

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。
「蒜山に登る」と言ったとき、どの山を指しているかで一日の組み立てはまったく変わります。蒜山は岡山県真庭市の北部、鳥取県との県境に並ぶ上蒜山(1,202m)・中蒜山(1,123m)・下蒜山(1,100m)の三座の総称で、環境省はこの3つを「蒜山三座」と呼んでいます(環境省・大山隠岐国立公園のコース案内、2026年9月22日確認時点)。
三座を一度に歩く縦走は、環境省の「蒜山三座縦走コース」で下蒜山登山口から上蒜山駐車場まで7時間47分・11kmが目安です。一方で1座だけ登って同じ登山口に戻る日なら、行程は半日前後の組み立てになります。同じ「蒜山登山」でも、縦走の日と1座の日は別の山行として計画するのが出発点です。
先に今日の状況です。2026年9月22日時点で、真庭観光WEB・岡山県・環境省の現行ページを確認した範囲では、蒜山三座(下・中・上)を名指しした登山道の通行止め・崩落・閉鎖の告知は見つかりませんでした。ただし「解除済み」「全面開通」を示す告知もありません。道路では岡山県の道路規制情報に真庭市内の全面通行止めの掲載があり、ツキノワグマの出没情報は岡山県のページが2026年9月9日に更新されています。どちらも出発前に自分で開き直す前提で、確認の手順を本文で渡します。
この記事では、三座それぞれの位置と標高、環境省の区間値を積み上げた縦走の内訳、縦走後に車をどう回収するか、駐車場やトイレの情報が公式にどこまで出ているか、紅葉の時期の気温と日没から逆算する下山時刻までを、一つの行程表として読める形にまとめます。
- 蒜山は上蒜山1,202m・中蒜山1,123m・下蒜山1,100mの三座で、「縦走するか1座で帰るか」で所要時間もアクセスも変わること
- 環境省の区間値を積み上げると、三座縦走は下蒜山登山口から上蒜山駐車場まで7時間47分・11kmで、公式の合計値と一致すること
- 上蒜山の区間は環境省の巡視記録で「2合目までほぼ直登」「3合目付近から8合目過ぎまで日陰が少なく急峻」とされていること(2009年8月の記録)
- 各登山口の駐車台数・料金・トイレは公式ページで確定できず、現地の案内と真庭観光局への確認が前提になること
- 縦走は起点と終点が違うため、車1台なら回収の手段を出発前に決めておく必要があること
- 通行止め・道路規制・クマ出没を、当日の朝どのページで見直せばよいかの手順
- 紅葉の目安(10月下旬〜11月上旬)と、上長田アメダスの平年値・岡山の日の入り時刻から下山時刻を逆算する方法
蒜山は1つの山ではない|上蒜山・中蒜山・下蒜山の位置と標高
蒜山三座は、東西に並ぶ3つのピークです。西の端に下蒜山、真ん中に中蒜山、東の端に上蒜山があり、環境省の縦走コースは西の下蒜山から東の上蒜山へ向かう順で区間値を示しています(環境省、2026年9月22日確認時点)。3つの標高差は最大でも約100mしかなく、麓から見ると一続きの山並みに見えます。
この「一続きに見える」ことが、計画を立てるときの落とし穴になります。三座は稜線でつながっていますが、それぞれの山頂の間には鞍部があり、登って下ってまた登る地形です。特に下蒜山と中蒜山の間にはフングリ乢(たわ)と呼ばれる鞍部があり、環境省の区間値では下蒜山山頂からフングリ乢までが70分、フングリ乢から中蒜山山頂までが60分です。山頂の標高だけを並べても、歩く量は見えてきません。
| 山 | 標高 | 三座の中での位置と、登山口の手がかり |
|---|---|---|
| 下蒜山 | 1,100m | 西の端。登山口は犬挟峠(岡山県真庭市蒜山下長田、犬挾峠東部) |
| 中蒜山 | 1,123m | 真ん中。麓に「塩釜の冷泉」(岡山県真庭市下福田)があるエリア |
| 上蒜山 | 1,202m | 東の端で三座の最高峰。縦走の終点は上蒜山駐車場 |
標高と位置は環境省の大山隠岐国立公園のコース案内、下蒜山登山口の住所は岡山県のページ、塩釜の冷泉の住所は真庭観光WEBによります(いずれも2026年9月22日確認時点)。三座の最高峰は上蒜山ですが、1,202mという数字は中国地方の山としては中くらいの高さです。高さそのものより、稜線の上下と上蒜山側の急な下りが一日の負担を決めます。
中蒜山の標高は、環境省の縦走コース案内では1,123mですが、岡山県の「塩釜の冷泉」を紹介するページでは1,122mと書かれています。この記事では、三座の標高を同じ文脈で並べている環境省の値(1,123m)で統一しています。地図アプリや案内板で1m違う数字を見かけても、別の山を指しているわけではありません。
もう一つ押さえておきたいのが呼び名です。蒜山は「ひるぜん」と読み、蒜山高原という地名でも広く知られています。高原の観光地としての蒜山と、登山対象としての蒜山三座は同じ地域の話ですが、登山の計画で必要なのは「どの山頂を、どの登山口から」という単位の情報です。検索や案内で「蒜山」とだけ書かれた情報は、三座のどれの話かを一度確かめてから使うと混乱が減ります。
編集部の見立て:蒜山は「3つの山がある」と知っているかどうかで、読む情報の選び方が変わる山です。山頂の標高差は100mほどしかないので、つい「どれでも同じくらい」と考えがちですが、登山口の場所も、その先の下りの質も山ごとに違います。まず三座の並び順と、どの山頂に立ちたいのかを決めるところから始めるのが近道だと考えています。
縦走か1座か、最初に決める|7時間47分を歩く日と半日の日
蒜山の計画で一番大きな分かれ道は、三座を縦走するか、1座だけ登って戻るかです。縦走は環境省の目安で7時間47分・11km(2026年9月22日確認時点)で、これは休憩を入れる前の歩行時間として読むのが安全側です。休憩や写真、昼食を足すと、行動時間は9時間前後を見込むことになります。日帰りの山行としては長い部類に入ります。
1座だけの日は、この長さが大きく縮みます。たとえば下蒜山なら、環境省の区間値で登山口から雲井平までが60分・1.3km、雲井平から山頂までが33分・1.0kmです。公式の区間値を合計すると、登山口から山頂まで93分・2.3kmになります。往復して戻る日なら、縦走の日とは求められる体力も、日没までの余裕もまったく違います。
