【2026年】シリオの登山靴の選び方|現行14品番をワイズ・ソールスタンス・重さで比べる

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。

シリオは、日本では足の長さと幅の比率が10対4の人が半数以上という公式の説明を基準に、ワイズを3E・3E+・4E+の3つに分けた登山靴です。低山の日帰りが中心なら、公式が「入門用」と書くP.F.302や「初級から中級用」と書くP.F.46-4のように、ソールスタンスが長め(柔らかい側)のモデルが候補で、岩や不整地ならスタンスが短い(硬い側)431・441、重い荷物の縦走なら公式が「重い荷物を背負った縦走にも対応」と書くソールの630・640が候補になります。雪山でアイゼンを付けるなら、公式が「セミワンタッチアイゼン対応」と書くP.F.730・P.F.731だけで、そのうち「防寒モデル」と書かれているのは731のほうです。

公式カタログ「SIRIO BOOK 2026」に載っている現行モデルは14品番。ソールスタンスという1本の数字が10cmから5cmまで並び、公式はこれを「靴の硬さの目安」と説明しています。区分・ワイズ・重さ・ソールの名前も、この数字とおおむね連動して変わります。

もう1つ、長く履くかどうかで分かれる線があります。軽いローカット・ミッドカット系とP.F.302はソールの張替えができず、P.F.46-4から上の品番は張替えができる、という線です。買う前にこの線を知っておくと、数年後の選択肢が変わります。

  • 3Eは41Aだけ、4E+はP.F.441とP.F.640だけで、ほかの11品番は3E+という、ワイズの分布
  • 公式が「捨て寸(約1.3cm)を考慮して制作」と書き、ゲージ表示と同じサイズから合わせ始めるよう案内していること
  • 現行14品番の片足の重さ(26.0cm)が約360gから約820gまで開き、ソールスタンスが10cmから5cmまで並ぶこと
  • 山の条件4つ(整備された登山道・岩や不整地・重い荷物・雪山でアイゼン)ごとに、公式の言葉で○が付く品番
  • 13-1とP.F.630の差が片足460g、両足で920gになるという計算と、その読み方
  • ソール張替えができる品番とできない品番の線、張替え期間の公式内の表記の違い、PUミッドソールの「5年は目安」
  • 起毛革に保革油を使わない、乾かすときに火や直射日光を使わない、という公式の手入れの決まり

3Eは41Aだけ、4E+はP.F.441とP.F.640だけ──「10対4」で足幅の区分を先に決める

シリオの公式サイトは、自社を「日本人専用木型の登山靴シリオ」と書き、1993年から続くブランドだと説明しています。日本で企画し、イタリアで設計して、生産はイタリアとベトナムです。足型の考え方の土台にあるのが、足の長さと幅の比率。欧米では10対3.5が多いのに対し、日本では10対4の人が半数以上だ、というのが公式の説明です。

この比率を物差しにして、シリオはワイズを3つに分けています。

公式の3つのワイズ:3Eは「10:4」より足幅が細い人、タイトなフィットが好みの人。3E+は「10:4」がちょうど位の人、自然なフィット感が好みの人。4E+は「10:4」より幅広の人、長く歩いていると足が痛くなりやすい人(外反母趾等)と公式は説明しています。現行14品番のうち3Eは41Aだけ、4E+はP.F.441とP.F.640だけで、残りの11品番はすべて3E+です。

つまり、足幅が10対4より細い人と幅広の人は、品番がはじめから2〜3個に絞られます。逆に10対4前後の人は、3E+の11品番のなかから用途で選ぶことになります。

カタログの2ページには、メーカーとしての主張も書かれています。日本人向けに幅広のラスト(木型)を使っていても、ソールは欧米人向けの幅の細いソールを共有しているので、幅広というより「ボリュームのある靴になるケースがほとんど」。シリオは3つのワイズを「ソールから企画、開発」している、という説明です。これはメーカーの主張なので、自分の足に合うかどうかは、後で触れるワイズゲージと試着で確かめる順番になります。

