳に登るなら、所要時間の短さよりも「途中で遅れに気づけるか」と「帰りの足が確かか」で正面登山口を選ぶのが筋の通った選び方です。この記事の以降の章も、正面登山口から登る前提で書いていきます。
公式マップには、由布岳の山頂を目指さない別コースとして、正面登山口から飯盛ヶ城まで75分のコースも載っていて、初心者・家族向けとして示されています。天候が崩れそうな日や、同行者の体力に不安がある日は、山頂ではなくこちらを目的地にするという選び方もあります。
登りと下りで別の登山口を使う計画は、車で来た場合に注意が必要です。正面登山口に車を置いたまま西登山口や東登山口へ下りると、車まで戻る手段を別に用意しなければなりません。西登山口・東登山口から出る交通の情報は、この記事で使った公式資料では確認していないため、使う場合は自分で調べてから計画に入れてください。
編集部の判断:3つの登山口のうち、初回に勧められるのは正面登山口です。東登山口の約2時間20分は魅力的な数字ですが、途中の区間時間が確定できない以上、遅れていても気づく手がかりが少なくなります。短いルートを選ぶより、遅れに早く気づけるルートを選ぶほうが、結果として安全に早く帰れると考えています。
正面登山口ルートの区間タイム|ゲート15分・合野越60分・マタエ80分
正面登山口から登るルートは、由布市の公式登山マップで3つの区間に分けて時間が示されています。正面登山口→ゲート(国有林入口)が15分、ゲート→合野越が60分、合野越→マタエが80分です。マタエから先は、東峰まで10分、西峰まで20分となっています。
この区間表示を順に足すと、正面登山口からマタエまでで155分、東峰までで165分、西峰までで175分になります。一方、公式マップの「正面登山口から山頂までの平均所要時間」は約2時間30分、つまり150分です。公式の区間表示を合計した値と、公式の平均所要時間は一致しません。どちらかが誤りだと決めつける材料はないので、この記事では、計画の締切を決めるときには長いほうの「区間表示の合計」を使い、ざっくり山の大きさをつかむときには「約2時間30分」を使う、という使い分けにします。
| 区間 | 公式の区間表示 | 登山口からの合計 | 7:11に歩き出した場合 | 9:20に歩き出した場合 |
|---|---|---|---|---|
| 正面登山口→ゲート | 15分 | 15分 | 7:26 | 9:35 |
| ゲート→合野越 | 60分 | 75分 | 8:26 | 10:35 |
| 合野越→マタエ | 80分 | 155分 | 9:46 | 11:55 |
| マタエ→東峰 | 10分 | 165分 | 9:56 | 12:05 |
| マタエ→西峰 | 20分 | 175分 | 10:06 | 12:15 |
表の右2列は、バスで由布登山口に着いてすぐ歩き出した場合の通過時刻を、区間表示だけで機械的に出したものです。7:11は由布院駅前6:56発の始発が由布登山口を通る時刻、9:20は由布院駅前9:05発の便の通過時刻です(亀の井バス時刻表、2026年3月14日現在)。休憩や写真の時間はこの表に入れていないので、自分が休む予定の分だけ時刻を後ろへずらして読んでください。
区間表示が役に立つのは、登っている最中です。合野越は登山口から75分の地点で、ルート全体のちょうど半分手前にあたります。ここに着いた時刻を見れば、自分のペースが公式の表示より速いのか遅いのかが分かり、その先の80分をどう見込むかを修正できます。
合野越で出す「ペース係数」:登山口から合野越までに実際にかかった分数を、公式の75分で割ります。たとえば90分かかったなら係数は1.2です。合野越→マタエの公式80分に1.2を掛けると約96分、マタエに着くのは合野越の約1時間36分後と見込めます。この係数を下りの計算にも使うと、締切の読み違いが減ります。
係数が1.3を超えるような日は、体調か荷物か足元のどこかに原因があると考えたほうが自然です。そのままマタエまで登ると、マタエ到着が公式表示より30分近く遅れる計算になります。後の章で出す「下山の締切表」と照らし合わせ、合野越の時点で行き先を東峰だけに絞るか、合野越から引き返すかを決めてしまうのが確実です。
この区間を歩き通すあいだ、足元を支えるのは靴です。キャラバンのトレッキングシューズ「C1_02S」(型番C1_02S・3E表記)は、足幅にゆとりを求める人が、登山口からマタエまで155分分の登りと、その先の岩場を1足で歩きたいときの候補になります。足幅が広めで、細身の靴だと長い登りの後半に指先が当たりやすい人に向いています。
編集部の見立て:合野越は、由布岳の計画を修正する最初で最後の落ち着いた地点だと考えています。マタエまで上がってしまうと、東峰・西峰という目の前の目的地に気持ちが引っ張られ、冷静に遅れを認めにくくなります。時計を見て係数を出す作業は、登る前ではなく合野越でやる。この順番が大事です。
車がない日は亀の井バス「由布登山口」へ|由布院駅前から約15分と最終便
正面登山口には、亀の井バスの「由布登山口」バス停があります。停まるのは亀の井バスの「湯布院線」(系統36)です。由布院駅前バスセンターから由布登山口までは、2026年3月14日現在の時刻表の複数の便から計算すると、いずれも約15分でした。たとえば由布院駅前6:56発の便は由布登山口を7:11に、9:05発の便は9:20に通過します。
