百蔵山(1,003m)の登山ルート|猿橋駅から東西2ルートの時間と扇山への縦走・冬の凍結

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百蔵山(ももくらさん)は、山梨県大月市にある標高1,003mの山です。大月市が選んだ「秀麗富嶽十二景」の七番山頂にあたり、市の配布資料ではコース難易度が「初級者」とされています(大月市・2026年10月3日確認)。JR中央本線の猿橋駅から歩いて取りつけるので、車がなくても日帰りの計画を立てやすい山です。

ただし、同じ百蔵山でも「駅から全部歩くか」「どの登山口から入るか」「隣の扇山まで縦走するか」で、1日の長さはかなり変わります。大月市によると、猿橋駅から山頂までは東ルートで約1時間40分、西ルートで約1時間50分です。そこに下りと、駅までの車道が加わります。

出かける前の状態についても先に書いておきます。大月市の「秀麗富嶽十二景登山情報」(2026年10月3日確認)には、百蔵山の通行止めや入山禁止の掲載は見当たりません。ただしこれは「掲載が無い」という確認で、通れることの保証ではありません。また2026年1月には隣の扇山付近で林野火災が起き、2月12日に鎮火したと大月市が発表しています。出発前には、市の登山情報を自分で開いて確かめてください。

ここから先は、大月市の公式の区間値を土台に、どの登山口から入るか、扇山へ足を延ばすか、冬は何時までに下りるかを、時間で決められるように並べていきます。

  • 百蔵山の標高1,003m・初級者向けという市の位置づけが、どんな人の日帰りに合うか
  • 猿橋駅から登山口までの車道は市が「急登」と明記しており、行きは約40分・帰りは約30分と向きで時間が違うこと
  • 東ルート(駅から約1時間40分)と西ルート(駅から約1時間50分)の違いと、公式の区間値を合計した周回の目安
  • 山の神・水道施設・葛野の3つの登山口の様子と、公衆トイレが市の案内にあるのは山の神登山口だけであること
  • 2026年の扇山付近の林野火災について、市が発表していることと発表していないことの線引き
  • 扇山への縦走は、百蔵山から扇山へ約2時間15分、逆向きは約2時間と向きで違うこと
  • 冬の朝や雨の翌日は凍結するので「アイゼン等の装備を」という市の案内と、甲府の日の入から決める下山時刻
  • 駐車場の台数やハイキングバスの今年の運行など、出発前に問い合わせて確かめる項目と窓口

百蔵山はどんな山か|1,003m・初級者向け・秀麗富嶽十二景の七番

百蔵山の標高は、大月市の登山情報ページと配布資料で1,003mとされています。市の別のページでは1,003.4mとも書かれていますが、どちらも大月市の掲載で、目安としては1,003mで考えて差し支えありません。読み方は、市の配布資料のローマ字表記が「Mt.Momokurasan」となっていることから「ももくらさん」と読めます。

この山を語るときに外せないのが「秀麗富嶽十二景」です。大月市が市内の山から富士山の見える山頂を選んだもので、百蔵山は七番山頂にあたります。隣の扇山は六番です。番号が隣り合っていることからもわかるとおり、百蔵山と扇山は尾根でつながっていて、市も両者の間の縦走の時間を案内しています。

市の配布資料では、百蔵山のコース難易度は「初級者」です。ここでいう初級者は、登山をまったくしたことがない人という意味ではなく、整備された登山道を数時間歩ける人を想定した区分と受け取るのが自然です。実際、市は猿橋駅から登山口までの車道を「急登」と書き、東ルートの途中にはロープのある急勾配があると案内しています。「初級者」は、急な区間がないという意味ではなく、道が明瞭で行程が短いという意味で読むのが安全です。

百蔵山が合う人:猿橋駅から歩いて往復3時間半〜4時間前後の行程(公式の区間値を合計した目安)を、休憩を入れて歩ける人。富士山の見える山頂で昼を過ごしたい人。車を出さずに中央本線で日帰りしたい人。逆に、標高差や岩場で達成感を求める人には、行程が短く物足りないかもしれません。

大月市内には、秀麗富嶽十二景のほかの山もあります。富士山を眺める山として比べるなら、同じ十二景で駅から3通りの登り方を選べる山があります。初狩駅・禾生駅・田野倉駅から登れる高川山(976m)のルートと冬の注意と並べると、百蔵山の「駅から一本の車道を上がって取りつく」性格がよくわかります。

同じ大月市の山でも、規制の事情は山ごとに違います。たとえば岩殿山は表登山道の通行禁止と新ルートの開通という独自の事情を抱えています。岩殿山(634m)の表登山道の通行禁止と強瀬新ルートのように、市内の山でも1つずつ確かめる習慣をつけておくと、百蔵山の確認も迷わずにできます。

山頂は広く、市の配布資料によると50人以上が滞在できる広さがあります。富士山側と南側に展望が開け、春は4月中旬に桜が見ごろになると市が案内しています。数字だけを見ると地味な低山ですが、山頂で過ごす時間が長く取れる点に、この山の使いやすさがあります。

編集部の見立て:百蔵山は「登る山」というより「山頂で過ごす山」として計画すると満足度が上がるタイプだと考えています。行程が短いぶん、早めに着いて富士山を眺める時間を予定に組み込めます。歩く時間を詰めるより、山頂での滞在時間を先に決めてから出発時刻を逆算するほうが、この山の良さを受け取りやすいはずです。

出発前に確かめること|規制の掲載と、見に行く窓口

百蔵山に出かける前に開くべきページは、大月市の「秀麗富嶽十二景登山情報」です。大月市の登山情報(2026年10月3日確認)には、百蔵山の通行止めの掲載は見当たりません。ただし最新の状況は変わります。出かける前に、同じページで自分の行く日の状態を確かめてください。

ここで大事なのは、「掲載が見当たらない」と「規制がない」は同じではないという点です。登山道の倒木や崩落は、市が把握して掲載するまでに時間がかかることがあります。台風や大雨のあとは、掲載がなくても道の状態が変わっている可能性を頭に置いておくと、現地で慌てずに済みます。

