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陣馬山(じんばさん)は、東京都八王子市と神奈川県相模原市の境にある標高855mの山です(八王子市公式。相模原市の観光案内PDFには857mの表記もあります)。12月に登るかどうかを決めるとき、迷うのは天気よりも「何時のバスで行き、何時に下り始めるか」のほうです。
12月は条件が日付で変わります。藤野駅から和田へ向かう登山バスの実証運行は、2026年12月6日(日)で終わります。12月の運行日は5日(土)と6日(日)の2日だけです。東京の日の入は12月1日が16時28分、31日が16時37分で、1年でいちばん暗くなるのが早い時期にあたります(国立天文台、2026年11月7日確認)。
4つの登山口の標高差や、高尾山まで縦走する日の時刻の決め方は、陣馬山の登山口と縦走の時刻をまとめた記事で扱っています。ここでは12月に絞り、バス・日の入・山頂の茶屋・霜どけの道の4つから「12月の陣馬山の1日」を組み立てます。
- 藤野側の登山バス(実証運行)は12月5日・6日の2日だけ走り、12月6日(日)で終わること
- 12月7日以降の土日祝は、藤野駅から和田へ向かう路線バスが無い(和田線は2026年6月以降 土日祝の運行なし)こと
- 高尾駅北口1番のりばの美32は「大久保・陣馬高原下行」の表示で、時刻はバスナビで出かける日の分を見ること
- 東京の日の入は12月1日16時28分〜12月31日16時37分で、そこから下り始めの時刻を決める方法
- 八王子アメダスの12月の日最低気温の平年値0.8℃は麓の観測点の値で、山頂の気温ではないこと
- 凍結が始まる日は公式に示されていないため、前日の気温と当日の登山口の様子で足元を決めること
- 山頂の茶屋は冬の営業日が公式に示されておらず、昼食と温かい飲み物は持参で組むこと
- 高尾山までの縦走は約7〜8時間(相模原市の観光案内)で、12月は途中で切り上げる案を持つこと
12月の陣馬山は歩けるか|通行止めの扱いと凍結の日付の見方
結論から書くと、12月の陣馬山は、公式に「通行止め」「入山禁止」と書かれていない範囲では歩ける山です。ただし、道の状態を日付で示す公式の情報はありません。凍結しているか、霜どけでぬかるんでいるかは、出かける日の前日と当日に自分で確かめて決めることになります。
通行止めや入山禁止は日ごとに変わります。八王子市には道路の通行規制のページがありますが、更新が2024年2月28日のままです。今の状態の根拠には使えません。陣馬新道・栃谷尾根・一ノ尾根・和田峠への道についても、2026年11月7日時点で個別の規制の公告は八王子市・相模原市の公式に見当たりません。出かける前日に、八王子市の緊急情報のページ(https://www.city.hachioji.tokyo.jp/emegency/004/index.html)と相模原市の案内で確かめてください。
「通行止めの告知が見当たらない」は「道が安全」と同じ意味ではありません。規制は行政が出すもので、路面の凍結や倒木は告知が出る前から起きます。告知の有無と路面の状態は、別々に確かめる項目として分けて考えてください。
凍結についても同じです。八王子市・相模原市・高尾ビジターセンターの公式ページには、陣馬山の凍結や積雪が始まる時期の記載がありません。気象庁の八王子アメダスは、降雪・積雪の平年値が資料年数0で、数字が出ていません。「12月の何日から凍る」という答えは、公式のどこにも書かれていません。
代わりに使えるのが気温の平年値です。八王子アメダスの1991〜2020年の平年値は、12月の平均気温5.9℃、日最低気温0.8℃です(気象庁、2026年11月7日確認)。11月は平均11.1℃・日最低6.4℃なので、11月から12月で日最低気温が5℃以上下がる計算になります。これは麓の観測点の値です。観測点の標高は気象庁の該当ページに載っておらず、855mの山頂の気温ではありません。
霜柱や凍結がどの標高・気温から出やすいかの一般的な目安は、11月の登山で凍結はいつからかを早見表にした記事で整理しています。陣馬山の値ではありませんが、前日の最低気温を見るときの物差しになります。
編集部の見立て:12月の陣馬山で「行けるか」を決めるのは、山そのものの難しさではありません。告知が無いことを確かめたうえで、凍結は当日判断と割り切れるかどうかです。日付で答えが出ないことを最初に受け入れておくと、前日の準備が具体的になります。
