鶴見岳の登り方|標高1,375mとロープウェイ下り最終17:30から決める下山の締切

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鶴見岳(つるみだけ)は、大分県別府市の西側にそびえる標高1,375mの山です。数字は気象庁の「鶴見岳・伽藍岳」のページに載っている標高点の値で、2026年9月17日に確認しました。別府の市街地から見上げる位置にあり、別府ロープウェイで山頂近くの鶴見山上駅(標高1,300m)まで上がれることから、観光の山として紹介されることが多い山です。

ただ、歩いて登る人にとって大事な情報は、観光案内の中にはあまり出てきません。鶴見岳には登山道が何本もあり、別府市は区間ごとに「登山可能」「十分な注意が必要」「通行不能」を分けて公表しています。同じ山頂を目指すのでも、どの道を選ぶかで扱いがまったく変わります。さらに鶴見岳は気象庁が24時間体制で監視する常時観測火山でもあり、噴火警戒レベルの確認が出発前の作業に入ります。

もう1つ、この山の計画を難しくしているのが所要時間です。別府市の登山規制ページにも、登山情報の図面にも、ロープウェイ会社のサイトにも、登山道の区間コースタイムは載っていません。そこでこの記事では、時間の数字を作らず、公式に出ている標高・ロープウェイの最終便・日没の3つから「何時までに山頂を離れるか」を自分で決める手順を書きます。

対象は、日帰りの低山〜中級山岳を何度か歩いたことがあり、別府に行くついでに鶴見岳を歩いて登りたい人です。ロープウェイで上がって山頂だけ歩く人にも、下りの最終便と冬季ダイヤの切り替えの話は役に立つはずです。

  • 別府市が2026年9月15日に更新した、鶴見岳の8つの区間ごとの通行状況(登山可能/十分な注意が必要/通行不能)
  • 噴火警戒レベルは2026年8月9日発表でレベル1(活火山であることに留意)。出発当日に気象庁のどのページを見るか
  • 一気登山道・南登山道・西登山口・馬ノ背の迂回新ルートを、公式の表現だけで比べたときの違い
  • 公式の区間コースタイムが無い山で、標高(高原駅500m・山上駅1,300m・山頂1,375m)から登りの量を読む方法
  • ロープウェイの下り最終は夏季(3/15〜11/14)17:30、冬季(11/15〜3/14)17:00。そこから山頂を離れる時刻を決める手順
  • 雨・霧・強風の日やロープウェイ運休時に、計画をどこで切り替えるか
  • 霧氷が見られることがある11月〜4月の目安と、JR別府駅からのバス・車でのアクセス

2026年9月17日時点の鶴見岳|区間ごとの通行状況

最初に見てほしいのは、別府市の「鶴見岳登山規制」のページです。ここには鶴見岳の登山道が区間ごとに並び、それぞれの通行状況が書かれています。2026年9月17日に本文を直接開いて確認したところ、更新日は「2026年9月15日更新」でした。以下の表は、その表記を言い換えずに写したものです。

区間(別府市の表記) 通行状況(2026年9月15日更新)
一気登山道(旗ノ台⇔御嶽権現神社⇔鶴見岳頂上) 登山可能
旗ノ台⇔御嶽権現神社⇔南登山道⇔踊り石⇔馬ノ背⇔鶴見岳頂上 十分な注意が必要
鶴見岳頂上⇔南平台⇔西登山口 十分な注意が必要
馬ノ背⇔鞍ヶ戸⇔船底(旧ルート) 登山道が崩壊し通行不能
馬ノ背から西登山口方面に迂回する新ルート 登山可能
船底⇔内山⇔塚原越 登山可能
別府ロープウェイ山頂駅⇔鶴見岳頂上 登山可能
鶴見岳内の林道 登山可能。大型車両の通行に注意
鶴見岳 登山道の区間ごとの状況。左に項目、右に値・条件を並べた対応表の図解。一気登山道=旗ノ台〜御嶽権現神社〜山頂は登山可能/南登山道=踊り石〜馬ノ背〜山頂は十分な注意が必要/南平台=山頂〜南平台〜西登山口は十分な注意が必要/旧ルート=馬ノ背〜鞍ヶ戸〜船底は崩壊で通行不能/噴火警戒=レベル1(2026年8月9日発表)。図の下部に「別府市「登山規制」9月15日更新・気象庁(2026年9月17日確認)」と注記。
鶴見岳 登山道の区間ごとの状況。左に項目、右に値・条件を並べた対応表の図解。一気登山道=旗ノ台〜御嶽権現神社〜山頂は登山可能/南登山道=踊り石〜馬ノ背〜山頂は十分な注意が必要/南平台=山頂〜南平台〜西登山口は十分な注意が必要/旧ルート=馬ノ背〜鞍ヶ戸〜船底は崩壊で通行不能/噴火警戒=レベル1(2026年8月9日発表)。図の下部に「別府市「登山規制」9月15日更新・気象庁(2026年9月17日確認)」と注記。