バスで登る日の服装は、車のように「着いてから車内で着替える」ことができません。モンベルの「ジオライン L.W. Tシャツ」(品番1107484)は、軽量・速乾をうたう半袖Tシャツで、宿や駅で着たままバスに乗り、そのまま登山口から歩き出したい人に向いています。登り始めてすぐ汗をかき、マタエ付近の風で体が冷えやすい人の肌着の候補です。
バスの向きは、帰りにどこへ戻るかで選びます。由布院側に宿や駅がある人は、朝は別府方面ゆきの便で由布登山口まで行き、帰りは由布院方面ゆきの便で戻ります。別府側から来る人はその逆です。ここで気をつけたいのが、方面によって最終便の時刻が大きく違う点です。
| 由布登山口を通る便 | 平日 | 土日祝 |
|---|---|---|
| 別府方面ゆきの始発 | 7:11通過(由布院駅前6:56発) | 7:11通過(由布院駅前6:56発) |
| 別府方面ゆきの最終 | 18:15通過(別府駅西口18:51着) | 18:15通過(別府駅西口18:52着) |
| 由布院方面ゆきの最終 | 18:57通過(由布院駅前19:12着) | 18:56通過(由布院駅前19:11着) |
数字を言い換えると、別府へ戻る人は由布院へ戻る人より約40分早く下山を終えなければならない、ということです。同じ山を同じペースで歩いても、帰る方向ひとつで山頂にいられる時間が変わります。別府側から朝のバスで登山口へ向かう場合の由布院方面ゆきの便の時刻は、この記事では数字を拾っていないので、時刻表PDFの該当する欄で由布登山口の通過時刻を確認してください。
運賃は、確認できた最新の公式運賃表(2025年7月19日実施分)で、由布院駅前から由布登山口まで390円でした。2026年に改定があったかどうかは確認できていないので、乗車時か亀の井バスの公式サイトで確かめてください。
ここに書いた時刻は、亀の井バスの2026年3月14日現在の時刻表の値で、2026年9月13日に確認したものです。ダイヤは改正されることがあり、当日の運行は事業者の判断で変わります。出発の前日に亀の井バスの時刻表ページを開き、改正日と、平日・土日祝の区分を自分の登山日に合わせて見直してください。
登山口までバスやタクシーで行く計画そのものに慣れていないなら、車がなくても登山口に立つためのバス・タクシー・シャトルの使い分けをまとめた記事で、最終便を逃したときの手段の考え方を先に押さえておくと、由布岳の計画も立てやすくなります。
編集部の見立て:由布岳は「バスで行ける山」として紹介されることが多いのですが、読者に伝えたいのは行きより帰りの話です。始発で7:11に登山口に立てるという事実は、最終便まで11時間ほどの持ち時間があるという意味でもあります。その持ち時間の端がどちらの方面の最終便なのかを、宿を決める段階で意識しておくと計画がぶれません。
車で行く日の正面登山口|無料30台・有料70台と到着時刻の考え方
車で行く場合、正面登山口までは湯布院ICから約15〜20分です。由布市の公式マップは「約15分」、大分県の観光サイトは「約20分」と書いていて、どちらも観光案内としての目安値なので、ここでは幅で書いておきます。インターチェンジの名前は「湯布院IC」、登山口やバス停は「由布登山口」と、字が違う点にも注意してください。
正面登山口の駐車場は、由布市の公式マップによると無料が30台、有料が70台です。有料駐車場の料金は、普通車以下500円、マイクロバス等1,000円、大型バス等2,000円となっています。トイレは正面登山口にあります(いずれも2026年9月13日確認時点)。
確認した公式マップには、台数と料金は載っていても、何時ごろに満車になるかの目安までは書かれていません。そこで、台数を「何時に着けば停められるか」という判断に置き換える考え方を示しておきます。無料30台は合わせて100台のうちの3割にすぎないので、無料の枠に入れなかった場合でも、有料の70台があるという前提で動けます。問題になるのは、有料側も埋まっていた場合です。
| 登山口に着いたときの状況 | 次の一手 |
|---|---|
| 無料の30台に空きがある | 停めて、トイレを済ませてから歩き出す |
| 無料は満車、有料に空きがある | 普通車以下500円を払って停める。空きを探して周辺を回る時間のほうが、下山の締切に響く |
| 無料も有料も満車 | 路肩には停めない。由布院駅側へ戻ってバスに切り替えるか、飯盛ヶ城など別の目的地に変える |
| 到着が遅れ、歩き出しが遅い時刻になった | 後の章の締切表で、東峰に届く時刻かを先に確かめる。届かなければ行き先を合野越やマタエまでに絞る |
車の日は、帰りの時間がバスに縛られないぶん、下山の締切がゆるく感じられます。ただし、締切を決めるものがバスの最終便から日没に変わるだけで、締切そのものが消えるわけではありません。ヘッドライトを使いながら岩の多い道を下る状況は、車で来た人にも同じように起こります。
- 週末や花の時期に行くなら、駐車場が埋まっていた場合にどこへ回るか(バスに切り替える場所・別の目的地)を、家を出る前に1つ決めてあるか
- 有料駐車場の料金を払える小銭や紙幣を、ザックとは別に車内に用意してあるか
- 正面登山口のトイレを使ったあと、登山口を出る時刻を記録する準備ができているか(合野越で係数を出すのに使う)
- 日没の時刻を、国立天文台のこよみのページなどで当日の分として調べてあるか
- 登りと同じ正面登山口へ下りてくる計画になっているか(別の登山口へ下りると車に戻れない)
満車だったときに、道路の路肩や駐車場以外の空き地へ停める判断はしないでください。登山口周辺は観光の車やバスも通ります。停められなかった日は「今日は由布岳の日ではなかった」と割り切り、別の目的地やバスに切り替えるほうが、帰ってきてから困る事態を避けられます。