12月の陣馬山の1日|日の出から下山までの時刻表
12月の1日は、明るい時間が短いことから組み立てます。東京の日の出は12月1日が6時32分、31日が6時50分です。日の入は16時28分から16時37分の間に収まります(国立天文台、東京の値、2026年11月7日確認)。山の中の谷や北向きの斜面は、この時刻より早く暗くなります。
下の表は、陣馬高原下から登る日と、12月5日・6日に藤野側の登山バスを使う日を並べたものです。バスの時刻のうち公式に載っているのは、相模原市の実証運行のPDFの値だけです。高尾駅北口の美32の時刻は公式ページに載っていないため、バスナビで確かめる欄にしています。
| 時間帯 | 陣馬高原下から(美32) | 藤野側(12月5日・6日の登山バス) |
|---|---|---|
| 日の出 | 12月1日6:32〜12月31日6:50(東京の値) | 同じ(東京の値・山の中ではない) |
| 行きのバス | 高尾駅北口1番のりば。時刻はバスナビで確かめる(公式ページに記載なし) | 藤野駅7:35/8:10/9:22/9:57発 → 陣馬登山口7:39/8:14/9:26/10:01 → 和田7:48/8:23/9:35/10:10 |
| 登り | 八王子市の案内で終点から山頂まで徒歩約90分 | 和田・陣馬登山口からの登りの時間は公式の値が見当たらない |
| 山頂 | 茶屋の冬の営業は公式の記載なし。昼食・飲み物は持参 | 同じ |
| 下り | 山頂〜陣馬高原下の下りの値は八王子市のページに無い | 相模原市の案内で山頂→和田の里 徒歩1時間、山頂→藤野駅は区間値の合計で2時間20分 |
| 帰りのバス | 最終はバスナビで確かめる | 和田13:35/14:10/15:15/15:50発 → 陣馬登山口13:44/14:19/15:24/15:59 → 藤野駅13:48/14:23/15:28/16:03 |
| 日の入 | 12月1日16:28〜12月31日16:37(東京の値) | 同じ(谷筋は早く暗くなる) |
表を横に読むと、12月の1日の骨格が見えてきます。行きは朝のバスで、帰りは日の入より前のバスか、日の入より前に登山口に着く時刻です。山頂にいられるのは、だいたい昼前から午後の早い時間までの数時間です。


12月の1日の組み方:朝のバスで登山口に入り、山頂には昼前に着く。昼食を山頂でとったら、午後の早い時間に下り始める。帰りの最終バスと日の入のうち、早いほうから山頂を出る時刻を決める。この順番で考えると、どの登山口を使っても時刻の組み方は同じになります。
編集部の見立て:12月の陣馬山の計画で、いちばん効くのは「山頂を出る時刻」を先に紙に書くことです。登り始めの時刻は朝のバスで自然に決まりますが、下り始めは景色や休憩でずるずる遅れます。先に決めた数字があると、山頂で迷わずに済みます。
日の入16時28分〜37分とクマの公表から決める、日付別の下り始め
12月の日の入は、月の初めと終わりで9分しか変わりません。東京の値で、12月1日16時28分、15日16時29分、22日16時32分、25日16時33分、31日16時37分です(国立天文台、2026年11月7日確認)。前後の月と比べると、11月30日が16時28分、2027年1月1日が16時38分です。12月は月全体が「日の入16時半前後」の月と考えてかまいません。
この数字から下り始めを決めます。藤野駅側へ下りる場合、相模原市の区間値は山頂→栃谷休憩所が1時間30分、栃谷休憩所→陣馬登山口が20分、陣馬登山口→藤野駅が30分です。公式の区間値を合計すると、山頂から藤野駅まで2時間20分になります。
| 日付 | 日の入(東京) | 藤野駅に日の入の1時間前に着くには | 山頂を出る時刻(編集部の目安) |
|---|---|---|---|
| 12月1日 | 16:28 | 15:28着 | 13:08まで |
| 12月15日 | 16:29 | 15:29着 | 13:09まで |
| 12月22日 | 16:32 | 15:32着 | 13:12まで |
| 12月31日 | 16:37 | 15:37着 | 13:17まで |