表を見ると、「登山可能」が5区間、「十分な注意が必要」が2区間、「通行不能」が1区間です。山頂へ向かう道のうち、別府市が「登山可能」と書いているのは一気登山道と、ロープウェイ山頂駅からの道の2本です。南登山道を経由して馬ノ背を通る道と、山頂から南平台を経て西登山口へ下りる道は、登れないわけではありませんが「十分な注意が必要」の扱いになっています。

このページの表記は、別府市が登山者向けに出している通行状況の案内です。国や県の法令で道を閉じている、という書き方ではありません。一方で「通行不能」の区間は、登山道そのものが崩壊しているという理由が書かれています。案内の性質がどうであれ、崩れた道に入る理由はありません。

この表は2026年9月15日更新時点の写しです。登山道の状態は大雨や地震のあとに変わります。出発の前日か当日の朝に、別府市の登山規制ページ(https://www.city.beppu.oita.jp/sangyou/nourinsuisan/tozankisei.html)をもう一度開き、更新日と区間の表記が変わっていないかを自分の目で確かめてください。

別府市は、登山情報の図面(PDF・「R8.9更新」の表記)も公開しています。図面の凡例には「登山可能だが遭難の多いルート」「地割れ、亀裂箇所有、十分な注意が必要」「登山道崩壊進行中、通行不能、滑落のおそれあり」の3種類があります。ただし、どの線がどの凡例に当たるかは図の色や線種でしか示されていません。この記事では区間名と通行状況を結びつけるのに、本文ページの文字の表記だけを使っています。図面は現地で道を思い描くために手元に置き、区間の扱いは本文ページで読む、という使い分けがずれにくいと考えます。

編集部の見立て:鶴見岳の計画で最初に決めるのは「何時間かかるか」ではなく「どの線を歩くか」です。区間ごとに扱いが違う山で、山頂という1点だけを目標にすると、地図上いちばん近く見える道を選びがちになります。表の中で「登山可能」と書かれた線だけをつないで山頂まで行けるか。まずそこを確かめてから、時間の話に進むのがよいと考えています。

噴火警戒レベル1(2026年8月9日発表)と出発前の確認先

鶴見岳は、北側の伽藍岳(がらんだけ・三角点「塚原」1,045m)とあわせて、気象庁が「鶴見岳・伽藍岳」として監視している活火山です。気象庁のページでは常時観測火山に分類され、地震計・空振計・傾斜計・GNSSなどで観測が続けられています。

2026年8月9日10:00発表の噴火予報:鶴見岳・伽藍岳は噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)。あわせて、想定火口域内では噴気や火山ガス等に注意するよう書かれています(気象庁・2026年9月17日確認)。

ここで押さえておきたいのは、レベル1は「火山ではない」という意味ではないことです。気象庁の言葉どおり「活火山であることに留意」という段階で、火口の周りでは噴気や火山ガスへの注意が添えられています。レベルは火山活動に応じて引き上げも引き下げもされるので、この記事に書いた「レベル1」はあくまで2026年8月9日の発表時点の値です。

2026年9月17日の時点で、8月9日より新しい個別の発表は確認できていません。つまり、あなたが出発する日にレベルが同じとは限りません。出発前の確認は、次の順番にすると抜けにくくなります。

  1. 前日の夜に、気象庁の「鶴見岳・伽藍岳」のページ(https://ds.data.jma.go.jp/vois/data/fukuoka/513_Tsurumidake_Garandake/513_index.html)を開き、最新の噴火予報・噴火警報の発表日時とレベルを見る
  2. 当日の朝、家や宿を出る前にもう一度同じページを開き、前夜から発表が増えていないかを見る
  3. レベルや発表文に変化があったら、その日の計画は組み直す。変化がなければ、別府市の登山規制ページで区間の通行状況を見て、ルートを確定させる

噴火警戒レベルの1〜5が何を意味するのか、立ち入りの線を実際に引くのが誰なのかは、山によって運用が違います。レベルの読み方そのものを押さえておきたい人は、噴火警戒レベルと登山の関係を整理した記事で全体像を先に見ておくと、発表文を読むときに迷いが減ります。