編集部の判断:公式に満車時刻の記載がない以上、「何時までに着けば大丈夫」とは言えません。そのかわり、100台という規模と、有料枠が7割を占めるという構成は分かっています。無料枠に入れるかどうかで一喜一憂するより、満車だった場合の切り替え先を先に決めておくほうが、当日の判断はずっと速くなると考えています。
最終バスと日没から決める下山の締切|別府方面18:15・由布院方面18:56
ここがこの記事の中心です。由布岳の日帰りでは、「何時までに山頂を発てばよいか」を、帰りの最終バスと日没のうち早いほうから逆算して決めます。考え方の順番を先に示しておきます。
暗くなってから下りる事態を想定するなら、明かりは手に持つものより頭につけるものが向いています。ペツルのヘッドライト「アクティック コア」は、専用の充電式バッテリー「CORE」に対応したモデルで、両手を空けたまま足元を照らしたい人に向いています。締切を守る計画でも、予定が崩れた日の保険として1つザックに入れておく装備です。
下山の締切の式:「登山口に着いていたい時刻」=最終バスの通過時刻から30分前、または日没時刻のうち早いほう。そこから、いまいる地点から登山口までの区間表示の合計(ペース係数を掛けたもの)を引いた時刻が、その地点を発つ締切です。締切は山頂だけでなく、合野越とマタエにも1つずつ持っておきます。
下りの計算について、1つ前提を置きます。この記事で使った公式マップの区間表示は、登りの時間として整理したものです。下りを登りより短く見積もると、疲れや足元の悪さで遅れたときに締切を割り込むので、ここでは下りも登りと同じ時間がかかるものとして計算します。バス停の30分前に着く設定にしているのは、最終便の通過時刻より早く通過することがないとは言い切れないことと、下山後の身支度の時間を見込むためです。
| 発つ地点 | 登山口までの区間表示の合計 | 別府方面18:15に乗る(17:45に登山口) | 由布院方面18:56に乗る(18:26に登山口) |
|---|---|---|---|
| 西峰 | 175分 | 14:50までに発つ | 15:31までに発つ |
| 東峰 | 165分 | 15:00までに発つ | 15:41までに発つ |
| マタエ | 155分 | 15:10までに発つ | 15:51までに発つ |
| 合野越 | 75分 | 16:30までに発つ | 17:11までに発つ |
編集部の見立て:この表でいちばん効くのは、実は山頂の行ではなく「登りの途中で何時を過ぎたら上を諦めるか」を決める次の表のほうです。山頂で締切に気づいても、そこから取れる手はもう急いで下りることしかありません。締切の判断は、できるだけ下のほうの地点へ前倒ししておくのが理想です。
| 登りの途中で着いた地点と目的地 | そこから往復で必要な区間表示 | 別府方面18:15の日の引き返し時刻 | 由布院方面18:56の日の引き返し時刻 |
|---|---|---|---|
| 合野越に着いて、東峰を目指す | 255分(登り90分+下り165分) | 13:30を過ぎたら引き返す | 14:11を過ぎたら引き返す |
| 合野越に着いて、西峰を目指す | 275分(登り100分+下り175分) | 13:10を過ぎたら引き返す | 13:51を過ぎたら引き返す |
| マタエに着いて、東峰を目指す | 175分(登り10分+下り165分) | 14:50を過ぎたら東峰へ行かない | 15:31を過ぎたら東峰へ行かない |
| マタエに着いて、西峰を目指す | 195分(登り20分+下り175分) | 14:30を過ぎたら西峰へ行かない | 15:11を過ぎたら西峰へ行かない |
2つの表の時刻には、山頂での休憩や写真の時間、ペース係数による補正は入っていません。合野越で係数が1.2と出た日は、下りの区間表示にも1.2を掛けて締切を早めます。平日に由布院方面へ戻る人は最終が1分遅い18:57ですが、表は1分早い土日祝の値で統一してあります。
- 前日に、国立天文台のこよみのページなどで登山日の日没時刻を調べ、最終バスの30分前と比べて早いほうを「登山口に着いていたい時刻」として紙かスマートフォンにメモする
- 合野越に着いたら時刻を見てペース係数を出し、表の「引き返し時刻」を係数に合わせて前倒しする。過ぎていたら、その場で引き返す
- マタエに着いたら、東峰・西峰それぞれの「行かない時刻」と照らし合わせ、行き先を1つに決めてから歩き出す
9月から11月にかけては、季節が進むほど日没が早くなります。この記事では秋の由布院周辺の日没時刻を数字で書いていないので、表の「17:45」「18:26」より日没のほうが早い日には、日没を基準に置き換えて締切を計算し直してください。バスの最終便に間に合う計画でも、日没後の下りになる計画は立てないのが原則です。
マタエから東峰・西峰へ|東峰10分・西峰20分とお鉢巡りの概要
マタエは、東峰と西峰への道が分かれる地点です。公式マップの区間表示では、マタエから東峰まで10分、西峰まで20分。数字だけを見ると、どちらも短い追加の登りに見えます。ところが、マタエから先は公式マップにも別府市のページにも、それまでの区間とは違う性格の情報が書き込まれています。