表の「1時間前に着く」は編集部が置いた余裕で、公式の決まりではありません。区間値は標準の歩きの時間で、休憩や霜どけでぬかるんだ下りの遅れは含みません。12月は山頂を13時ごろに出る、と覚えておくと日付による差を気にせずに済みます。
日の入の時刻は東京(県庁所在地)の値で、山の中の値ではありません。栃谷尾根のような谷へ下りる道や北側の斜面は、日の入より早く足元が見えにくくなります。ヘッドライトは12月は日帰りでも必ず持ち、下り始めが遅れたら早めに点けてください。
もう1つ、早朝と夕方を避ける理由があります。八王子市は、2026年10月17日19時40分ごろ、下恩方町2556付近(東京マラソンの森付近)でツキノワグマ1頭が撮影されたと公表しました(八王子市、2026年11月7日確認)。市は早朝や日没後の行動を避けること、最新の情報を確かめること、音の出るものを持つことを呼びかけています。相模原市も、市内の山中にクマが生息するとして山地のハイキングに注意を促しています(最終更新2026年10月2日)。
この公表は「陣馬山が危ない」という意味ではありません。ただ、日没後に山道を歩かない計画は、暗さの面でもクマの面でも同じ答えになります。日の入の1時間前に登山口へ下りる計画は、12月の陣馬山では二重に理にかなっています。
日の入から引き返し時刻を出す考え方を、東京・長野・大阪の月別の早見表で確かめたいときは、登山の日没の早見表と引き返し時刻の決め方が使えます。出かける日の日の入は、国立天文台の「各地のこよみ」でも確かめられます。
編集部の見立て:12月は「日の入まで歩ける」と考えるより、「日の入の1時間前には車道に出ている」と考えるほうが計画が崩れません。9分しか変わらない月なので、山頂を13時に出る、という1つの数字で12月を通して組めるのは扱いやすい点です。
霜どけのぬかるみと凍った朝の道|12月の陣馬山の足元
12月の陣馬山の足元は、時間帯で2つの顔を持ちます。冷え込んだ朝は、地面の表面が凍ったり霜柱が立ったりします。日が当たって気温が上がる昼前後からは、その霜柱がとけて土がぬかるみます。同じ道でも、朝の登りと昼過ぎの下りでは滑り方が違うということです。
どちらが起きるかは、前日の最低気温でおおまかに見当をつけます。八王子アメダスの12月の日最低気温の平年値は0.8℃です。麓でこの値なら、山頂付近はそれより冷えている日があると考えるのが自然です。ただし、山頂の気温を示す公式の観測値はありません。前日の夜に、麓の最低気温が0℃を下回る予報なら、朝の凍結と昼のぬかるみの両方を想定しておきます。
- 前日夜の予報で、八王子の最低気温が0℃を下回るか
- 前日までの数日に雨や雪が降り、道が湿ったままになっていないか
- 当日の朝、登山口の車道の端や日陰に霜や氷が残っていないか
- 下りの時間帯が、日が当たってぬかるみやすい昼過ぎに重なるか
この4つのうち2つ以上に当てはまる日は、靴と滑り止めの準備を厚くします。逆に、前日まで晴れて乾いていて、最低気温も0℃を上回る日なら、普段の登山靴で歩ける日が多いと考えられます。ぬかるみは凍結と違って毎日のように起こり得るので、12月はまず靴の防水と靴底を見直します。
霜どけのぬかるみで滑りやすいのは下りです。土が靴底に詰まると、溝が埋まって次の一歩が滑ります。下りで足を前に大きく出さず、歩幅を狭くしてかかとから落とさないようにしてください。
靴を選び直すなら、足首まで覆うミッドカットで、防水の膜を持つものが12月の陣馬山に向きます。メレルのモアブ 3 シンセティック ミッド ゴアテックス(型番500249)は、ミッドカットにゴアテックスを組み合わせたハイキングシューズです。ローカットの靴で冬の低山を歩いていて、ぬかるみで靴の中が濡れるのが気になる人が、最初に替える1足の候補になります。
編集部の見立て:12月の陣馬山で靴に求めるのは、凍った道を歩く性能より、ぬかるみで靴の中を濡らさないことです。凍結は日によってありませんが、霜どけの泥は晴れた日の昼過ぎにも出ます。毎回使う装備から整えるほうが、出番の少ない道具を先に揃えるより確実です。
高尾駅北口の美32が12月の足|始発・最終の確かめ方
12月7日以降、陣馬山に公共交通で向かう主な足は、高尾駅北口から出る西東京バスの美32になります。のりばは北口1番のりばです。行き先表示は「大久保・陣馬高原下行」で、霊園正門・タウン入口・川原宿大橋・大久保を通ります(西東京バス、2026年11月7日確認)。八王子市の案内では、高尾駅北口から「陣馬高原下」行きのバスで約40分、終点から山頂まで徒歩約90分です。ただし、このページの更新は2016年6月29日です。