葛野登山口へ向かう林道の状況は、大月市の登山情報で出発前に確かめてください。市の登山情報には林道の情報を更新した旨の記載がありますが、どの林道のどんな状態かは、行く日に自分の目で読むのが確実です。林道が使えない日は、登山口を山の神か水道施設側に切り替える判断が要ります。

確かめる先は、内容によって分かれます。登山道の規制や注意は大月市の登山情報、バスの運行は富士急バスの公式、クマの出没は山梨県のクマ情報です。それぞれ責任を持つ主体が違うので、1つのページで全部を済ませようとせず、項目ごとに窓口を分けて見ていくのが確実です。

確かめる項目 見に行く先 誰の情報か
登山道の通行止め・注意 大月市「秀麗富嶽十二景登山情報」 大月市(自治体の案内)
扇山の火災後の注意 大月市の登山情報・林野火災のページ、上野原市の案内 大月市・上野原市(自治体の案内)
ハイキングバス・路線バス 富士急バス公式、富士急山梨バス大月営業所(0554-22-6600) バス事業者の運行判断
クマの出没 山梨県のクマ情報 山梨県(自治体の案内)
駐車場の台数・使い方 大月市観光課へ電話 大月市(公式の掲載が見当たらない項目)

この表で分けたのは、規制・運行・駐車の3つを混ぜないためです。登山道の通行止めは市の案内、バスが走るかどうかは事業者の運行判断、駐車場は市への問い合わせと、性質がそれぞれ違います。「バスが走っているから道も通れる」とは言えず、その逆も同じです。

  • 大月市の「秀麗富嶽十二景登山情報」を、行く日の前日か当日の朝に開いたか
  • 扇山まで縦走する日は、扇山の火災後の注意も読んだか
  • バスを使う日は、富士急バスの公式で2026年10月1日のダイヤ改正後の時刻を見たか
  • 山梨県のクマ情報で、行く地域の出没を確かめたか
  • 車で行く日は、駐車場の扱いを市に電話で確かめたか

編集部の判断:百蔵山の下調べで一番時間をかけるべきなのは、地図よりも「どの窓口が何を答えてくれるか」の整理だと考えています。道そのものは短く明瞭でも、規制・バス・駐車場がそれぞれ別の主体の判断で動いているからです。前日の夜に5分、表の上から順に開いていくだけで、当日の迷いの大半は消せます。

2026年の扇山の林野火災は百蔵山に関係するか

大月市の発表によると、2026年1月8日10時43分に上野原市犬目地区の扇山付近で林野火災が覚知され、2月12日13時に鎮火しました。焼損面積は約396ha(大月市272ha・上野原市124ha、2月8日現在)で、避難指示は1月18日に解除されています(大月市・2026年10月3日確認)。

扇山は百蔵山の隣の山で、秀麗富嶽十二景の六番です。尾根でつながっているので、百蔵山に登る人にとって無関係な話ではありません。一方で、市の発表が火災の場所として示しているのは「扇山付近」で、面積も市ごとの数字です。百蔵山の登山道が焼けたかどうかは、市の発表には書かれていません。

線引き:大月市が発表しているのは「扇山付近で発生し、2月12日に鎮火した」こと、そして扇山の入山者に十分な注意を求めていることです。百蔵山の登山道が焼損の範囲に入るかは、市の発表に書かれていないので、「百蔵山も焼けた」とも「百蔵山は無傷」とも決めつけないのが正確です。

大月市の登山情報では、扇山は火災の影響を受けており、入山者は十分に注意するよう案内されています。道標の焼失や倒木などの影響が残る可能性があるという内容です。これは扇山についての注意で、百蔵山の規制として出されたものではありません。百蔵山だけを往復する日と、扇山まで縦走する日とで、気にかけるべき範囲が変わると考えてください。

扇山への縦走路の通行の可否は、大月市の案内に明記されていません。扇山側は火災の影響が残る可能性があると市が案内しています。縦走する日は、大月市の登山情報と上野原市の案内を出発前に見てください。道標が失われている場所では、分岐で道を取り違えやすくなります。地図アプリや紙の地図で、分岐ごとに現在地を確かめながら歩く前提で計画してください。

判断の筋道を整理すると、次のようになります。百蔵山だけを登って同じ道か別の東西ルートで下りるなら、火災の影響を受けた可能性があるのは主に扇山側で、百蔵山の行程そのものへの公式の規制は見当たりません(2026年10月3日確認)。扇山まで縦走するなら、火災の影響が残る区間を歩く可能性があるので、市の注意を読み、道標がない前提の準備をしてから出かけることになります。

その日の計画 火災の影響を気にする範囲 出発前にやること
百蔵山だけを往復・東西で周回 市の発表では百蔵山の登山道への言及なし 大月市の登山情報で百蔵山の掲載を確かめる
百蔵山から扇山へ縦走 扇山側は道標焼失・倒木の可能性を市が案内 大月市と上野原市の案内を読み、地図で分岐を把握する
扇山から百蔵山へ縦走 行程の前半で火災の影響が残る可能性のある区間を歩く 同上。前半で引き返す地点を決めておく

焼けた山では、木の根が弱って倒れやすくなったり、雨のあとに土が流れやすくなったりすることがあります。これは一般的な話で、扇山の現況を市が個別に示しているわけではありません。だからこそ、自分の目で見る現地の様子と、市の最新の案内の両方を判断材料にする必要があります。

編集部の判断:扇山の火災は、百蔵山を避ける理由にはならないと考えています。ただし「百蔵山だけ」と「扇山まで」は、2026年に限っては別の計画として扱うべきです。初めて百蔵山へ行く人は、まず百蔵山だけで東西のルートを歩き、扇山側の案内が落ち着いたことを確かめてから縦走を足す順番が、無理のない組み立てだと思います。

猿橋駅から歩く|登山口までの急な車道と、東西ルートの時間

電車で来る人の起点は、JR中央本線の猿橋駅です。大月市によると、猿橋駅から市営野球場(総合グランド)までは行きで約40分かかり、「猿橋駅から登山口までの車道は急登」と市が明記しています。帰りは同じ区間が約30分です(大月市・2026年10月3日確認)。

