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北横岳は、北八ヶ岳ロープウェイを使うと標高2,237m(ロープウェイ公式の値)の山頂駅から歩き始められる山です。長野県が公表している2026年版の山のグレーディング一覧では、「北横岳(ロープウェイ)」という行が体力度1・難易度A、合計コースタイム2.2時間、ルート長4.2kmになっています(2026年9月14日確認時点)。
ただし、同じ一覧には北横岳を通る別の行もあります。大河原峠から双子山・北横岳・縞枯山・茶臼山を回る周回で、こちらは体力度4・難易度B、合計コースタイム10.3時間です。ネットで「北横岳は体力度4」と書かれているのを見かけたら、それはこの周回の値です。どの行を見ているかで、山の印象はまるで変わります。
そしてロープウェイで上がる北横岳の計画を左右するのは、登りの体力よりも帰りの時刻です。平日にバスで来た場合、ロープウェイ発・茅野駅行きの最終バスは14:55。ロープウェイの運行終了(平日16:40)ではありません。
この記事では、長野県・北八ヶ岳ロープウェイ・アルピコ交通・北横岳ヒュッテの公表値だけを使い、「山の上に何時まで居られるか」「どこで引き返すか」「何を着ていくか」を、行く前に決められる形に並べます。
- 長野県グレーディングで北横岳が「体力度1・難易度A」の行と「体力度4・難易度B」の行に分かれている理由(スタート地点と行程の長さの違い)
- 山頂駅から北横岳の往復は、県の合計コースタイム2.2時間・ルート長4.2km・累積登り0.30kmで、区間ごとの内訳は公式に無いこと
- 北八ヶ岳ロープウェイの2026年8月31日〜10月25日の運行時間(平日8:40〜16:40・土日祝8:20〜17:00)と、最終便では往復できないという扱い
- 平日にバスで来ると、山麓に居られるのは10:34着から14:55発までで、公式の値を足すと山頂駅に居られる時間は4時間を切ること
- 北横岳ヒュッテは完全予約制で、予約の無い日は閉館、食事の提供は原則金・土・日曜日であること
- 坪庭探勝路の一周約30〜40分を、北横岳往復の2.2時間とは別に見積もっておく考え方
- 山頂駅の気温が真夏でも20℃前後・朝夕は10℃前後まで下がるという公式の目安から決める服と足回り
- 長野県の登山計画書は「指定登山道を通行する場合は届出が必要」とされ、対象欄に北横岳が入っていること
北横岳はどんな山か:長野県グレーディングの「2つの行」を読み分ける
最初に、北横岳の標高を整理しておきます。国土地理院の地図と茅野市の公式ページでは、北横岳の最高点である北峰が2,480mです。一方、北八ヶ岳ロープウェイの公式ページは「北横岳2,472m」と案内していて、それが南峰なのか北峰なのかは書かれていません(いずれも2026年9月14日確認時点)。この記事では北峰2,480mを基準の値として使い、2,472mは「ロープウェイ公式の値」として別に扱います。
次に、難しさの目安です。長野県は県内の登山ルートを体力度と難易度で並べた一覧を毎年公表していて、2026年版には北横岳を含む行が複数あります。この記事に関係するのは次の2行です。
| ルート名称(原文) | 体力度・難易度 | スタート | 合計コースタイム | ルート長 | 累積登り/下り |
|---|---|---|---|---|---|
| 北横岳(ロープウェイ) | 体力度1・難易度A | 山頂駅 2,230m | 2.2時間 | 4.2km | 0.30km/0.30km |
| 周双子山・北横岳・縞枯山・茶臼山(大河原峠) | 体力度4・難易度B | 大河原峠 2,090m | 10.3時間 | 16.7km | 1.50km/1.50km |
出典:長野県「山のグレーディング」2026年版一覧(2026年9月14日確認時点)。どちらの行も最高地点は北横岳2,480m。
2つの行は、同じ2,480mの最高地点を通ります。違うのはスタート地点と、そこから歩く長さです。ロープウェイの行は山頂駅から北横岳を往復するだけなので、合計コースタイムは周回の約5分の1、ルート長は約4分の1になります。体力度の数字が1と4に分かれているのは、山が違うからではなく、歩く行程が違うからです。
編集部の見立て:北横岳について調べると「体力度4」と「体力度1」の両方が出てきて、読者はどちらを信じればいいのか迷うはずです。答えは「どちらも正しく、見ている行が違う」です。ロープウェイで上がって北横岳を往復するなら、見るべきは体力度1・難易度Aの行で、これを計画の軸に置くのが素直だと考えています。
一覧の値からもう1つ読めることがあります。ロープウェイの行は、スタートの山頂駅が2,230m、最高地点が2,480mで、単純に引き算すると差は250mです。ところが累積登りは0.30km、つまり300mと書かれています。差の250mより累積登りのほうが大きいということは、途中に下りと登り返しがある道だということです。帰りも同じだけ登り返す量がある、と読んでおくと数字に裏切られません。
なお、山頂駅の標高は長野県の一覧が2,230m、ロープウェイ公式が2,237mで、7mずれています。どちらかが誤りと決めつける材料は手元に無いので、グレーディングの話をするときは県の2,230m、ロープウェイの話をするときは公式の2,237mと、出典ごとに書き分けます。
古いブログやまとめ記事には、大岳を含むルートを「体力度5・技術度A」とする区分が載っていることがあります。長野県のグレーディング改訂の説明資料では、この区分は廃止済みとされています(2026年9月14日確認時点)。検索で出てきた値をそのまま使わず、県の最新の一覧で行の名前まで合わせてから使ってください。
体力度1・難易度Aという数字だけで「楽な山」と読み替えるのも早計です。グレーディングは道の長さや地形の難しさを並べるための物差しで、気温や帰りの交通の締切までは表していません。北横岳の場合、山頂駅の時点で気温は平地と別物になり、帰りの時刻はバスで来るか車で来るかで2時間近く変わります。数字は出発点として使い、残りはこの先の章で1つずつ埋めていきます。
