筑波山は登山初心者でも登れる?標高差540mと4コースの所要時間で選ぶ日帰りルート

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「筑波山なら初心者でも大丈夫」とよく言われます。ただ、その一言では登る前の不安は消えません。標高差はどれくらいあるのか、何時間かかるのか、途中でつらくなったら引き返せるのか。知りたいのは評判ではなく、自分の脚で登り切れるかどうかの判断材料のはずです。

筑波山の山頂は男体山871m、女体山877m(つくば市公式サイト/2026年8月17日確認時点)。もっとも歩かれている御幸ヶ原コースは、筑波山神社から御幸ヶ原まで距離2.1km・標高差540m、登り約90分・下り約70分です(茨城県公式コースマップ/同確認時点)。歩かずに標高を稼ぎたいなら、ケーブルカーが大人片道590円・往復1,070円、ロープウェイが大人片道750円・往復1,300円(筑波観光鉄道公式/同確認時点)という選択肢もあります。

つまり筑波山は、「往復3時間弱の登りに耐えられるか」を軸に、乗り物でどこまで手を抜くかを自分で調整できる山です。この記事は、その調整のしかたを数字で決められるように書きました。編集部は現地に立った体験ではなく、公式一次情報の整理としてお届けします。

この記事でわかること

  • 筑波山の登山は「きつい」のか。標高差540mと登り約90分という数字が意味すること
  • 4コース(御幸ヶ原・白雲橋・おたつ石・迎場)の距離・標高差・コースタイムの比較
  • 体力・同行者・持ち時間の3つの質問でコースを決める判定フロー
  • ケーブルカー/ロープウェイ/シャトルバス/市営駐車場の料金と時間(2026年8月17日確認時点)
  • 山頂に何時に立つかから逆算する時刻表と、時刻つきモデルプラン2案

山そのものを選ぶ段階から迷っているなら、標高差とコースタイムで候補を絞る手順をまとめた初心者の山の選び方|標高差とコースタイムで見分けるから読むと、この記事の数字が比較しやすくなります。

筑波山の「きつい」は標高差540mと登り90分で決まる

筑波山の体力的な負担は、登山口から山頂までの標高差と、その標高差を何分で登るかという2つの数字にほぼ集約されます。

茨城県公式のコースマップによれば、筑波山神社から御幸ヶ原までの御幸ヶ原コースは標高差540m、登り約90分。女体山を目指す白雲橋コースは標高差620m、登り約110分です(いずれも2026年8月17日確認時点)。御幸ヶ原から男体山頂までは300m・約15分、女体山頂までは550m・約15分の連絡路がつながっています。

数字だけ並べても実感は湧きません。言い換えれば、御幸ヶ原コースは「休憩を挟まず1時間半、上り坂を歩き続ける」運動です。通勤で片道45分歩いている人なら、その往復ぶんを、平坦な歩道ではなく段差の連続に置き換えたイメージが近くなります。息が上がるのは体力不足ではなく、それが普通の反応です。

初心者にとっての筑波山の位置づけ
標高差540m・登り約90分は、街歩きの延長では届かないが、日帰りの余裕を持って組める範囲。「楽な山」ではなく「引き返しやすい山」と捉えるのが実態に近い。

そして筑波山の本当の強みは、傾斜の緩さではなく選択肢の多さにあります。歩きで登って歩きで下りる。歩いて登って乗り物で下りる。乗り物で上がって山上だけ歩く。この3通りを、同じ日に、状況を見ながら切り替えられます。脚が売り切れても「もう下りるしかない」状態になりにくいということです。

編集部の見立て:筑波山が初心者向けと呼ばれる理由は、コースが優しいからではなく、途中でプランを変える余地が大きいからだと整理しています。数字上は御幸ヶ原コースの傾斜は4コース中もっとも急です。

コースタイムという数字自体の読み方に不安があるなら、標準タイムと自分の実力の差をどう見積もるかを解説したコースタイムの読み方を先に押さえておくと、この後の比較表が自分向けの数字に変換できます。

4つのコースは「傾斜」と「起点」で性格が分かれる

筑波山の主要コースは、筑波山神社を起点とする2本(御幸ヶ原・白雲橋)と、つつじヶ丘を起点とする1本(おたつ石)、そして神社とつつじヶ丘を結ぶ1本(迎場)の計4本です。