行きと帰りで10分違うのは、上り坂と下り坂の差です。車道というと楽に聞こえますが、市がわざわざ「急登」と書くほどの坂を40分上がってから、ようやく山道が始まります。百蔵山の最初の関門は、登山道ではなく駅からの車道にあると考えておくと、ペース配分を誤りにくくなります。

区間(大月市の値) 東ルート(百蔵浄水場経由) 西ルート(山の神経由)
猿橋駅→山頂(行き・駅から) 約1時間40分 約1時間50分
山頂→市営野球場(帰り) 約1時間15分 約1時間30分
市営野球場→猿橋駅(帰り) 約30分 約30分
公式の区間値を合計すると(同じルートで往復) 約3時間25分 約3時間50分
百蔵山の数字。左に項目、右に値・条件を並べた対応表の図解。猿橋駅→市営野球場=約40分(行き、車道は急登)/市営野球場→猿橋駅=約30分(帰り)/駅→山頂(東)=約1時間40分(行き、駅から)/駅→山頂(西)=約1時間50分(行き、駅から)/山頂→市営野球場=東約1時間15分/西約1時間30分(帰り)。図の下部に「大月市の公表値(2026年10月3日確認)」と注記。
百蔵山の数字。左に項目、右に値・条件を並べた対応表の図解。猿橋駅→市営野球場=約40分(行き、車道は急登)/市営野球場→猿橋駅=約30分(帰り)/駅→山頂(東)=約1時間40分(行き、駅から)/駅→山頂(西)=約1時間50分(行き、駅から)/山頂→市営野球場=東約1時間15分/西約1時間30分(帰り)。図の下部に「大月市の公表値(2026年10月3日確認)」と注記。

表の最後の行は、大月市の区間値をこちらで足した目安で、市が出している総計ではありません。休憩や山頂での滞在は含まれていないので、実際の1日は、ここに昼食や写真の時間を上乗せして考えます。行きを東ルート、帰りを西ルートにすると、公式の区間値の合計で約3時間40分です。逆に行きを西、帰りを東にすると約3時間35分になります。

大月市の古い案内ページには、猿橋駅発の周回が約5時間と載っています。区間の時間を足した目安で、今の道標や道の状態までは確かめられていません。上の約3時間半〜4時間という合計と開きがあるのは、休憩の見込み方や経路の取り方の違いと考えられます。計画では、新しい区間値を土台にしつつ、休憩込みで5時間前後を見ておくと余裕が出ます。

東西どちらを選ぶかは、時間だけで決めなくて構いません。東ルートは駅からの時間が短い一方、途中にロープのある急勾配があると市の配布資料に書かれています。西ルートは10分ほど長くなりますが、登山口に公衆トイレがあり、登り始めて約30分で富士山の眺めの開ける広い場所に出ると案内されています。急な場所を登りで使いたいか下りで使いたいかでも、向きの選び方が変わります。

駅からの急な車道と、登山道に入ってからの急勾配の両方を歩くので、足回りは靴底がしっかりしたものが向きます。アスファルトの急坂でも山道でも、靴の中で足が前に滑ると、下りで指先が痛みやすくなります。キーンの TARGHEE III MID WP(ターギー スリー ミッド ウォータープルーフ)は、くるぶしを覆うミッドカットで、KEEN.DRYという自社の防水透湿膜を使ったトレッキングシューズです(KEEN公式の記載)。雨の翌日の湿った登山道も歩く日があり、足首まわりの安定感がほしい人に向きます。

編集部の見立て:百蔵山の時間計画でずれが出やすいのは、山道ではなく駅からの40分のほうだと考えています。車道だからと飛ばすと、登山道に入る前に脚を使い切ってしまいます。最初の40分は「準備運動の区間」と決めて、会話ができる程度の速さに抑えるのが、後半の下りで膝を残すいちばん簡単な方法です。

登山口ごとの違い|山の神(西)・水道施設(東)・葛野

大月市の配布資料には、百蔵山の登山口として、山の神(西ルート)、水道施設(東ルート)、葛野登山口(福泉寺先)の3つが載っています。資料に書かれた山頂までの時間は、西ルートが1時間50分、東ルートが2時間、葛野登山口が2時間30分です。

ここで注意したいのは、配布資料の時間の起点が「登山口から」なのか「駅から」なのか、資料に明記されていないことです。前の節の表は市のページで「猿橋駅から」と書かれた値でした。配布資料の値はそれとは別のものとして扱い、2つを足したり混ぜたりしないでください。

登山口(配布資料) 山頂までの記載 道の目安(配布資料の記載)
山の神(西ルート) 1時間50分 約2分で水場、約30分で富士山の眺望できる広い場所、そこから約20分で尾根の分岐、さらに約10分で山頂。公衆トイレあり
水道施設(東ルート) 2時間 約50分で石仏、石仏から約20分で急勾配(ロープあり)、扇山・百蔵山分岐から約5分で山頂
葛野登山口(福泉寺先) 2時間30分 約1時間5分で鐘のあるお社、その約3分先から急勾配で滑りやすい。倒木に注意

西ルートの特徴は、登り始めて早い段階で景色が開けることです。約30分で富士山の見える広い場所に出るので、天気の具合を見て、その先へ進むかどうかを判断する区切りにもなります。登山口に公衆トイレがあると市が案内しているのも、この山の神登山口です。

東ルートは、石仏を過ぎてから約20分でロープのある急勾配が出てきます。登りで使えば体を前に倒して手を添えられますが、下りで使う場合は、足元が見えにくく滑りやすくなります。雨の翌日や冬の朝は、この急勾配を下りに使わない組み立てにすると安全側に寄せられます。

葛野登山口は、県道505号の福泉寺入口の先で、指導標に従って林道に入り、その終点が登山口です。市の配布資料には「車の切り返しができる程度の広さ」とあり、倒木への注意も書かれています。広い駐車場がある登山口ではないので、車を置けると決めてかからず、林道の状況とあわせて大月市に確かめてから向かってください。