最初の判断:縦走は「長い行動時間」と「起点と終点が違う」の2つを同時に背負う山行です。体力に不安があるか、車を回収する手段が決まっていないなら、その日は1座で帰る日にするのが素直な選び方です。縦走はどちらの条件もそろった日に取っておきます。
判断の材料を並べると、次のようになります。表の値は環境省のコース案内の区間値と、それを合計した値です(2026年9月22日確認時点)。
| 比べる項目 | 三座縦走 | 1座で帰る日 |
|---|---|---|
| 歩行時間の目安 | 7時間47分・11km(環境省の公式値) | 下蒜山なら登りだけで93分・2.3km(公式の区間値を合計) |
| 起点と終点 | 下蒜山登山口と上蒜山駐車場で別の場所 | 同じ登山口に戻る |
| 車の扱い | 1台なら回収の手段を事前に決める | 停めた場所に戻るだけ |
| 日没との関係 | 秋は早出が前提になる | 昼前後の出発でも組める日がある |
この表で見てほしいのは、縦走の難しさが「歩く量」だけではないことです。起点と終点が違うということは、歩き終えたあとにもう一つ移動の段取りが残るということです。疲れた状態でその段取りが崩れると、日没後の車道歩きや、予定外の待ち時間につながります。
自分の体力で縦走に届くかは、行動時間と標高差の組み合わせで考えます。都道府県が出している山のグレーディング表の体力度の見方を知っておくと、蒜山の縦走を他の山と同じ物差しで比べられます。7〜8時間の行程を最後まで同じペースで歩いた経験がなければ、先に1座の日を重ねてから縦走に進む順番が無理のない形です。
- 休憩込みで8〜9時間の行動を、最後まで同じペースで歩いた経験があるか
- 急な下りが2時間続いても、膝や太ももに不安が出ないか
- 上蒜山駐車場から下蒜山登山口へ戻る手段が、出発前に決まっているか
- 日の入りから逆算した「ここで引き返す時刻」を決めてあるか
編集部の判断:縦走の7時間47分は、数字だけ見れば「頑張れば日帰りで届く」長さです。ただ、蒜山の縦走は歩き終えた後に車の回収が残り、秋は日が短い。この3つが重なると、余裕は想像よりずっと小さくなります。初めての蒜山は1座で帰る日にして、登山口の様子と上り下りの感触を確かめてから縦走に進む順番をすすめます。
下蒜山(1,100m)|犬挟峠の登山口から山頂まで公式区間値で93分
下蒜山は三座の西の端にあり、縦走の起点でもあります。登山口は犬挟峠にあり、岡山県のページでは所在地を「岡山県真庭市蒜山下長田。犬挾峠東部」としています(2026年9月22日確認時点)。三座の中で標高は一番低い1,100mですが、縦走の起点として最初に登る山なので、ここでのペースが一日全体の見通しを左右します。
環境省の蒜山三座縦走コースの区間値は、下蒜山登山口から雲井平までが60分・1.3km、雲井平から下蒜山山頂までが33分・1.0kmです(2026年9月22日確認時点)。前半の60分で1.3kmという数字は、平地の歩行速度よりかなりゆっくりです。距離に対して時間が長い区間は、それだけ傾斜があると読むのが基本です。
| 区間 | 時間 | 距離 | 1kmあたり |
|---|---|---|---|
| 下蒜山登山口→雲井平 | 60分 | 1.3km | 約46分 |
| 雲井平→下蒜山山頂 | 33分 | 1.0km | 33分 |
| 合計(公式の区間値を合計) | 93分 | 2.3km | — |
「1kmあたり」の列は、環境省の区間値をこの記事で割り算した値です。数字で言えば、前半のほうが1kmにかける時間が長い、ということになります。言いかえると、登山口から雲井平までの前半に登りの重さが集まっていて、雲井平から先はそれに比べて足が進みやすい区間です。前半で息が上がるのは想定の範囲なので、最初の30分はペースを抑えて入るほうが、後半まで脚が残ります。
下蒜山だけで帰る日は、山頂から同じ道を戻ります。戻りの時間は、この記事で参照した環境省の縦走コース案内に下り向きの値が示されていないため、ここでは書きません。一般に下りは登りより短い時間で歩けますが、傾斜のある区間では膝への負担が大きくなり、時間が縮まらないこともあります。往復の日は「登り93分+下りは登りの7〜8割」くらいを自分の目安にして、初回は実測で答え合わせをするのが現実的です。
下蒜山を1座で帰る日でも、登山口の犬挟峠は車道の峠です。登山口周辺の駐車台数や料金は、2026年9月22日時点で環境省・真庭観光WEB・真庭市の公式ページに記載が見つかりませんでした。路肩や車道脇に停める前提で計画しないでください。駐車の可否は現地の案内板と真庭観光局への確認で決めます。
縦走の日は、下蒜山山頂がまだ一日の2割ほどの地点です。公式の区間値で見ると、登山口から下蒜山山頂までの93分は、縦走全体7時間47分のうち約2割にあたります。ここで予定より大きく遅れているなら、その先の6時間余りも同じ割合で遅れると考えて、中蒜山や上蒜山まで進むかを山頂で一度判断します。
編集部の見立て:下蒜山は三座で一番低いぶん軽く見られがちですが、登山口から雲井平までは1kmに40分以上かける区間です。縦走の日は、ここを「ウォーミングアップ」ではなく「一日のペースを決める区間」として扱うのがいいと考えています。山頂に着いた時刻を必ず記録し、予定との差を見てから先へ進む。それだけで後半の判断がずっと楽になります。
上蒜山(1,202m)|急な直登と130分の下りをどう見積もるか
上蒜山は三座の東の端にある最高峰で、縦走の終点側にあたります。環境省の縦走コースでは、上蒜山山頂から上蒜山登山口までが130分・2.7km、上蒜山登山口から上蒜山駐車場までが22分・0.9kmです(2026年9月22日確認時点)。縦走では、この合計152分・3.6km(公式の区間値を合計)が、一日の最後に待っている下りになります。