コース 区間 距離 標高差 登り 下り 1kmあたりの標高差
御幸ヶ原コース 筑波山神社~御幸ヶ原 2.1km 540m 約90分 約70分 約257m
白雲橋コース 筑波山神社~女体山頂 2.7km 620m 約110分 約90分 約230m
おたつ石コース つつじヶ丘~弁慶茶屋跡 約1km 230m 約40分 約30分 約230m
迎場コース 筑波山神社~つつじヶ丘 2.1km 190m 約60分 約50分 約90m

距離・標高差・所要時間は茨城県公式「筑波山登山道コースマップ」(2026年8月17日確認時点)。「1kmあたりの標高差」は公式値をもとに編集部が計算した参考値で、公式の発表数値ではありません。

右端の列が、この記事でいちばん見てほしい数字です。同じ「初心者向け」の看板を掲げていても、御幸ヶ原コースは1kmあたり約257m上がるのに対し、迎場コースは約90m。傾斜の体感でおよそ3倍の開きがあることになります。

この差を生活の感覚に置き換えると、御幸ヶ原コースは「駅の長い階段を、休まず何本も上り続ける」タイプ。迎場コースは「起伏のある公園を横に歩く」タイプです。どちらも同じ筑波山ですが、必要な体力はまったく別物と考えたほうが計画は狂いません。

御幸ヶ原コース:最短で山上に出たい人の道

距離2.1kmで540mを上げる、4コース中もっとも急勾配な道です。そのぶん登り約90分と時間は短く、山上の御幸ヶ原に出れば男体山頂まで約15分、女体山頂まで約15分で両方の山頂を回れます。時間が限られている日や、下山の余力を残したい日に向きます。

白雲橋コース:奇岩を見ながら女体山へ直接登る道

距離2.7km・標高差620mで、女体山頂まで登り約110分。4コースでもっとも標高差が大きく、時間もかかります。弁慶七戻りをはじめとする岩の連なりで知られる区間があり、手を使って通過する場面が出ます。岩場あり

おたつ石コース:山頂までの歩行時間を削れる道

つつじヶ丘から弁慶茶屋跡まで約1km・標高差230m、登り約40分。ここから白雲橋コースの終盤に合流して女体山頂へ向かう形になり、公式タイムを積算すると登り合計で70~80分程度。筑波山神社から白雲橋コースを通す約110分と比べ、歩く時間を大きく短縮できます。

迎場コース:下山や移動に使える緩やかな道

筑波山神社とつつじヶ丘を結ぶ2.1km・標高差190mの道で、登り約60分・下り約50分。1kmあたり約90mという緩さは4コースで際立っており、起点と下山地点が違うプランを組むときの連絡路として効きます。

編集部の見立て:「初心者は白雲橋、ベテランは御幸ヶ原」といった単純な住み分けは成立しません。急なのは御幸ヶ原、長くて岩が出るのは白雲橋。何がしんどいかの種類が違うだけです。

コースは3つの質問で決まる

判定フローとは、迷いどころを順番に潰して答えを1つに絞る手順のことです。筑波山の場合、体力・同行者・持ち時間の3問で足ります。

筑波山の登山コースを3つの質問で選ぶ判定図。御幸ヶ原コース・おたつ石コース+ロープウェイ・白雲橋コースの分かれ方
  1. Q1. 登り約90分の上り坂を、休憩を挟みながら歩き通せそうか。
    はっきり「無理そう」と感じるなら、歩行時間を70~80分に抑えられるおたつ石コース起点か、乗り物での往復を軸にします。
  2. Q2. 同行者に、小さな子どもや体力に不安のある人がいるか。
    いる場合は、手を使う岩場が出る白雲橋コースを外し、下山を乗り物に置き換えられる組み立てを優先します。
  3. Q3. 山にいられる時間は4時間以上あるか。
    4時間を切るなら往復を歩き通す前提を捨てます。片道だけ歩き、もう片道は乗り物という形が現実的です。