山頂部で休むあいだ、体を冷やさない上着が1枚あると判断に余裕が生まれます。モンベルの「プラズマ1000 ダウンジャケット」は、名前の「1000」がダウンのフィルパワーを示すモデルで、マタエや東峰で立ち止まって地図と時計を見る時間に、小さくたたんで持ち上げた防寒着を着たい人に向いています。
別府市の公式ページ「登山規制情報」(2025年12月1日更新)では、正面登山口⇔合野越⇔マタエの区間は「登山可能」とされています。これに対して、マタエ⇔東峰・西峰、東峰⇔西峰(お鉢巡り)、剣ノ峰⇔東峰・西峰(お鉢巡り)、大崩近辺(お鉢巡り)の各区間には、いずれも「崩落、地割れ、亀裂箇所があり、死亡事故も多発しています。十分な注意が必要です。」と書かれています。この文言は2016年8月時点の由布市の規制情報にもほぼ同じ形で載っていて、特定の日だけ出された情報ではなく、常に出ている注意書きとして読むのが適切です。
| マタエでの選択 | 公式の区間表示 | 公式マップ・別府市の記載 | 選ぶ条件の目安 |
|---|---|---|---|
| マタエで引き返す | 追加なし | 正面登山口⇔合野越⇔マタエは「登山可能」(別府市) | 引き返し時刻を過ぎた・雨や風が強い・視界が悪い |
| 東峰を往復する | 片道10分 | 別府市の常設の注意書きがある区間 | 締切表の時刻内で、天候が安定している |
| 西峰を往復する | 片道20分 | 公式マップに「鎖場危険!」。障子戸の「カニノヨコバイ」 | 鎖場の通過に慣れていて、岩が乾いている |
| お鉢巡り | 約90分(西峰⇔東峰) | 山頂火口を一周。ガレ場や足場の悪い難所があり経験者向き(由布市マップ) | 時間・天候・経験のすべてに余裕がある日だけ |
公式マップには、山頂付近に「大崩危険!」「最低鞍部付近は危険 雨風等注意」という表示もあります。雨と風を名指しした注意なので、天候が崩れ始めた日は、マタエより先の選択肢そのものを減らすのが自然な判断です。
お鉢巡りについて、この記事で扱うのは概要までです。由布市の公式マップでは、西峰と東峰を結ぶお鉢まわりを「山頂火口を一周するコース」とし、所要時間を約90分、ガレ場や足場の悪い難所があって経験者向きと記しています。お鉢巡りを入れると、マタエから先だけで締切表の計算がまるごと1時間半ずれるので、実行するなら朝の歩き出しの時刻から計画を組み直す必要があります。
火口の縁や稜線は、ガスがかかると道の続きが見えにくくなる地形です。視界が悪くなったときに進むか待つか引き返すかを判断する手順は、ガスや霧に巻かれたときの判断を5つの条件で分けた記事にまとめてあります。マタエで迷ったときの基準として読んでおくと役に立ちます。
「東峰は10分だから寄っていこう」という判断は、締切表の時刻と天候を見てからにしてください。区間の短さは、その区間の危険の少なさを示すものではありません。マタエから先はどの方向にも別府市の注意書きが出ている、という前提で1歩目を決めます。
編集部の判断:マタエでの4つの選択肢のうち、「引き返す」を最初に検討する順番を勧めます。東峰・西峰・お鉢巡りは、それぞれ引き返す理由がないことを確かめてから選ぶものだと考えています。行きたい場所から考えるのではなく、行かない理由を1つずつ消していく順番にすると、判断がぶれにくくなります。
草原の登りから岩の西峰まで、つま先の効く靴と両手を空けるザック
由布岳の正面ルートは、区間表示だけで登山口からマタエまで155分の登りが続き、その先の西峰には鎖場があります。道具を選ぶ基準は3つに絞れます。1つめは靴で、長い登りで足が痛まないことと、岩の上で置いた足が滑らないことの両方を見ます。2つめはザックで、鎖場やガレ場で両手を空けるために、水・雨具・防寒着をすべて背中に収められる容量と背負い心地が必要です。3つめは上着で、公式マップが「雨風等注意」と名指しする山頂付近に、風と雨の両方に備えられるかを確かめます。
| 商品 | 名前・型番に出ている情報 | 由布岳で役に立つ場面 | 向く人 |
|---|---|---|---|
| キャラバン トレッキングシューズ | 品番0010106・モデルC1_02S | マタエまでの長い登りと、西峰の岩場を1足で通す | 靴を1足目から揃える人 |
| グレゴリー デイパックLT | デイパックの軽量版(LT) | 水と雨具を入れて両手を空ける | 街でも使える形を選びたい人 |
| ドイター ACライト 23 | モデル名に容量帯の「23」 | 防寒着まで背中に収めて鎖場で手を空ける | 登山専用の背負い心地を重視する人 |
| コロンビア ライトキャニオン ソフトシェルジャケット | 品番PM0373・ソフトシェル | 晴れて風がある日の行動中の風よけ | 歩きながら着続ける上着がほしい人 |
| マムート コンベイ ツアー ハードシェル フーデッド ジャケット | ハードシェル・フードつき・アジアンフィット | 山頂付近の雨と風に備える | 雨具を兼ねた上着を1枚にしたい人 |
キャラバンのC1_02Sを、品番0010106の表記で探している人向けの1足です。サイズや色の選択肢を見比べながら、長い登りと岩場を同じ靴で歩きたい人に向いています。
グレゴリーの「デイパックLT」は、定番のデイパックの形を保ったまま軽さを意識したモデルです。登山のためだけにザックを増やしたくない人、由布院の街歩きと由布岳を同じ荷物で済ませたい人に向いています。
ドイターの「ACライト 23」は、名前の「23」が示す容量帯のハイキング用バックパックです。ダウンジャケットと雨具の両方を背中に入れて、鎖場で手に何も持たない状態を作りたい人に向いています。