道の性格については、環境省中国四国地方環境事務所の巡視記録に手がかりがあります。上蒜山は2合目までほぼ直登で、3合目付近から8合目過ぎまで日陰が少なく、傾斜が急峻と記されています。ただし、これは2009年8月の巡視記録で、日付がかなり古いことに注意が必要です。道の付け替えや整備で状況が変わっている可能性があるので、「急な斜面が長く続く山」という性格をつかむ材料として読んでください。
上蒜山の読み方:2.7kmに130分という区間値は、縦走の下り向きの値です。急な斜面を長く下る区間は、疲れた脚で足を置く回数が増え、スリップが起きやすくなります。上蒜山は「登りがきつい山」であると同時に「下りに時間を取られる山」として計画します。
上蒜山だけを登る日の登りの時間は、この記事で参照した環境省の縦走コース案内が下り向きの区間値で示しているため、ここでは公式の数字を持っていません。真庭観光局が公開している「真庭登山ガイドマップ 2024年4月改訂版」など、登り向きの時間が載った資料で確かめてから計画してください(真庭観光WEBのパンフレットページ、2026年9月22日確認時点)。
急な直登と長い下りが続く山では、足元の道具がそのまま疲れ方に出ます。日陰の少ない斜面を長く登る日は、靴底が斜面をしっかりとらえること、下りでつま先が靴の中で前に滑らないことの2点が大事になります。
その点で候補になるのが、アディダスのトレッキングシューズ「テレックス AX4 GORE-TEX」です。名前のとおりGORE-TEXを使った防水透湿タイプのローカットで、1座で帰る日の半日行程や、朝露で濡れた草の斜面を歩く日に向きます。足首まで覆うミッドカットほどの支えは要らず、軽快さを取りたい人に合う一足です。
上蒜山を下るとき、登山口に着いてからも駐車場まで0.9km・22分(環境省の区間値)があります。「登山口に着いた=終わり」と考えて時間を使い切ると、最後の22分を暗くなってから歩くことになります。下山の予定時刻は、登山口ではなく駐車場に着く時刻で決めてください。
編集部の見立て:上蒜山の130分は、三座の中で一番重い区間だと考えています。縦走の終盤、すでに6時間近く歩いた脚で、急な斜面を2時間以上下ることになるからです。巡視記録は2009年のものなので細部は変わっているかもしれませんが、「急で長い下りが最後に来る」という構造は地形そのものの話です。縦走するなら、ここに体力を残す配分で前半を歩いてください。
中蒜山(1,123m)|塩釜の冷泉側から考える三座の真ん中
中蒜山は三座の真ん中にあり、縦走ではちょうど折り返しの位置になります。環境省の縦走コースでは、下蒜山山頂からフングリ乢までが70分・1.9km、フングリ乢から中蒜山山頂までが60分・1.2km、中蒜山山頂から上蒜山山頂までが92分・2.0kmです(2026年9月22日確認時点)。中蒜山の山頂は、公式の区間値を合計すると下蒜山登山口から223分・5.4kmの地点です。
中蒜山を1座で登る日は、麓の「塩釜の冷泉」があるエリアが手がかりになります。真庭観光WEBでは塩釜の冷泉の所在地を岡山県真庭市下福田とし、ひるぜん塩釜キャンピングヴィレッジの駐車場を利用して冷泉まで徒歩数分と案内しています(2026年9月22日確認時点)。ただし、これは冷泉を訪ねる人向けの案内で、登山口としての駐車台数・料金・トイレの記載はありません。
塩釜の冷泉の案内に駐車場の記載があっても、それを「登山者が一日停めてよい駐車場」と読み替えないでください。観光施設の駐車場を登山で長時間使ってよいかは、施設側の案内で決まります。2026年9月22日時点で、登山利用を認める公式の記載は確認できていません。停める場所は、真庭観光局や現地の案内で確かめてから決めます。
塩釜側から中蒜山山頂までの登りの時間は、この記事で参照した環境省の縦走コース案内には載っていないため、ここでは書きません。真庭登山ガイドマップや現地の案内板で時間を確かめてから、往復の計画を組んでください。1座で帰る日でも、登り返しのない往復であれば行程は組みやすく、三座の真ん中から東西両側の山並みを見渡せるのが中蒜山の位置の良さです。
縦走の日は、中蒜山の前後に気をつけたい区間があります。環境省中国四国地方環境事務所の2009年8月の巡視記録では、上蒜山と中蒜山の間の縦走路に急傾斜の鎖場が数か所続き、雨の後は登山道が湿って滑りやすくなっていたと記されています。これも日付の古い記録ですが、中蒜山から上蒜山への92分の区間には手を使う場面があると考えておくのが安全です。
- 中蒜山山頂に着いた時刻が、予定より30分以上遅れていないか
- 前日や当日朝に雨が降り、鎖場のある区間が濡れていないか
- ここから上蒜山山頂まで92分、さらに駐車場まで152分(公式の区間値を合計)を歩く脚が残っているか
- 中蒜山から下りる場合の道と、下りた先の移動手段を事前に調べてあるか
中蒜山は、縦走を途中でやめるかどうかを判断する場所でもあります。上蒜山まで進むと、残りは急な鎖場と長い下りです。ここで予定より大きく遅れている、脚が重い、天気が崩れてきた、という条件が1つでもあれば、上蒜山に進まない判断を持っておくと、縦走の日の安全の幅が広がります。中蒜山から下りる道は、出発前に地図で確認しておきます。
編集部の判断:中蒜山は「縦走の折り返し」であると同時に「縦走をやめられる最後の山頂」だと考えています。上蒜山まで進むと、その先は鎖場と2時間を超える下りしかありません。山頂に着いた時刻、脚の具合、空模様の3つを見て、ひとつでも引っかかれば中蒜山で縦走を終える。そう決めておくと、無理をしない選択が取りやすくなります。
急な登りが続く日は、汗で濡れた肌着が稜線の風で冷えるのが体力を削る原因になります。ミレーの「ドライナミック メッシュ ショートスリーブ(DRYNAMIC MESH SS)」は、肌に直接着る網目状のアンダーウェアで、汗を肌から離しておく役目をします。上に着るシャツやフリースの下に重ねる前提の一枚で、日陰の少ない斜面を登って稜線で風を受ける蒜山のような日に向きます。
三座縦走の合計7時間47分・11km|区間ごとの内訳と通過時刻の目安