答えの組み合わせから導かれる結論を、下の表にまとめました。

あなたの状況 おすすめの組み立て 歩く時間の目安 乗り物
体力に不安なし・時間も5時間以上ある 御幸ヶ原コースで登り、両山頂を回って同じ道を下る 登り約90分+下り約70分+山上移動 使わない
登りは歩きたいが下りが不安 御幸ヶ原コースまたは白雲橋コースで登り、下りはケーブルカーかロープウェイ 登りのみ約90~110分 片道利用
歩行時間をできるだけ短くしたい つつじヶ丘からおたつ石コースで女体山頂、下りはロープウェイ 登り約70~80分 片道利用
岩場を体験してみたい・時間に余裕あり 白雲橋コースで女体山頂へ、御幸ヶ原経由で下山 登り約110分+下り約70分 予備として
同行者の体力差が大きい 乗り物で山上へ上がり、自然研究路(一周1.4km・約60分)を歩く 約60分 往復利用

乗り物を組み込む前に確認すること
ケーブルカーとロープウェイは山上の別々の地点に接続しています。どの登山口から登ればどちらの乗り場に出られるかは、筑波観光鉄道の公式サイトにある路線案内で必ず確認してください。下山を乗り物に頼るプランほど、この確認を外すと行き先を間違えます。

もう一つ、乗り物で標高を稼げる山を候補に入れたいなら、ロープウェイの料金と歩行条件を整理した谷川岳は初心者でも登れる?天神尾根ルートの条件とロープウェイ料金が比較材料になります。筑波山と同じ発想で、歩く区間だけを選び取る山です。

料金と運行時間は「確認日つき」で押さえる

筑波山で発生する費用は、乗り物・バス・駐車場の3種類です。いずれも改定があり得るため、下の数値はすべて2026年8月17日に公式サイトで確認した時点のものとして扱ってください。

区分 大人 片道 大人 往復 小児 片道 小児 往復 運行時間
ケーブルカー 590円 1,070円 300円 540円 9:00~17:00
ロープウェイ 750円 1,300円 380円 650円 9:20~17:00

筑波観光鉄道株式会社 公式サイトの運賃ページ(2026年8月17日確認時点)。ロープウェイは6歳未満の子どもが保護者1名につき2名まで無料と案内されています。悪天候時や冬季の定期検査時は運休の可能性がある旨の記載もあるため、当日朝の運行状況確認をおすすめします。

両者の差は片道160円、往復230円。ロープウェイのほうが高い設定です。金額としてはコーヒー1杯ぶんの違いで、料金で選ぶより「登った先がどちらの乗り場につながるか」で選ぶほうが失敗しません。

公共交通でのアクセス費用

つくばセンター(つくばエクスプレスつくば駅)からは、関東鉄道の筑波山シャトルバスが出ています。運賃は沼田・筑波山神社入口まで大人770円・小人390円、つつじヶ丘まで大人930円・小人470円(つくば観光コンベンション協会公式サイト/2026年8月17日確認時点)。つくば駅までの所要時間と運賃は出発駅で変わるため、各自の乗換案内で確認してください。

クルマで行く場合の市営駐車場

駐車場 料金 利用時間 収容 支払い
市営筑波山第1 普通500円/大型2,000円 5:00~20:00 普通210台・大型5台・身障者用6台 前払い精算機
市営筑波山第2 二輪250円 8:30~17:15 二輪8台程度 筑波山観光案内所
市営筑波山第3 普通500円/大型2,000円 5:00~20:00 普通138台・大型10台・身障者用2台 前払い精算機
市営筑波山第4 普通500円 5:00~20:00 普通97台 前払い精算機

つくば市公式PDF「市営駐車場一覧(つくば市観光施設関連)」(2026年8月17日確認時点)。このほか市営筑波山麓の5駐車場(筑波・神郡・六所・平沢・小田)は無料ですが、山麓部にあり登山口までは距離があります。

つつじヶ丘の駐車場について
編集部がつくば市公式の市営駐車場一覧を確認した範囲では、「つつじヶ丘駐車場」という名称の市営施設は掲載されていませんでした。つつじヶ丘側に駐車する場合は民間駐車場の利用になる可能性があり、料金・台数の公式な一次情報を確認できていません。この記事では料金を記載しません。現地の案内表示か、駐車場運営者の情報で確認してください。

編集部の見立て:第1・第3は大型バス対応で規模が大きく団体利用と重なりやすい駐車場、第4は普通車97台の小さめの区画です。同じ500円でも混み方の性格は違うと整理しています。