大事なのは時刻の調べ方です。西東京バスの公式ページが時刻表として案内しているのはバスナビで、公式ページの上に始発・最終の時刻は載っていません。陣馬高原下行きの時刻は、バスナビ(https://transfer.navitime.biz/bus-navi/pc/diagram/BusCourseSearch?busstopId=00020348)で出かける日の分を見てください。
行き先表示が「大久保・陣馬高原下行」となっているため、陣馬高原下まで行く便かどうかを乗る前に確かめてください。12月の年末年始はダイヤの変更があり得ます。冬期や年末年始の変更の告知は、2026年11月7日時点で公式に見当たりません。前日にもう一度バスナビを開いてください。
紙の時刻表に頼れない点も覚えておきます。西東京バスは、2026年4月1日改正分から各駅のポケット時刻表の作成を終えています(西東京バス、2026年11月7日確認)。駅でもらった古い時刻表を持っていても、それは今の時刻ではありません。
- 前日の夜にバスナビで、出かける日付の高尾駅北口発・陣馬高原下行きの時刻を見る。大久保止まりの便と区別する
- 同じ画面で陣馬高原下発の帰りの最終を見て、その時刻と日の入(東京)のうち早いほうを書き出す
- 書き出した時刻から、山頂を出る時刻を決める。下りの公式の値が無い分、余裕は多めにとる
帰りの最終が日の入より早い日は、その最終が1日の締め切りです。陣馬高原下から高尾駅までのバスを逃すと、登山口から先の移動手段を自分で手配することになります。12月の陣馬高原下ルートは、日の入より帰りの最終バスで決まる日があります。
編集部の見立て:美32の時刻が記事に載せられないのは不便に見えますが、裏返すと「毎回その日の時刻を見る」習慣がつきます。年末年始のように日で変わる時期は、記事の数字より前日のバスナビのほうが正確です。
藤野側の登山バスは12月6日(日)まで|12月7日以降の行き方
藤野駅から陣馬登山口・和田へ向かう登山バスは、相模原市の実証運行です。運行期間は2026年10月10日(土)から12月6日(日)までの土曜・日曜・祝日で、荒天時は運行しない場合があります(相模原市、2026年11月7日確認)。12月の運行日は12月5日(土)と6日(日)の2日です。区間は藤野駅⇔陣馬登山口⇔鎌沢入口⇔和田です。
時刻は、藤野駅発が7時35分・8時10分・9時22分・9時57分の4便です。和田発は13時35分・14時10分・15時15分・15時50分の4便で、最後の便だけやまなみ温泉入口(16時15分)まで行きます。運賃と購入方法は、公式PDFに載っていません。相模原市の案内ページ(https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kankou/1026674/1026704/1026705/1034728.html)で確かめてください。
12月5日・6日の組み方:和田発の最終は15時50分です。相模原市の案内では山頂→和田の里が徒歩1時間なので、遅くとも14時30分ごろには山頂を出る計算になります。日の入(16時28分前後)より、帰りのバスのほうが先に締め切りになる日です。5日・6日は、15時15分の便に乗るつもりで山頂を14時前に出ると、1本遅れても最終に間に合います。
12月7日以降は事情が変わります。藤野駅から和田へ向かう和田線の通常運行は、令和8年(2026年)6月以降、土曜・日曜・祝日の運行がありません。さらに令和9年(2027年)3月末に廃止予定です(相模原市、2026年11月7日確認)。実証運行の延長や別の運行は、2026年11月7日時点で公式に記載が見当たりません。
そのため、12月7日以降の土日祝に藤野側を使うなら、藤野駅から歩き出すか、タクシーを考えることになります。藤野駅から歩く場合、相模原市の区間値は陣馬登山口→藤野駅が30分、栃谷休憩所→陣馬登山口が20分です。登り方向の公式の値は見当たらないため、下りの値をそのまま登りに当てはめないでください。