環境省の蒜山三座縦走コースは、下蒜山登山口から上蒜山駐車場までを7時間47分・11kmとしています(2026年9月22日確認時点)。区間値を1つずつ合計すると、同じ7時間47分・11kmになり、公式の合計値と一致します。ここでは区間ごとの時間と、登山口を出てからの累計を並べます。


| 区間 | 時間 | 距離 | 累計時間 | 累計距離 |
|---|---|---|---|---|
| 下蒜山登山口→雲井平 | 60分 | 1.3km | 60分 | 1.3km |
| 雲井平→下蒜山山頂 | 33分 | 1.0km | 93分 | 2.3km |
| 下蒜山山頂→フングリ乢 | 70分 | 1.9km | 163分 | 4.2km |
| フングリ乢→中蒜山山頂 | 60分 | 1.2km | 223分 | 5.4km |
| 中蒜山山頂→上蒜山山頂 | 92分 | 2.0km | 315分 | 7.4km |
| 上蒜山山頂→上蒜山登山口 | 130分 | 2.7km | 445分 | 10.1km |
| 上蒜山登山口→上蒜山駐車場 | 22分 | 0.9km | 467分(7時間47分) | 11.0km |
区間値は環境省の公式値、累計はこの記事でそれを足し上げた値です。累計の列を見ると、縦走の中間点がどこにあるかが分かります。距離では中蒜山山頂の5.4kmがほぼ半分ですが、時間では中蒜山山頂の223分が全体467分の半分に届いていません。縦走の後半は、距離の割に時間がかかる区間が続くということです。
この表を自分の時間に直すときは、標準のコースタイムに自分の歩く速さの倍率をかけます。これまでの山で「標準より2割遅かった」なら、7時間47分の1.2倍で約9時間20分が歩行時間の目安になります。考え方は登山のコースタイムを自分の時間に直す方法で詳しく書いています。さらに休憩を足すと、行動時間は10時間近くになることもあります。
コースタイムに休憩が含まれるかどうかは、案内によって扱いが異なります。一般的には休憩を含まない歩行時間として示されることが多いため、この記事では7時間47分を「休憩抜きの歩く時間」として扱い、休憩は別に足しています。含まれない前提で見積もっておけば、実際より遅れる計画にはなりにくくなります。
通過時刻の目安を、朝7時に下蒜山登山口を出る場合で出してみます。公式の区間値を足し上げ、休憩は含めていません。下蒜山山頂8:33、フングリ乢9:43、中蒜山山頂10:43、上蒜山山頂12:15、上蒜山登山口14:25、上蒜山駐車場14:47です。休憩を1時間足すと駐車場着は15:47前後になります。
この時刻を日の入りと並べると、秋の余裕の小ささが見えてきます。国立天文台の岡山の日の入りは、10月31日が17:12、11月30日が16:54です(岡山市地点、2026年9月22日確認時点)。朝7時に出て休憩1時間なら、10月下旬で日の入りまで1時間半ほどの余裕です。出発が1時間遅れれば、その余裕はほとんど消えます。
編集部の見立て:区間値の表で一番注目してほしいのは、最後の2行です。上蒜山山頂から駐車場までの152分は、縦走全体の3分の1近くを占めます。山頂に立った時点で「あと少し」と感じやすい場所ですが、時間の上ではまだ一日の3分の1が残っている。山頂到着時刻に152分を足した時刻が、日の入りの1時間前より後になるなら、それは計画が崩れているサインだと考えています。
上蒜山の130分の下りのように、急な斜面を長く下る区間では、ストックがあると膝にかかる衝撃を腕に分けられます。DABADA(ダバダ)の軽量アルミ製トレッキングポール2本セットは、SG承認品として販売されているアルミ製のポールで、初めてストックを使う人が2本で歩く練習を始めるのに向きます。長さの調整や使い方、ほかのモデルとの違いはトレッキングポールの選び方と軽量モデルの比較にまとめています。
三座を歩き通す日と1座で帰る日で、靴・ザック・上着をどう変えるか
蒜山の装備は、縦走か1座かで考える順番が変わります。選ぶ基準は3つです。1つ目は足回りで、急な直登と2時間を超える下りに耐えられるか。2つ目は荷物の量で、縦走の9時間前後の行動に必要な水・食料・上着が入るか。3つ目は10月の高原の冷えで、稜線で風を受けたときや、雨に降られたときに体温を守れるか。この3つを、縦走の日と1座の日で分けて考えます。
冷えについては、数字で確かめておきます。気象庁の上長田アメダスの平年値(1991〜2020年)では、10月の日最低気温が8.4℃、11月は2.8℃です(2026年9月22日確認時点)。上長田は麓の観測点で、山頂はそれより高い場所にあります。
つまり、山頂や稜線は麓の数字よりさらに冷えると考えておく必要があります。一般的な目安では、気温は標高が100m上がるごとに約0.6℃下がります。観測点と山頂の標高差の分だけ気温を下げ、そこに風の冷えを重ねて服装を決めます。計算の手順は標高による気温の下がり方と服装の目安で解説しています。
| 装備 | 三座縦走の日 | 1座で帰る日 |
|---|---|---|
| 靴 | 足首まで支えるミッドカット。長い下りと鎖場に備える | ローカットでも組める。濡れた草に備えて防水透湿のもの |
| ザック | 20L台前半で、水と行動食を多めに入れる | 20L前後で足りる |
| 雨具 | 上下とも必携。稜線で防風着を兼ねる | 上下とも必携 |
| 保温着 | 休憩時に着る1枚を必ず持つ | 山頂で着る1枚を持つ |
ここからは、この基準に沿って道具を5つ並べます。どれも型番と、商品名に示された仕様だけで紹介しています。
縦走の日の靴として、アディダスの「テレックス スカイチェイサー AX5 ミッド GORE-TEX」は、足首まで覆うミッドカットにGORE-TEXを組み合わせたモデルです。上蒜山の急な下りや鎖場のある区間で、足首のひねりを抑えたい人に向きます。ユニセックス大人向けの展開なので、男女どちらでもサイズを選べます。
1座で帰る日のザックなら、サロモンの「TRAILBLAZER 20(トレイルブレイザー 20リットル)」が候補です。容量20リットルで、雨具・保温着・水・行動食をまとめて入れられる大きさです。半日行程で荷物を必要なぶんに絞り、身軽に歩きたい人に合います。