品番を眺める前に、自分の足が10対4より細いか、ちょうどか、幅広かを先に決めてしまうほうが早いと考えています。4E+の人なら候補は441と640の2つ、3Eの人なら41Aの1つです。幅の問題を後回しにすると、用途で選んだ品番が幅で外れる、という手戻りが起きます。

3Eと4Eの違いや、足囲の実寸の測り方は、ブランドをまたいで登山靴の幅広モデルの比べ方にまとめています。シリオ以外の幅広モデルも並べて見たい人は、先にそちらで実寸を出しておくと話が早く進みます。

サイズは山で履く靴下とワイズゲージで、ゲージ表示と同じサイズから合わせる

シリオの公式は、サイズ合わせの手順を具体的に書いています。店頭にはシリオ専用のワイズゲージがあり、これで足の幅と長さを確かめます。乗り方にも決まりがあります。

  1. 山歩きの時に履くソックスを履いて店に行く(公式は靴と一緒にソックスを購入することもすすめています)
  2. ワイズゲージに両足で乗り、膝を少し曲げ、踵をヒールバーに密着させる
  3. ゲージの表示を目安に、表示と同じサイズのブーツから合わせ始める

3つ目の手順には理由が書かれています。公式は「シリオブーツは、捨て寸(約1.3cm)を考慮して制作していますので、ゲージ表示と同じサイズのブーツからサイズ合わせを始めてください」と案内しています。いわゆる「普段より1cm大きめ」を、靴の側がはじめから見込んでいる、という読み方です。大きめ・小さめといったサイズ感の言葉は、公式には見当たりません。

「1cm大きめ」がほかのメーカーの公式ではどう書かれているかは、登山靴のサイズの選び方で比べています。シリオは捨て寸を約1.3cmと数字で書いています。

山用の厚手の靴下をまだ持っていない人は、ゲージに乗る前にまず1足そろえる順番になります。たとえばモンベルのメリノウール アルパイン ソックス(#1118418)は、公式の素材表示がウール63%・ナイロン28%・ポリエステル8%・ポリウレタン1%、平均重量118gの登山用ソックスです。

靴下の厚さと丈の選び方は登山用靴下の選び方とおすすめで、厚さ×丈の組み合わせから整理しています。試着の日に履いていく1足は、山で実際に履く予定の厚さに合わせるのが前提です。

甲まわりがゆるいと感じたときのために、シリオには純正のフルスペーサー(厚さ2mm・22.0〜29.0cm)があり、公式はフットベッドの下に敷くよう案内しています。純正のシリオフットベッドは3E・3E+・4E+に対応しています。

女性用について。公式のコンセプトページには「シリオ・レディース・ラスト」の説明がありますが、どの品番がそのラストかはカタログにも公式サイトにも書かれていません。言えるのは、22.5cmから選べる色が13-1・13-2・116-3・156-2・156-3・302・46-4・41A・431・441にある、という事実までです。

足の小さい人が困るのは、そもそも店に自分のサイズが置いてあるかどうかです。22.5cmから展開がある品番を先にメモしておき、店に問い合わせるときに品番と色をそろえて聞くのが確実だと思います。