葛野登山口からの道は、配布資料の時間がほかの2つより長い2時間30分で、鐘のあるお社の先から急勾配で滑りやすいと書かれています。猿橋駅から歩く人には遠回りになりやすいので、車で葛野側に入る人や、静かな道を選びたい人向けの選択肢と考えるのが自然です。

登山口の選び方の目安:初めてなら、トイレがあり早めに眺めが開ける山の神(西ルート)から登り、同じ道で下りるのが無理のない形です。東ルートの急勾配は、使うなら登りで。滑りやすい急勾配を下りに回さないだけで、転倒の危険はかなり減らせます。

編集部の判断:3つの登山口の中で、条件が悪い日に選ぶべきなのは山の神だと考えています。理由は単純で、トイレがあり、30分で引き返す判断ができる眺めの場所があるからです。東ルートと葛野は、晴れて道が乾いた日に「2回目の百蔵山」として残しておくと、同じ山を別の顔で楽しめます。

駐車場・トイレ・バス|公式に書かれていること、書かれていないこと

車で行く人がまず知りたいのは駐車場ですが、駐車場の台数は、大月市の案内に記載が見当たりません(2026年10月3日確認)。インターネット上では市営グラウンドの駐車場を使う記録も見かけますが、市がその使い方を案内しているかどうかは、公式の資料では確かめられません。行く前に大月市観光課に電話で確かめてください。

停める場所が決まらないまま登山口まで車で上がり、道ばたに停めるのはやめてください。生活道路や林道の路肩に車を置くと、住民の車や緊急車両の通行を妨げます。停められる場所が確かめられない日は、猿橋駅周辺から歩く計画に切り替えるほうが確実です。

トイレについては、公衆トイレがあると市が案内しているのは山の神登山口です。東ルートと葛野登山口のトイレは、市の案内に記載がありません。山頂付近にもトイレの案内は見当たらないので、猿橋駅か山の神登山口で済ませてから歩き出すつもりで計画してください。

バスについては、少し事情が込み入っています。市の配布資料には、4〜7月と9月〜12月15日の土曜・休日に猿橋駅と登山口を結ぶハイキングバスが載っていますが、これは令和2年4月時点の情報です。今年の運行日と時刻は、富士急山梨バス大月営業所(0554-22-6600)か富士急バスの公式で確かめてください。

大月市の登山情報ページでは、扇山〜百蔵山のハイキングバスの情報を富士急バスの公式へ案内しています。その富士急バスは、大月地区で2026年10月1日にダイヤ改正を行うと告知しています(富士急バス・2026年10月3日確認)。改正前の時刻をメモしていた人は、必ず新しい時刻で引き直してください。

項目 市の案内で確かめられること 問い合わせ先
駐車場 台数の記載が見当たらない(2026年10月3日確認) 大月市観光課
トイレ 山の神登山口に公衆トイレ(東・葛野は記載なし) 大月市
ハイキングバス 令和2年4月時点の資料に土休日の運行の記載(今年は要確認) 富士急山梨バス大月営業所・富士急バス公式
冬の運行・駐車場 公式の記載が見当たらない 大月市・富士急バス

冬の運行と駐車場の扱いは、公式の記載を確認できませんでした。冬に車やバスで行く日は、出発前に大月市と富士急バスへ問い合わせてください。古い資料の「12月15日まで」という区切りが今年も同じとは限らないので、冬場は駅から歩く前提で計画を立て、バスが使えればありがたい、くらいに考えておくと崩れにくくなります。

鳥沢駅からの道は、大月市の百蔵山案内に載っていません。扇山の案内には鳥沢駅からの情報がありますが、それを百蔵山にそのまま当てはめることはできません。駅から歩くなら、市が案内する猿橋駅からのルートが基本です。

編集部の判断:百蔵山は、車よりも電車で行くほうが計画を固めやすい山だと考えています。駐車場の台数が公式に示されておらず、バスの今年の運行も事業者に確かめる必要があるからです。猿橋駅から歩けば、待ち時間も駐車の心配もなく、帰りの電車の時刻だけを見ればよくなります。

晩秋〜冬の百蔵山で、凍った下りと休憩の冷えに備える足回りと上着

11月から冬にかけての百蔵山は、山頂の紅葉が11月上旬〜下旬に見ごろを迎える一方で、市が「冬期の朝や雨の次の日は凍結する」と案内する季節に入っていきます。落ち葉が積もった急な下りは、乾いた土の道よりも滑りやすく、凍った朝はさらに足が取られます。猿橋駅から歩く人は、急な車道と山道の両方で足を使い、扇山まで縦走すれば行動時間も延びます。

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この時期の道具は、3つの基準で選ぶと迷いが減ります。1つ目は、急な下りで足首と足裏が安定するかどうか。2つ目は、湿った落ち葉や凍った朝の道で、靴の中が濡れにくいかどうか。3つ目は、日当たりのよい山頂で休んでいる間に体が冷えないよう、ザックに上着を入れておけるかどうかです。日没が早い季節の灯りは、最後の節で別に扱います。

道具(型番) 公表されている特徴 向いている人
キーン CIRCADIA MID WP ミッドカット・防水(WP)のトレッキングシューズ 落ち葉の急な下りで足首を支えたい人
メレル Moab 3 Synthetic Gore-Tex(J500239) GORE-TEXの防水透湿メンブレンと合成素材のアッパー 百蔵山だけを往復する短い日に、軽快に歩きたい人
ドイター トレイル 30 容量30Lの登山用バックパック 上着・手袋・軽アイゼンをまとめて入れたい人
ザ・ノース・フェイス Thunder Jacket(NY82510) メンズ・Lサイズで約305g、表地PERTEX Quantum ECO 山頂での休憩中の冷えに備えたい人
ザ・ノース・フェイス Thunder Jacket レディース(NYW82510) レディース・Lサイズで約280g、表地PERTEX Quantum ECO 同上。女性向けの型で選びたい人