コロンビアの「ライトキャニオン ソフトシェルジャケット」(PM0373)は、行動中に着たまま歩く上着の候補です。晴れていても合野越から上で風を受ける日に、雨具を出すほどではない場面で使いたい人に向いています。
マムートの「コンベイ ツアー ハードシェル フーデッド ジャケット」は、フードつきのハードシェルで、アジアンフィットの展開があります。雨具と防風の上着を別々に持たず、1枚で山頂付近の雨と風に備えたい人に向いています。
ザックに入りきらないものを手に持ったり、上着を腰に巻いたりしたまま鎖場に入らないでください。両手と足元の視界がふさがると、鎖場での体の置き方が崩れます。マタエに着いた時点で、手に持つものが何もない状態に整えてから先へ進みます。
編集部の見立て:この章の5つを全部そろえる必要はない、というのが正直な考えです。由布岳で優先順位をつけるなら、足元を支える靴、両手を空けるための容量のあるザック、雨風の上着の順になります。すでに持っている道具で3つの基準を満たせるなら、それで十分に計画は成り立ちます。大事なのは道具の数ではなく、マタエで手ぶらになれるかどうかです。
西峰の鎖場「カニノヨコバイ」|公式マップの「鎖場危険!」をどう読むか
由布市の公式登山マップでは、西峰への道に、障子戸の「カニノヨコバイ」と鎖場の難所があると示され、地図上に「鎖場危険!」と表示されています。マタエから西峰までの区間表示は20分で、東峰の10分の2倍です。区間の長さ以上に、通過する地形の性格が東峰側とは違うと考えておく必要があります。
鎖場で手を守る道具としては、手のひら側のグリップを確保できる手袋が挙げられます。ファイントラックの「エバーブレストレイルグローブ」(型番FAU0111・ユニセックス)は、トレイルでの使用を想定した手袋で、鎖や岩に素手で触れたくない人、男女で同じモデルを選びたい人に向いています。
西峰の鎖場を越えるかどうかを考えるとき、確かなのは「行かない」という選択がマタエで取れることです。確認した公式マップと別府市のページからは、西峰の鎖場を通らずに西峰へ上がる別の道を読み取ることはできませんでした。そのため、この記事で示せる鎖場の避け方は、西峰へ行かずに東峰だけにするか、マタエで引き返すかのどちらかになります。
- 鎖場で、両手と片足、または両足と片手の3点で体を支えながら、残りの1点だけを動かす歩き方を、ほかの山で経験したことがあるか
- 足元の岩が濡れているとき、乾いているときと足の置き方を変える必要があると理解しているか
- 公式マップの「最低鞍部付近は危険 雨風等注意」を思い出し、雨や強い風の日は西峰へ行かないと決めているか
- 締切表の「西峰へ行かない時刻」(別府方面の日14:30、由布院方面の日15:11)を過ぎていないか
- 単独ではなく、鎖場の前後で互いの様子を見られる同行者がいるか
このチェックで1つでも「いいえ」があるなら、その日の目的地は東峰かマタエまでにしておくのが妥当です。鎖場は、経験の有無よりも「その日の条件がそろっているか」で通過の難しさが大きく変わります。乾いた日に通過できた経験があっても、濡れた日には別の場所だと考えてください。
- 鎖場の手前で立ち止まり、先行者が鎖から離れて安全な位置に移るまで待つ。同じ鎖に複数の人が同時に体重をかけない
- 次に手をかける位置と足を置く位置を目で決めてから動く。決まらないうちは体を動かさない
- 鎖は体を支える補助として握り、足で立つ。腕の力だけで体を引き上げようとしない
鎖場の通過には、三点支持の使いどころと、鎖に頼りすぎてはいけない場面があります。西峰に向かう前に、鎖場・岩場の通過で三点支持をどう使うかをまとめた記事で、体の置き方を具体的に確認しておくと、マタエでの判断に自信を持てます。
手袋は、鎖や岩をつかむ手を守るためのものです。手袋をしているから滑らない、鎖があるから安全、という考え方で鎖場に入らないでください。鎖は人の体重を支える補助であって、足場の悪さそのものを消すものではありません。
編集部の判断:西峰の鎖場について、この記事は「行ける人・行けない人」を線引きしません。線を引けるのは、その日の天候と時刻と、自分の鎖場の経験を並べた本人だけです。私たちが示せるのは、マタエという引き返せる地点があること、そして西峰へ行かなくても由布岳の山頂部に立つ選択肢は残っていることです。
由布岳の危険情報と遭難データの読み方|「由布・鶴見」48件は山系合算
由布岳の危険に関する公的な情報は、出している主体ごとに性格が違います。別府市の登山規制情報は区間ごとの注意書き、由布市のページは登山者への行動の呼びかけ、大分県警の資料は過去の遭難の集計、気象庁のページは火山の活動状況です。4つを混ぜずに読むと、何を根拠に何を決めればよいかがはっきりします。
ガレ場や岩の多い道では、脚の動きを妨げない登山用のパンツが歩きやすさに直結します。ザ・ノース・フェイスの「バーブライトパンツ」(メンズ)は、名前のとおり軽さを意識した登山向けのパンツで、合野越から上の段差の大きい登りでも膝を上げやすいものを探している男性に向いています。
| 情報 | 出している主体 | 書かれている内容 | 計画での使い方 |
|---|---|---|---|
| 登山規制情報(2025年12月1日更新) | 別府市 | マタエから先の各区間に常設の注意書き。正面登山口⇔合野越⇔マタエは「登山可能」 | マタエを「行き先を決める地点」にする根拠 |
| 登山の注意喚起(2022年12月19日更新) | 由布市 | 滑落事故が多発しているとして、単独登山の回避・登山届・通信手段の確保・危険箇所に近づかない・気象急変時の引き返しを案内 | 出発前のチェックリストに落とす |
