登山用品のレンタルはどこで借りる?申込期限・品目・破損時の扱いを5事業者で比較

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登山用品のレンタルと聞くと、多くの人が夏の富士山を思い浮かべます。実際、検索して出てくる情報のかなりの部分は富士登山向けの期間限定サービスです。けれども通年で登山用品を貸し出している窓口はいくつもあり、テント泊の道具や冬季のアイゼンまで含めて借りられるところもあります。年に一度か二度しか使わない道具のために収納場所と予算を割くべきか迷っている人にとって、この選択肢は思っているより広いはずです。

ただ、レンタルを比較しようとすると多くの記事が料金表の話に流れます。この記事では料金の比較はしません。レンタル料は季節・日数・セット構成で変わりますし、公開されている数字はいつ改定されてもおかしくないからです。代わりに、事業者が変わっても同じ物差しで並べられる項目に絞ります。何が借りられるか、何日前までに申し込むか、壊したらどうなるか、サイズが合わなかったらどうなるか。この4つは、借りる前に必ず知っておくべきで、しかも公式ページに書いてあることです。

そしてもう一つ、この記事では「借りるか買うか」を回数で切ります。ただしその回数は金額の損益分岐点ではありません。金額で切ろうとすると価格改定のたびに答えが変わってしまいます。そうではなく、道具ごとに「体に合わせる必要があるかどうか」「借りるたびに段取りをやり直す手間に見合うかどうか」で線を引きます。この基準なら、料金が変わっても結論は動きません。

以下で挙げる事業者は、2026年8月28日時点で公式サイトに現行のレンタル案内が確認できたものだけです。過去に大手が実施していたサービスでも、現在の公式サイトに一般向けの案内が見当たらないものは扱いません。数字はすべて確認日付きで書きますが、営業期間や条件は改定されます。申し込む前に必ず自分で公式ページを開いてください。

  • 通年で登山用品を借りられる窓口の全体像(そらのした・やまどうぐレンタル屋・モンベル・好日山荘)と、それぞれの受け渡し方式の違い
  • 品目別に見た「借りられるものの範囲」――テント・シュラフ・レインウェア・ザック・アイゼン・ヘルメットまで、公式カテゴリで確認できた範囲
  • 申込から受取までのリードタイムが事業者と配送方法でどう違うか(通常配送・遠方配送・店舗受取の3パターン)
  • 汚れたまま返してよいのか、壊したら弁償なのか――返却まわりの共通ルールと事業者ごとの差
  • サイズが合わなかったときの扱いが、宅配型と店頭完結型でまったく違うという話
  • 靴だけは借りずに買うべき構造的な理由と、寝袋・防寒着が「年数回ならレンタルで足りる」と言える理由
  • 借りた装備を濡らさず返すための仕分けの考え方
  • 屋久島・知床など、富士山以外の山域にもある地域密着型のレンタル

登山用品レンタルは富士山だけの話ではない――通年で使える窓口の全体像

まず全体像を押さえます。登山用品のレンタルは、大きく分けると三つの型があります。ひとつは全国どこへでも宅配で送る型。もうひとつは実店舗で受け取って実店舗へ返す型。三つ目が、特定の山の登山口や施設で貸し出す現地型です。この三つは料金体系よりも先に、あなたの住んでいる場所と行き先で使えるかどうかが決まります。

宅配型の代表がそらのしたとやまどうぐレンタル屋です。そらのしたは公式サイトに2010年6月創業と記載があります(そらのした公式、2026年8月28日確認)。実店舗も持っており、富士吉田店は土日を除く平日の10:00-18:00、河口湖駅前店は通年営業で12月31日から1月4日までが休業と公式に記載されています(同、2026年8月28日確認)。宅配で借りることもできれば、山梨側の拠点で直接受け取ることもできる構えです。

編集部の見立て:レンタルを検討する人がまず引っかかるのは「自分の住んでいる場所から使えるのか」です。料金より先にここで脱落します。宅配型が二社あるという事実は、それだけで検討の価値があります。

やまどうぐレンタル屋は店舗の営業形態が季節でくっきり分かれています。公式のよくある質問ページには、新宿店は通年営業、河口湖店は夏期限定営業と明記されています(やまどうぐレンタル屋公式、2026年8月28日確認)。さらに富士山の五合目にも季節店舗があり、吉田ルート五合目店が7月1日から9月11日、富士宮五合目店が7月10日から9月10日という期間で公式サイトに掲載されています(同、2026年8月28日確認)。通年で使いたいなら新宿店と宅配、富士登山なら五合目、という二階建ての構造です。

実店舗型で忘れられがちなのが、登山用品店そのものが実施しているレンタルです。モンベルは公式のオンラインストア上に「アウトドア用品レンタル申し込み」のページを持っており、店舗で受け取って店舗へ返す予約制であること、5日間以上の貸出は不可であることが記載されています(モンベル公式、2026年8月28日確認)。好日山荘も店舗ページにレンタルの案内があり、宮崎店の現行ページではレンタル日数を7日を上限とする旨が記載されています(好日山荘公式、2026年8月28日確認)。

モンベル・好日山荘のような店舗網を持つ事業者について、「全店舗で同じ品目を同じ条件で借りられる」と考えるのは危険です。2026年8月28日時点で公式サイトを見る限り、取り扱い品目や条件を全国一律で示した記載は確認できませんでした。確認できたのは南阿蘇店や宮崎店といった個別店舗のページ・資料です。行こうとしている店舗のページを開き、それでも分からなければ電話で聞いてください。

事業者 営業形態(2026年8月28日時点の公式記載) 主に扱う範囲 受け渡し方式 通年で使えるか
そらのした 2010年6月創業。富士吉田店は平日10:00-18:00(土日を除く)、河口湖駅前店は通年営業(12/31-1/4休業) 登山セット、テント・ツェルト、シュラフ、レインウェア、ザック、トレッキングシューズ、ポール、防寒着、スノーギア、ヘッドランプ、スパッツ、ヘルメット、ハーネスほか 宅配および店舗受取 通年(河口湖駅前店)
やまどうぐレンタル屋 新宿店は通年営業、河口湖店は夏期限定営業 レインウェア、ザック、登山靴、ストック、ヘッドランプ、防寒着、手袋、テント・ツェルト、シュラフ、バーナー&クッカー、アイゼン、スノーシュー、ピッケル、ハーネスほか 宅配および店舗受取(五合目の季節店舗あり) 通年(新宿店・宅配)
モンベル 公式に「アウトドア用品レンタル申し込み」ページあり。5日間以上の貸出は不可 店舗により異なるため要確認 店舗受取・店舗返却の予約制 店舗による
好日山荘 店舗ページにレンタル案内。宮崎店の現行ページではレンタル日数7日を上限と記載 店舗により異なるため要確認 店舗受取・店舗返却 店舗による