現行14品番の公表値を横に並べると、重さは約360gから約820gまで開く

カタログ2026と公式サイトの「目的に応じた靴を選ぶ」ページに載っている現行品番は、次の14です。区分はカタログの掲載区分(ページの見出し)です。

品番 カタログの掲載区分 ワイズ 重さ(片足・26.0cm) ソールスタンス ソール 張替え 生産国
P.F.13-2(NEW) トラベル&カントリー、ウォーキング 3E+ 約360g 10cm MUSASABI × ベトナム
P.F.13-1 トラベル&カントリー、ウォーキング 3E+ 約360g 10cm MUSASABI × ベトナム
P.F.116-3 トラベル&カントリー、ウォーキング 3E+ 約390g(Brown/Prune)/約410g(Desert/Purple) 10cm USAGI × ベトナム
P.F.156-2 トラベル&カントリー、ライトトレッキング 3E+ 約450g 10cm USAGI × ベトナム
P.F.156-3 トラベル&カントリー、ライトトレッキング 3E+ 約390g 10cm MUSASABI × ベトナム
P.F.302 ライトトレッキング 3E+ 約580g 8cm KOI × ベトナム
P.F.46-4 ライトトレッキング 3E+ 約600g 7cm ŌKAMI ○ ベトナム
41A トレッキング 3E 約590g 6.5cm MASAI ○ イタリア
P.F.441 トレッキング 4E+ 約590g 6.5cm CAMOSCIO ○ イタリア
P.F.431 トレッキング 3E+ 約590g 6.5cm CAMOSCIO ○ イタリア
P.F.630 トレッキング 3E+ 約820g 5cm HAYABUSA ○ イタリア
P.F.640 トレッキング 4E+ 630と共通(約820g) 5cm HAYABUSA ○ イタリア
P.F.731 マウンティニアリング 3E+ 約760g 5cm CAMOSCIO ○ イタリア
P.F.730 マウンティニアリング 3E+ 「731と共通」の表記 「731と共通」の表記 CAMOSCIO 「731と共通」の表記 イタリア

表の注記(出典は公式カタログ「SIRIO BOOK 2026」と公式サイト、2026年10月28日確認):防水は各品番のページにGORE-TEXのロゴがあり、カタログは「大半のモデルにゴアテックス®メンブレンを採用」と書いていますが、耐水圧などの数値はありません。P.F.730は「基本スペックはP.F.731と共通」とだけ書かれ、単独の重さ・スタンスの数字はありません。P.F.630・640のサイズ展開はカタログに記載がありません。カットを言葉で書いているのは、ローカットが13-1・116-3(Desert/Purple)、ミッドカットが156-2・156-3だけです。並行輸入品の保証・修理の扱いも公式には見当たらないので、購入店か取扱店で確かめてください。

表を上から下へ読むと、ソールスタンスが短くなるにつれて重さはおおむね増え、ソールの名前も変わり、張替えが×から○へ切り替わる、という並びになっています。ただし品番の数字の大きさと重さは一致しません(片足約760gの731は、約820gの630より軽い)。

なお、P.F.421・P.F.46-3・P.F.530といった品番は、2026年のカタログと公式サイトの現行一覧には載っていません。カタログの後半(シューレースの対応表やPUミッドソールの表)には品番として出てきますが、現行の品番ではありません。中古や在庫品で見かけたときは、旧モデルとして扱ってください。

ソールスタンスで山の条件を判定する──雪山でアイゼンの○は730・731だけ

ソールスタンスについて、公式の定義は1文です。「靴の硬さ(フレックス)を測る目安です。硬い靴ほどソールスタンスは短くなり、柔らかい靴ほど長くなります」。

そのうえで、公式は長い靴と短い靴の性格を、それぞれ長所と注意の両方で説明しています。スタンスが長い靴は、ソフトフレックスで屈曲性が良く、緩斜面や平坦な道のりでの歩行がリズミカルになり、山歩きの入門に適している。ただし急斜面や重装備、不整地では足下が不安定になりやすく注意が必要。スタンスが短い靴は、急斜面で爪先のホールドがよく、重装備で足下を支え、不整地でも非常に安定する。ただし平坦な道を歩くにはフレックスが硬く、適しているとは言えない、という説明です。