| 山系別の遭難統計(過去5年間) | 大分県警 | 「由布・鶴見」48件(20.7%) | 由布岳単独の件数としては使わない |
| 火山の活動状況(2026年9月13日確認) | 気象庁 | 噴火予報(活火山であることに留意)。「特段の警戒事項はありません」 | 出発前日か当日に表示が変わっていないかを見る |
遭難統計は、読み方を誤りやすい数字です。大分県警は由布岳と鶴見岳を合わせた「由布・鶴見」という山系の単位で集計していて、過去5年間で48件、割合は20.7%となっています。由布岳だけの遭難件数は、公表資料からは分かりません。48件をそのまま由布岳の件数として受け取らないこと、そして山系として県内の集計の中で小さくない割合を占めていることの両方を、同時に押さえておくのが正確な読み方です。
由布市の呼びかけは、そのまま行動に置き換えられる内容です。とくに「気象急変時の引き返し」は、公式マップの「最低鞍部付近は危険 雨風等注意」とつながっています。雨と風が同時に強まる日には、マタエより先へは進まない、合野越の時点で天候が悪化していれば引き返す、と地点と条件をセットにして決めておくと、現地で迷いません。
- 単独ではなく、同行者と一緒に登る計画になっているか(由布市は単独登山の回避を呼びかけている)
- 登山届を提出したか、提出する手段を出発前に確認したか
- 携帯電話の充電と予備の電源など、通信手段を確保してあるか
- 注意表示のある場所に近づかない、道を外れないと同行者と共有したか
- 天候が急変したら引き返す地点(合野越・マタエ)と、その判断に使う条件を決めてあるか
「雨風等注意」の風がどのくらいの強さなら中止にするのか、自分なりの基準を持っていないなら、登山は風速何m/sまでかを気象庁の段階表から決める手順をまとめた記事で中止の線を作っておくと、由布岳の山頂付近で迷う場面が減ります。
気象庁の情報が「特段の警戒事項はありません」でも、それは火山活動についての情報で、登山道の足元の状態や天候の安全を示すものではありません。火山の情報、区間の注意書き、天気予報は、それぞれ別の問いに答える情報として個別に確認してください。
編集部の見立て:遭難統計の「48件」という数字は、怖がるためではなく、計画の甘さを点検するために使うものだと考えています。由布岳だけの件数が分からないからといって少ないと考えるのも、山系の数字をそのまま由布岳に当てはめて過剰に恐れるのも、どちらも数字の読み違いです。由布市の5つの呼びかけを1つずつ確かめるほうが、ずっと実用的です。
野焼き・山開きと季節の見どころ|9月24日の火入れ予定とヒゴダイ
由布岳の年間の予定のうち、登山の計画に直接かかわるのが火入れ(野焼き)です。別府市の公式ページ(2026年9月4日追加)では、由布岳付近で2026年9月5日・9月6日・9月24日に火入れを実施する予定とされていて、天候や現地の状況で変更があると書かれています。9月5日と6日はすでに過ぎた予定日で、実際に実施されたかどうかはこの記事では確認していません。
秋の草原歩きでは、朝晩と日中の気温差に合わせて動きやすい服を選びたくなります。ザ・ノース・フェイスの「バーブライトスリムパンツ」(レディース)は、細身のシルエットで展開される軽量の登山向けパンツで、登山口からの長い登りを脚さばきよく歩きたい女性に向いています。
火入れ当日に登山道が使えるかどうかは、確認した別府市の公式ページには明記がありません。9月24日前後に由布岳へ登る予定がある人は、別府市の火入れのページで予定が変わっていないかを確かめたうえで、ページに記載の問い合わせ先に当日の登山道の扱いを直接確認してください。
春の行事としては、2026年の由布岳山開き祭が5月10日の8:30〜12:00に由布岳正面登山道入口で行われました(別府市、実施済み)。由布市は、例年5月上旬に安全祈願祭が行われると案内しています。来年以降も5月上旬に正面登山口の周辺で行事がある前提で、その日に登る人は駐車場や登山口の混み具合が普段と違う可能性を見込んでおくとよいでしょう。
| 時期 | 公式に記載のある内容 | 登山計画での扱い |
|---|---|---|
| 4月 | サクラソウ(由布市マップ) | 花を見るなら道を外れずに、登山道から眺める |
| 5月上旬 | 安全祈願祭(由布市・例年)/2026年は5月10日に山開き祭(別府市) | 行事の日は登山口周辺の混雑を見込む |
| 6月頃 | ミヤマキリシマがマタエ付近に群生(由布市マップ) | 花の時期のマタエは人が集まりやすい前提で締切を守る |
| 9月 | ヒゴダイが見頃・主に草原(由布市マップ)/2026年は9月24日に火入れ予定(別府市) | 火入れの日の前後は別府市に登山道の扱いを確認する |
| 晩秋〜冬 | 紅葉・霧氷は公式に具体的な月日の記載がない(霧氷は「冬の風物詩」とのみ) | 月日を決め打ちせず、直前の情報と天候で判断する |
いま(9月)の由布岳で公式マップが見頃として挙げているのは、主に草原に咲くヒゴダイです。花を目的にするなら、山頂まで行かなくても楽しめる時期だとも言えます。花を見る日と山頂に立つ日を分けて考えると、火入れの予定日も締切表の時刻も、ずっと扱いやすくなります。