平日の和田方面の通常バス(神奈川中央交通)は、2026年6月の改正で朝の時間帯だけになったという案内があります。12月の時刻は神奈川中央交通の公式案内(https://www.kanachu.co.jp/routebus/office.html)で出かける日の分を確かめてください。車を使わずに登山口へ向かう方法の全体像は、バス・タクシー・シャトルの使い分けをまとめた記事にあります。
藤野駅から歩き出す日は、バスに乗る日より行動時間が長くなります。登りで汗をかき、山頂の冷えで体が冷える、という順番が12月の陣馬山では起こりやすくなります。肌に触れる1枚を汗が残りにくい素材にしておくと、山頂で止まったときの冷え方が変わります。スマートウールのクラシックオールシーズンメリノベースレイヤー ロングスリーブ(型番SW61030)は、メリノウールの長袖の肌着で、化繊の肌着で汗冷えが気になる人の替えの候補になります。
編集部の見立て:12月7日以降の土日祝は、藤野側から入るか陣馬高原下から入るかで、1日の長さがまるで違います。藤野駅から歩く体力と時間に余裕がないなら、12月は陣馬高原下の美32に切り替えるのが素直な判断です。
山頂で富士山を待つ冷えに備える、ザックと保温着の組み合わせ
12月の陣馬山で装備が問われるのは、歩いている間より止まっている間です。八王子市は、晴れた日は西に富士山が見えると案内しています。12月に見えるかどうかは天気しだいで、季節や時間帯の記載はありません。それでも、晴れ間を待って山頂にとどまる時間は、12月にいちばん体が冷える時間になります。
選ぶ基準は3つです。1つ目は、止まった瞬間にすぐ羽織れること。2つ目は、脱いだ保温着や手袋、温かい飲み物を入れても口が閉まる容量のザックであること。3つ目は、歩くときに着る中間着と、止まったときに足す上着を別々に持つことです。汗をかく登りでは薄く、山頂では厚く、という切り替えを道具の組み合わせで作ります。
| 道具 | 12月の陣馬山での役目 | 向く人 |
|---|---|---|
| ドイター トレイル 30(型番3440723) | 脱いだ上着と保温ボトルを入れて口が閉まる30の容量 | 20前後のザックで冬の上着が入りきらない人 |
| マムート クラッグ インサレーション ジャケット(1013-03430) | 化繊の中綿で、行動中に羽織ったままにしやすい | 汗をかいても保温を落としたくない人 |
| モンベル ライトアルパインダウンジャケット(1101608) | 山頂で止まったときに足すダウンの上着 | 休憩中の冷えがいちばん気になる人 |
| モンベル クリマプラス ニットパーカ(1106589) | 登りで着る中間着のフリース | 冬の中間着をまだ決めていない人 |
ダウンの上着の重さやフィルパワーを並べて見たいときは、登山のライトダウンを重さとFPで並べた記事が参考になります。12月の低山では、行動中に着る中間着と、止まったときに足すダウンを分けて考えると選びやすくなります。
ザックから見直すなら、容量が先です。ドイターのトレイル 30(型番3440723)は、名前のとおり30の容量の登山用バックパックです。夏と同じ20前後のザックで、12月の上着や保温ボトルが入りきらない人に向きます。
行動中に着たままにしたい人には、化繊の中綿が扱いやすい選択です。マムートのクラッグ インサレーション ジャケット(1013-03430)は、中綿入りのインサレーションジャケットです。登りで少し汗をかいても脱ぎ着を減らしたい人の候補になります。
山頂でじっと待つ時間に備えるなら、ダウンを1枚足します。モンベルのライトアルパインダウンジャケット(1101608)は、止まったときにザックから出して羽織る上着として使いやすいダウンジャケットです。休憩中の冷えがいちばん気になる人に向きます。
登りで着る中間着が決まっていない人は、フリースから考えます。モンベルのクリマプラス ニットパーカ(1106589)は、フード付きのフリースジャケットです。肌着の上に着て歩き、山頂ではこの上にダウンを重ねる、という組み方ができます。
編集部の見立て:12月の陣馬山の上着は、1着で全部まかなうより、中間着と止まったときの上着を分けるほうが失敗しにくいと考えています。登りで暑くて脱ぎ、山頂で寒くて着る。その出し入れができる容量のザックまで含めて、1つの組み合わせです。
チェーンスパイクを持つ日・持たない日|1月以降の陣馬山