縦走の日に水や食料を多めに持つなら、ドイターの「フューチュラ 23」は容量23リットルの登山用ザックです。20リットルより一回り大きく、9時間前後の行動で荷物が増える日に余裕を持たせたい人に向きます。長時間背負う日ほど、背中と荷物の収まりが疲れ方に響きます。
雨具の上着として、ザ・ノース・フェイスの「マウンテンレインテックスジャケット」は、GORE-TEXを使った防水透湿のレインジャケットです。雨の日だけでなく、稜線で冷たい風を受けたときの防風着としても使えるので、秋の蒜山で1枚持つならこの役割を兼ねるものを選ぶと荷物が減ります。レインウェアの層の違いやサイズの決め方は2層・2.5層・3層の違いから選ぶ登山レインウェアで詳しく比べています。
雨は降っていないが風が冷たい、という日の上着には、コロンビアの「ライトキャニオン ソフトシェルジャケット(PM0373)」が向きます。ソフトシェルは、レインジャケットほど蒸れずに風を和らげる上着です。行動中に着たまま歩ける一枚を探している人に合います。
編集部の判断:蒜山で道具を選ぶ順番は、靴、雨具、保温着だと考えています。急な直登と長い下りは足元にそのまま響き、10月の稜線の風は雨具と保温着でしか防げません。ザックの容量は、縦走か1座かが決まってから選べば十分です。どの道具も、その日の行程が決まってから選ぶと、持ちすぎも持たなすぎも避けやすくなります。
縦走後の車の回収と、車を使わない日のバスの調べ方
三座縦走は、下蒜山登山口から歩き始めて上蒜山駐車場で終わります。起点と終点が別の場所なので、車1台で来た場合は、歩き終えたあとに下蒜山登山口へ車を取りに戻る手段が必要になります。この回収の段取りが、蒜山の縦走で一番情報が少ない部分です。
2026年9月22日時点で、真庭市コミュニティバスの公式ページと日本交通の公式ページを確認した範囲では、三座縦走の車回収について書いた案内は見つかりませんでした。縦走の登山口間をタクシーで移動できるかどうかも、公式な記載はありません。回収の手段は、現地で探すのではなく出発前に決めておくことが前提になります。
- 2台で行ける日なら、1台を上蒜山駐車場に置き、もう1台で下蒜山登山口へ向かう。歩き終えたら上蒜山側の車で下蒜山側へ戻る
- 1台で行く日は、蒜山地域で配車できるタクシー会社に、登山口間の送迎を予約できるかを事前に電話で問い合わせる。予約が取れなければ縦走はやめて1座の日にする
- バスを使う場合は、真庭市の公式時刻表で登山口の近くに停まる便があるかを確かめる。登山口に直接停まる停留所があるかは、路線図と時刻表で確認する
車を使わない日の足としては、真庭市コミュニティバス「まにわくん」の蒜山・久世ルートがあります。真庭市のページでは、蒜山高原休暇村から蒜山振興局、湯原温泉、中国勝山駅を経て真庭市役所へ向かうルートとして案内されています(2026年9月22日確認時点)。
運行は毎日で、1日6往復です。そのうち13便は4〜9月の平日のみの運行とされています。10月以降に蒜山へ向かう場合、この便が走らない期間に入る点に注意してください(真庭市、2026年9月22日確認時点)。
蒜山・久世ルートの公式ページには、登山口の名前を冠した停留所の記載がありません。バスは蒜山高原の周辺を通りますが、下蒜山の犬挟峠、中蒜山の塩釜側、上蒜山の登山口のどこかに直接着くかは、公式の路線図と時刻表で確かめる必要があります。バス停から登山口まで車道を歩く時間も、計画に入れておきます。
鳥取県側からのアクセスでは、日本交通の公式サイトのバス停一覧に「蒜山犬挟」という停留所名があります。ただ、どの路線が停まり、何本走っているかは、この記事の確認範囲では確定できていません。米子方面から向かう場合は、日本交通の路線と時刻を公式サイトで直接確かめてください。バスの運行は事業者の判断で決まり、季節によって変わることがあります。
公共交通で登山口に立つ組み立て方は、バス・タクシー・乗合の使い分けから考えると整理しやすくなります。車がなくても登山口に立つためのバス・タクシー・シャトルの使い分け方では、帰りの便から逆算して登山口の出発時刻を決める手順を書いています。
編集部の見立て:蒜山の縦走で一番計画が崩れやすいのは、山の中ではなく下山後だと考えています。歩き終えた夕方に「さて、車をどう取りに戻ろう」と考え始めると、タクシーがつかまらない、バスの便がない、という事態に疲れた状態で向き合うことになります。回収の手段が決まらない日は、縦走ではなく1座の日にする。この線引きを先に持っておくのがいいと思います。
駐車場・トイレは現地で確認する前提で計画する
蒜山三座の各登山口の駐車場とトイレは、公式情報が少ない部分です。2026年9月22日時点で、環境省・真庭観光WEB・真庭市の公式ページを確認した範囲では、下蒜山(犬挟峠)・中蒜山・上蒜山の各登山口について、駐車台数・料金・トイレの有無を具体的に書いた記載は見つかりませんでした。
インターネット上には、登山口の駐車台数を書いた個人のブログや地図サイトもあります。ただ、それらの数字は書かれた時点の情報で、いまも同じかは分かりません。この記事では二次サイトの数字は使わず、公式に確かめられる範囲だけを書いています。駐車の可否と台数は、出発前に真庭観光局へ確認し、当日は現地の案内板に従うのが確実です。
| 登山口 | 公式で確かめられたこと | 出発前に確かめること |
|---|---|---|
| 下蒜山(犬挟峠) | 所在地は真庭市蒜山下長田、犬挾峠東部(岡山県) | 駐車できる場所・台数・料金・トイレ |
| 中蒜山(塩釜側) | 塩釜の冷泉は真庭市下福田。冷泉の案内ではキャンピングヴィレッジの駐車場を利用(真庭観光WEB) | 登山者が停めてよい場所か・台数・料金・トイレ |
| 上蒜山 | 縦走の終点として「上蒜山駐車場」の名がある(環境省) | 台数・料金・満車時の扱い |
上蒜山登山口のトイレについては、真庭市の公共施設の資料に「上蒜山登山口公衆トイレ」の掲載があり、2023年度に新築されたとされています。ただ、利用できる期間や冬季の扱い、登山口のどの位置にあるかは資料から読み取れません。「あるはず」と決めつけず、麓の施設で済ませてから登山口に向かう計画にしておくと、当日に困りません。