紅葉と霧氷については、確認した由布市・YUFUINFO・Visit Oitaのページに具体的な時期を示す月日が見当たらず、霧氷は「冬の風物詩」とだけ書かれていました。そのため、この記事では「晩秋〜初冬」「真冬」のような幅でしか書けません。見頃は年ごとの気温で前後するので、出かける直前の情報と、その日の天候を見て判断してください。
由布岳の紅葉の時期が読みにくいぶん、九州のほかの山も候補に入れておくと計画に幅が出ます。九州の紅葉登山を、入山規制の現状と標高から見頃を考える方法でまとめた記事では、山ごとの見頃の考え方を整理しています。
編集部の見立て:季節の見どころは、由布岳に登る動機としてはとても強いものです。一方で、花の群生地がマタエ付近にあるという公式の記載は、人が集まる時期と場所が、マタエから先の判断をする場所と重なるという意味でもあります。景色を楽しむ日ほど、締切表の時刻を先に決めてから出かけてほしいと考えています。
阿蘇くじゅう国立公園の中で守ること|法令・自治体の注意・事業者の判断を分けて読む
由布岳は、環境省が指定する阿蘇くじゅう国立公園に含まれています。国立公園は自然公園法という法令にもとづく自然公園で、公園の中では地域ごとに規制の強さが定められています。由布岳のどの場所がどの地域区分に当たり、何が規制の対象になるかまでは、この記事では確認していません。そのため、場所を問わず植物を採らない、登山道を外れて踏み込まない、ごみを持ち帰るという行動を、自分の決まりとして持っておくのが確実です。
由布岳に関する情報を読むときに混ぜてはいけないのが、その情報が「誰の、どんな性格の判断か」という区別です。法令にもとづく国立公園の指定、自治体が出す注意書きや呼びかけ、バス会社が決める運行、火山の情報では、変わるきっかけも確認先も違います。
| 情報の性格 | 主体 | 由布岳での例 | 確認先 |
|---|---|---|---|
| 法令にもとづく指定 | 環境省 | 阿蘇くじゅう国立公園に含まれる | 環境省 阿蘇くじゅう国立公園のページ |
| 自治体の注意書き・呼びかけ | 別府市・由布市 | マタエから先の区間の注意書き/単独登山の回避や登山届の呼びかけ | 別府市の登山規制情報/由布市の注意喚起ページ |
| 自治体が公表する行事・作業 | 別府市・由布市 | 火入れ(野焼き)の予定/山開き祭・安全祈願祭 | 別府市の火入れ・山開きのページ/由布市の由布岳のページ |
| 事業者の運行判断 | 亀の井バス | 湯布院線(系統36)の時刻・運賃 | 亀の井バスの時刻表ページ |
| 火山の情報 | 気象庁 | 噴火予報(活火山であることに留意) | 気象庁 由布岳のページ |
確認の順番:出発前の確認は、変わりやすい順に並べます。前日にバスの時刻表と日没時刻、当日の朝に天気予報と気象庁の火山のページ、9月24日前後なら別府市の火入れの予定を見ます。国立公園の指定や常設の注意書きは頻繁には変わらないので、計画を立てる段階で一度読んでおけば足ります。
この区別は、情報が食い違って見えたときにも役立ちます。たとえば別府市のページで「登山可能」とされている区間でも、当日のバスが運休していれば正面登山口に立てませんし、気象庁の情報に警戒事項がなくても、雨と風が強い日は公式マップの「雨風等注意」が当てはまります。それぞれの情報が答えている問いが違うだけで、どれかが間違っているわけではありません。
- 植物を採らない、登山道を外れて踏み込まないと、同行者と出発前に共有したか
- 別府市の登山規制情報の更新日が、この記事で確認した2025年12月1日から変わっていないか見たか
- 亀の井バスの時刻表の改正日を確認し、平日・土日祝の区分を登山日に合わせたか
- 気象庁の由布岳のページで、2026年9月13日確認時点の「噴火予報」から表示が変わっていないか見たか
同じ阿蘇くじゅう国立公園の中で、由布岳とは別の性格の山を歩いてみたくなったら、九重連山の久住山・中岳と牧ノ戸峠から入る3つの入口をまとめた記事が次の候補を考える材料になります。
編集部の判断:国立公園のルールというと、特別な禁止事項を覚える話に思われがちです。けれど由布岳で実際に効くのは、「この情報は誰が何のために出しているのか」を見分ける習慣のほうだと考えています。法令・自治体・バス会社・気象庁を分けて読めるようになると、ほかの山の計画でも確認の手間がぐっと減ります。
よくある質問
Q. 車がなくても、由布岳は日帰りで登れますか?
正面登山口には亀の井バスの「由布登山口」バス停があり、2026年3月14日現在の時刻表では、由布院駅前6:56発の始発が7:11に由布登山口を通ります。帰りは別府方面の最終が18:15、由布院方面の最終が平日18:57・土日祝18:56です。区間表示を足した計算では東峰まで165分なので、始発で歩き出せば日帰りの時間は確保できます。ただし、戻る方向によって締切が約40分違うので、締切表で自分の方面の時刻を確かめてください。
Q. 東峰と西峰は、どちらに登ればいいですか?
公式マップの区間表示では、マタエから東峰まで10分、西峰まで20分です。西峰には「鎖場危険!」の表示と、障子戸の「カニノヨコバイ」があります。どちらの区間にも別府市の常設の注意書きが出ています。鎖場の経験があり、岩が乾いていて、締切表の「西峰へ行かない時刻」を過ぎていない日だけ西峰を検討し、そうでなければ東峰か、マタエで引き返す選択が妥当です。
編集部の判断:東峰か西峰かで迷ったら、その迷いがあること自体を「今日は東峰にする」理由として扱ってよいと考えています。西峰の鎖場は、迷いを抱えたまま入る場所ではありません。由布岳にはまた来られますが、鎖場での判断ミスは取り返しがつかないことがあります。