表の特徴は各社の商品ページの公表値で、ダウンの重さはザ・ノース・フェイス公式の記載です(2026年10月3日確認時点)。まずは靴から見ていきます。キーンの CIRCADIA MID WP(サーカディア ミッド ウォータープルーフ)は、くるぶしまで覆うミッドカットの防水仕様です。東ルートのロープのある急勾配や、葛野登山口の先の滑りやすい区間を歩く日に、足首のぐらつきを抑えたい人に向きます。

メレルの Moab 3 Synthetic Gore-Tex(J500239)は、商品名のとおりGORE-TEXの防水透湿メンブレンを使ったハイキングシューズです。山の神から登って同じ道を下りる短い行程で、駅からの車道も含めて足取りを軽くしたい人に向きます。

ドイターの トレイル 30 は、容量30Lの登山用バックパックです。晩秋〜冬は、ダウン、手袋、軽アイゼン、温かい飲み物と、夏より荷物がかさばります。日帰りでも上着をきちんと畳んで入れられる余裕がほしい人に向きます。

ザ・ノース・フェイスの Thunder Jacket(NY82510)は、メンズのLサイズで約305gのダウンジャケットです。富士山を眺めながら山頂で昼を過ごすと、歩いているときには気にならなかった冷えが、じわじわと体に回ってきます。止まった瞬間にすぐ羽織れる上着がほしい人に向きます。

同じ Thunder Jacket のレディース(NYW82510)は、Lサイズで約280gです。通販サイトでは男女の商品名が似た文字列で並ぶので、型番の頭が「NY」か「NYW」かで見分けてください。女性向けの型で選びたい人に向きます。

靴を新しくしたら、百蔵山に行く前に近所の坂道や短い山で足に慣らしておいてください。履き慣れない靴で急な車道と山道の下りを歩くと、かかとや指先に靴ずれができやすくなります。凍った朝の道に対応するのは靴そのものではなく、市が案内するアイゼン等の装備です。靴を替えただけで凍結の対策が済んだとは考えないでください。

編集部の見立て:晩秋の百蔵山で道具を足すなら、優先順位は「下りの靴」「休憩用の上着」の順だと考えています。登りは苦しくても危なくはありませんが、落ち葉の積もった急な下りは足元をすくわれやすいからです。上着は、寒くなってから着るのではなく、山頂に着いて立ち止まった時点で着るものとして、ザックのいちばん上に入れておくのが使い方の要です。

扇山へ縦走する|百蔵山→扇山は約2時間15分、逆向きは約2時間

百蔵山と扇山は尾根でつながっていて、大月市は両者の間の時間を案内しています。百蔵山から扇山へは約2時間15分、扇山から百蔵山へは約2時間です(大月市・2026年10月3日確認)。向きによって15分違うので、計画を立てるときに取り違えないようにしてください。

猿橋駅から東ルートで百蔵山に登り、そのまま扇山へ向かう場合、公式の区間値を合計すると、駅から百蔵山までの約1時間40分と、百蔵山から扇山までの約2時間15分で、扇山の山頂まで約3時間55分です。ここに扇山からの下山の時間が加わります。扇山からの下りの時間は、大月市の扇山(六番)の案内で確かめてください。

区間 大月市の記載 計画で気をつけること
百蔵山→扇山 約2時間15分 扇山側は火災の影響が残る可能性を市が案内
扇山→百蔵山 約2時間 前半で扇山側の区間を歩く
猿橋駅→百蔵山(東ルート)+百蔵山→扇山 公式の区間値の合計で約3時間55分 扇山からの下山時間は扇山の案内で確かめる

縦走で気をつけたいのは、百蔵山だけの日と比べて、行動時間が倍近くに延びることです。百蔵山だけなら駅からの往復が公式の区間値の合計で3時間半〜4時間前後ですが、扇山まで足を延ばすと、山頂までの時間だけで4時間近くになります。秋から冬の短い日には、出発時刻をかなり早めないと、下山が日の入に近づきます。

2026年は、扇山側に林野火災の影響が残る可能性があると大月市が案内しています。縦走路の通行の可否は市の案内に明記されていません。道標が失われている分岐で道を外れると、予定の時間が大きく崩れます。縦走する日は、百蔵山と扇山の間に「ここまでに着かなければ百蔵山へ戻る」という時刻を決めておいてください。

縦走では、細かな登り下りが続くうえに、扇山からの下りが行程の最後に来ます。疲れがたまった脚で下る区間が長くなるほど、膝への負担と転倒の危険が増えます。下りで体重の一部を腕に逃がせるトレッキングポールは、こうした行程で役に立ちます。DABADAの アルミ製トレッキングポール 2本セット は、商品ページでSG基準の認証取得を表示しているアルミ製のポールです。体重をしっかり預けて下りたい人や、2本で左右のバランスを取りたい人に向きます。長さの合わせ方や素材の違いは、トレッキングポールの選び方と、安い・軽量モデルの比較で詳しく比べています。

編集部の判断:扇山への縦走は、百蔵山を一度歩いてから足す「2回目の計画」にするのが妥当だと考えています。2026年は扇山側の状態が市の注意つきで、しかも縦走は行動時間が倍近くになるからです。どうしても1回で両方を歩きたいなら、扇山→百蔵山の向きを選び、火災の影響が残る可能性のある区間を脚が元気な前半に回すほうが、判断の余地を残せます。

山頂で何が見えるか|富士山と、桜・ツツジ・紅葉の季節

百蔵山の山頂は、市の配布資料によると50人以上が滞在できる広さがあり、富士山側と南側の展望が開けています。秀麗富嶽十二景に選ばれているとおり、天気がよければ山頂から富士山を眺められます。冬の澄んだ空気の日は遠くまで見えやすい一方、雲のかかり方は日によって大きく変わります。

季節の目安として、大月市は次の時期を案内しています。山頂の桜は4月中旬、山ツツジは5月上旬〜中旬、紅葉は11月上旬〜11月下旬に見ごろです(大月市・2026年10月3日確認)。いずれも例年の目安で、その年の気温によって前後します。