駐車場が満車だったときに、路肩や車道脇に停めるのはやめてください。峠や林道の路肩は、地元の車や作業車の通行の妨げになり、事故の原因にもなります。満車なら別の登山口に切り替えるか、その日は登らない判断をします。紅葉の週末は、代わりの計画を1つ持って出かけると慌てずに済みます。
問い合わせ先としては、真庭観光局の真庭観光WEBが入口になります。同じサイトのパンフレットのページには「真庭登山ガイドマップ 2024年4月改訂版」へのリンクが掲載されています(2026年9月22日確認時点)。登山口の位置や道の様子を地図で確かめるときは、このマップと国土地理院の地理院地図を並べて見るのがおすすめの手順です。国土地理院は、蒜山を含む真庭地区の登山道調査を2014〜2015年に行っており、最新の地形図は地理院地図で確認するよう案内しています。
- 使う登山口の駐車場所・台数・料金を、真庭観光局に問い合わせたか
- 観光施設の駐車場を使う場合、登山での長時間利用が認められているか確かめたか
- 満車だったときの代わりの登山口か、代わりの予定を決めたか
- トイレは麓で済ませる計画にしたか
編集部の判断:駐車場とトイレの情報が公式にほとんど出ていないのは、蒜山の計画で一番もどかしい点です。ここを二次サイトの数字で埋めると、記事としては親切に見えますが、現地で違っていたときの逃げ道がなくなります。電話で1本確かめる手間と、満車だったときの代わりの予定。この2つを出発前に済ませておくほうが、確かな準備になると考えています。
通行止め・道路規制・クマ出没・登山届を出発前に確かめる手順
蒜山三座に向かう前に確かめることは、登山道・道路・クマ・登山届の4つです。それぞれ管理する主体と、見るべきページが違います。登山道の状況は観光局や自治体の告知、道路は道路管理者の規制情報、クマは県の出没情報、登山届は警察への提出と、別々に確かめます。
まず登山道です。2026年9月22日時点で、真庭観光WEB・岡山県・環境省の現行ページを確認した範囲では、蒜山三座(下・中・上)を名指しした通行止め・崩落・閉鎖の告知は確認できませんでした。一方で「解除済み」や「全面通行可」を示す告知もないため、登山道の現況は断定できません。真庭観光WEBの蒜山の案内には、三坂山のスタート&ゴール付近で橋が崩落し通行止めという記載がありますが、これは蒜山三座とは別のルートの話です。
次に道路です。岡山県の道路規制情報には、真庭市蒜山本茅部の市道野土路線と、真庭市蒜山初和地内の市道熊井谷線が「災害発生の恐れ」で全面通行禁止として掲載されています(2026年9月22日確認時点)。ただ、これがどの登山口への道にあたるかは、掲載情報だけでは特定できません。
県道65号(真庭市蒜山下和)にも全面通行止めの掲載があります。ただし、岡山県の道路規制サイト内でページによって規制期間の表記が異なっており、この記事では具体的な期間を書いていません。どの登山口への影響かも記載がありません。出発前に岡山県の道路規制情報を開き、自分が通る道に規制がないかを直接確かめてください。道路の通行止めは道路管理者が決めるもので、登山道の規制とは別のものです。
クマについては、蒜山のある岡山県北部はツキノワグマの生息域です。岡山県のツキノワグマ出没情報のページは2026年9月9日に更新されており、県内の目撃地点を地図で確認する方式になっています(2026年9月22日確認時点)。蒜山三座の周辺で出没があるかどうかは、県のページの本文だけでは判断できません。地図を開いて、蒜山周辺の目撃地点を自分で確かめます。
真庭市にも、ツキノワグマなどに遭遇したときの注意を書いたページがあります。こちらは出没地点の一覧ではなく、遭遇時の心構えを伝えるページです。確認の手順全体は登山前のクマ出没情報を都道府県の公式マップで確かめる3段階の手順にまとめています。
登山届は、岡山県のページで提出先が案内されています。岡山県警察本部地域課か地元の警察署へ、持参・郵送・FAXで提出する方法と、日本山岳ガイド協会の「コンパス」でオンライン提出する方法です(2026年9月22日確認時点)。この記事で参照した県のページには、提出を条例で義務づける記載は見当たりませんでした。縦走の日は、起点と終点、回収の手段、引き返す時刻まで書いて出しておくと、万一のときに探す範囲が絞られます。
- 前日の夜に、真庭観光WEBの蒜山の案内と岡山県の道路規制情報を開き、使う登山口と通る道に通行止めの掲載がないかを見る
- 同じタイミングで岡山県のツキノワグマ出没情報の地図を開き、蒜山周辺の目撃地点と日付を確かめる
- 登山届をコンパスか警察へ出し、行程・下山予定時刻・回収の手段を家族にも伝える。当日の朝、道路規制情報をもう一度開いてから出発する
編集部の見立て:「告知が見つからない」ことは「問題がない」ことと同じではありません。蒜山三座を名指しした通行止めは見つかりませんでしたが、解除を告げる告知もない。この状態では、記事の情報を信じて出かけるのではなく、出発の前夜と当日の朝に自分でページを開き直すのが一番確かな方法です。確認の手順を習慣にしておけば、記事が古くなっても困りません。
紅葉の見頃と気温・日没から下山時刻を逆算する
蒜山の紅葉について、真庭観光WEBは「10月下旬から進み、11月上旬にかけて周辺の山々を彩る」という目安を示しています(2026年9月22日確認時点)。これは平年の目安で、その年の気温によって前後します。2026年の見頃が何日になるかは、この記事では予想しません。出かける前の週に、真庭観光WEBや現地の最新情報で色づきの様子を確かめてください。
紅葉の時期は、気温と日の短さが計画を縛ります。気象庁の上長田アメダスの平年値(1991〜2020年)では、10月の平均気温が13.3℃、日最高19.1℃、日最低8.4℃です。11月は平均7.8℃、日最高13.5℃、日最低2.8℃まで下がります(2026年9月22日確認時点)。