ソールスタンスで見るシリオの靴の硬さ。左にソールスタンス(公表値)、右に品番と公式の説明を並べた対応表の図解。10cm・柔らかい=13系・116-3・156系/平坦や緩斜面/8cm=P.F.302/入門用/7cm=P.F.46-4/初級から中級用/6.5cm=41A・431・441/トレッキング/5cm・硬い=630・640・730・731/重装備。図の下部に「シリオ公式カタログ SIRIO BOOK 2026(2026年10月28日確認)」と注記。
ソールスタンスで見るシリオの靴の硬さ。左にソールスタンス(公表値)、右に品番と公式の説明を並べた対応表の図解。10cm・柔らかい=13系・116-3・156系/平坦や緩斜面/8cm=P.F.302/入門用/7cm=P.F.46-4/初級から中級用/6.5cm=41A・431・441/トレッキング/5cm・硬い=630・640・730・731/重装備。図の下部に「シリオ公式カタログ SIRIO BOOK 2026(2026年10月28日確認)」と注記。

判定の物差し:公式は「何cmから向く」という境目は書いていません。書いてあるのは「長いほど柔らかく、短いほど硬い」という向きだけです。だから判定は、スタンスの数字と、各品番に公式が添えた言葉の両方に根拠があるときだけ○にしています。

スポンサーリンク


凡例:○=公式の言葉か公表値に根拠がある/△=公式に記載がない、または公式のスタンスの説明が逆側を示す(不向きの意味ではない)。編集部の判定で、メーカーの保証ではありません。

品番 整備された登山道の日帰り 岩や不整地の多い道 重い荷物の縦走 雪山でアイゼン 理由(公式の言葉・公表値)
P.F.13-1/13-2 ○ △ △ △ スタンス10cm。公式は長い靴を「緩斜面や平坦な道のり」向きとし、不整地・重装備は「注意が必要」と書く
P.F.116-3 ○ △ △ △ Desert/Purpleのページに「よく整備された登山道のハイキング」。スタンス10cm
P.F.156-2/156-3 ○ △ △ △ 156-2は「キャンプやハイキングに」、156-3は「天候対応力の高い、テクニカルなミッドカット」。スタンス10cm
P.F.302 ○ △ △ △ 「基本を押さえた入門用」、区分はライトトレッキング(登山道)。スタンス8cm。KOIの説明に岩場の記載なし
P.F.46-4 ○ ○ △ △ 「初級から中級用」。ŌKAMIは「岩場、不整地でグリップ力」。スタンス7cm。重装備の記載なし
41A ○ ○ △ △ 区分トレッキング(不整地、登山道)。MASAIは「岩場、不整地で高いグリップ力」。スタンス6.5cm
P.F.431/441 ○ ○ △ △ 区分トレッキング(不整地、登山道)。CAMOSCIOは「凹凸地面グリップ力」。スタンス6.5cm。441は4E+
P.F.630/640 △ ○ ○ △ 「3シーズンハードトレッキング向け」。スタンス5cm。HAYABUSAは「重い荷物を背負った縦走にも対応」。平坦な道は公式が「適しているとは言えません」と書く側
P.F.731 △ ○ ○ ○(防寒モデル) 「セミワンタッチアイゼン対応防寒モデル」「ゴアテックス・インシュレーテッド」。スタンス5cm
P.F.730 △ ○ ○ ○(アイゼン対応・公式は3シーズンモデル。防寒の記載は731だけ) 「セミワンタッチアイゼン対応3シーズンモデル」。スタンス等は「731と共通」の表記で、730単独の数字はない

「重い荷物の縦走」に○が付くのは、公式のスタンスの説明(短い靴は重装備で足下を支える)か、HAYABUSAの説明に根拠がある品番だけです。46-4・41A・431・441はスタンスが6.5〜7cmと短めですが、荷物の量について公式の記載がないので△にとどめています。

同じ「雪山でアイゼン」の○でも、730と731は中身が違います。公式が「防寒モデル」「インシュレーテッド」と書くのは731だけで、カタログはこれを「通常のものより保温材を厚くし…高山、冬山でも足をガードする」と説明しています。730は「3シーズンモデル」です。ほかの12品番はアイゼンの記載がないだけで、付けられないとは書かれていません。どの山域・気温で731が使えるかという条件も、公式には書かれていません。