山では下山時刻から逆算して動く

逆算とは、下山の締め切りを先に決めて、そこから登り始めの時刻を割り出す考え方です。日帰り登山でいちばん効く技術がこれです。

筑波山の下山ルート別の所要時間と麓に着く時刻の対応表。御幸ヶ原70分・白雲橋90分・迎場50分
山上を出る時刻 御幸ヶ原コースで下山(約70分) 白雲橋コースで下山(約90分) 迎場コースでつつじヶ丘へ(約50分)
13:00 14:10着 14:30着 13:50着
14:00 15:10着 15:30着 14:50着
15:00 16:10着 16:30着 15:50着
16:00 17:10着 17:30着 16:50着

茨城県公式コースマップの下りコースタイム(2026年8月17日確認時点)を機械的に足した編集部作成の目安表です。休憩、写真、渋滞、疲労による減速は含みません。実際にはこの数字に30分以上の余裕を足して計画してください。

この表からわかることは単純です。15時に山上を出発すると、麓に戻るのは16時台。ケーブルカー9:00~17:00、ロープウェイ9:20~17:00という運行時間(2026年8月17日確認時点)を思い出すと、「下りは乗り物で」と決めていた人が15時台に山上でのんびりしているのは、かなり際どい選択だとわかります。

編集部が置くひとつの線
下山を乗り物に頼るプランなら、山上の乗り場に16:00までに着くことを目標にする。歩いて下る前提でも、山上を14:00までに出れば、多少の遅れを吸収できます。

初心者がつまずくのは岩場と時間切れ

筑波山で計画が崩れる原因は、体力そのものより「想定よりコースタイムがかかる」ことに集中します。

白雲橋コースの岩場は速度が落ちる区間

白雲橋コースには弁慶七戻りをはじめとする岩の名所が連なります。編集部は現地の危険度を評価する立場にありません。ただ、岩の間を抜ける区間は、人が多い時間帯には順番待ちが発生しやすく、平地と同じペースでは進めないという性質があります。コースタイム約110分は、あくまで標準的な歩行を前提にした数字です。

岩場や急斜面の通過可否、当日の登山道の状態は、現地の掲示と公的機関の発表が最終的な判断材料です。出発前に登山地図アプリで自分の位置と分岐を確認できる状態にし、あわせて茨城県やつくば市の最新の登山道情報を必ずチェックしてください。体調不良や事故が起きた場合は自分たちだけで判断せず、消防・警察など公的機関に連絡してください。

通行の制限は「主要4コース以外」に残っている

茨城県公式の「通行止め等のお知らせ」を編集部が確認した2026年8月17日時点では、御幸ヶ原・白雲橋・おたつ石・迎場の主要4コースについて通行止めの掲載はありませんでした。一方で、筑波高原キャンプ場から深峰歩道登山口へは通行できないという注記が、期限の記載なく残っています。深峰歩道を組み込むプランを考えている場合は、この制限が続いている前提で計画してください。

登山届は出しておく

茨城県警察の公式サイトでは、県内の山に登る際に登山届を提出するよう案内しています。編集部が確認した範囲では、条例による法的な義務を示す文言までは確認できませんでした。義務かどうかにかかわらず、誰がどこを歩いているかが残ることの価値は初心者ほど大きいと考えています。

季節と気温の目安

気象庁のつくば(館野)観測所の平年値(1991~2020年)は、年平均14.3℃、8月25.9℃、1月3.1℃です。これは平地の観測値であり、一般に標高が上がれば気温は下がるため、山上はこれより低い前提で服を用意してください。紅葉の見頃は、つくば観光コンベンション協会の情報(2025年11月28日付)で山頂10月下旬~11月上旬、中腹11月中旬~下旬、山麓11月下旬~12月上旬とされています。

編集部の見立て:夏の低山でいちばん現実的なリスクは、寒さより暑さと水切れです。8月の平年値25.9℃は平地の平均であって、日中の最高気温ではありません。真夏に登るなら、朝の早い時間に登り切る計画を優先すべきだと整理しています。

混雑を含めた季節の選び方は、同じ関東の低山で時期別の傾向をまとめた高尾山の紅葉と混雑や、見頃と行き先を並べた紅葉登山 関東が参考になります。

時刻つきモデルプラン2案

モデルプランは、コースタイムを積算しただけの骨組みです。ここに休憩と余裕を足して、自分の計画に直してください。

プランA:歩いて登り、歩いて下りる(御幸ヶ原コース往復+両山頂)