陣馬山にチェーンスパイクが要るかどうかは、12月の中でも日によって答えが変わります。凍結が始まる日を示す公式の記載はなく、決めるのは前日の気温と道の湿り具合です。先に挙げた4つの確認項目のうち、最低気温が0℃を下回る予報と、直前の雨・雪の2つが重なる日は、チェーンスパイクを持つ日と考えます。
1月以降はどうなるかも、気温の平年値から見当がつきます。八王子アメダスの1月の平年値は、平均3.4℃、日最低−1.8℃です(気象庁、2026年11月7日確認)。12月の日最低0.8℃から、1月は0℃を下回ります。麓の観測点でこの値なので、1月は12月より凍結を前提にした準備が要る日が増えると考えるのが自然です。ただし、積雪の平年値は八王子アメダスで資料年数0のため、雪の多さは数字で示せません。
| 月 | 八王子の平年値(麓の観測点) | 足元の準備の目安 |
|---|---|---|
| 11月 | 平均11.1℃・日最低6.4℃ | 普段の登山靴が基本 |
| 12月 | 平均5.9℃・日最低0.8℃ | 防水の靴を基本に、冷え込む日はチェーンスパイクを持つ |
| 1月 | 平均3.4℃・日最低−1.8℃ | チェーンスパイクを持つ日が増える前提で準備する |
要らないものもはっきりさせておきます。陣馬山の12月に、爪の長い本格的なアイゼンやピッケルが要るという公式の記載はありません。持つとしても、靴にかぶせるチェーンスパイクまでで十分なことが多い山です。チェーンスパイクと軽アイゼン、アイゼンの違いは、チェーンスパイクがいつ必要かを公式値で整理した記事にまとめています。
チェーンスパイクは、土が出ている道を長く歩くと爪と靴底の間に泥が詰まります。凍っている区間を過ぎたら外す、また凍った区間が出たら付ける、という付け外しを面倒がらないでください。付けっぱなしで泥の下りを歩くと、かえって滑ることがあります。
持つと決めたら、靴のサイズに合うものを選びます。スノーラインのチェーンセンプロ(型番SL44UES001)は、Lサイズが靴の25.0〜27.5cmに対応するチェーンスパイクです。冬の低山で、凍結した朝の道に備える最初の1つを探している人の候補になります。チェーンスパイクや冬の上着をまだ持っていない人は、買う前に登山道具のレンタルのやまどうぐレンタル屋
で扱いがあるかを見てみる方法もあります。
編集部の見立て:陣馬山の冬に必要なのは、大げさな雪山の装備ではありません。冷え込む日の朝だけ役に立つチェーンスパイクを、軽い保険としてザックに入れておく程度で足ります。持つかどうかを毎回前日に決める、その判断のほうが道具より大事です。
山頂の茶屋が閉まっていても困らない昼食と温かい飲み物
陣馬山の山頂には清水茶屋・信玄茶屋・富士見茶屋の名で知られる茶屋がありますが、冬の営業日は公式に示されていません。茶屋の営業は事業者の判断で、八王子市の陣馬山のページにも茶屋やトイレの記載はありません。12月の陣馬山は、茶屋が開いていなくても困らない前提で昼食と飲み物を持っていきます。営業は当日の現地の掲示で確かめてください。
持っていくものは、温かい飲み物と、手袋をしたままでも食べやすい昼食です。12月の山頂は、晴れていても風があると体感が下がります。止まっている時間に温かいものを口にできるかどうかで、山頂での待ち時間の長さが変わります。
- 温かい飲み物を、出発から昼過ぎまで温度を保てる容器に入れたか
- 昼食は、手袋をしたまま、または短時間外すだけで食べられる形か
- 行動食を、ポケットなど止まらずに取り出せる場所に入れたか
- 茶屋が閉まっている前提で、水分の量を家で決めてきたか
- ごみを持ち帰る袋を用意したか
保温ボトルは、山専用ボトルと普通の水筒で、6時間後の温度に差が出るとされます。数字の比べ方は登山の保温ボトルの違いをまとめた記事で確かめられます。朝に入れたお湯を昼の山頂で使う12月の陣馬山では、この差が昼食の中身に響きます。
朝に入れた温かい飲み物を、山頂の昼まで持たせたい人には、山専用の保温ボトルが向きます。サーモスの山専用ステンレスボトル(型番FFX-501)は、容量500mlの登山向けの保温ボトルです。茶屋を当てにせず、山頂で温かい飲み物を用意したい人の候補になります。
編集部の見立て:山頂の茶屋は、開いていたら得をする場所と考えるくらいがちょうどいいと見ています。営業を前提にすると、閉まっていた日に昼食も飲み物も無くなります。持参で組んだ計画なら、茶屋が開いていても閉まっていても1日の時刻は崩れません。