体力度と難易度がそれぞれ何を表しているか、他の県の一覧とどう違うかは、山のグレーディング表の見方と都道府県別の一覧をまとめた記事で整理しています。北横岳の2つの行を見比べる前に、物差しの目盛りを確認しておくと読み違いが減ります。
北八ヶ岳ロープウェイで山頂駅へ:約7分で466m、2026年の運行時間と「最終便」の扱い
北八ヶ岳ロープウェイは、山麓駅(1,771m)から山頂駅(坪庭駅・2,237m)までの高低差466mを約7分で上がります(北八ヶ岳ロープウェイ公式・2026年9月14日確認時点)。歩いて稼ぐなら数時間かかる高さを、乗っている間に済ませてしまうのがこの山の特徴です。
運転間隔は通常20分で、混雑時は10分になります。発車は毎時00分・20分・40分で、山麓駅と山頂駅が同じ時刻に発車する仕組みです。つまり、平常時は20分に1本しか下りの便が無いと考えて、帰りの時刻を組む必要があります。
2026年の運行時間は、時期によって次のように分かれています。
| 期間(2026年) | 平日 | 土日祝 |
|---|---|---|
| 8月31日〜10月25日 | 8:40〜16:40 | 8:20〜17:00 |
| 10月26日〜11月23日 | 9:00〜16:00 | 9:00〜16:00 |
| 11月24日〜12月18日 | 整備点検のため運休 | 整備点検のため運休 |
| 12月19日〜2027年4月4日 | 9:00〜16:00 | 9:00〜16:00 |
出典:北八ヶ岳ロープウェイ公式(2026年9月14日確認時点)。
表の中で見落としやすいのは、10月26日を境に運行時間が短くなることです。9月から10月下旬までと同じ感覚で計画すると、平日で40分、土日祝なら1時間、下りの締切が早まります。紅葉の話題が出る時期と重なるので、カレンダーの日付で表のどの行に当たるかを先に確かめてください。
もう1つ大事なのが、最終便の扱いです。ロープウェイ公式は「最終便での往復は不可」とし、往復に使える最終の発車は最終便の1つ前だと案内しています。山麓駅から最終便で上がってしまうと、下りの便が残っていないという意味です。
山の上にいる人にとっての締切:両駅が同時刻に発車するので、山頂駅から下る最後の便は運行時間の終わり(2026年8月31日〜10月25日なら平日16:40・土日祝17:00)と読めます。自分の締切は、最後の便ではなくその1本前(平日16:20・土日祝16:40)に置くと、改札前の行列や歩くペースの乱れを吸収できます。
1本前を締切にする理由は単純で、平常時は次の便が20分後だからです。最後の便を目指して歩き、数分遅れて着いた場合、その後に便はありません。1本前を目標にしておけば、遅れても最後の便がまだ残っています。
編集部の見立て:ロープウェイで上がる山は、計画の締切が「日没」ではなく「運行終了」になります。北横岳ではその運行終了が時期と曜日で3通りに分かれるので、ここを曖昧にしたまま歩き出すのがいちばん危ういと考えています。登山口の時刻表を見るつもりで、運行時間の表を当日の日付で引き直してから出発してください。
運行時間・点検運休の日程は、2026年9月14日に公式ページで確認した値です。天候や設備の都合で当日の運行が変わることもあり得ます。出発の前日と当日の朝に、北八ヶ岳ロープウェイ公式ページで運行状況を自分で確認してください。強風などで運休になる条件は、今回確認した公式ページには載っていませんでした。
坪庭を歩く:探勝路30〜40分と「採らない・踏み込まない」の根拠
山頂駅を出ると、すぐ目の前に坪庭が広がります。ロープウェイ公式は坪庭の探勝路を、トップエリアのページで「一周約30分」、ロープウェイのページで「30〜40分ほど」と案内しています(2026年9月14日確認時点)。同じ事業者の中で表記に幅があるので、この記事では約30〜40分として扱います。
路面は木道・砂利道・階段が混ざっていると公式に書かれています。平らな遊歩道を想像していると、階段の上り下りや砂利の足元で思ったより時間を使います。北横岳へ向かう前後に坪庭を一周するなら、この30〜40分は北横岳往復の2.2時間とは別に予定へ足しておくのが安全側の見積もりです。
というのも、長野県の一覧の「北横岳(ロープウェイ)」の2.2時間に、坪庭一周の時間が含まれているかどうかは、一覧の記載からは読み取れないからです。含まれていない前提で足しておけば、時間が余ることはあっても足りなくなることはありません。
編集部の見立て:坪庭は「ついでに寄る場所」に見えますが、公式の値で30〜40分あります。北横岳往復の2.2時間と足すと、それだけで3時間近くになります。平日にバスで来る人にとってこの30〜40分は小さくないので、坪庭を行きに回すか帰りに回すか、それとも今回は見送るかを、出発前に決めておくのがよいと考えています。
坪庭で気をつけたいのは、時間だけではありません。北八ヶ岳ロープウェイ公式は坪庭周辺を「第一種国定公園特別保護地域」と案内しています。これは施設を運営する側の説明で、法令上の地種区分としてこの記事で断定するものではありませんが、一帯が八ヶ岳中信高原国定公園に指定されていることは確かです。
どちらにしても、探勝路の外に踏み込まない、植物や岩を持ち帰らない、という行動は変わりません。写真を撮るために木道から一歩外へ出る、足を置く場所を探して道の脇を踏む、といった小さな逸脱が、植生にとってはいちばん重く効きます。
高山植物を観察するときに、どこまで近づいてよいか、自然公園の中で何が規制されているかは、高山植物を「近づかない」で見るための距離と法律の記事で詳しく扱っています。坪庭で花や苔を見るつもりなら、双眼鏡やズームで距離をとる考え方を先に読んでおくと、道から外れずに済みます。
- 坪庭を一周する時間(約30〜40分)を、北横岳往復の2.2時間とは別に予定表へ書き込んだか
- 坪庭を行きに回すか帰りに回すかを、帰りの締切時刻から決めたか
- 木道・砂利道・階段の足元に合う靴を選んだか(街歩き用の底の薄い靴でないか)
- 写真を撮るときも探勝路の外に出ない、と同行者と決めてあるか
足元の話を少し具体的にします。坪庭の木道は雨や朝露で濡れると滑りやすく、砂利道では靴底が薄いと石の角を拾います。その先の北横岳への道も歩くなら、足首まわりを支え、靴底にある程度の厚みがあるトレッキングシューズが扱いやすくなります。