季節の見どころ 大月市の目安 計画のポイント
山頂の桜 4月中旬 富士山と桜を一緒に眺められる時期。ハイキングバスの古い資料でも運行期間に入る
山ツツジ 5月上旬〜中旬 新緑の時期。日が長く、行程に余裕を持たせやすい
紅葉 11月上旬〜11月下旬 日の入が16時台に入る。落ち葉の下りと早い日没に備える

この表から読み取れるのは、見どころの季節ごとに準備の重点が変わるということです。春の桜とツツジの時期は日が長く、行程に余裕があります。11月の紅葉の時期は、見ごろと日の入の早まりが重なるので、山頂でのんびりしすぎると下りが暗くなります。

富士山を眺める山をほかにも探しているなら、標高や行程の違う山と比べると選びやすくなります。百蔵山は駅から歩いて半日で富士山に出会える手軽さが持ち味で、より高い場所から眺めたい日には、行程の長い山を別の日に選ぶという使い分けができます。

市は、雨の後は登山道が滑りやすいとも案内しています。紅葉の季節は雨のあとに落ち葉が濡れ、晴れていても足元が乾ききっていないことがあります。山頂で天気が崩れてきた場合に備えて、防水の上着を持っていくと安心です。パタゴニアの トレントシェル ジャケット(MENS TORRENTSHELL 3L JACKET)は、名前のとおり3層構造の防水シェルです。雨の予報が少しでもある日や、山頂の風を防ぎたい人に向きます。

編集部の見立て:百蔵山で富士山を見られるかどうかは、到着時刻にも左右されると考えています。一般に、日中に気温が上がると雲が湧きやすくなります。富士山を目当てにするなら、昼を待たずに山頂に着く出発時刻を選び、景色を見てから昼食にする順番にすると、眺めに出会える見込みが少しでも上がります。

11〜3月に百蔵山へ登るなら|凍結とアイゼン、16時台の日の入

冬の百蔵山について、大月市の配布資料は「冬期の朝や雨の次の日は凍結するのでアイゼン等の装備を」と案内しています(大月市・2026年10月3日確認)。雨の後は滑りやすいとも書かれています。百蔵山は雪の少ない大月の低山として冬も候補になりますが、凍結への備えは市が名指しで求めている装備です。

気温の目安は、気象庁の大月の平年値(1991〜2020年)で読み取れます。日平均気温と日最低気温は、11月が9.3℃と4.3℃、12月が4.1℃と−1.0℃、1月が1.8℃と−3.3℃、2月が3.0℃と−2.4℃、3月が6.7℃と1.0℃です。12月から2月は、平年の日最低気温が氷点下になるので、朝の登山道の凍結は珍しいことではないと考えて計画します。

大月の気象庁平年値では、降雪・積雪の欄は資料年数0で値が載っていません。そのため、雪がいつから積もるか、平年でどのくらい積もるかは言えません。市が案内しているのは「冬の朝や雨の翌日は凍結する」ということです。雪の量ではなく、凍結を軸に準備を考えてください。

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月 大月の日最低気温(平年) 甲府の日の入 市営野球場に戻る目安(計算)
11月 4.3℃ 11/1 16:51、11/15 16:39 11/15なら15:40ごろまで
12月 −1.0℃ 12/1 16:33、12/15 16:34 15:30ごろまで
1月 −3.3℃ 1/1 16:43、1/15 16:55 15:40〜15:55ごろまで
2月 −2.4℃ 2/1 17:13、2/15 17:27 16:10〜16:25ごろまで

日の入は国立天文台の暦計算室による甲府(県庁所在地)の値で、大月の山中の値ではありません(2026年10月3日確認)。山の中は谷や斜面の向きによって、これより早く暗くなる場所があります。表の右端は、日の入の約1時間前に市営野球場まで下りてくる前提で、こちらが計算した目安です。

この目安から逆算すると、たとえば12月中旬なら、15時30分ごろに市営野球場に戻るには、山頂を東ルートで14時15分ごろ、西ルートで14時ごろまでに出る計算になります(帰りの区間値は東約1時間15分、西約1時間30分)。駅からの登りが約1時間40分〜1時間50分なので、山頂で1時間過ごすなら、猿橋駅を遅くとも10時半ごろには出たいところです。

冬に足す装備は、市の案内に沿って考えます。凍結に備える軽アイゼンやチェーンスパイクなどの「アイゼン等」、山頂での休憩用の防寒着、手袋、温かい飲み物です。雪山用の本格的な装備が要るかどうかは、平年値に積雪の値がないため、言い切れません。降雪の直後は、市の登山情報と天気の実況を見て、行くかどうかを判断してください。冬の低山の選び方と凍結への備え全般は、雪のない冬の低山を選ぶ基準と凍結への備えで整理しています。

山頂での休憩中は、12月から2月の平年の最低気温が氷点下という条件で、汗をかいた体が一気に冷えます。歩いている間は薄着でよくても、止まった瞬間に着る中わたの上着があると、休憩を短く切り上げずに済みます。重さと収納のしやすさで選ぶなら、サンダージャケットなど6モデルを公式スペックで比べた登山用ライトダウンの記事が参考になります。肌に触れる1枚目も、冬は乾きやすさと冷えにくさで選びます。モンベルの スーパーメリノウール L.W. ラウンドネックシャツ(#1107661)は、ウール85%・ポリエステル15%、重さ128gの薄手の肌着です(モンベル公式の記載)。汗をかいたあとの冷えを和らげたい人や、化繊のにおいが気になる人に向きます。

冬の朝や雨の翌日に、東ルートのロープのある急勾配を下りに使うのは避けてください。凍結した急勾配は、軽アイゼンがあっても足の置き場を誤ると滑ります。冬は山の神(西ルート)で登って同じ道を下りる、急勾配を通るなら登りだけにする、という組み立てを基本にしてください。冬の朝の急勾配の下りは、使わないと決めておくのが確実です。

編集部の判断:冬の百蔵山は、雪の心配より「凍った朝の下り」と「16時台の日の入」の2つで計画が決まる山だと考えています。軽アイゼンを持ち、冬は西ルートの往復に絞り、猿橋駅を10時半までに出る。この3つを守れば、冬でも無理のない日帰りになります。雪が降った直後の数日だけは、無理に行かず別の日に回す判断を勧めます。