高尾山まで縦走する日と車で行く日は、12月にどう考えるか
陣馬山から高尾山への縦走は、相模原市の観光案内で約7〜8時間・約17kmです(相模原市、2026年11月7日確認)。12月の日の出6時32分〜6時50分、日の入16時28分〜16時37分と並べると、明るい時間は10時間弱しかありません。朝いちばんのバスに乗れたとしても、歩き始めまでの移動を引くと、日没までの余裕は多くありません。
12月の縦走の判断:約7〜8時間の行程を、明るい時間の10時間弱に収めるには、休憩と遅れの余裕がほとんど残りません。12月に縦走するなら、途中で切り上げる地点を出発前に決めておくのが前提です。切り上げずに通す日は、日の長い季節に回す判断も十分にあり得ます。
切り上げ方は2つ考えられます。1つは、陣馬山の山頂までで切り上げ、同じ側へ下りる案です。もう1つは、相模原市の案内にある明王峠を通る道を使い、相模湖駅側へ下りる案です。相模原市の区間値では、明王峠〜陣馬山頂が50分、与瀬神社〜明王峠が2時間15分、相模湖駅〜与瀬神社が15分です。縦走の区間ごとの時刻や登山口の選び方は、冒頭で案内した陣馬山の登山口の記事で確かめてください。
高尾山では、冬至の12月22日前後にダイヤモンド富士が話題になります。高尾山側で日の入の時刻から下山を組む考え方は、ダイヤモンド富士2026と高尾山の下山の組み方にまとめています。縦走の終点を高尾山にする日は、この時期の混雑も計画に入れてください。
車で行く日の考え方も、12月は慎重になります。相模原市のPDFには、和田橋・陣馬登山口付近に駐車場があるとだけ書かれています。台数・料金・冬の扱いは、2026年11月7日時点で公式の記載が見当たりません。和田峠の道路や駐車場の冬期の閉鎖についても、公式の記載はありません。車で行く日は、相模原市の観光案内で事前に確かめてください。路上や路肩に停める計画は立てないでください。
12月の朝は、山あいの道路の日陰が凍っていることがあります。登山道の凍結と同じく、道路の凍結も公式に日付で示されてはいません。車で行く日は、道路の状態とスタッドレスタイヤの要否を前日に確かめ、迷う日はバスに切り替えてください。
縦走の日は手の冷えにも備えます。長い行程で手袋が濡れると、後半に指先が冷えて道具の操作がしにくくなります。ショーワグローブのTEMRES 04advance(型番TEMRES04)は、作業用の防水手袋として知られるグローブです。冬の低山で、濡れに強い手袋を1組持っておきたい人の候補になります。
編集部の見立て:12月の陣馬山は、縦走で距離を稼ぐより、陣馬山だけを明るいうちに歩き切る日にするほうが満足度が高いと考えています。高尾山までつなぐ楽しみは、日没に追われない季節に取っておけます。
よくある質問
Q. 12月の陣馬山は、何時ごろに出発すればいいですか?
帰りの締め切りから決めます。藤野駅側へ下りる日は、東京の日の入(12月は16時28分〜16時37分)の1時間前に藤野駅に着くとして、山頂を13時過ぎまでに出るのが目安です(公式の区間値を合計した2時間20分から計算した編集部の目安)。陣馬高原下へ下りる日は、バスナビで帰りの最終を見て、その時刻と日の入のうち早いほうから決めてください。
Q. 12月に雪は積もっていますか?
陣馬山の積雪や凍結の始まりを示す公式の記載は、2026年11月7日時点で見当たりません。八王子アメダスの積雪の平年値も資料年数0で出ていません。前日の気温と、当日の登山口の様子で判断してください。
編集部の見立て:「雪はありますか」という質問には、日付で答えられないのが陣馬山の12月です。だからこそ、前日の最低気温を見て、0℃を下回る日はチェーンスパイクを持つ、という自分の基準を1つ決めておくのがいちばん実用的です。
Q. 12月に富士山は見えますか?
八王子市は、晴れた日は西に富士山が見えると案内しています。季節や時間帯の記載は無く、12月に見えるかどうかは天気しだいです。見えるのを待って山頂にとどまる日は、上着と温かい飲み物を多めに持ってください。
Q. 12月7日以降に藤野駅から登れますか?
登山バスの実証運行は12月6日(日)までで、和田線の通常運行も2026年6月以降は土日祝の運行がありません。12月7日以降の土日祝に藤野側を使うなら、藤野駅から歩き出すか、タクシーで考えてください。平日の和田方面のバスは、神奈川中央交通の公式案内で時刻を確かめてください。