キャラバンのトレッキングシューズ C1_02S は、商品名に足幅3Eの表記があるモデルです。以下のカードはアンバー(340)の26.5cmで、足幅が広めで一般的な登山靴だと小指が当たりやすい人や、スニーカーから初めて登山靴に替える人に向きます。サイズは靴下を履いた状態で合わせてください。
山頂駅から北横岳へ:合計2.2時間・4.2kmを「区間の内訳なし」で使う
ロープウェイの山頂駅から北横岳を往復する道について、公式に使える値は長野県の一覧の3つです。合計コースタイム2.2時間、ルート長4.2km、累積登り・下りそれぞれ0.30km。いずれも往復を合わせた値です(2026年9月14日確認時点)。
一方で、山頂駅から北横岳ヒュッテまで何分、ヒュッテから山頂まで何分、という区間の内訳は、県の一覧にもロープウェイ公式にも載っていません。検索すると区間の時間を書いた記事は見つかりますが、出どころが個人の記録や集約サイトで、一次の値として確かめられませんでした。この記事では区間の数字を書かず、合計の2.2時間だけで計画を組む方法を示します。
2.2時間を分に直すと2時間12分です。この値を「自分の場合は何時間か」に置き換えるには、過去に歩いた山で、公表のコースタイムに対して自分が何倍かかったかを思い出すのが手堅い方法です。たとえば過去の山行で公表値の1.3倍かかっていたなら、仮に2時間12分×1.3で約2時間52分になります。
編集部の見立て:区間の内訳が無いのは不便に見えますが、合計値が県の一覧にあるだけで計画は十分に組めます。むしろ出どころの分からない区間の数字を足し合わせて「ヒュッテまで何分」と決め打ちするほうが、ずれたときに原因が分からなくなります。合計2.2時間に自分の倍率を掛け、その半分の時点を折り返しの目安にするのが、この山では扱いやすい方法だと考えています。
折り返しの時刻は、次の手順で決められます。締切の時刻は、次の章で説明する「帰りの手段」ごとの値を使ってください。
- 帰りの手段から、山頂駅を出る締切の時刻を決める(例:平日にバスで来たなら、次の章の表で山頂駅14:20発を目安にする)
- 合計2.2時間(2時間12分)に、自分の過去の倍率を掛けて往復の所要時間を出す。坪庭を帰りに回すなら、そこへ30〜40分を足す
- 締切の時刻から、往復の所要時間の半分(坪庭を帰りに回す場合はその分も)を引いた時刻を、北横岳の手前での折り返し時刻として紙かスマートフォンに書いておく
往復の半分を引く、という考え方は、登りと下りに同じだけ時間がかかる前提の簡略な方法です。先に見たとおりこの道には途中の登り返しがあるので、下りだからといって大きく速くなるとは限りません。登りと下りをほぼ同じ時間と見ておくほうが、見積もりが楽観に寄りません。
折り返し時刻は「山頂に着かなくても、その時刻になったら引き返す」ための時刻です。あと少しで山頂という場所で時刻を迎えると、そのまま進みたくなります。その数分の差が、ロープウェイでは20分後の次の便、バスでは乗り逃しにそのままつながります。時刻を決めたら、同行者にも伝えて共有しておいてください。
道の順番は、山頂駅から坪庭の脇を抜け、北横岳ヒュッテを経て南峰、その先に北峰という流れになります。区間ごとの時間を知りたいときは、地図アプリに表示されるコースタイムで各自確かめてください。アプリの値は県の値と一致しないことがあるので、合計が2.2時間と大きく違う場合は、県の値を基準にして、アプリは道順の確認に使うのが無難です。
歩く時間が2時間を超えると、途中で水分をとるタイミングも計画に入ります。山頂駅より上には、確実に飲み物を買える場所があるとは限りません。北横岳ヒュッテは次の章以降で触れるとおり予約の無い日は閉館なので、飲み物は山麓で用意してから上がるのが前提になります。
気温が下がる時期に温かい飲み物を持っていくなら、容量で選ぶと迷いません。THERMOS(サーモス)の山専用ステンレスボトルは容量900mlで、2人で分ける人や、坪庭と北横岳の両方を回って山の上に長くいる人に向きます。1人で往復だけなら、もっと小さい容量でも足ります。
帰りの締切:ロープウェイの運行終了と茅野駅行き最終バスは別の時刻
この記事でいちばん伝えたいのがこの章です。ロープウェイの運行時間と、ロープウェイ発・茅野駅行きのバスの最終便は、別の事業者が決めている別の時刻です。車で来る人はロープウェイの運行終了が締切になり、バスで来る人はバスの最終便が締切になります。
アルピコ交通の「北八ヶ岳ロープウェイ線」は、茅野駅西口の②番乗場から出ています。時刻表の適用期間は2026年5月2日〜10月25日で、運賃は茅野駅〜北八ヶ岳ロープウェイが大人片道2,000円・小人片道1,000円です(2026年9月14日確認時点)。時刻表には運行日を示す記号があり、無印は毎日運行、●は土日祝日と8月1日〜8月30日に運行、◇は平日のみ運行(8月1日〜8月30日は運休)です。
| 曜日 | 茅野駅発→ロープウェイ着 | ロープウェイ発→茅野駅着 |
|---|---|---|
| 平日(8月1日〜30日を除く) | 9:35→10:34(◇) 13:30→14:29 |
10:50→11:42 14:55→15:47(最終) |
| 土日祝・8月1日〜30日 | 9:35→10:20(●) 10:40→11:39(●) 13:30→14:29 14:30→15:22(●) |
10:50→11:42 12:00→12:52 14:55→15:47 15:45→16:37 16:42→17:36(最終) |
出典:アルピコ交通 北八ヶ岳ロープウェイ線 時刻表(2026年5月2日〜10月25日適用・2026年9月14日確認時点)。
平日を見ると、行きは2本、帰りも2本しかありません。平日にバスで来ると、山麓に居られるのは9:35発の便が着く10:34から、最終の14:55発までです。ロープウェイの平日の運行終了16:40より、1時間45分早くバスが終わります。
これをロープウェイの時刻と重ねると、山頂駅に居られる時間が出ます。以下は公式の値を足した目安で、両事業者が接続を保証しているものではありません。


| 来かた(2026年) | 山頂駅に着く目安 | 山頂駅を出る目安 | 公式の値を足した滞在の目安 |
|---|---|---|---|