これを登山の言葉に直すと、10月下旬から11月上旬は、麓の朝でも一桁の気温になりうる時期です。山頂はさらに冷え、稜線で風を受ければ体感はもっと低くなります。行動中は汗をかいても、休憩で止まった途端に冷えるのがこの時期の特徴です。
上長田アメダスの平年値では、10月の降雪の深さ合計と最深積雪はともに0cm、11月は降雪の深さ合計2cm・最深積雪1cmです(2026年9月22日確認時点)。平年の数字としては雪の少ない時期ですが、平年値は通行の可否を保証するものではありません。冷え込んだ朝には、日陰の斜面が凍ることもあると考えておきます。
日没は、国立天文台の岡山の日の入りで、10月1日が17:49、10月31日が17:12、11月1日が17:11、11月30日が16:54です(岡山市地点、2026年9月22日確認時点)。蒜山は岡山市とは場所が違い、山の中や谷あいは日の入り時刻より早く暗くなります。この数字は「この時刻まで明るい」ではなく「この時刻には確実に暗い」と読むのが安全です。
下山時刻の逆算:日の入り時刻から1時間を引いた時刻を、駐車場に着く期限にします。10月31日なら17:12の1時間前で16:12です。縦走の場合、7時間47分に休憩1時間を足した8時間47分を引くと、10月末の縦走は、遅くとも朝7時25分ごろには下蒜山登山口を出ている必要があるという計算になります(公式の区間値と岡山の日の入りから、この記事で計算した値)。
この計算は、標準のコースタイムどおりに歩けた場合の話です。自分のペースが標準より遅いなら、その分だけ出発を早めます。もう一つ決めておきたいのが、途中で引き返す時刻です。たとえば「中蒜山山頂に11時までに着かなければ、上蒜山に進まない」のように、区間ごとの期限を決めておくと判断がぶれません。日没から逆算する考え方は秋に早まる日没と引き返し時刻の逆算法で詳しく書いています。
編集部の判断:紅葉の時期の蒜山は、景色が一番いい時期であると同時に、一日の明るい時間が一番短い時期でもあります。縦走するなら、朝7時台前半に歩き出せる日だけにするのが現実的な線だと考えています。前夜の移動や朝の準備でそれが難しいなら、その日は1座にして紅葉を楽しむほうが、結果として山を楽しめます。
冷えた稜線での休憩や、朝夕の冷え込みに備える一枚としては、コロンビアのフリースジャケット(089)が候補になります。フリースは、薄手のダウンより濡れや汗に強く、行動中にも着ておける保温着です。10月下旬から11月の蒜山で、休憩のたびに羽織る一枚を探している人に向きます。
体力に不安がある人の準備|1座から始めて縦走に進む順番
登山歴がまだ浅い人や、久しぶりに山を歩く人が蒜山に行くなら、最初の一回は1座で帰る日にするのが無理のない組み立てです。三座の中では、下蒜山が公式の区間値を合計して登り93分・2.3kmと、行程の見通しが立てやすい山です。ここで自分のペースと、下りでの膝の具合を確かめます。
準備の中心になるのは、体力の見積もりと、途中でやめる判断の用意です。標準のコースタイムに対して自分がどのくらいの速さで歩けるかを、1座の日に記録しておくと、縦走に進むときの計算の元になります。1座の日の実績が標準の1.3倍だったなら、縦走も7時間47分の1.3倍、約10時間の歩行を見込むことになります。これでは秋の日の短さに収まらないので、ペースを上げる練習をしてから縦走に進みます。
| 段階 | 行き先 | 確かめること |
|---|---|---|
| 1回目 | 下蒜山を1座で往復 | 標準の登り93分(公式の区間値を合計)に対する自分の倍率 |
| 2回目 | 上蒜山を1座で往復 | 急な斜面の下りで膝と足首に不安が出ないか |
| 3回目 | 三座縦走 | 車の回収の手段と、朝7時台前半の出発が確保できるか |
装備では、雨具・保温着・ヘッドライトの3つを、1座の日でも必ず持ちます。ヘッドライトは、予定どおりに下山できる日には使わない道具ですが、下山が遅れたときに使えるかどうかで、その後の行動が大きく変わります。紅葉の時期は日が短いので、1座の日でも「使わない前提で持つ」道具として入れておきます。
中蒜山と上蒜山の間の縦走路には、2009年8月の環境省の巡視記録で「急傾斜の鎖場が数か所」と記されています。鎖場に慣れていない人は、この区間を含む縦走をいきなり選ばないでください。雨の後は滑りやすくなるので、前日に雨が降った日は、縦走の予定でも1座に切り替える判断を持っておきます。
もう一つ大切なのは、同じ日に「初めて」を重ねないことです。初めての山域、初めての長い行程、初めての鎖場、初めての単独行。これらが同じ日に重なるほど、何か一つがうまくいかなかったときの立て直しが難しくなります。蒜山で言えば、初めての蒜山で縦走を選ぶと、山域・行程の長さ・鎖場・車の回収が一度に重なります。1座の日を挟むだけで、この重なりはかなり減らせます。
- 1座の日に、標準のコースタイムに対する自分の倍率を記録したか
- 雨具の上下・保温着・ヘッドライトを、1座の日でも入れたか
- 鎖場のある区間を歩く前に、ほかの山で手を使う場面を経験したか
- 同じ日に重なる「初めて」の数を数えたか
編集部の見立て:蒜山は、1座ずつなら登山歴の浅い人でも計画を立てやすい山だと考えています。難しくなるのは、三座を一度に歩こうとしたときです。1回目で自分のペースを知り、2回目で急な下りを確かめ、3回目で縦走に進む。この順番を踏むと、同じ山に3回違う表情で出会えるので、遠回りに見えて得るものが多い計画になります。
雨の日や風の強い日の下半身の備えとしては、ザ・ノース・フェイスの「クラウドパンツ」があります。雨具の上着と合わせて上下をそろえるためのパンツで、1座の日でも縦走の日でも、ザックに入れておく雨具のズボンを探している人に向きます。
よくある質問
Q. 蒜山三座で一番登りやすいのはどの山ですか?
この記事で公式の区間値を持っているのは下蒜山で、犬挟峠の登山口から山頂まで、区間値を合計して93分・2.3kmです(環境省、2026年9月22日確認時点)。上蒜山は巡視記録で急峻な直登とされ、中蒜山は塩釜側からの登りの公式値をこの記事では確認できていません。最初の1座に迷うなら、行程の見通しが立てやすい下蒜山から始めるのが組み立てやすい選び方です。