この表を見て気づいてほしいのは、宅配型の二社が扱う品目の幅が広いことです。テントもシュラフもアイゼンもハーネスも並んでいます。一方で店舗型は、公式サイト上で品目の一覧が全国共通の形では出てきません。「何が借りられるか」を事前に確定させたいなら、宅配型のほうが調べやすいという構造になっています。

編集部の見立て:店舗型が劣っているという話ではありません。店舗型には試着してから借りられるという決定的な強みがあります。ただ、家にいながら品目を確定させたい段階では、公式に一覧が出ている宅配型のほうが検討しやすい、というだけのことです。

なお、購入とレンタルを総額でどう比べるかという話題そのものに関心がある人は、登山装備を一式そろえるときの費用の考え方のほうが役に立ちます。この記事では価格に触れないぶん、条件の比較に紙幅を使います。

品目別に見る「借りられるもの」の範囲

次に、実際に何が借りられるのかを品目ごとに見ます。ここが一番の関心事のはずです。宅配型二社の公式カテゴリを並べると、登山で必要になる主要な装備はおおむね網羅されていることが分かります。

そらのしたの登山用品カテゴリには、登山セット、テント・ツェルト、シュラフ、レインウェア、ザック、トレッキングシューズ、トレッキングポール、防寒着、スノーギア、ヘッドランプ、スパッツ、ヘルメット、ハーネスなどが並んでいます(そらのした公式、2026年8月28日確認)。やまどうぐレンタル屋のアイテムページには、レインウェア、ザック、登山靴、ストック、ヘッドランプ、防寒着、手袋、テント・ツェルト、シュラフ、バーナー&クッカー、アイゼン、スノーシュー、ピッケル、ハーネスなどが掲載されています(やまどうぐレンタル屋公式、2026年8月28日確認)。

編集部の見立て:この一覧で驚くべきなのはバーナーとクッカーが入っていることです。調理器具まで借りられるということは、テント泊の道具立てを丸ごとレンタルで組めるということになります。テント泊を一度試してみたいだけの人にとって、これは大きな意味を持ちます。

冬季装備も範囲に入っています。やまどうぐレンタル屋の公式Q&Aには、アイゼンとして6本爪の軽アイゼン、8本爪、12本爪の3種類を扱っていること、そして靴との適合を確認するよう案内している旨が記載されています(同、2026年8月28日確認)。アイゼンは靴のコバの形状や靴底の硬さによって装着できるものが変わりますから、この確認の案内がある事実は実務上そこそこ重要です。

アイゼンの本爪数はそのまま用途の幅を示します。6本爪の軽アイゼンは踏み固められた雪道や凍結した登山道を歩くためのもので、傾斜の強い斜面を登るための道具ではありません。12本爪は前爪があるぶん急斜面に対応しますが、そのぶん装着できる靴が限られます。借りるときに「12本爪を」とだけ伝えると、手持ちの靴に付かない可能性があります。靴の型番を先に伝えるほうが早いです。

逆に、レンタルの対象になりにくいものもあります。ただしここは慎重に書きます。肌に直接触れる衣類について「レンタル対象外」と一般化した記載は、2026年8月28日時点で各社公式ページに見つけられませんでした。したがってこの記事では、肌に直接触れるものについては各社の対象品目と衛生対応を個別に確認してほしい、という書き方にとどめます。推測で「借りられない」と書くと、実際には借りられる人の選択肢を狭めてしまいます。

品目 公式カテゴリでの扱い 借りる側から見た性格 確認しておくこと
テント・ツェルト そらのした・やまどうぐレンタル屋の両方にカテゴリあり 使用頻度が低く収納がかさばる。レンタルの効きが大きい代表 人数・前室の有無・ポールの本数。設営の練習時間を確保できるか
シュラフ(寝袋) 両社にカテゴリあり 季節ごとに必要な保温力が変わる。年数回ならレンタル向き 想定する季節と標高。マットが別扱いかどうか
レインウェア 両社にカテゴリあり サイズの許容幅が比較的広く、借りやすい 上下セットか。フードの調整幅
ザック 両社にカテゴリあり 背面長が合わないと荷重が肩に乗る。試せるなら試したい 容量と背面長。雨蓋やレインカバーの有無
登山靴・トレッキングシューズ 両社にカテゴリあり 借りられるが、足に合わせる工程を毎回やり直すことになる サイズ交換の可否と回数。フィッティングの機会があるか
アイゼン・ピッケル・スノーシュー やまどうぐレンタル屋にカテゴリあり。そらのしたはスノーギアの区分あり 冬季限定で使用機会が少ない。レンタルの効きが大きい 手持ちの靴との適合。6本爪/8本爪/12本爪のどれが必要か
バーナー・クッカー やまどうぐレンタル屋にカテゴリあり テント泊一式を借りて組める根拠になる 燃料が同梱されるか、現地調達か
ヘルメット・ハーネス 両社にカテゴリあり 行く山が限られるため所有の動機が弱い 頭囲・体格の適合。使用する岩稜の条件

テントを借りて試す前に、そもそもどのテントが自分の山行に合うのかを知っておくと、借りるときの指定が具体的になります。登山用テントの選び方と設営の基本を先に読んでおくと、レンタルの申込画面で迷う時間が減ります。

  • 行き先と季節に必要な品目を書き出し、その全部が1社で揃うかを確かめたか
  • 冬季装備を借りるなら、手持ちの靴の型番を控えて適合を確認したか
  • テント泊なら、マット・バーナー・クッカーが別扱いかどうかを見たか
  • 肌に直接触れるものについて、その事業者の対象品目と衛生対応を確認したか

編集部の見立て:品目の一覧は「借りられるものの上限」であって、「その店舗の在庫」ではありません。カテゴリがあることと、あなたが行きたい日にサイズが空いていることは別の話です。ここを混同すると、申し込む日になって慌てます。