手持ちの3シーズン靴でどこまで冬の山に行けるか、冬靴が要るのはどんな条件かは、ブランドをまたいで雪山の登山靴の選び方で条件ごとに分けています。靴より先に爪の側から決めたい人は、軽アイゼンとチェーンスパイク・12本爪の使い分けから読むと、730・731が要る日かどうかの見当がつきます。

△は「公式が何も言っていない」という印で、「使えない」という意味ではありません。迷ったときは、○が付いた列の品番から店で比べ始めるのが、いちばん根拠の確かな選び方だと思います。

山の条件ごとに1足ずつ選ぶ──302・46-4・431・441・630

判定表の○と、カタログに公式が書いた言葉だけで、山の条件ごとに1足ずつ選ぶとこうなります。基準は3つです。1つ目は、自分の山行に近い列に○があること。2つ目は、ワイズが自分の足の比率に合うこと(幅広なら4E+の441か640)。3つ目は、長く履くつもりならソール張替えが○であること。なお公式は、スタンスが短い靴は平坦な道を歩くには「適しているとは言えません」と書いています。行く山に岩や重い荷物が少ないなら、硬さを上げすぎないことも選ぶ基準になります。

よく整備された登山道の日帰りが中心で、登山靴が初めての人はP.F.302です。公式は「基本を押さえた入門用」と書き、スタンスは8cm、片足約580g(26.0cm)。ソールの張替えは×なので、履きつぶしたら買い替える前提の1足になります。

岩や不整地もある日帰りから小屋泊まで広げたい人は、P.F.46-4です。公式の言葉は「初級から中級用」、スタンス7cm、ソールは公式が「岩場、不整地でグリップ力」と説明するŌKAMIで、張替えは○です。

足の比率が10対4くらいで、不整地にもう一歩進みたい人はP.F.431。公式は「タフでさらなるステップアップに」と書き、ワイズは3E+、スタンス6.5cm、ソールはCAMOSCIO、張替え○です。

10対4より幅広の足の人は、P.F.441が同じスタンス6.5cmの4E+版にあたります。公式の表記は「4E+幅モデル」で、ソールも張替え可否も431と同じです。

重い荷物を背負う3シーズンの縦走なら、P.F.630です。公式は「イタリア製ヌバックオールレザーモデル。3シーズンハードトレッキング向け」と書き、スタンスは現行で最も短い5cm、ソールは「重い荷物を背負った縦走にも対応」と説明されるHAYABUSA。ミッドソールはPU(ポリウレタン)で、公式は製造後およそ5年を目安に、減っていなくても張替えか買い替えを検討するよう書いています(5年は目安で、使用期限ではないとも明記)。幅広の人には同じ基本スペックの4E+版、P.F.640があります。

軽さとスタンスの短さはどれだけ引き換えか──両足の重さの差を計算する

スタンスが短い品番ほど重くなる、というのは表で見たとおりです。では実際にどれだけ違うのか。公表値はすべて26.0cm・片足の重さなので、その差を2倍して両足ぶんに直しました(左右が同じ重さとして計算。P.F.730は単独の数字がないため使っていません)。

比べる2品番 片足の公表値 片足の差 両足の差
P.F.302 → P.F.46-4 約580g → 約600g 約20g 約40g
P.F.13-1 → P.F.302 約360g → 約580g 約220g 約440g
P.F.13-1 → P.F.431 約360g → 約590g 約230g 約460g
P.F.46-4 → P.F.630 約600g → 約820g 約220g 約440g
P.F.731 → P.F.630 約760g → 約820g 約60g 約120g
P.F.13-1 → P.F.630 約360g → 約820g 約460g 約920g

いちばん軽い13-1といちばん重い630の差は、両足で約920g。500mlのペットボトル2本に近い重さが、足もとにぶら下がるかどうかの違いです。一方で、302と46-4の差は両足で約40gしかありません。スタンスは8cmから7cmへ短くなり、ソールはŌKAMIに変わって張替えも×から○になるのに、重さはほとんど変わらない組み合わせです。