Q. 山頂の茶屋で昼食をとれますか?
山頂の茶屋は、冬の営業日が公式に示されていません。昼食と飲み物は持参し、営業は当日の現地の掲示で確かめてください。
編集部の見立て:FAQに並ぶ答えのほとんどが「前日か当日に確かめる」になるのは、12月の陣馬山が日で変わる山だからです。確かめる先を出発前にブックマークしておくだけで、当日の迷いはかなり減ります。
まとめ|12月の陣馬山は帰りの時刻を先に決め、足元は前日の気温で選ぶ
12月の陣馬山は、公式に通行止めと書かれていない範囲では歩ける山です。ただ、藤野側の登山バスは12月6日(日)で終わり、7日以降の土日祝は藤野駅から和田へ向かう路線バスがありません。12月の主な足は、高尾駅北口1番のりばの美32になります。時刻は公式ページに載っていないため、バスナビで出かける日の分を見ます。
東京の日の入は12月を通して16時半前後です。藤野駅側へ下りるなら山頂を13時過ぎまでに出る、陣馬高原下へ下りるなら最終バスと日の入の早いほうから決める。凍結の始まる日は公式に無いので、前日の最低気温と道の湿り具合で、防水の靴とチェーンスパイクの要否を決めます。
編集部の見立て:12月の陣馬山の計画は、行きより帰りを先に決めるだけで、ほとんどの失敗を避けられると考えています。バスの最終と日の入、この2つの数字を紙に書いてから家を出てください。
- 出かける日の前日に、バスナビで美32の行きと帰りの最終を見る(12月5日・6日なら藤野側の登山バスの時刻も見る)
- 帰りの最終と東京の日の入のうち早いほうから、山頂を出る時刻を紙に書く
- 前日の最低気温の予報と直前の天気を見て、防水の靴・チェーンスパイク・保温着・温かい飲み物を決めてザックに入れる
編集部の見立て:12月は明るい時間が短いぶん、山頂で過ごす数時間が貴重になります。時刻と足元を前日に決めておけば、当日は景色と温かい飲み物に気持ちを向けられます。
出典
- 八王子市「陣馬山」https://www.city.hachioji.tokyo.jp/kankobunka/001/004/p003386.html(2026年11月7日確認)
- 八王子市「ツキノワグマの目撃情報」https://www.city.hachioji.tokyo.jp/kurashi/sangyo/004/jyugai/p038171.html(2026年11月7日確認)
- 八王子市 緊急情報・道路の通行規制 https://www.city.hachioji.tokyo.jp/emegency/004/index.html(2026年11月7日確認)
- 西東京バス 高尾駅のりば案内 https://www.nisitokyobus.co.jp/rosen/noriba/takao.html(2026年11月7日確認)
- 西東京バス ポケット時刻表 https://www.nisitokyobus.co.jp/rosen/pocket.html(2026年11月7日確認)
- バスナビ 高尾駅北口 https://transfer.navitime.biz/bus-navi/pc/diagram/BusCourseSearch?busstopId=00020348(2026年11月7日確認)
- 相模原市 和田線・登山バス実証運行 https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kankou/1026674/1026704/1026705/1034728.html(2026年11月7日確認)
- 相模原市 実証運行の運行期間・時刻(PDF)https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/034/728/kikan_unkou_jikoku.pdf(2026年11月7日確認)
- 相模原市 ハイキングコース https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kurashi/1026489/kankyo/1026504/shinrin/1028405/hiking_fu/1008243.html(2026年11月7日確認)
- 相模原市 観光案内(PDF)https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/021/225/202503/01.pdf(2026年11月7日確認)
- 相模原市 クマへの注意 https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kurashi/1026489/kankyo/1026504/1015732/1008179.html(2026年11月7日確認)
- 神奈川中央交通 路線バス営業所 https://www.kanachu.co.jp/routebus/office.html(2026年11月7日確認)
- 国立天文台 日の出入り(東京・2026年12月)https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2026/s1312.html(2026年11月7日確認)
- 国立天文台 日の出入り(東京・2026年11月)https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2026/s1311.html(2026年11月7日確認)
- 国立天文台 日の出入り(東京・2027年1月)https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2027/s1301.html(2026年11月7日確認)
- 気象庁 八王子の平年値 https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/nml_amd_ym.php?block_no=0366&prec_no=44(2026年11月7日確認)