クマと動物への備え|鈴・複数人・山梨県の出没情報

大月市は登山情報ページで、市内の山々にクマが生息し、目撃情報が寄せられていると案内しています。そのうえで、単独登山をやめること、ラジオや鈴で音を出して歩くことを呼びかけています(大月市・2026年10月3日確認)。百蔵山の配布資料にも、鈴などの携行が書かれています。

山梨県も、行楽に出かける前にクマの出没情報を確かめるよう呼びかけ、年度別の出没・目撃情報への入口を設けています。大月市内の山にはクマが生息し、目撃情報も寄せられていると市が案内しています。百蔵山の直近の目撃は山梨県のクマ情報で確かめ、鈴などで音を出して歩いてください。

  • 出発の前日か当日の朝に、山梨県のクマ情報で大月市周辺の出没を見たか
  • 鈴やラジオなど、音を出す道具をザックの外側につけたか
  • できるだけ複数人で歩く計画にしたか(市は単独登山をやめるよう呼びかけている)
  • 食べ物のごみを山に残さず持ち帰る袋を用意したか
  • 見通しの悪い曲がり角や沢沿いでは、声を出して存在を知らせる心づもりがあるか

音を出して歩くのは、クマに人の存在を先に知らせ、出会い頭の遭遇を避けるためです。風の強い日や沢の音が大きい場所では、鈴の音が届きにくくなります。見通しの悪い場所では、ときどき声を出すなど、音の出し方を状況に合わせて変えてください。

出没情報を見る手順は、どの山でも同じ形にしておくと迷いません。都道府県の公式マップから市町村の情報へと絞っていく順番は、登山前のクマ出没情報を都道府県公式マップで調べる3段階の手順にまとめています。山梨県のページもこの手順で見ていくと、確認が短時間で済みます。

出没情報は、見たうえで「行く」「行かない」「時間や場所を変える」を決めるための材料です。登山口の周辺で直近の目撃が続いている場合は、ルートを変える、日を改めるといった判断も選択肢に入ります。情報がない日でも、生息していることを前提に、音を出して歩く基本は変わりません。

クマの痕跡や姿を見かけたら、近づかずに静かにその場を離れ、来た道を引き返してください。走って逃げたり、写真を撮ろうと近づいたりするのは避けてください。下山後は、見かけた場所と時刻を大月市に伝えると、ほかの登山者のための情報になります。

編集部の判断:クマへの備えでいちばん効くのは、高価な道具より「1人で行かない」という市の呼びかけを守ることだと考えています。複数人なら自然と会話で音が出ますし、万一のときに助けを呼べます。どうしても1人で行く日は、鈴に加えて、行き先と下山予定時刻を家族に伝えておくことを最低限の約束にしてください。

日の入から決める出発時刻と、灯りと持ち物

百蔵山の1日を組み立てる最後の作業は、日の入から逆算して出発時刻と引き返し時刻を決めることです。国立天文台の暦計算室によると、甲府(県庁所在地)の日の入は、2026年10月1日が17時30分、10月15日が17時11分、10月31日が16時52分、11月15日が16時39分です(2026年10月3日確認)。10月だけで40分近く早まります。

秋は、同じ月の中でも日の入がどんどん早まります。10月初めの感覚で11月に出かけると、下山の終盤で暗くなりかねません。引き返し時刻は、その日の日の入を見てから決める習慣をつけておくと、季節の変わり目でも計画がずれません。月ごとの日の入の早見表と引き返し時刻の決め方は、秋に早まる日の入の月別早見表と、引き返し時刻の決め方にまとめています。

  1. 行く日の甲府の日の入を国立天文台の暦で調べ、そこから1時間引いた時刻を「市営野球場に戻る時刻」にする
  2. 戻る時刻から、帰りの区間値(東約1時間15分、西約1時間30分)を引いて「山頂を出る時刻」を決める
  3. 山頂を出る時刻から、山頂での滞在時間と駅からの登り(東約1時間40分、西約1時間50分)を引いて「猿橋駅を出る時刻」を決める

たとえば11月15日に西ルートで往復するなら、日の入16時39分の1時間前の15時40分ごろに市営野球場に戻るには、山頂を14時10分ごろに出ることになります。山頂で1時間過ごすなら13時10分に着きたいので、猿橋駅を11時20分ごろまでに出る計算です。これは公式の区間値に休憩を含めない目安なので、実際はこれより早めに出るのが安全です。

計画どおりに歩いても、道に迷ったり足を痛めたりすれば、下山が暗くなることはあります。日帰りの低山でも、灯りは毎回ザックに入れておく装備です。レッドレンザーの MH7(501599)は、ブースト時600ルーメン、専用充電池と単3アルカリ電池2本の両方で使え、電池込みで約139g、防水・防塵はIP54です(レッドレンザーの公表値、2026年9月30日確認)。充電式と乾電池の両方に対応した灯りを1つで済ませたい人に向きます。軽さや価格帯でほかの機種と比べたい人は、登山ヘッドライト7機種を軽さ・価格帯・防水で比べた記事を見てください。

  • ヘッドライト(日帰りでも毎回)と予備の電池または充電
  • 冬は軽アイゼンなど「アイゼン等」の装備(市の案内)
  • 山頂での休憩用の上着と手袋
  • 鈴やラジオなど音の出る道具
  • 水と行動食、温かい飲み物(冬)
  • 地図(紙かアプリ)。扇山まで縦走する日は分岐の位置を事前に確認

編集部の見立て:百蔵山のような短い山ほど、ヘッドライトを置いていく人が多いと感じています。けれども行程が短い山は、出発が遅くなりがちで、山頂でのんびりしすぎるのも起きやすい山です。行程の短さは、灯りを省いてよい理由ではなく、出発を遅らせてしまう油断の理由になりやすい、と考えておくほうが安全です。