スポンサーリンク


この計算で目を引くのは、302と46-4の差の小ささです。重さを理由に302を選ぶ必要はあまりなく、迷うなら「張替えをして長く履くか」で決めてよいと考えています。反対に、13・116・156系から46-4以上へ移ると、両足で400g以上が一度に増えます。

重さと疲れの関係について、公式は何も書いていません。公表値は26.0cmの片足なので、足のサイズが違えば重さも変わります。気になる2品番に絞ったら、店頭で左右を持ち比べてみてください。

ソールの名前で性格を読む──滑りにくさの順位は公式に無い

現行14品番のソールは7種類です。公式の「靴の機能」ページの説明を、品番と並べるとこうなります。

  • USAGI(116-3・156-2):VIBRAM社と共同開発したライトトレッキングソール。軽量でクッション性と歩行安定性
  • MUSASABI(13-1・13-2・156-3):VIBRAM MEGAGRIP搭載、Xフレームとヒールスタビライザーを内蔵した、天候対応力の高いオリジナルソール
  • KOI(302):歩行時の安定性、グリップ性に優れたブロックパターン。軽量かつ衝撃吸収に優れたEVAミッドソール
  • ŌKAMI(46-4):日本の地形に適したトラックパターン。角度を変えたブロックパターンで岩場、不整地でグリップ力。ドロ落ちの良いセルフクリーニング設計。MEGAGRIP搭載
  • MASAI(41A):広いコンタクトエリアで岩場、不整地で高いグリップ力。360°方向のマルチダイレクションスパイクとヒールブレーキング
  • CAMOSCIO(441・431・731・730):広いコンタクトエリアと、凹凸地面でグリップ力を発揮するマルチダイレクションスパイク。セルフクリーニング設計
  • HAYABUSA(630・640):マルチダイレクショングリップと広いコンタクトエリアのブロックパターン。重い荷物を背負った縦走にも対応。セルフクリーニング設計

説明の言葉に「岩場」「不整地」が入るのはŌKAMI・MASAIで、「重い荷物」が入るのはHAYABUSAだけ。MEGAGRIPの搭載が書かれているのはMUSASABIとŌKAMIの2つです。判定表の○は、この言葉の違いをそのまま映しています。

「シリオは滑るのか」という問いに答えられる数字は、公式にはありません。滑りにくさの試験値も、ソールどうしの優劣も出ていないので、どのソールが滑りやすいとも言えません。濡れた岩や苔の付いた道は、どの靴でも足の置き方を慎重にするのが前提です。

ソールを張り替えて履き続けられるのは、P.F.46-4から上の品番

公式のアフターサービスのページは、「アッパーさえ傷んでいなければ一部のモデルを除きソール張替えが可能」(有償)と書いています。Q&Aのページの条件はもう少し細かく、「アッパーおよびゴアテックス®メンブレンが傷んでいなければ」です。受付は購入店で、購入店に頼めない場合はシリオの取扱店に相談するよう案内されています。

カタログの仕様欄で見ると、張替え○は46-4・41A・441・431・630・640・731の7品番(730は731と共通の表記)。×は13-1・13-2・116-3・156-2・156-3・302の6品番です。ライトトレッキングの302と46-4のあいだに、ちょうど張替えの線が引かれています。

張替えの期間は、公式の中で2通りの表記があります。アフターサービスのページとカタログでは「2ヶ月、時期によってはそれ以上」、Q&Aのページでは「約1ヶ月間、時期によってはそれ以上」。どちらも、シーズン前は通常より時間がかかる場合があると書いています。出す時期は、山に行かない季節に寄せるのが無難です。

張替えに出すときは、フットベッドを外して自分で保管するよう公式は案内しています。ワックス加工したブーツは、ワックスオフのクリーニング代がかかることもあります。また、カタログには「シリオ純正以外のフットベッドを使用しての漏水は保証対象外となります」とあります。市販の中敷きに替える前に、この一文は知っておいてください。