| 平日・バス(〜10月25日) | 10:34着→10:40発で10:47ごろ | 14:20発(遅くとも14:40発) | 約3時間33分(最大約3時間53分) |
| 土日祝・バス(〜10月25日) | 10:20着→10:40発で10:47ごろ | 16:00発(遅くとも16:20発) | 約5時間13分(最大約5時間33分) |
| 平日・車(8月31日〜10月25日) | 8:40発で8:47ごろ | 16:20発(最後の便は16:40) | 約7時間33分 |
| 土日祝・車(8月31日〜10月25日) | 8:20発で8:27ごろ | 16:40発(最後の便は17:00) | 約8時間13分 |
| 毎日・車(10月26日〜11月23日) | 9:00発で9:07ごろ | 15:40発(最後の便は16:00) | 約6時間33分 |
ロープウェイ約7分・毎時00・20・40分発(北八ヶ岳ロープウェイ公式)と、バスの時刻(アルピコ交通)を足した目安。バス停から乗り場までの移動や切符購入の時間は、今回確認した資料に載っていないため含めていない。
平日バスの14:40発は、山麓に14:47ごろ着いて最終バスまで8分です。乗り場からバス停までの移動や行列を考えると余裕が薄いので、表では1本前の14:20発を目安にしました。この場合、山頂駅に居られるのは約3時間33分で、北横岳往復の2時間12分を引くと残りは1時間21分です。坪庭一周の30〜40分を足すと、休憩に使える時間は40〜50分ほどになります。
編集部の見立て:平日にバスで北横岳を往復する計画は、時刻の上では組めます。ただし坪庭まで入れると休憩は40〜50分しか残らず、自分の歩くペースが県のコースタイムより遅い人ほど、その余白はすぐに消えます。平日バスなら「坪庭は見送る」か「北横岳の手前で折り返す時刻を早めに置く」のどちらかを、先に決めておくのが現実的だと考えています。
平日の13:30発のバスは、ロープウェイに14:29に着き、最終の14:55までは26分しかありません。日帰りで北横岳を歩く用途には使えない便です。この便を使うのは、北横岳ヒュッテに予約を入れて泊まる場合に限られます。
バスの時刻表は2026年5月2日〜10月25日に適用される版です。10月26日以降のダイヤは、今回確認した資料に含まれていません。10月下旬以降にバスで行く場合は、アルピコ交通の最新の時刻表を必ず見に行ってください。また、土日祝の最終16:42発は、ロープウェイの運行終了(17:00)より前に出ます。ロープウェイの営業が続いていても、バスは先に終わります。
北横岳ヒュッテ:完全予約制・食事は原則金土日、9〜10月の平日の注意
山頂駅から北横岳への道の途中、標高約2,400mにあるのが北横岳ヒュッテです。北横岳ヒュッテ公式ページには、次のことが書かれています(2026年9月14日確認時点)。
- 宿泊は完全予約制で、宿泊の予約が無い日は閉館
- 食事の提供日は原則として金・土・日曜日で、夕食3,500円・朝食2,000円
- 9月と10月の平日は、登山道の整備に携わる日が多くなるという案内がある
日帰りで北横岳を往復する人にとって、いちばん影響が大きいのは「予約の無い日は閉館」という一文です。道の途中に建物があるからといって、そこで休める、飲み物を買える、と当てにして計画を組むことはできません。ヒュッテが開いているかどうかは、その日に宿泊の予約が入っているかどうかで決まるからです。
9月と10月の平日は、登山道の整備に携わる日が多いと案内されています。予約の問い合わせや返事に時間がかかる可能性も考え、この時期の平日に泊まるつもりなら、日程が決まった段階で早めに公式ページの案内に沿って連絡を入れておくのがよいでしょう。
編集部の見立て:北横岳ヒュッテは「途中にある休憩所」ではなく「予約した人のための山小屋」だと考えて計画するのが正確です。日帰りの人は、ヒュッテが閉まっていても困らない荷物と時間配分で上がる。泊まる人は、食事の提供が原則金・土・日曜日だという点を、日程を決める段階で確かめる。この2つを分けて考えると迷いが減ります。
ヒュッテに泊まる計画は、前の章で見た時刻の制約を大きく変えます。日帰りなら平日バスの滞在は約3時間半ですが、泊まるなら到着日の午後に上がって、翌日に北横岳を往復し、翌日のバスで帰るという組み方ができます。平日の13:30発のバスが意味を持つのはこの場合です。
| 確認すること | 日帰りで通過する | 泊まる |
|---|---|---|
| ヒュッテの開閉 | 開いている前提で計画しない | 予約が取れた日は開いている |
| 食事 | 行動食と飲み物を山麓で用意する | 提供は原則金・土・日曜日。夕食3,500円・朝食2,000円。それ以外の曜日の扱いは予約時に確認 |
| 時刻の制約 | 当日の帰りのバス・ロープウェイが締切 | 翌日の帰りの便が締切。到着日の午後に上がる組み方ができる |
| 服装 | 日中の気温に合わせた重ね着 | 夕方と朝の冷え込みに備えた防寒着を足す |
宿泊の予定があるときに見落としやすいのは、夕方から朝にかけての冷え込みです。ロープウェイ公式は山頂駅のある坪庭の気温を「真夏でも20℃前後、朝夕は10℃前後まで下がることがある」と案内しています。ヒュッテは約2,400mで山頂駅よりも標高が高いので、この目安を下回ることもあると考えて服を選ぶのが安全側です。
北横岳ヒュッテが通年営業か季節営業かは、公式ページに明確な記載が見つかりませんでした(2026年9月14日確認時点)。営業日は変わることがあるので、訪問前に北横岳ヒュッテ公式ページで必ず確認してください。
小屋で過ごす時間は、歩いている時間より体が冷えます。夕食を待つ間や朝の出発前に羽織るものを1枚持っていくなら、フリースが扱いやすい選択です。モンベルのクリマプラス ニットパーカ(品番1106589)はフード付きのフリースで、小屋泊で停滞時間が長くなる人や、日帰りでも山頂で長く休む予定の人に向きます。
ロープウェイを降りた2,200mの寒さと、坪庭の木道・砂利道に向けた服と足回り