よくある質問

Q. 百蔵山は登山を始めたばかりでも登れますか?

大月市の配布資料では、百蔵山のコース難易度は「初級者」です。猿橋駅から山頂までは東ルートで約1時間40分、西ルートで約1時間50分と行程も短めです。ただし、駅から登山口までの車道は市が「急登」と明記し、東ルートにはロープのある急勾配があります。数時間の山歩きの経験があり、急な坂を休み休み登れる人なら、西ルートの往復から始めるのが無理のない形です。

編集部の見立て:初めての山として百蔵山を選ぶなら、天気のよい春か秋の土曜日に、山の神から登って同じ道を下りる計画を勧めます。トイレがあり、30分で眺めの開ける場所に出るので、そこで体の調子を確かめてから山頂へ向かうか決められます。

Q. 猿橋駅から往復すると何時間かかりますか?

大月市の区間値を合計すると、東ルートの往復で約3時間25分、西ルートの往復で約3時間50分です(休憩を含まない、こちらで足した目安)。山頂での滞在や休憩を加えると、5時間前後を見ておくと余裕があります。市の古い案内には猿橋駅発の周回が約5時間と載っています。

Q. 2026年の扇山の火災のあと、百蔵山は登れますか?

大月市の登山情報(2026年10月3日確認)には、百蔵山の通行止めの掲載は見当たりません。ただし最新の状況は変わるので、出かける前に市の「秀麗富嶽十二景登山情報」で確かめてください。火災は扇山付近で発生し、2月12日に鎮火したと市が発表しています。百蔵山の登山道が焼けたかどうかは、市の発表には書かれていません。扇山へ縦走する日は、道標の焼失や倒木が残る可能性を市が注意しています。

Q. 冬でも登れますか? アイゼンは要りますか?

大月市は「冬期の朝や雨の次の日は凍結するのでアイゼン等の装備を」と案内しています。大月の平年の日最低気温は12月が−1.0℃、1月が−3.3℃です。冬に登るなら、軽アイゼンなどを持ち、急勾配の下りを避けて西ルートの往復に絞り、甲府の日の入(12月は16時30分台)から逆算して早めに下りてください。降雪・積雪の平年値は資料に値がなく、雪がいつから積もるかは言えません。

編集部の判断:冬の百蔵山は、アイゼンを「持っていく」かどうかで迷う山ではないと考えています。市が名指しで案内している以上、冬は持っていくものとして扱い、使うかどうかを現地で決めるのが筋です。

Q. 車で行けますか? 駐車場はありますか?

駐車場の台数は、大月市の案内に記載が見当たりません(2026年10月3日確認)。行く前に大月市観光課に電話で確かめてください。葛野登山口は、市の配布資料によると林道終点の「車の切り返しができる程度の広さ」です。停める場所が確かめられない日は、猿橋駅から歩く計画のほうが確実です。路肩への駐車は避けてください。

まとめ:今日やることは1つ、大月市の登山情報を開くこと

百蔵山は、山梨県大月市にある標高1,003mの、秀麗富嶽十二景の七番山頂です。猿橋駅から東ルートで約1時間40分、西ルートで約1時間50分で山頂に着き、天気がよければ富士山を眺められます。市が「初級者」とする行程の短さが持ち味で、山頂で過ごす時間を長く取れる山です。

一方で、駅からの車道は市が「急登」と書く坂で、東ルートにはロープのある急勾配があります。2026年は隣の扇山に林野火災の影響が残る可能性があり、冬は朝や雨の翌日に凍結します。どの条件も、出発前に公式の窓口を開けば確かめられることばかりです。

編集部の見立て:百蔵山の計画で差がつくのは、体力よりも下調べの順番だと考えています。規制、火災、バス、クマと、確かめる窓口がそれぞれ違うので、前日の夜に順番に開いていくだけで、当日の判断の大半は済んでしまいます。

今日やることは1つです。大月市の「秀麗富嶽十二景登山情報」を開いて、百蔵山と扇山の掲載を読んでみてください。そこから先は、次の3つの手順で1日を組み立てられます。

  1. 大月市の登山情報で、百蔵山の掲載と、縦走するなら扇山の火災後の注意を読む
  2. 行く日の甲府の日の入を調べ、市営野球場に戻る時刻・山頂を出る時刻・猿橋駅を出る時刻を逆算する
  3. バスを使うなら富士急バスの改正後の時刻、車なら大月市観光課に駐車場を確かめ、冬はアイゼン等とヘッドライトをザックに入れる

編集部の判断:初めての百蔵山は、扇山への縦走を欲張らず、西ルートで往復して山頂の時間を楽しむ計画がいちばん後悔が少ないと考えています。縦走は、山の様子と扇山側の案内を確かめてから、次の回の楽しみに残しておいてください。

出典

  • 大月市「秀麗富嶽十二景登山情報」 https://www.city.otsuki.yamanashi.jp/kanko/tozanzyouhou.html (2026年10月3日確認)
  • 大月市「七番山頂 百蔵山」 https://www.city.otsuki.yamanashi.jp/kanko/keitai/tozanjoho/7ban.html (2026年10月3日確認)
  • 大月市 配布資料「百蔵山」 https://www.city.otsuki.yamanashi.jp/kanko/files/7-momokurasan.pdf (2026年10月3日確認)
  • 大月市「林野火災について(2026年)」 https://www.city.otsuki.yamanashi.jp/anshin/bosai_saigai/rinyakasai_2026-0113.html (2026年10月3日確認)
  • 富士急バス 路線バス https://www.fujikyubus.co.jp/regular/ (2026年10月3日確認)
  • 山梨県 ツキノワグマの出没情報 https://www.pref.yamanashi.jp/shizen/kuma2.html (2026年10月3日確認)
  • 気象庁 過去の気象データ 大月 平年値 https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/nml_amd_ym.php?block_no=0434&prec_no=49 (2026年10月3日確認)
  • 国立天文台 暦計算室 各地のこよみ 甲府 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2026/s2010.html / https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2026/s2011.html / https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2026/s2012.html / https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2027/s2001.html / https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2027/s2002.html (2026年10月3日確認)
  • モンベル公式オンラインストア スーパーメリノウール L.W. ラウンドネックシャツ Men's https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1107661 (2026年8月9日確認)

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