PUミッドソールを使っているのは、現行ではHAYABUSAソールの630・640です。公式は、PUは製造後およそ5年を過ぎると使用頻度に関わらず経年劣化すると説明し、カタログには「3年経ったら必ずチェック!!」とあります。保証はお買い上げから1年間で、手を加えず、張替えもしていない状態の通常使用で品質・製造上の不備があれば無償修理、1年を過ぎると有償です。GORE-TEX製品の漏水の問い合わせ先は、2023年4月からGORE-TEXブランドサービスチームになっています。

張替え×の靴を選ぶのが悪いわけではありません。軽さと柔らかさを取って、ソールが減ったら次の1足に移る、という使い方もはっきりした選択です。ただ、買う時点でその前提を知っておかないと、数年後に「直せない」と知って驚くことになります。

張替えの費用の目安や、張り替えられる靴の見分け方は、ブランドをまたいで登山靴のソール張り替えにまとめています。

手入れを怠ると浸水の恐れがある──公式の手入れと乾かし方

シリオの公式メンテナンスページは、手入れを怠ったときに起きることを具体的に書いています。アッパーの手入れが足りないと、アッパーとゴアテックス®メンブレンのあいだに水がたまり、足入れ口の縫い目から内部に水が入る恐れがある、という説明です。GORE-TEXの靴でも、外側の手入れが浸水の入口を左右します。

  • クロスタ・ヌバック・スウェードといった起毛革には、保革油を使わない。保管前にブラシで表面を整える
  • 防水スプレーはアッパーから30cmほど離して吹く。吹きすぎは革の機能を損ねたり、ソール剥がれの原因になる
  • 濡れたらシューレースとフットベッドを取り出して陰干しする。ストーブ・ドライヤー・直射日光で乾かさない(山小屋の乾燥室でもストーブのすぐ近くに置かない)
  • 長く使わなかった靴は、使う予定の1ヶ月ほど前に点検する

P.F.630はヌバックのオールレザーなので、1つ目の決まりがそのまま当てはまります。防水スプレーを革・GORE-TEX・ナイロンの素材別にどう選ぶかは、登山靴の防水スプレーの選び方で8製品を比べています。

公式は推奨するケア製品の会社として、コロニル(エス・アイザックス商会)・グランジャーズ(キャラバン)・ニクワックス(エバニュー)の3社を挙げ、汚れがひどい場合は市販のジェルやクリームで落とすよう案内しています。防水スプレーを選ぶときは、起毛革に使えるかを先に見ます。たとえばコロンブスのアメダス420は、メーカーの公式がスエード・ベロア・ヌバックにも使えるフッ素系の防水スプレーとしている製品です(エナメル・ゴム素材などには使えないとも書かれています)。吹くときは、上のシリオの決まりどおり30cmほど離し、吹きすぎないようにします。

試すのは公式の取扱店で、行く前に問い合わせる──ほかのブランドと比べるなら

公式のQ&Aは、取扱店で全モデル・全サイズを試すのは難しいので、行く前に問い合わせるようすすめています。取扱店として挙がっているのは、好日山荘・石井スポーツ・さかいやスポーツ・秀岳荘・カモシカスポーツほか。在庫は店ごとに違うので、品番・色・サイズをそろえて聞くと話が早く進みます。アウトレットでの扱いについては、公式に記載が見当たりません。

問い合わせで伝える3点:試したい品番(2つまで)、足のサイズとワイズの見当(3E・3E+・4E+のどれか)、シリオ専用のワイズゲージが店にあるか。ゲージと山用のソックスがそろって初めて、公式の手順どおりにサイズを合わせられます。

シリオで用途やワイズが合わないときは、ほかのブランドに目を向けることになります。幅の展開と現行モデルの数で比べるなら、モンベルの登山靴の現行8モデル比較が近い比べ方をしています。その記事ではワイズの違いも扱っているので、10対4より幅広の足の人が441・640以外の候補を探すときの手がかりになります。