この章では、北横岳に上がる日の服と足回りをまとめて考えます。何を基準に選ぶかを先に書いておきます。1つ目は、山頂駅の気温が真夏でも20℃前後、朝夕は10℃前後まで下がるという公式の目安で、山麓や茅野駅の服装のまま上がると寒さの差が大きいこと。2つ目は、坪庭の探勝路が木道・砂利道・階段の組み合わせで、その先の北横岳にも登り返しがあること。3つ目は、行程が往復2.2時間に坪庭を足しても日帰りで収まる長さで、荷物を大きくしすぎる必要がないこと。4つ目は、雨や風に当たったときに、ロープウェイの次の便まで20分待つ場面があることです。
編集部の見立て:北横岳の服装で起きやすいのは、山麓の気温に合わせて薄着で上がり、坪庭に出た瞬間に寒さに気づくという流れです。ロープウェイは7分で466mを上がるので、体が慣れる時間がありません。重ね着の枚数を増やすより、「風を止める1枚」と「雨を止める1枚」を別々に持っていくと、その日の天気に合わせて組み替えやすいと考えています。
秋の登山で夏の装備に何を足せばよいか、標高から山頂の気温をどう見積もるかは、秋の登山の防寒対策と山頂気温の早見表の記事で整理しています。この章の5点は、その考え方を北横岳の条件に当てはめたものです。
| 商品(型番・表記) | 役割 | 向く人 |
|---|---|---|
| キャラバン トレッキングシューズ C1_02S(品番0010106) | 木道・砂利道・階段と北横岳への道の足元 | 先に紹介したアンバー26.5cm以外の色・サイズで選びたい人 |
| ドイター フューチュラプロ36 | 容量36Lのバックパック | ヒュッテ泊や、防寒着・雨具を全部持って上がりたい人 |
| グレゴリー ナノ20 | 容量20Lのバックパック | ロープウェイで上がる日帰りで、荷物を軽くまとめたい人 |
| マムート ハイキング ウィンドブレーカー フーデッド ジャケット アジアンフィット | 風を止める1枚 | 坪庭や山頂で風に当たったときに、すぐ羽織りたい人 |
| モンベル サンダーパス ジャケット(ドライテック) | 雨を止める1枚 | 雨具を持っていない人、上下別のレインウェアをそろえ直す人 |
まず靴です。キャラバンのトレッキングシューズ C1_02S は、品番0010106として色やサイズの展開から選べるページです。前の坪庭の章ではアンバーの26.5cm(3E表記)を紹介したので、別の色やサイズを探す人はこちらから選んでください。
次に荷物の入れ物です。ドイターのフューチュラプロ36は容量36Lで、ヒュッテに泊まって着替えや防寒着を余分に持つ人、日帰りでも雨具と防寒着を両方入れておきたい人に向きます。日帰りだけなら大きく感じる容量です。
グレゴリーのナノ20は容量20Lです。ロープウェイで上がって北横岳を日帰りで往復し、荷物を飲み物・行動食・風よけ・雨具程度に絞れる人に向きます。フリースなど厚手の防寒着を入れると余裕が少なくなるので、入れる物を並べてから選んでください。
風を止める1枚として、マムートのハイキング ウィンドブレーカー フーデッド ジャケット(アジアンフィット メンズ)があります。フード付きのウィンドブレーカーで、雨具を出すほどではないが坪庭や山頂で風が冷たいという場面で、すぐ羽織りたい人に向きます。
雨を止める1枚は、モンベルのサンダーパス ジャケットです。商品名にドライテックとある、登山用として売られているレインジャケットで、まだ登山用の雨具を持っていない人や、傘や簡易なレインコートで代用してきた人が最初にそろえる1着として検討しやすいモデルです。
坪庭の探勝路は、ロープウェイ公式の案内では足元に木道・砂利道・階段が混ざります。綿の服は汗や雨で濡れると乾きにくく、風に当たると冷えが長引きます。肌に触れる層だけでも化繊やウールのものを選び、濡れた服のまま次の便を20分待つ状況を作らないようにしてください。
南峰・北峰の両方に立つ:2,480mと2,472m、標高の表記を混ぜない
北横岳には南峰と北峰の2つのピークがあり、道は北横岳ヒュッテを経て南峰、その先の北峰へと続きます。最高点は北峰で、国土地理院の地図と茅野市の公式ページはその標高を2,480mとしています(2026年9月14日確認時点)。
ここで混ざりやすいのが、ロープウェイ公式の「北横岳2,472m」という値です。公式ページには南峰か北峰かの区別が書かれていません。「2,472mは南峰の標高」と言い換えている記事も見かけますが、公式の記載からはそこまで読み取れないので、この記事では「ロープウェイ公式は北横岳を2,472mとしている」とだけ書きます。
県の2.2時間はどこまでの値か:長野県の一覧の「北横岳(ロープウェイ)」は、最高地点を北横岳2,480mとしています。これは地理院地図の北峰の値と同じです。つまり県の合計2.2時間は、最高点の北峰まで行って戻る行程に対して付けられた値と読むのが自然です。南峰で引き返す場合は、それより短くなります。
南峰で止めるか、北峰まで行くかは、折り返し時刻で決めるのがわかりやすい方法です。南峰と北峰の間の区間時間は公式に載っていないので、地図アプリで距離と時間を確かめ、南峰に着いた時点で折り返し時刻まで残りがどれだけあるかを見ます。北峰まで往復してもその時刻に間に合うなら進む、間に合わないなら南峰で戻る、と先に決めておけば、現地で迷う時間が減ります。
編集部の見立て:2つのピークがある山では「せっかくだから奥まで」という気持ちが働きます。北横岳の場合、奥のピークまで行くかどうかを決めるのは気持ちではなく、南峰に着いた時刻と帰りの締切の差だと考えています。平日バスの人は特に、南峰で時計を見て判断する、と決めてから出発するのがよいはずです。
山頂では、風に当たって体が冷えやすくなります。登りで汗をかいた服のまま休むと、汗が冷えて体温を奪います。山頂に着いたら、まず風を止める1枚を羽織り、それから写真や休憩に移る順番にしておくと冷えにくくなります。
- 南峰に着いた時刻を確認し、北峰を往復しても折り返し時刻に間に合うかを計算したか
- 山頂で休む前に、風を止める1枚を先に羽織ったか
- 標高の値を人に伝えるとき、2,480m(地理院地図・北峰)と2,472m(ロープウェイ公式)を出典つきで区別しているか
- 帰りの道にも登り返しがあることを、同行者と共有したか
汗冷えを抑えたいときは、肌にいちばん近い層から考えると効果が出やすくなります。ファイントラックのドライレイヤーベーシックT(女性用・FUW0422)は、商品名のとおり肌側に着る層として作られたTシャツで、登りで汗をかきやすく、山頂で休むと冷えを感じやすい女性に向きます。上に吸汗性のあるシャツを重ねる前提の服です。