申込から受取までの段取りは事業者でこう違う

ここがこの記事で最も実用的な部分です。レンタルで失敗する人の多くは、品目でもサイズでもなく日程の逆算で失敗します。「前日に頼めば届くだろう」と考えていると間に合いません。

そらのしたの利用規約ページには、登山カテゴリについて利用開始日が申込日の6日後から選択可能である旨が記載されています(そらのした公式、2026年8月28日確認)。つまり申し込んだ日から数えて一週間近い余裕が要るということです。ただし同社のキャンプ用品のページには別の日数の記載があり、カテゴリによって条件が異なる可能性があります。全カテゴリ共通の単一の締切として断定はできません。

編集部の見立て:ここは覚え方を一つに絞ってしまうのが安全です。「登山用品のレンタルは、行く日の1週間前には申し込みを終わらせておく」。事業者やカテゴリで数字は前後しますが、この目安を持っておけば、どこを使っても間に合います。

やまどうぐレンタル屋は配送方法ごとに条件が分かれています。公式ページには、通常の配送は利用日の3日前に届くこと(やまどうぐレンタル屋公式、2026年8月28日確認)、九州・北海道などの遠方は使用開始日の4日から5日前に設定できること、店舗受取の場合は来店予定日の2日前までに注文と連絡が必要であることが記載されています(同、2026年8月28日確認)。これらは対立する情報ではなく、シナリオ別の答えが並んでいるだけです。

リードタイムの読み方:レンタルの「何日前まで」には二種類あります。ひとつは申込の締切、もうひとつは手元に届くタイミングです。この二つは別物で、公式ページでも別の箇所に書かれていることがあります。届く日が3日前でも、その注文をいつまでに出せばよいかは別に書かれています。両方を確認してカレンダーに落としてください。

届く日が前倒しになっていることには意味があります。手元に届いてから出発までに数日あれば、家で着てみる、ザックを背負ってみる、テントを庭やベランダで広げてみる、といった確認ができます。この確認時間こそが、届く日が前倒しに設計されている理由だと考えると腑に落ちます。届いた箱を開けずに出発日を迎えるのは、せっかくの余裕を捨てているのと同じです。

申込は「前日まで」ではない。左に事業者(8/28確認)、右に手元に届くまでにかかる日数を並べた対応表の図解。そらのした=利用開始日は、申込日の6日後から選べる/やまどうぐレンタル屋(配送)=利用日の3日前に届く。九州・北海道など遠方は4〜5日前/やまどうぐレンタル屋(店舗)=来店予定日の2日前までに注文と連絡/モンベル(店舗受取)=予約制。5日間以上の貸出は不可。図の下部に「日数は変わる。申し込む前に事業者の公式を自分で見に行く」と注記。
申込は「前日まで」ではない。左に事業者(8/28確認)、右に手元に届くまでにかかる日数を並べた対応表の図解。そらのした=利用開始日は、申込日の6日後から選べる/やまどうぐレンタル屋(配送)=利用日の3日前に届く。九州・北海道など遠方は4〜5日前/やまどうぐレンタル屋(店舗)=来店予定日の2日前までに注文と連絡/モンベル(店舗受取)=予約制。5日間以上の貸出は不可。図の下部に「日数は変わる。申し込む前に事業者の公式を自分で見に行く」と注記。
  1. 山行の日付を決め、貸出日数の上限に山行日数が収まる事業者を先に絞り込む
  2. その事業者の公式ページで「申込の締切」と「手元に届く日」の二つを別々に確認する
  3. 届く日から出発日までに、試着と設営確認の時間を1日以上残せているかを見る
事業者・方式 公式に記載のあるタイミング 貸出日数の上限 注意
そらのした(登山カテゴリ) 利用開始日は申込日の6日後から選択可 公式に上限日数の統一記載は確認できず キャンプ用品ページには別の日数記載あり。カテゴリで条件が異なる可能性
やまどうぐレンタル屋(通常配送) 利用日の3日前に届く 公式に上限日数の統一記載は確認できず 届く日であって申込締切ではない
やまどうぐレンタル屋(遠方配送) 九州・北海道など遠方は使用開始日の4〜5日前に設定可 同上 離島はさらに余裕が要る可能性
やまどうぐレンタル屋(店舗受取) 来店予定日の2日前までに注文・連絡 同上 飛び込みでの受取は想定されていない
モンベル(店舗受取) 店舗受取・返却の予約制 5日間以上は貸出不可 長期縦走には使えない。品目は店舗により異なる
好日山荘(宮崎店の現行記載) 店舗での受取・返却 7日を上限 店舗ごとに条件が異なる可能性。事前に店舗へ確認

この表で目を引くのは貸出日数の上限です。モンベルの公式レンタル申し込みページには5日間以上の貸出は不可と記載されており(モンベル公式、2026年8月28日確認)、好日山荘宮崎店の現行ページには7日を上限とする記載があります(好日山荘公式、2026年8月28日確認)。長期の縦走を計画している人は、上限日数を最初に確認してください。品目とサイズを吟味したあとで日数で弾かれると、やり直しになります。

連休や夏山シーズンは在庫が先に埋まります。「1週間前でよい」という目安は、在庫がある前提での話です。お盆や夏休み、紅葉の連休に合わせて借りるなら、目安の期間より前に一度サイトを見て、希望のサイズが選べる状態かを確かめておくほうが確実です。空いていることを確認してから細部を詰めても遅くありません。

  • 行く日から逆算して、申込の締切と到着日の両方をカレンダーに書き込んだか
  • 宅配か店舗受取かを決め、その方式に対応した日数で数え直したか
  • 遠方・離島に住んでいる場合、追加の余裕を見込んだか
  • 山行が何泊になるか、貸出日数の上限に収まるかを確認したか
  • 返却の期限と、返送の手段(集荷か持ち込みか)を確認したか

破損・汚損・サイズ違い――返却まわりで起きること

借りるときに一番不安なのがここでしょう。「泥だらけにして返していいのか」「岩で擦ったら弁償なのか」。結論から言えば、汚れについては各社とも寛容で、破損については「通常使用かどうか」で線が引かれているという共通構造があります。