  1. 9:30 筑波山神社エリアを出発(御幸ヶ原コースへ)
  2. 11:00 御幸ヶ原に到着(登り約90分)
  3. 11:15 男体山頂(御幸ヶ原から300m・約15分)
  4. 11:35 御幸ヶ原に戻る
  5. 12:00 昼食・休憩
  6. 12:45 女体山頂(御幸ヶ原から550m・約15分)
  7. 13:20 御幸ヶ原に戻る
  8. 13:30 下山開始(御幸ヶ原コース 下り約70分)
  9. 14:40 筑波山神社エリアに帰着

行動時間はおよそ5時間10分。歩行そのものは約2時間40分で、残りは山上での滞在です。山頂を2つとも踏むなら、この余白は削らないほうがいいでしょう。

プランB:歩行時間を短くする(つつじヶ丘起点+ロープウェイ下山)

  1. 10:00 つつじヶ丘を出発(おたつ石コースへ)
  2. 10:40 弁慶茶屋跡(登り約40分)
  3. 11:20 女体山頂に到着(つつじヶ丘からの積算で登り約70~80分)
  4. 11:40 昼食・休憩
  5. 12:30 ロープウェイでつつじヶ丘へ下る(運行時間9:20~17:00/2026年8月17日確認時点)

行動時間はおよそ2時間30分から3時間。歩く区間は登りだけになり、下りの膝の負担がまるごと消えます。子ども連れや、久しぶりの山という人が最初に検討すべき形です。

  • プランAは「歩き通したい人」向け。時間に5時間以上の余裕が必要
  • プランBは「山頂には立ちたいが体力に不安がある人」向け
  • どちらも、山上での滞在を削って時間を稼ぐ発想は取らない
  • 乗り物を使うプランは、当日朝の運行状況の確認をセットにする

装備は靴から決める

装備選びの優先順位は、筑波山の道の性質で決まります。標高差540mを2.1kmで詰める急な下りと、岩や木の根の段差。この2つに耐えるのは、まず足元です。

スニーカーで登っている人も見かける山ですが、下り約70分を通して段差を踏み続ける場面では、靴底の硬さと足首まわりの支えの有無が疲労の差になって出ます。編集部は、最初の1足として日本の登山靴メーカーであるキャラバンの入門モデルC1_02Sを候補に挙げています。国産ブランドの入門向けモデルで、3Eの幅広ラスト。足幅が広く既製の登山靴で小指が当たりやすい人でも合わせやすいという点が、はじめて登山靴を買う場面では効いてきます。


靴以外に最低限そろえたいもの:飲み物(夏はとくに多めに)、雨具、行動食、ヘッドライト、健康保険証。持ち物の全体像は登山の持ち物リスト2026で確認できます。

服装は、気温の目安を先に決めてから組み立てます。前述のとおり平地の8月平均は25.9℃、1月平均は3.1℃(気象庁つくば〈館野〉平年値/1991~2020年)。夏は汗を処理できる素材、冬は行動中に脱ぎ着できる重ね方が基本になります。

よくある質問

Q. 筑波山の登山は初心者にはきついですか?

A. 御幸ヶ原コースで標高差540m・登り約90分(茨城県公式/2026年8月17日確認時点)を歩き続ける運動量です。楽ではありませんが、途中でケーブルカーやロープウェイに切り替える選択肢があるため、行き詰まりにくい山と言えます。1kmあたりの上昇量で見ると御幸ヶ原コースが約257mでもっとも急で、迎場コースは約90mと緩やかです。

Q. 御幸ヶ原コースと白雲橋コース、初心者はどちらを選ぶべきですか?

A. 短時間で山上に出たいなら御幸ヶ原コース(2.1km・標高差540m・登り約90分)、奇岩の並ぶ道を歩きたいなら白雲橋コース(2.7km・標高差620m・登り約110分)です。白雲橋コースには手を使って通過する岩の区間があるため、小さな子ども連れや、時間に余裕がない日は御幸ヶ原コースが無難です。

Q. 往復にどれくらいの時間を見ておけばいいですか?

A. 御幸ヶ原コース往復なら歩行だけで約160分(登り90分+下り70分)。これに山頂への往復と休憩・昼食を足すと、5時間前後を見ておくのが現実的です。歩行時間を削りたい場合は、つつじヶ丘からのおたつ石コース(登り約40分、女体山頂までの積算で約70~80分)を起点にする形が有効です。