七ツ池・亀甲池・縞枯山を足すか:体力度1の行から体力度4の行への距離感
北横岳の周辺には、七ツ池、亀甲池、縞枯山(標高2,403m・国土地理院)など、名前の知られた場所がいくつもあります。北横岳の往復だけでは物足りず、どこかを足したくなる人もいるはずです。ただし、ロープウェイの山頂駅からこれらを組み合わせるルートの分岐や所要時間は、今回確認した公式の資料には載っていませんでした(2026年9月14日確認時点)。
公式の値で比較できるのは、最初の章で見た2つの行だけです。
| 項目 | 北横岳(ロープウェイ) | 周双子山・北横岳・縞枯山・茶臼山(大河原峠) |
|---|---|---|
| 体力度・難易度 | 1・A | 4・B |
| 合計コースタイム | 2.2時間 | 10.3時間 |
| ルート長 | 4.2km | 16.7km |
| 累積登り | 0.30km | 1.50km |
出典:長野県「山のグレーディング」2026年版一覧(2026年9月14日確認時点)。
数字を並べると、周回は合計コースタイムで約4.7倍、累積登りで5倍です。周回はスタートが大河原峠で、ロープウェイを使う計画とは別の日帰り登山になります。ロープウェイの行と周回の間を埋める「ちょうど中間」の行は、この2つの中にはありません。
編集部の見立て:北横岳に何かを足す計画は、足した分の時間を公式の値で示せないところが難しさです。体力度1の行を歩き終えて余裕があったからといって、その場で地図に無い分岐へ入るのは勧めません。足したい場所があるなら、出発前に地図で分岐と距離を確かめ、帰りの締切から逆に数えて入る余地があるかを見てから決めるのが筋だと考えています。
帰りの締切との関係で見ると、足せる余地は来かたで大きく違います。平日バスは、坪庭を入れない場合でも北横岳往復のあとに残る時間が1時間21分ほどで、ここに別の場所を足すのは時刻の上で厳しくなります。土日祝のバスや車で来るなら、滞在の目安が5〜8時間あるので、足す計画を検討する余地が生まれます。
組み合わせのルートを歩くなら、事前に地図で分岐の位置を確認し、分岐ごとに「この時刻を過ぎていたら足さずに戻る」という時刻を書いておいてください。区間時間の公式値が無い道では、自分の見積もりと実際の時間の差に途中で気づきにくくなります。
北横岳の往復を終えて、次にどこへ行くかを考える段階なら、足すより「別の山として計画する」ほうが見通しは立てやすくなります。八ヶ岳のほかの入口を比べるなら八ヶ岳の入口3つと標準コースタイムの判定表の記事、近くの蓼科山を候補にするなら蓼科山の4つの登山口を標高差とコースタイムで比べた記事が参考になります。
歩く時間が長くなる計画ほど、汗の量が増え、休憩のたびに冷えます。ファイントラックのドライレイヤーベーシックT(男性用・FUM0422)は、肌側に着て汗を肌から離す考え方のTシャツで、延長プランや別の山で行動時間が長くなる男性に向きます。女性用は前の章で紹介したFUW0422です。
登山計画書:長野県の「指定登山道を通行する場合は届出が必要」を原文の語で
長野県は、条例(長野県登山安全条例)にもとづいて、指定登山道を通行する場合は登山計画書の届出が必要だとしています。県の案内ページの対象欄には「八ヶ岳」「北横岳」が明記されています(2026年9月14日確認時点)。
ロープウェイで上がる人が見落としやすいのは、次の一文です。県の案内は、指定登山口を通らずに指定登山道の一部を通行する場合も届出が必要としています。登山口から歩き始めずに、ロープウェイの山頂駅から途中に入る計画でも、届出の対象から外れるわけではありません。
編集部の見立て:ロープウェイで上がると「登山口を通っていないから、登山届は関係ない」と感じやすいはずです。長野県の案内は、指定登山口を通らない場合も届出が必要だと明記しています。北横岳の往復は2.2時間の行程でも、出す手間は数分なので、迷ったら出しておくのがいちばん話が早いと考えています。
この記事では、届出を「義務」とは書きません。県の案内の語は「届出が必要」で、罰則まで含めて義務と言い切れる原文を今回の確認範囲で見ていないからです。言葉の強さは原文に合わせますが、行動としては出しておく、というのが結論です。
提出の方法は複数あります。長野県の案内ページに挙げられているのは、オンライン、コンパス、YAMAP、FAX(03-6862-5035)、郵送・持参、登山ポストです。スマートフォンで地図アプリを使っている人は、アプリから出すのが手間が少ない方法です。
- 長野県の登山計画書のページで、行き先の欄に北横岳が入っていることを確認する
- 提出方法(オンライン・コンパス・YAMAP・FAX・郵送や持参・登山ポスト)から、自分が使いやすいものを1つ選ぶ
- 日程・ルート(山頂駅から北横岳の往復、坪庭に寄るかどうか)・帰りの手段と締切の時刻を書き、出発前に提出する。家族にも同じ内容を伝えておく
計画書に帰りの手段と締切を書いておくと、提出するだけでなく、自分の計画の確認にもなります。平日のバスなら14:55、車ならロープウェイの運行終了、というように、前の章の表の値をそのまま書けば足ります。書こうとして手が止まるなら、その部分がまだ決まっていないということです。
坪庭の探勝路だけを歩く場合に届出が必要かどうかは、今回確認した長野県の資料からは読み取れませんでした。坪庭だけの予定でも、指定登山道の範囲に入るかどうかは長野県の登山計画書のページで確認してください。北横岳へ向かう予定なら、前に書いたとおり届出の対象です。
届出の制度や提出先は、2026年9月14日に確認した内容です。条例の運用や提出方法は変わることがあります。出発前に長野県の登山安全条例のページも合わせて見に行ってください。
9〜11月の気温と服装:山頂駅の「朝夕10℃前後」と、10月26日からの短縮運行
ロープウェイ公式は、山頂駅のある坪庭の気温について「真夏でも20℃前後、朝夕は10℃前後まで下がることがある」と案内しています(2026年9月14日確認時点)。真夏でこの目安なので、9月以降はこれより低い日が増えると考えて準備するのが順当です。