やまどうぐレンタル屋の公式Q&Aには、洗濯は不要で汚れたまま返送してよい旨が記載されています(やまどうぐレンタル屋公式、2026年8月28日確認)。そらのしたも汚れたままの返却を受け付ける旨を利用規約ページに記載しています(そらのした公式、2026年8月28日確認)。モンベル南阿蘇店のレンタル資料にも、洗濯・クリーニングは不要と記載があります(モンベル公式資料、2026年8月28日確認)。

編集部の見立て:汚れたまま返してよい、というのは親切さの話ではなく合理性の話です。素人が自己流で洗うほうが、素材を傷めるリスクが高い。特に防水透湿素材のウェアは洗い方と乾かし方で性能が変わります。プロに任せるほうが装備にとってよい、という判断です。

破損の扱いには段階があります。やまどうぐレンタル屋の公式Q&Aには、通常使用の範囲であれば弁償は不要で、不注意や誤使用による破損は修理代を負担すること、その負担額の上限は商品代金であることが記載されています(やまどうぐレンタル屋公式、2026年8月28日確認)。上限が示されている点は覚えておく価値があります。想定外の請求が青天井に膨らむ構造にはなっていない、ということです。

そらのしたの利用規約ページには、ひどい汚れや破損については修理費用が発生する旨と、レンタル保険を選択している場合は通常使用による破損を請求しない旨が記載されています(そらのした公式、2026年8月28日確認)。ここで注意したいのは、保険がオプションとして存在するという構造です。保険をどう扱うかは申込時の選択項目になりますから、申込画面を流し読みで進めると見落とします。

「通常使用の範囲」という言葉は、事業者側が想定している使い方かどうかを指します。登山道を歩いていて岩に擦れた、藪で生地に細かい傷がついた、といったものは通常の使用の内側です。一方で、焚き火の火の粉で穴が開いた、テントのポールを無理に曲げて折った、といったものは想定の外側に置かれやすい類型です。判断の境目が気になるなら、返却時に隠さずに申告するのが結果的にいちばん安全です。

破損を黙って返すのは、金銭的な損得以前の問題です。次に借りる人がその装備を山で使います。ポールの微細な曲がりやジッパーの噛みは、平地では気づかれず山では致命的になります。破損に気づいたら、程度にかかわらず返却時に伝えてください。伝えたうえで通常使用と判断されれば、それで終わりです。

返却まわりの共通ルール:①汚れは落とさずそのまま返してよい(各社とも公式に記載あり)、②破損は「通常使用かどうか」で扱いが分かれる、③通常使用でない破損でも負担の上限が示されている事業者がある、④保険をオプションで用意している事業者がある。この4点は事業者が変わってもおおむね同じ枠組みなので、比較の物差しとして使えます。

サイズが合わないときの交換対応――宅配型と店頭完結型の違い

サイズの問題は、レンタルの構造的な弱点です。買うときは店で履いて、歩いて、必要なら別のモデルを試せます。借りるときは箱で届きます。ここをどう埋めるかで、事業者のサービス設計がはっきり分かれます。

宅配型の代表的な対応が、やまどうぐレンタル屋のサイズ交換です。公式Q&Aには、1注文につき1回限りで交換に対応する旨と、自宅で試着して合わなかった場合だけでなく、初回の山行後に合わないと判明した場合でも交換できる旨が記載されています(やまどうぐレンタル屋公式、2026年8月28日確認)。届いた時点では気づけないズレがあることを、サービス設計に織り込んでいる形です。

編集部の見立て:「使ってみてから交換できる」という条件は、宅配型が抱える最大の弱点への直接の回答です。ただし1注文につき1回。つまり、届いた箱を開けずに出発日を迎えると、この1回を使う機会そのものが失われます。届いたらすぐ試す。これは制度を活かすための手順です。

店頭完結型はまったく違う設計を取ります。屋久島のナカガワスポーツは、公式サイトに島外へのレンタルは行っていない旨を明記しており、店頭でのフィッティングを経てから受け渡す形をとっています。宿泊施設への配送や回収は行わないことも記載されています(ナカガワスポーツ公式、2026年8月28日確認)。つまり交換対応で埋めるのではなく、そもそも合わないものを渡さないという設計です。

その代わり時間がかかります。同社の公式ページには、登山靴のフィッティングの目安が10分から15分、5点セット一式の受け渡しは通常30分から40分、合わない場合は1時間近くかかることもあると記載されています(同、2026年8月28日確認)。この数字は、旅程を組むときにそのまま予定表に書き込むべきものです。前日の夕方に店へ寄る計画なら、閉店時刻から逆算して1時間の余裕を見ておく必要があります。

受け渡しに30分から40分かかるという記載は、遅さの表明ではなく丁寧さの表明として読むべきものです。靴だけで10分から15分をかけるということは、履かせて、歩かせて、必要なら別のサイズを出しているということです。宅配で届いた箱を10秒で開ける体験とは、そもそも比較する軸が違います。

観点 宅配型(やまどうぐレンタル屋の例) 店頭完結型(ナカガワスポーツの例) 利用者がやること
サイズの合わせ方 届いてから自宅で試す。合わなければ交換を申し出る 店頭でフィッティングしてから渡される 宅配なら試す時間を確保、店頭なら滞在時間を確保
交換の可否 1注文につき1回限り。初回山行後の不適合判明でも可 受け渡し時にその場で調整 宅配は「1回」をどこで使うかを意識する
必要な時間 到着から出発までの数日 靴のフィッティング10〜15分、5点セット30〜40分、合わない場合は1時間近く 店頭型は旅程に受け渡し時間を組み込む
受け渡し場所 自宅・指定先への配送、または店舗 店頭のみ。宿泊施設への配送・回収は行わない 店頭型は店へ行く手段と時刻を確保する
向いている人 出発前に自宅で準備できる人 現地入りしてから装備を整える人 自分の旅程がどちらかを先に決める

宿泊施設への配送を行っていない事業者に対して、「宿に送っておいてもらえるだろう」と期待して旅程を組まないでください。公式に「行っていない」と書かれているものは、頼んでも変わりません。到着日の夕方に店が開いているか、翌朝に立ち寄れるかを、行きの交通手段の時刻と突き合わせて確認するのが先です。

靴だけは借りずに買うべき理由

ここまで読んで、レンタルの守備範囲がかなり広いことは伝わったと思います。そのうえで、靴だけは扱いを分けます。登山靴は借りられるが、借り続けるには向かないというのがこの記事の立場です。