Q. 三座縦走は何時間かかりますか?
環境省の蒜山三座縦走コースでは、下蒜山登山口から上蒜山駐車場まで7時間47分・11kmが目安です(2026年9月22日確認時点)。区間値を合計しても同じ値になります。これに休憩を足し、自分のペースの倍率をかけると、多くの人は9〜10時間前後の行動を見込むことになります。
編集部の見立て:7時間47分は「休憩なしで、標準のペースで歩けた場合」の時間です。実際の計画では、この数字に休憩と自分の倍率を必ず足してください。数字をそのまま一日の長さだと受け取ると、秋は日没に追われる計画になります。
Q. 縦走したあと、車はどうやって回収しますか?
2026年9月22日時点で、縦走の車回収について書いた公式の案内は見つかりませんでした。2台で行く、事前にタクシー会社へ登山口間の送迎を予約できるか問い合わせる、バスの時刻表で登山口の近くに停まる便があるか確かめる、のいずれかを出発前に決めます。回収の手段が決まらない日は、1座の日にするのが確かです。
Q. 紅葉の見頃はいつですか?
真庭観光WEBでは、10月下旬から紅葉が進み、11月上旬にかけて周辺の山々を彩るとしています(2026年9月22日確認時点)。これは平年の目安で、年によって前後します。2026年の色づきは、出かける前の週に真庭観光WEBなどで最新の様子を確かめてください。
Q. クマは出ますか?
岡山県北部はツキノワグマの生息域です。岡山県のツキノワグマ出没情報は2026年9月9日に更新されており、県内の目撃地点を地図で確認できます。蒜山三座の周辺で目撃があるかどうかは、出発前にその地図を開いて自分で確かめてください。
編集部の判断:クマについては「出る・出ない」を記事で言い切るより、確かめる場所を知っておくほうが役に立つと考えています。出発の前夜に県の地図を開き、蒜山周辺の目撃の日付を見る。それを毎回の手順にしておけば、季節が変わっても同じやり方で判断できます。
まとめ:今日やることは1つ、縦走か1座かを決める
蒜山は上蒜山1,202m・中蒜山1,123m・下蒜山1,100mの三座で、縦走なら環境省の目安で7時間47分・11km、1座なら下蒜山の登りが区間値の合計で93分と、同じ「蒜山登山」でも一日の長さがまったく違います。縦走には、長い行動時間、上蒜山の急で長い下り、起点と終点が違うことによる車の回収、秋の日の短さが重なります。
だからこそ、計画の最初にやることは1つです。その日を縦走の日にするか、1座で帰る日にするかを決めること。それが決まれば、登山口、出発時刻、装備、回収の手段が順に決まっていきます。
編集部の判断:迷ったら1座で帰る日にしてください。蒜山は三座あるので、1座で帰っても「また来る理由」が2つ残ります。縦走は、自分のペースを知り、車の回収の手段が決まり、朝7時台前半に歩き出せる日に取っておく。その順番で十分に楽しめる山です。
- 縦走か1座かを決め、使う登山口と、縦走なら車の回収の手段(2台・タクシーの予約・バス)を確定させる
- 真庭観光局に駐車場所を問い合わせ、日の入りから1時間前を駐車場に着く期限にして、出発時刻と引き返す時刻を決める
- 前夜と当日の朝に、岡山県の道路規制情報・真庭観光WEB・岡山県のツキノワグマ出没情報を開き直し、登山届を出してから出発する
編集部の見立て:この記事に書いた道路規制や駐車場の状況は、2026年9月22日時点のものです。記事の数字はいずれ古くなります。だからこそ、数字そのものより「どこを見れば今日の状態が分かるか」を持ち帰ってほしいと考えています。出発前に3つのページを開き直す習慣があれば、蒜山に限らずどの山でも同じ準備ができます。
出典
- 環境省「大山隠岐国立公園 蒜山三座縦走コース」 https://www.env.go.jp/nature/nationalparks/list/daisen-oki/course/02/ (2026年9月22日確認)
- 環境省中国四国地方環境事務所 巡視記録(2009年8月) https://chushikoku.env.go.jp/blog/2009/08/525.html (2026年9月22日確認)
- 真庭観光WEB(蒜山の登山案内) https://www.maniwa.or.jp/web/?c=spot-2&pk=3057 (2026年9月22日確認)
- 真庭観光WEB(塩釜の冷泉) https://www.maniwa.or.jp/web/?c=spot-2&pk=13 (2026年9月22日確認)
- 真庭観光WEB(パンフレット・真庭登山ガイドマップ) https://www.maniwa.or.jp/web/?c=pamphlet (2026年9月22日確認)
- 岡山県(犬挟峠) https://www.pref.okayama.jp/page/573597.html (2026年9月22日確認)
- 岡山県(塩釜の冷泉) https://www.pref.okayama.jp/page/270025.html (2026年9月22日確認)
- 岡山県 道路規制情報 https://dosei.pref.okayama.jp/dourokisei/sp/list.php (2026年9月22日確認)
- 岡山県 ツキノワグマ出没情報 https://www.pref.okayama.jp/page/1006862.html (2026年9月22日確認)
- 真庭市(ツキノワグマ等に遭遇した際の注意) https://www.city.maniwa.lg.jp/soshiki/42/82007.html (2026年9月22日確認)
- 岡山県 登山届 https://www.pref.okayama.jp/page/538036.html (2026年9月22日確認)
- 真庭市 コミュニティバス「まにわくん」 https://www.city.maniwa.lg.jp/soshiki/12/1764.html (2026年9月22日確認)
- 真庭市 公共施設資料(上蒜山登山口公衆トイレ) https://www.city.maniwa.lg.jp/uploaded/life/114570_480725_misc.pdf (2026年9月22日確認)
- 日本交通 バス停一覧 https://www.nihonkotsu.co.jp/bus/highway/busstop/ (2026年9月22日確認)
- 国土地理院 真庭地区連携登山道調査 https://web1.gsi.go.jp/chugoku/mthiruzen.html (2026年9月22日確認)
- 気象庁 上長田アメダス平年値 https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/nml_amd_ym.php?block_no=1328&day=&month=&prec_no=66&view=&year= (2026年9月22日確認)
- 国立天文台 日の入り(岡山・2026年10月) https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2026/s3410.html (2026年9月22日確認)
- 国立天文台 日の入り(岡山・2026年11月) https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2026/s3411.html (2026年9月22日確認)