加えて、北横岳ヒュッテは約2,400m、北峰は2,480mで、山頂駅より高い場所を歩きます。標高が上がれば気温は下がるので、山頂駅の目安のまま北峰の服装を決めると、寒さの見積もりが甘くなります。
標高が上がるとどれだけ気温が下がるか、その計算式と服装の目安は登山の気温と標高の関係をまとめた記事で扱っています。茅野駅や山麓駅の天気予報の気温から、北峰2,480mの気温を見積もるときに使えます。
秋の北横岳は、気温だけでなくロープウェイの運行時間も変わっていきます。9月から11月にかけての変化を、公式の値で並べておきます。
| 時期(2026年) | ロープウェイ | 茅野駅からのバス |
|---|---|---|
| 9月〜10月25日 | 平日8:40〜16:40・土日祝8:20〜17:00 | 時刻表の適用期間内(平日最終14:55・土日祝最終16:42) |
| 10月26日〜11月23日 | 毎日9:00〜16:00 | 今回確認した時刻表の適用期間外。アルピコ交通で確認 |
| 11月24日〜12月18日 | 整備点検のため運休 | ロープウェイ運休中 |
紅葉の時期にロープウェイを使う計画は混雑も気になりますが、見頃の時期や混み方について、今回確認した公式ページに具体的な記載は見つかりませんでした。運転間隔は混雑時に10分になる、という案内があるだけです。見頃は年によって変わるので、直近の現地情報で確かめてください。
車で行く場合、山麓駅の駐車場は600台・24時間無料で、利用の対象はロープウェイまたはスキー場の利用者、車中泊は不可と公式に書かれています。何時に満車になるかの目安は公式に記載がありません。紅葉期の土日に車で行くなら、ロープウェイの始発(8:20)に合わせて着く計画にしておくと、滞在時間も長く取れます。
編集部の見立て:秋の北横岳は、寒さが増すのと同時に、ロープウェイの運行時間が10月26日から短くなり、バスの時刻表も10月25日で適用期間が切れます。つまり10月下旬は「寒い」「帰りの締切が早い」「バスの時刻が未確認」が同時に来る時期です。この時期に行くなら、服を厚くするのと同じくらい、締切の時刻を引き直す作業に時間を使うべきだと考えています。
紅葉期にロープウェイで上がる山を、稼げる標高差や山頂駅からの歩行時間、2026年の運行終了日で比べたいときは、紅葉登山のロープウェイ7本を並べた記事が役に立ちます。北横岳をほかの候補と見比べる材料になります。
秋の服装で見落としやすいのが下半身です。上半身はジャケットを重ねても、脚が濡れたり風に当たったりすると体全体が冷えます。ザ・ノース・フェイスのクラウドパンツ(メンズ)は、雨の日に上から履くレインパンツで、坪庭の木道が濡れている日や、雨具を上だけしか持っていない人に向きます。
天候で引き返す線と冬の入口:点検運休11月24日〜12月18日、初冠雪とスノーシューは公式で
北横岳で引き返す判断は、「山頂に届くか」ではなく「帰りの便に間に合うか」と「天気が崩れたときにどこで待つか」で決めます。ロープウェイの山では、天候が崩れても次の便まで待つ時間があり、平常時の間隔は20分です。雨や風の中で20分立って待つことになる、という前提で線を引いておきます。
- 折り返し時刻(帰りの締切から往復の半分を引いた時刻)を過ぎたら、山頂に届いていなくても戻る
- 雨が降り出し、雨具を着ても手や体が冷えてきたら、山頂を目指さず山頂駅へ戻る
- 霧で道の先が見えにくくなり、地図アプリの現在地と目の前の道が合っているか自信が持てなくなったら戻る
- ロープウェイの運行状況が気になる天気の日は、歩き出す前に公式ページで当日の運行を確認してから出る
ロープウェイが強風などで止まる条件は、今回確認した公式ページには載っていませんでした。止まった場合の帰り方も、この記事で断定できる材料はありません。天気が荒れそうな予報の日は、そもそも上がらないという選択肢を、前の日の夜に検討しておくのが現実的です。
編集部の見立て:ロープウェイで上がる山は、下りの便に乗れば安全な場所まで一気に戻れる安心感があります。その安心感があるぶん、天気が崩れても「まだ大丈夫」と進みがちです。北横岳では、引き返す線を天気の感覚ではなく、時刻と「手が冷えたか」「道が見えているか」という確かめられる項目で決めておくほうが、判断がぶれにくいと考えています。
冬に向けては、ロープウェイの運行が段階的に変わります。2026年10月26日〜11月23日は毎日9:00〜16:00、11月24日〜12月18日は整備点検のため運休、12月19日〜2027年4月4日は毎日9:00〜16:00です(北八ヶ岳ロープウェイ公式・2026年9月14日確認時点)。11月下旬から12月中旬の約1か月は、ロープウェイで上がる計画そのものが組めません。
冬季に車で行く場合、北八ヶ岳ロープウェイ公式はチェーンなどの滑り止めを必須とし、特にピラタス入口から先は急な坂が続くと案内しています。ノーマルタイヤで向かう計画は立てないでください。
初冠雪や霧氷の時期、冬季のスノーシューの実施可否やコースについては、今回確認した公式の資料に記載が見つかりませんでした。雪の季節の北横岳を考えるなら、見頃や可否を記事の値で決めず、直近の現地情報と公式の案内で確かめてください。雪が付き始める時期に装備を切り替える考え方は、初冠雪の時期の登山の可否と装備の切り替えの記事でまとめています。
秋が深まると、手すりや岩、ストックを握る手から冷えていきます。厚手の手袋を1組持つ前に、薄手のインナーを1組足すと、細かい作業をしながら手を守れます。Icebreaker(アイスブレーカー)の200 オアシス グローブライナー(IN62201・ブラック・XL)は、単体でも厚手の手袋の下にも使う薄手のグローブで、スマートフォンや地図を見る回数が多い人に向きます。
よくある質問
Q. 北横岳は体力度いくつの山ですか?
長野県の2026年版グレーディング一覧では、北八ヶ岳ロープウェイの山頂駅から北横岳を往復する「北横岳(ロープウェイ)」が体力度1・難易度A、合計コースタイム2.2時間・ルート長4.2kmです。大河原峠から双子山・北横岳・縞枯山・茶臼山を回る周回は体力度4・難易度B・10.3時間で、見ている行によって値が違います(2026年9月14日確認時点)。