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理由は費用ではありません。構造の問題です。登山靴は足に合わせて使う道具で、その「合わせる」という工程は一度で終わりません。履き慣らして、靴下の厚みを調整して、紐の締め方を場所ごとに変えて、少しずつ自分の歩き方に馴染ませていきます。返却を前提にした道具では、この積み上げがリセットされます。借りるたびに振り出しに戻る、という構造です。

編集部の見立て:レンタルの靴が悪いのではありません。むしろ、初めての一回や、冬季用の靴を一度だけ試すといった用途では合理的です。問題は「毎回借りる」という運用にしたときに、いつまでも足に合っていく過程が始まらないことです。

もう一つ、段取りの手間が毎回かかります。宅配型ならサイズ交換の1回を靴に使うかどうかを毎回考えることになり、店頭完結型ならフィッティングに10分から15分を毎回使うことになります(各社公式、2026年8月28日確認)。一度合う靴を持ってしまえば、この時間はゼロになります。回数で切るというのは、この繰り返しの手間を何回まで許容できるかという話です。

靴の線引き:年に1回しか歩かないなら借りてよい。年に2回以上歩くつもりがあるなら、買う側に回ったほうが結果的に楽になります。判断の根拠は金額ではなく、①足に合わせる工程が毎回リセットされること、②サイズ調整の手間が毎回発生すること、③靴擦れやつま先の痛みは、道具の当たり外れではなく合わせ込みの不足から来ることが多いこと、の3点です。

「一度借りて合ったモデルを買えばよい」と考えるのは、半分正しく半分危険です。同じモデルでも、生産時期によって木型やソールの仕様が変わることがあります。レンタルで合ったモデルを買う場合でも、購入時に必ず自分の足で試してください。レンタルで得られるのは「このメーカーの足型は自分に近そうだ」という当たりであって、サイズの確定ではありません。

買う側に回ると決めたら、どのモデルを選ぶかという話になります。ここで一つ、判断材料として具体的な製品を挙げます。アディダスのテレックス AX4 GORE-TEXは、いわゆる重厚な登山靴ではなくローカットのハイキングシューズです。GORE-TEXメンブレンを備えているため、濡れた登山道や小雨の中でも中に水が入りにくい構造になっています。ソールはコンチネンタル製ラバーで、濡れた岩や木道でのグリップを想定した設計です。

向いているのは、日帰りの低山から中級山岳を歩く人です。テント泊の重荷を背負って岩稜を長時間歩くなら、足首を支えるミドルカット以上の靴のほうが向きます。逆に、片道2〜4時間の登山道を歩く用途で、雨に降られる可能性があり、それでも軽さを優先したいという条件なら、この一足で足ります。レンタルの靴を毎回借りることに疲れた人が、最初の一足として持つのに素直な選択肢です。

靴を実際にどこで買うか、試着できる店をどう探すかについては登山用品はどこで買うのが正解かを整理した記事で扱っています。また、靴そのものの選び方――ローカットとミドルカットの違い、ソールの硬さ、サイズの測り方――はトレッキングシューズの選び方のほうが詳しいので、そちらを先に読んでから店に行くと話が早くなります。

寝袋・防寒着は年数回なら借りて足りる

靴とは逆に、寝袋と防寒着はレンタルの効きが大きい品目です。理由は三つあります。ひとつは使用頻度が低いこと。ひとつはサイズの許容幅が靴より広いこと。もうひとつは、季節ごとに必要な保温力が変わるため、一つ買っても足りないことがあることです。

寝袋は、夏の低山のテント泊と、秋の高所の小屋泊と、冬季とで、必要とされる保温力がまったく違います。所有すると、季節ごとに買い足すか、いちばん寒い条件に合わせた一つを年中持ち歩くかの二択になります。レンタルなら、その山行に必要な保温力のものだけを選べる。これは費用の話ではなく、装備の最適化の話です。

編集部の見立て:寝袋のレンタルが効くのは、テント泊や小屋泊を年に1〜2回しかしない人です。この頻度なら、季節に合ったものを都度借りるほうが、持っている一つを無理に使い回すより快適に眠れます。快適に眠れるかどうかは、翌日の行動に直結します。

では、いつ買う側に回るのか。ここも金額ではなく段取りで切ります。目安は年に3泊以上、山で寝るかどうかです。年3泊を超えてくると、そのたびに申込から返却までの一連の段取りを繰り返すことになります。1週間前の逆算、到着後の確認、返却の手配。この繰り返しが年に3回以上あるなら、手元に一つ置いてしまったほうが行動の自由度が上がります。

もう一つ、買う側に回る条件があります。「思い立った週末に行く」という行動をしたい場合です。レンタルは申込のリードタイムがあるため、金曜の夜に決めて土曜に出発する、という動き方ができません。天気予報を見て直前に行き先を決めるスタイルを取りたいなら、寝袋は所有していたほうが動けます。

買う側に回ると決めたときの選択肢として、イスカのエア プラス 450を挙げます。マミー型のダウンシュラフで、体の形に沿った形状のため、封筒型に比べて内部の余分な空間が少なく、同じ量のダウンでも保温効率が上がります。マミー型は肩から足先にかけて絞り込まれた形をしているため、寝返りの自由度は封筒型より落ちますが、そのぶん軽さと収納性で有利です。

向いているのは、三季(春・夏・秋)の小屋泊とテント泊を年に数回する人です。厳冬期の高所を主戦場にするなら、より保温力の高いモデルを検討する必要があります。逆に、真夏の低山でしか使わないと決まっているなら、これほどの保温力は要りません。年に3泊以上、春から秋にかけて山で寝る予定がある人に、素直に合う一本です。

  • その山行が今年で何泊目になるかを数えたか(年3泊が借りると買うの分かれ目)
  • 思い立った週末に動きたいかどうかを、自分の行動パターンで確かめたか
  • 必要な保温力が季節で変わることを踏まえ、通年で使える一本を求めていないか

寝袋の保温力の表記をどう読むか、ダウンと化繊のどちらを選ぶかについては、登山用シュラフの選び方と快適使用温度の読み方で詳しく扱っています。買うと決めたあとで、新品にこだわらないという道もあります。状態の見極め方を含めて登山用品を中古で買うときの判断基準も選択肢に入れてください。寝袋は中古で注意すべき点がはっきりしている品目です。