Q. ケーブルカーとロープウェイはどちらが安いですか?

A. ケーブルカーが大人片道590円・往復1,070円、ロープウェイが大人片道750円・往復1,300円(筑波観光鉄道公式/2026年8月17日確認時点)。片道で160円、往復で230円ケーブルカーのほうが安い計算になります。ただし2つは山上の別の地点に接続するため、登るコースとの組み合わせで選ぶべきです。

Q. 子ども連れでも登れますか?

A. 歩行時間を短くできるおたつ石コース起点、または乗り物で山上へ上がって自然研究路(一周1.4km・約60分)を歩く形なら、負担を抑えられます。ロープウェイは6歳未満の子どもが保護者1名につき2名まで無料と案内されています(2026年8月17日確認時点)。岩場のある白雲橋コースは、子どもの体力と経験を見て慎重に判断してください。

Q. 下山後に別の山も検討したい場合、近い難易度の山はありますか?

A. 関東の低山でステップを踏むなら、標高差とコースタイムの並びが近い大山・丹沢が次の候補になりやすい山域です。乗り物で標高を稼げる点も筑波山と共通しています。

まとめ:今日やることは「持ち時間を決める」1つ

筑波山のコース選びは、体力の問題に見えて、実際は時間配分の問題です。山にいられる時間が決まれば、歩ける区間も、乗り物に任せる区間も自動的に決まります。

今日やること:登る日の「山にいられる時間」を先に決める。それだけで、この記事のどの表を見ればいいかが確定します。

  1. 持ち時間を数字にする。 5時間以上なら御幸ヶ原コース往復、3時間前後ならつつじヶ丘起点+ロープウェイ下山を基準にします。
  2. 下山の締め切りを決める。 乗り物を使うなら山上の乗り場に16:00到着、歩いて下るなら山上を14:00に出発、を目安に置きます。
  3. 出発前日に公式を見直す。 茨城県の通行止め情報、筑波観光鉄道の運行状況、そして登山地図アプリの地図データ。この3つを確認して、登山届を出します。

数字はすべて2026年8月17日に公式サイトで確認した時点のものです。料金も運行時間も通行状況も変わります。出発前の再確認だけは、誰かの記事ではなく公式で行ってください。

参考・出典

  • つくば市「筑波山を登山される方へ」 https://www.city.tsukuba.lg.jp/soshikikarasagasu/keizaibukankosuishinka/gyomuannai/3/3/1/1004212.html (2026年8月17日確認)
  • 茨城県「筑波山登山道コースマップ」 https://www.pref.ibaraki.jp/seikatsukankyo/shizen/shizen/corseguide.html (2026年8月17日確認)
  • 茨城県「通行止め等のお知らせ」 https://www.pref.ibaraki.jp/seikatsukankyo/shizen/shizen/kanto-info.html (2026年8月17日確認)
  • 筑波観光鉄道株式会社「筑波山ケーブルカー&ロープウェイ」公式サイト https://mt-tsukuba.com/ /ケーブルカー運賃 https://mt-tsukuba.com/cablecar-fare/ /ロープウェイ運賃 https://mt-tsukuba.com/ropeway-fare/ (いずれも2026年8月17日確認)
  • つくば観光コンベンション協会「筑波山シャトルバス時刻表」 https://ttca.jp/tourisminfo/mttsukuba/筑波山シャトルバス時刻表/ (2026年8月17日確認)
  • つくば観光コンベンション協会「筑波山紅葉情報」 https://ttca.jp/momiji2025/ (2026年8月17日確認/2025年11月28日付の情報を参照)
  • つくば市「市営駐車場一覧(つくば市観光施設関連)」 https://www.city.tsukuba.lg.jp/material/files/group/110/shieichushajyoichiranshusei0501.pdf (2026年8月17日確認)
  • 気象庁「平年値(年・月ごとの値)つくば(館野)」 https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/nml_sfc_ym.php?prec_no=40&block_no=47646 (2026年8月17日確認)
  • 茨城県警察「登山届」 https://www.pref.ibaraki.jp/kenkei/a06_shinsei/mountain_climbing/ (2026年8月17日確認)
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