他社と並べるときも、見る順番は同じでいいと思います。ワイズで絞り、行く山の条件で硬さを決め、最後に張替えができるかを見る。ブランドが変わっても、この3つの順番は崩さないほうが迷いません。

まとめ|シリオはワイズで絞り、ソールスタンスで山に合わせる。アイゼンを付ける日は730・731

シリオの現行14品番は、ワイズ・ソールスタンス・張替えの3つで読み解けます。足の比率が10対4より細ければ41A、幅広ならP.F.441かP.F.640、ちょうどなら3E+の11品番から選ぶ。整備された登山道の日帰りならスタンスの長い302・46-4の側、岩や不整地なら6.5cmの431・441・41A、重い荷物の縦走なら5cmの630・640。雪山でアイゼンを付けるなら、公式が対応と書く730・731だけで、防寒モデルは731です。

  1. 足の長さと幅の比率が10対4より細いか、ちょうどか、幅広かを決め、ワイズで品番を絞る
  2. 判定表で、自分の山行の列に○が付く品番を2つまで選ぶ
  3. 山で履くソックスを持って取扱店に問い合わせ、ワイズゲージの表示と同じサイズから試す

よくある質問

Q. シリオの登山靴は滑りますか?

滑りにくさの数値は公式に記載がなく、ソールどうしの優劣も示されていません。公式は、MUSASABIとŌKAMIにVIBRAM MEGAGRIPを搭載と書き、CAMOSCIOを「凹凸地面グリップ力を発揮する」ソールと説明しています。濡れた岩や苔の道では、どの靴でも慎重に足を置いてください。

Q. シリオにレディース用のモデルはありますか?

公式のコンセプトページに「シリオ・レディース・ラスト」の説明はありますが、どの品番が該当するかは公式に記載が見当たりません。22.5cmから選べる色は、13-1・13-2・116-3・156-2・156-3・302・46-4・41A・431・441にあります。店頭で試着して確かめてください。

Q. P.F.730とP.F.731はどう違いますか?

どちらも3E+で、公式が「セミワンタッチアイゼン対応」と書くモデルです。731は「防寒モデル」「ゴアテックス・インシュレーテッド」、730は「3シーズンモデル」と書かれています。730の重さやスタンスは「731と共通」とだけ表記され、731は約760g(片足・26.0cm)、スタンス5cmです。

Q. 並行輸入品でも修理や張替えはできますか?

並行輸入品の扱いは公式に記載が見当たりません。公式の張替えの受付は購入店(またはシリオの取扱店に相談)なので、買う前に購入店か取扱店に確かめてください。

Q. シリオの2026年のカタログはどこで見られますか?

公式サイトのトップから「SIRIO BOOK 2026」のPDF(https://www.sirio.co.jp/catalog.pdf)を開けます。掲載情報は2026年4月1日現在とカタログに書かれています。

出典

  • シリオ公式カタログ「SIRIO BOOK 2026」(2026年4月1日現在の情報) https://www.sirio.co.jp/catalog.pdf (2026年10月28日確認)
  • シリオ公式「目的に応じた靴を選ぶ」 https://www.sirio.co.jp/choose.html (2026年10月28日確認)
  • シリオ公式「靴の機能」 https://www.sirio.co.jp/function.html (2026年10月28日確認)
  • シリオ公式「コンセプト」 https://www.sirio.co.jp/concept.html (2026年10月28日確認)
  • シリオ公式「Q&A」 https://www.sirio.co.jp/faq.html (2026年10月28日確認)
  • シリオ公式「アフターサービス」 https://www.sirio.co.jp/afterservice.html (2026年10月28日確認)
  • シリオ公式「メンテナンス」 https://www.sirio.co.jp/mentenance.html (2026年10月28日確認)
  • モンベル公式「メリノウール アルパイン ソックス」 https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1118418 (2026年10月28日確認)
  • コロンブス公式「アメダス」 https://www.columbus.co.jp/amedas/ (2026年10月28日確認)

スポンサーリンク