借りた装備は濡らさず返す

返却時に汚れを落とす必要はない、というのは各社の公式記載で確認できました。ただし、汚れてよいことと、濡れたまま袋に詰め込んでよいことは別です。ここは利用者側の作法として押さえておく価値があります。

濡れたウェアやテントを、乾いた寝袋や防寒着と同じ袋に入れて数日置くと、乾いていたはずのものまで湿ります。ダウン製品は湿ると保温力が落ちますし、長く湿った状態が続けば臭いも出ます。返却されたあと、事業者はそれを乾かし、点検し、次の人に貸します。濡れたものが乾いたものを巻き込む状態で返すと、その工程に余計な負荷がかかります。

編集部の見立て:これはマナーの話であると同時に、自分の山行の話でもあります。濡れたものを分けられていないということは、山中でも同じことが起きているということです。下山までにすべてが湿る構造で歩いているなら、それは装備の運用の問題です。

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やり方は単純です。濡れる可能性のあるもの――レインウェア、テントのフライ、汗を吸ったウェア――と、絶対に濡らしてはいけないもの――寝袋、防寒着、予備の衣類、ヘッドランプの予備電池――を、別々の防水袋に入れます。行きの荷造りの時点でこの二系統に分けておけば、下山後に慌てて仕分ける必要がなくなります。

ザックのレインカバーだけでは中身は守り切れません。カバーは背面側の隙間から水が入りますし、背中の汗でも内側から湿ります。「カバーをかけたから大丈夫」ではなく、「中身は個別に袋に入れてある」という状態を作るのが基本です。ザック用の大きなインナー袋を1枚使う方法と、用途別に小分けする方法がありますが、借りた装備を混ぜないという目的なら小分けのほうが向きます。

ここで一つ、道具を挙げます。マジックマウンテンのコンプレスドライバッグ7Lは、防水性を持たせたロールトップ式の袋で、空気を抜いて圧縮できる構造になっています。7Lという容量は、濡れたレインウェア上下と汗を吸ったベースレイヤーをまとめて閉じ込めるのにちょうどよいサイズ感です。圧縮できるため、下山後に濡れものを詰めてもザックの中で場所を取りすぎません。

向いているのは、借りた装備と自分の装備を一つのザックで運ぶ人です。濡れたものを閉じて、乾いた借り物から物理的に隔離するという一点で役に立ちます。逆に、テント一式を丸ごと入れたいなら7Lでは足りません。用途は「濡れたウェア類の隔離」と割り切って考えるべき容量です。

  • 荷造りの時点で「濡れてよいもの」と「濡らしてはいけないもの」を別の袋に分けたか
  • 借りた寝袋・防寒着を、自分の濡れた衣類と同じ袋に入れていないか
  • 下山後、濡れたものを閉じられる袋を1つ持っているか
  • 返送までに時間が空く場合、濡れたものを風の通る場所に一度広げられるか

富士山と屋久島・知床――場所で変わるレンタルの姿

ここまでは全国どこでも使える窓口の話でした。最後に、特定の山域に紐づいたレンタルを見ます。行き先が決まっているなら、その山域専用のサービスのほうが段取りが短くなることがあります。

富士山は別枠です。夏の登山期間に合わせた季節限定のサービスが集中しており、受け渡しの場所も特殊です。LaMontは公式サイトで富士山登山用品のレンタルショップと明記しており、受取・返却は富士山五合目(吉田口・須走口)を中心に組まれています(LaMont公式、2026年8月28日確認)。配送の場合は使用日の前々日、店頭受取、吉田口五合目やふじさんプラザでの現地受取という選択肢があり、返却は配送(使用終了日の翌日集荷)、店舗、五合目のいずれかから選べる旨が記載されています(同、2026年8月28日確認)。

編集部の見立て:五合目で借りて五合目で返せる、というのは富士山だけの特殊事情です。バスで五合目まで上がって、そこから登って、降りてきて返す。荷物を家から運ばなくてよいという点で、他の山域では真似のできない設計になっています。

須走口五合目では山荘菊屋が貸出・返却の場所になっている形もあります。富士登山シーズン中の営業時間は6:00-18:00とされ、レインウェア、トレッキングシューズ、トレッキングポール、スパッツ、ダウンジャケット、ザックなどを貸し出す旨が記載されています(そらのした公式内の案内ページ、2026年8月28日確認)。山小屋がレンタルの窓口を兼ねるという形式です。

富士山のレンタルについては条件が細かく、登る時期・ルート・出発時刻によって必要な装備も変わります。この記事は通年・富士山以外を主語にしているので、詳細は富士登山の装備レンタルを整理した記事に譲ります。富士山に登るためにレンタルを調べているなら、そちらを読むほうが早いはずです。

五合目店舗や山小屋での貸出は、登山シーズンの期間に限定されています。やまどうぐレンタル屋の五合目店舗は吉田ルート五合目店が7月1日から9月11日、富士宮五合目店が7月10日から9月10日という期間が公式に示されています(2026年8月28日確認)。これらの日程は年によって変わります。前年の記事や他人のブログの日付をそのまま信じず、その年の公式発表を必ず確認してください。

富士山以外にも、山域に紐づいたレンタルはあります。屋久島がその代表です。屋久島レンタルは公式サイトで屋久島の登山・トレッキング装備のレンタルを掲げており、品目を「ウェア・シューズ」「ギア・装備」「宿泊・調理装備」に区分し、日帰り用と山中泊用のセット商品を用意していること、営業時間を9:00-18:00とする記載があります(屋久島レンタル公式、2026年8月28日確認)。

同じ屋久島のナカガワスポーツは、島外へのレンタルは行っていない旨を明記した通年サービスです(ナカガワスポーツ公式、2026年8月28日確認)。前の章で触れたとおり、店頭でのフィッティングを経て渡す設計で、宿泊施設への配送・回収は行いません。屋久島は「現地で借りる」が成立している数少ない山域だと言えます。

山域密着型のレンタルには、宅配型にない利点があります。その山で必要になるものを、その山を知っている人が選んで渡してくれることです。屋久島なら降水量への備え、雪山ならアイゼンと靴の適合。カタログから自分で選ぶより、現地で相談したほうが漏れが減る場面があります。ただし店の営業時間と旅程が噛み合うことが前提です。