Q. 冬に霧氷を見に行けますか?
由布岳の霧氷は、確認した公式・観光のページで「冬の風物詩」と書かれていますが、具体的な時期を示す月日の記載は見当たりませんでした。見頃を月日で決め打ちせず、その冬の気温と直前の情報で判断してください。霧氷ができる条件や消える条件を知っておくと、出かける日を選びやすくなります。霧氷と樹氷の違いを気象庁の定義から整理し、消える条件をまとめた記事で先に確認しておくと、冬の由布岳を計画するときの手がかりになります。
Q. 9月24日前後に登っても大丈夫ですか?
別府市の公式ページでは、由布岳付近で2026年9月24日に火入れ(野焼き)を行う予定とされています(天候・現地状況で変更あり)。火入れ当日に登山道が使えるかどうかは、確認した公式ページには明記がありません。この日の前後に登る予定なら、別府市の火入れのページで予定を確認し、記載の問い合わせ先に登山道の扱いを直接尋ねてから計画を固めてください。
Q. お鉢巡りは、由布岳が初めてでもできますか?
由布市の公式マップは、お鉢まわりを山頂火口を一周する約90分のコースとし、ガレ場や足場の悪い難所があって経験者向きと明記しています。お鉢巡りを入れると、締切表の計算がマタエから先だけで1時間半ずれるため、朝の歩き出しの時刻から組み直す必要があります。この記事では概要までにとどめているので、実行を考えるなら、まずは正面登山口から東峰までの往復で由布岳の区間時間と自分のペースを把握しておくことを勧めます。
編集部の見立て:お鉢巡りは、由布岳を「もう一度登りたい山」にしてくれる目標だと考えています。1回目で全部をやろうとせず、1回目は合野越の係数とマタエでの判断を体に覚えさせる日にする。その積み重ねがあってこそ、約90分の火口の縁を落ち着いて歩く計画が立てられます。
まとめ:今日やることは1つ
由布岳は、正面登山口から約2時間30分(由布市公式)で山頂部に立てる、バスでも車でも登山口に行ける山です。その一方で、公式の区間表示を足すと東峰まで165分になり、マタエから先には別府市の常設の注意書き、西峰には「鎖場危険!」の表示があります。計画の中心に置くべきなのは、所要時間の短さではなく、帰りの最終バスと日没から逆算した締切と、マタエでの行き先の決め方です。
今日やることは1つだけです。自分が戻る方面の最終バス(別府方面18:15か、由布院方面18:56)を決め、この記事の締切表から「合野越の引き返し時刻」を1つメモする。それが決まれば、朝のバスの時刻も、マタエでの判断も、あとから自然に決まっていきます。
編集部の見立て:由布岳の計画を1枚のメモにするなら、書くべき数字は3つで足りると考えています。登山口を歩き出す時刻、合野越の引き返し時刻、マタエで東峰・西峰へ行かない時刻です。この3つを持って歩けば、現地で時計を見るたびに、進むか戻るかの答えがすぐに出ます。
- 亀の井バスの時刻表ページで改正日と平日・土日祝の区分を確かめ、戻る方面の最終便を決める。国立天文台のこよみのページなどで登山日の日没時刻も調べる
- 締切表から、合野越の引き返し時刻と、マタエで東峰・西峰へ行かない時刻をメモする。休憩を多めに取る予定なら、その分を前倒ししておく
- 前日と当日の朝に、別府市の登山規制情報と火入れの予定、気象庁の由布岳のページ、天気予報を確認し、雨と風が強い日はマタエより先へ行かないと決めておく
編集部の判断:この記事の数字は、2026年9月13日に確認した値です。バスのダイヤも、火入れの予定も、火山の情報も、変わることを前提に書いています。記事を読んで計画を立てたら、最後に必ず公式ページを自分の目で開いてから出かけてください。それが、この記事をいちばん正しく使う方法です。
出典
- 由布市「由布岳」 https://www.city.yufu.oita.jp/kankou/kankou-2/kankou_cate1_1/yufudake (2026年9月13日確認)
- 由布市「由布岳登山マップ(2023年11月版)」 https://www.city.yufu.oita.jp/uploads/files/2023/11/yufudakemapjapanese(1).pdf (2026年9月13日確認)
- 由布市「登山の注意喚起」(2022年12月19日更新) https://www.city.yufu.oita.jp/cate_2/article_81247 (2026年9月13日確認)
- 亀の井バス「時刻表」 https://kamenoibus.com/scheduled_tt/ (2026年9月13日確認)
- 亀の井バス 湯布院線(系統36)時刻表PDF(2026年3月14日現在) https://kamenoibus.com/scheduled_tt/pdf/202603/36d.pdf / https://kamenoibus.com/scheduled_tt/pdf/202603/36e.pdf (2026年9月13日確認)
- 別府市「登山規制情報」(2025年12月1日更新) https://www.city.beppu.oita.jp/sangyou/nourinsuisan/tozankisei.html (2026年9月13日確認)
- 別府市「火入れ(野焼き)の予定」 https://www.city.beppu.oita.jp/sangyou/nourinsuisan/hiire.html (2026年9月13日確認)
- 別府市「由布岳山開き祭」 https://www.city.beppu.oita.jp/sangyou/kankou/yufudakeyamabiraki.html (2026年9月13日確認)
- 環境省「阿蘇くじゅう国立公園」 https://www.env.go.jp/park/aso/intro/ (2026年9月13日確認)
- 気象庁「由布岳の活動状況」 https://www.data.jma.go.jp/vois/data/report/activity_info/514.html (2026年9月13日確認)
- 大分県警「山岳遭難の概要(山系別統計)」 https://www.pref.oita.jp/uploaded/life/2306947_4527843_misc.pdf (2026年9月13日確認)