Q. 平日にバスで行って、北横岳を往復して帰れますか?
時刻の上では組めます。平日は茅野駅9:35発の便がロープウェイに10:34に着き、帰りの最終は14:55発です。ロープウェイの約7分と毎時00・20・40分発という公式の値を足すと、山頂駅に居られる時間は、1本前の14:20発で下る場合で約3時間33分。北横岳往復の2.2時間を引くと、残りは1時間21分ほどです。
編集部の見立て:平日バスの往復は「できるが、余白は薄い」というのが正確な答えです。坪庭の一周を足すと休憩は40〜50分に縮みます。自分の歩くペースが県のコースタイムより遅いと分かっている人は、坪庭を見送るか、土日祝の便か車に切り替える判断を先にしておくのがよいと考えています。
Q. 北横岳ヒュッテに予約なしで立ち寄れますか?
北横岳ヒュッテ公式ページは、宿泊は完全予約制で、宿泊の予約が無い日は閉館としています。日帰りの人は、ヒュッテが開いていることを前提に休憩や飲み物の計画を組まないでください。9月と10月の平日は登山道の整備に携わる日が多いという案内もあります(2026年9月14日確認時点)。
Q. ロープウェイで上がる場合も登山計画書は必要ですか?
長野県は、指定登山道を通行する場合は登山計画書の届出が必要とし、対象欄に北横岳を明記しています。指定登山口を通らずに指定登山道の一部を通行する場合も届出が必要とされているので、山頂駅から歩き始める計画でも対象です。提出はオンライン、コンパス、YAMAP、FAX、郵送・持参、登山ポストから選べます。
Q. 紅葉や霧氷の見頃はいつですか?
今回確認した北八ヶ岳ロープウェイの公式ページには、紅葉や霧氷の見頃の時期の記載が見つかりませんでした(2026年9月14日確認時点)。見頃は年によって変わるので、直近の現地情報で確かめてください。ロープウェイは10月26日から運行時間が9:00〜16:00に短くなる点は、計画に入れておく必要があります。
編集部の見立て:見頃の時期は記事に書いた瞬間から古くなる情報なので、この記事では値を置いていません。代わりに、見頃がいつであっても変わらない「その日の運行時間」と「帰りの締切」を決めてから、直近の情報で日を選ぶ順番をおすすめします。
Q. 山頂駅の標高は2,230mと2,237mのどちらですか?
出典によって違います。長野県のグレーディング一覧は山頂駅を2,230m、北八ヶ岳ロープウェイ公式は2,237mとしています。この記事では、グレーディングの話では県の値、ロープウェイの区間の話では公式の値を使い分けています。
まとめ:今日やることは1つ、「帰りの手段を決めて、山頂駅を出る時刻を書く」
北横岳のロープウェイの道は、長野県の一覧で体力度1・難易度A、合計コースタイム2.2時間・ルート長4.2kmです。数字だけを見れば短い行程ですが、計画を左右するのは、ロープウェイの運行終了と茅野駅行きバスの最終便という2つの締切でした。
平日にバスで来ると、山麓に居られるのは10:34着から14:55発まで。土日祝なら最終は16:42、車ならロープウェイの運行終了(2026年8月31日〜10月25日は平日16:40・土日祝17:00、10月26日からは16:00)が締切になります。どの締切を使うかが決まれば、坪庭に寄るか、北峰まで行くか、どこで折り返すかは、すべてそこから引き算で決まります。
編集部の見立て:北横岳の計画で最初に決めるべきなのは、服でも靴でもなく「帰りの手段」だと考えています。帰りの手段が決まると締切の時刻が決まり、締切から折り返し時刻が決まり、そこから坪庭に寄れるかどうかが決まります。順番を逆にすると、現地で時計を見て慌てることになります。
- 行く日と帰りの手段(平日バス・土日祝バス・車)を決め、この記事の表で山頂駅を出る時刻を1つ選ぶ
- 北横岳往復の2.2時間に自分の倍率を掛け、坪庭に寄るなら30〜40分を足して、折り返し時刻を紙かスマートフォンに書く
- 出発前日と当日の朝に、北八ヶ岳ロープウェイの運行状況とアルピコ交通の時刻表を公式ページで確認し、長野県の登山計画書を提出する
編集部の見立て:この記事に書いた運行時間・バスの時刻・ヒュッテの案内は、どれも2026年9月14日に確認した値で、季節が進むほど古くなります。数字を覚えて出かけるより、「どこを見れば今日の値が分かるか」を覚えて出かけるほうが、北横岳では役に立つはずです。
出典
- 北八ヶ岳ロープウェイ公式「ロープウェイ」(区間・所要時間・運行時間・運転間隔・最終便の扱い・点検運休・北横岳の標高2,472m)https://www.kitayatu.jp/ropeway/ (2026年9月14日確認)
- 北八ヶ岳ロープウェイ公式「トップエリア」(坪庭探勝路の所要時間・路面・山頂駅の気温の目安)https://www.kitayatu.jp/toparea/ (2026年9月14日確認)
- 北八ヶ岳ロープウェイ公式「アクセス」(駐車場の台数・料金・利用対象、冬季の滑り止め)https://www.kitayatu.jp/access/ (2026年9月14日確認)
- アルピコ交通「北八ヶ岳ロープウェイ線」時刻表(2026年5月2日〜10月25日適用・運賃・運行日記号)https://www.alpico.co.jp/traffic/datas/files/2026/04/28/4ae1105ba50296bb9b746d4dc21df84ff1573c3e.pdf (2026年9月14日確認)
- 長野県「山のグレーディング」2026年版一覧 https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/documents/2026_grading_list.pdf (2026年9月14日確認)
- 長野県 グレーディング改訂の説明資料 https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/documents/gradingreviseexplanationr8.pdf (2026年9月14日確認)
- 長野県「登山計画書の提出」https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/smartphone/tozankeikakusho.html (2026年9月14日確認)
- 長野県 登山安全条例(指定登山道と登山計画書)の案内ページhttps://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/tozanjorei/tozanjorei.html (2026年9月14日確認)
- 北横岳ヒュッテ公式 https://kitayoko.com/ (2026年9月14日確認)
- 国土地理院 地理院地図の山岳標高のページhttps://maps.gsi.go.jp/3d/mountain/mountain.html (2026年9月14日確認)
- 茅野市 北横岳の紹介ページhttps://www.city.chino.lg.jp/site/chinomiryoku/kitayoko-pano.html (2026年9月14日確認)