北海道では、環境省の施設が冬季にスノーシューなどを貸し出している例があります。知床国立公園の知床羅臼ビジターセンターがそれで、2025年1月19日付のページには貸出期間が2025年1月9日から3月31日と記載され、融雪により期間が短縮される可能性がある旨も明記されています(環境省知床国立公園、2026年8月28日確認)。2026年1月18日付のページにもスノーシュー・長靴のレンタルの記載があります。

ただし、この冬季貸出が今シーズンも同じ条件で実施されるとは断定できません。融雪による期間短縮の可能性が公式に明記されているとおり、期間も在庫も年によって変わります。行く予定が立ったら、施設へ直接問い合わせて、その年の実施状況を確認してください。過去の年の情報を根拠に旅程を組まないでください。

山域 サービス 2026年8月28日時点で確認できた記載 受け渡しの性格
富士山 LaMont 富士山登山用品のレンタルショップと明記。季節限定 配送(使用日前々日)/店頭/五合目(吉田口・須走口)での現地受取
富士山(須走口) 山荘菊屋 富士登山シーズン中、営業時間6:00-18:00。レインウェア・シューズ・ポール・スパッツ・ダウン・ザック等 山小屋が貸出・返却の窓口を兼ねる
富士山(五合目) やまどうぐレンタル屋の季節店舗 吉田ルート五合目店7/1-9/11、富士宮五合目店7/10-9/10 登山口で借りて登山口で返す
屋久島 屋久島レンタル ウェア・シューズ/ギア・装備/宿泊・調理装備の3区分。日帰り・山中泊のセットあり。営業9:00-18:00 現地の店舗
屋久島 ナカガワスポーツ 通年。島外へのレンタルは行わない旨を明記。宿泊施設への配送・回収なし 店頭フィッティング後に受け渡し
知床 知床羅臼ビジターセンター(環境省) 2025年1月19日付ページに貸出期間2025/1/9-3/31、融雪による短縮の可能性を明記。2026年1月18日付ページにもスノーシュー・長靴の記載 施設での貸出。冬季限定・年により変動

編集部の見立て:山域密着型を探すコツは、「山名+レンタル」ではなく「その山のふもとの町名+登山用品」で調べることです。観光協会やビジターセンターのページに、地元の窓口が載っていることがあります。全国区の検索結果には出てこない事業者が、そこにいます。

よくある質問

Q. 登山用品のレンタルは何日前までに申し込めばいいですか

事業者とカテゴリによって異なります。そらのしたの登山カテゴリでは利用開始日を申込日の6日後から選択できる旨が利用規約ページに記載されており、やまどうぐレンタル屋では通常配送が利用日の3日前に届くこと、遠方は使用開始日の4〜5日前に設定できること、店舗受取は来店予定日の2日前までに注文・連絡が必要であることが公式に記載されています(各社公式、2026年8月28日確認)。全社共通の締切はないため、この記事では「行く日の1週間前を目安に申し込みを終える」ことをおすすめします。連休や夏山シーズンは在庫が先に埋まるため、目安より早めに一度サイトを見てください。

Q. 汚れたまま返してもいいのですか

2026年8月28日時点で確認した範囲では、そらのした・やまどうぐレンタル屋・モンベル南阿蘇店のいずれも、洗濯やクリーニングは不要で汚れたまま返却してよい旨を公式に記載しています。素人が自己流で洗うと素材を傷める可能性があるため、事業者側で処理する設計になっていると読めます。ただし濡れたものと乾いたものを同じ袋に詰めるのは別の問題なので、返却時に仕分けはしてください。

Q. 山で壊してしまったら弁償になりますか

「通常使用の範囲かどうか」で扱いが分かれます。やまどうぐレンタル屋の公式Q&Aには、通常使用であれば弁償不要で、不注意や誤使用による破損は修理代を負担すること、負担額の上限は商品代金であることが記載されています。そらのしたの利用規約ページには、ひどい汚れや破損には修理費用が発生する旨と、レンタル保険を選択している場合は通常使用による破損を請求しない旨が記載されています(いずれも2026年8月28日確認)。いずれにせよ、破損に気づいたら隠さずに申告してください。次に借りる人が山で使う道具です。

Q. サイズが合わなかったら交換できますか

やまどうぐレンタル屋は1注文につき1回限りの交換に対応しており、自宅での試着後だけでなく初回の山行後に不適合が判明した場合でも交換できる旨が公式に記載されています(2026年8月28日確認)。一方、屋久島のナカガワスポーツのような店頭完結型は、受け渡しの前に店頭でフィッティングする設計をとっています。宅配型を使う場合は、届いた箱をすぐ開けて試すこと。試さずに出発すると、交換の機会そのものを失います。

Q. 大手の登山用品店なら全店でレンタルできますか

2026年8月28日時点で公式サイトを確認した範囲では、全店舗共通の品目・条件を示した記載は見当たりませんでした。確認できたのは、モンベルの公式レンタル申し込みページにある「店舗受取・返却の予約制」「5日間以上は貸出不可」という記載と、好日山荘宮崎店の現行ページにある「レンタル日数7日を上限」という記載、そしてモンベル南阿蘇店の資料にある「洗濯・クリーニング不要/破損・紛失時は追加料金」という記載です。利用したい店舗のページを開き、それでも分からなければ電話で確認してください。

Q. レンタルで済ませられない道具はありますか

制度上「借りられない」というより、運用上「借り続けるのが合わない」道具があります。登山靴がそれです。足に合わせる工程は履くたびに積み上がるもので、返却するとその積み上げがリセットされます。また、肌に直接触れる衣類については、対象品目や衛生対応が事業者によって異なる可能性があるため、各社の記載を個別に確認してください。この点について全社共通のルールを示した記載は、2026年8月28日時点で確認できていません。

まとめ:道具ごとに使い分けを決める。今日やることは1つ

ここまでの内容を、道具ごとの判断に落とし込みます。判断軸は繰り返しになりますが二つです。体に合わせる工程が必要かと、段取りを繰り返す手間に見合うか。この二つで、ほとんどの道具は仕分けできます。

体に合わせる工程が必要なものは、所有に向きます。靴が典型で、次いでザックです。ザックは背面長という体格に紐づく寸法があり、これが合っていないと荷重が腰でなく肩に乗ります。ただしザックは靴ほど「履き慣らし」の要素が強くないため、年に数回なら借りて済ませる余地があります。靴よりは緩い線引きです。

編集部の見立て:仕分けを難しく考えすぎないことです。迷ったら「これは自分の体の形に合わせる道具か」と一度だけ問えばよい。靴とザックは体の道具、テントと寝袋とアイゼンは環境に対する道具です。体の道具は持ち、環境の道具は必要なときに借りる。この整理でおおむね足ります。

環境に対する道具は、その環境に行く回数で決まります。テントは、年に1〜2回のテント泊なら借りて足ります。年に3回を超えるなら、設営の習熟という別の理由が生まれるので所有に傾きます。同じテントを繰り返し張るほうが、暗い中でも早く立てられるようになります。アイゼンやピッケルは、冬山に年何回行くかがそのまま答えになります。

道具の仕分け(回数で切る):①――年2回以上歩くなら買う。合わせ込みが毎回リセットされるため。②寝袋・防寒着――年3泊未満なら借りる。3泊以上、または直前に決めて動きたいなら買う。③テント――年2回までなら借りる。3回以上なら設営の習熟のために所有。④アイゼン・ピッケル等の冬季装備――冬山に行く回数がそのまま答え。年1〜2回なら借りて足りる。⑤ザック――背面長が合うものが見つかったら買う。見つかるまでは借りて型を探る。

この仕分けで注意したいのは、レンタルを「買う前の試用」として使うことの価値です。テントを1回借りれば、自分がテント泊を続けたいかどうかが分かります。冬季装備を1回借りれば、冬山に通うかどうかが分かります。買ってから合わないと気づくより、借りて確かめてから買うほうが安い。これは価格の話ではなく、選択の順序の話です。

レンタルで試すときは、借りたモデルの型番をメモしておいてください。あとで買う段になったとき、「あのとき借りたやつ」では店で伝わりません。型番と、良かった点・気になった点を3行でよいので残しておくと、購入時の判断がまったく変わります。返却前に写真を撮っておくだけでも十分です。

この記事で書いたことを一言にすると、レンタルは料金ではなく段取りで選ぶということです。何が借りられるか、何日前までに申し込むか、壊したらどうなるか、サイズが合わなかったらどうなるか。この4つはどの事業者も公式ページに書いており、しかも料金と違って読み比べれば自分の旅程に合うかどうかが判断できます。

そして道具ごとの結論は、体の道具は持ち、環境の道具は借りる、です。靴は年2回以上歩くなら買う。寝袋は年3泊未満なら借りる。テントは年2回までなら借りる。冬季装備は行く回数で決める。ザックは背面長が合うものに出会ったら買う。この線引きは料金改定で動きません。

編集部の見立て:レンタルの一番の価値は、費用の節約ではなく「まだ決めなくていい」という状態を作れることです。テント泊を続けるかどうか、冬山に通うかどうか。決める前に一度試せる仕組みがあるというのは、始めたばかりの人にとってかなり大きいことです。

今日やることは1つです。行きたい山と日付を紙に書いて、そこから1週間さかのぼった日付を見る。その日がすでに過ぎていたら、今回はレンタルでは間に合わない可能性があります。まだ先なら、下の3手順に進んでください。

  1. 行きたい山と日付を決め、そこから1週間さかのぼった日付をカレンダーに書く。その日が申込の目標日になる
  2. 使う事業者の公式ページを開き、「申込の締切」と「手元に届く日」の両方を確認して、自分の日程に当てはめる。同時に貸出日数の上限が山行日数に収まるかも見る
  3. 借りるものを、体に合わせる道具(靴・ザック)と環境に対する道具(テント・寝袋・冬季装備)に分ける。体の道具は買う側に回れないか一度考え、環境の道具から先に申し込む

この記事で挙げた数字はすべて2026年8月28日時点で公式サイトに記載を確認したものですが、営業期間・受け渡し方法・貸出日数の上限は改定されます。申し込む前に、必ず自分で各社の公式ページを開いて最新の条件を確認してください。これから登山を始める段階の人は、装備をそろえる順番そのものを整理した登山デビューで最初にそろえる装備と手順から読むと、借りるべきものと買うべきものの区別がもっとはっきりします。

出典

  • そらのした 公式サイト https://www.soranoshita.net/ (2026年8月28日確認)
  • そらのした 登山用品レンタル https://www.soranoshita.net/climbing/ (2026年8月28日確認)
  • そらのした ご利用方法・利用規約 https://www.soranoshita.net/usage.html (2026年8月28日確認)
  • そらのした 山荘菊屋レンタル(富士山須走口五合目) https://www.soranoshita.net/kikuya_rental/ (2026年8月28日確認)
  • やまどうぐレンタル屋 よくあるご質問 https://www.yamarent.com/question.html (2026年8月28日確認)
  • やまどうぐレンタル屋 店舗情報 https://www.yamarent.com/shopinfo.html/ (2026年8月28日確認)
  • やまどうぐレンタル屋 レンタル品目一覧 https://www.yamarent.com/item.html (2026年8月28日確認)
  • やまどうぐレンタル屋 サービスの特長 https://www.yamarent.com/point.html (2026年8月28日確認)
  • モンベル アウトドア用品レンタル申し込み https://store.montbell.jp/rentalreserve/ (2026年8月28日確認)
  • モンベル 南阿蘇店 レンタル案内(PDF) https://www.montbell.jp/generalpage/adimages/minamiaso_rental.pdf (2026年8月28日確認)
  • 好日山荘 宮崎店 https://www.kojitusanso.jp/shop/kyushu_okinawa/miyazaki/ (2026年8月28日確認)
  • 屋久島レンタル レンタル品目 https://www.yakushimarental.com/equipment (2026年8月28日確認)
  • ナカガワスポーツ ご利用の流れ https://www.nakagawa-sports.com/flow.php (2026年8月28日確認)
  • ナカガワスポーツ 公式サイト https://www.nakagawa-sports.com/ (2026年8月28日確認)
  • LaMont 公式サイト https://www.lamont.jp/ (2026年8月28日確認)
  • LaMont ご利用方法 https://www.lamont.jp/howto/ (2026年8月28日確認)
  • 環境省 知床国立公園 羅臼ビジターセンター お知らせ https://policies.env.go.jp/park/shiretoko/rausu-vc/news/2025/20250119/ (2026年8月28日確認)
  • 環境省 知床国立公園 羅臼ビジターセンター お知らせ https://policies.env.go.jp/park/shiretoko/rausu-vc/news/2026/20260118/ (2026年8月28日確認)

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