火山の情報と登山道の通行状況は、出している主体が別です。噴火警戒レベルは気象庁の発表、区間ごとの通行状況は別府市の案内、ロープウェイの運行は会社の判断です。3つは連動して同じ日に変わるとは限りません。たとえば、噴火警戒レベルが1のままでも登山道の崩壊で区間が閉じることはありますし、その逆もありえます。確認は1か所で済ませず、それぞれの出どころで見ることになります。

想定火口域の周りで噴気の匂いや、見慣れない白い煙に気づいたら、写真を撮るために近づかず、その場を離れる方向に動いてください。発表文にある「噴気・火山ガス等に注意」は、レベル1の段階でも添えられている注意です。

編集部の見立て:火山の山で起きやすい失敗は、「前に調べたときはレベル1だった」という記憶で当日を迎えることです。記事やガイドブックに書かれたレベルは、書かれた日の値でしかありません。気象庁のページを開く作業は1分もかからないので、靴ひもを結ぶのと同じ出発前の手順に組み込んでしまうのが、いちばん確実だと考えています。

一気登山道(旗ノ台〜御嶽権現社〜山頂)|標高から登りの量を読む

歩いて山頂を目指す人がまず候補にするのが、一気登山道です。別府市の表記では「旗ノ台⇔御嶽権現神社⇔鶴見岳頂上」の区間で、2026年9月15日更新時点で「登山可能」とされています。途中にある御嶽権現社は火男火売神社(ほのおほのめじんじゃ)とも呼ばれ、別府市の文化財資料によると、その境内林は海抜760〜800mの範囲に広がっています。

この道には、公式の区間コースタイムも距離もありません。別府市の規制ページ、登山情報の図面、気象庁、ロープウェイ会社のどれにも載っていないので、この記事でも「何時間」とは書きません。その代わりに使えるのが、公式に出ている標高です。

地点 公式の標高 出典
鶴見岳(標高点) 1,375m 気象庁
別府ロープウェイ鶴見山上駅 1,300m 別府ロープウェイ
御嶽権現社(火男火売神社)の境内林 海抜760〜800m(範囲) 別府市の文化財資料
別府ロープウェイ高原駅 500m 別府ロープウェイ
旗ノ台・南平台・西登山口など 公式の一点標高は見当たらない

公式値どうしを差し引くと、境内林の760〜800mから山頂1,375mまでは約575〜615mの登りになります。ただし境内林の海抜は「範囲」で、登山口の一点の標高ではありません。一気登山道は旗ノ台から始まるので、旗ノ台から歩けば、神社までの登りがさらに上乗せされます。旗ノ台の標高は公式値が見当たらないため、ここは地図で自分で読むことになります。

読み方:標高差600m前後は、日帰りの山としては中くらいの量です。ただし一気登山道は下りも同じ道を使うのが基本で、登りで使った脚を、そのまま600m前後の下りに使うことになります。登りの量より、下りを最後まで同じ足取りで歩けるかで余裕が決まります。

所要時間は、自分のペースから出すしかありません。地図アプリに登山口と山頂を入れて表示される目安を見て、そこに自分が普段どのくらい上乗せしているかを足します。現地では道標の表示を優先してください。地図アプリの表示と道標の表示が合わないときは、長いほうで計画を組むと、後半で焦らずにすみます。

足回りは、この道の性格に合わせて考えます。600m前後を登り返しなしで上がり、同じ量を下る日帰りなので、重装備のブーツまでは必要とされにくい一方、足首まわりの支えと、濡れた土や石で滑りにくい靴底は欲しくなります。キャラバンのトレッキングシューズ「C1_02S」(型番0010106)は、日帰りの低山〜中級山岳を歩く人が最初の1足として選ぶことの多いモデルです。登山靴を持っておらず、スニーカーで一気登山道に入ろうとしている人に向きます。

「ロープウェイが通っている山だから道も整っているはず」とは考えないでください。一気登山道はロープウェイとは別の、自分の脚で歩く登山道です。ロープウェイの駅の設備や案内は、山頂駅から山頂までの区間の話であって、麓からの登山道の状態を保証するものではありません。

編集部の見立て:一気登山道は、この記事で紹介する道の中でいちばん素直な選択肢です。2026年9月15日更新時点で別府市が「登山可能」と書いていて、山頂までの間に「十分な注意が必要」の区間を挟みません。はじめて鶴見岳を歩いて登るなら、まずこの道で山の全体を知り、ほかの道はその次に考える順番がよいと考えています。

南登山道〜踊り石〜馬ノ背|「十分な注意が必要」の中身

一気登山道と同じ旗ノ台・御嶽権現神社から出発して、南登山道・踊り石・馬ノ背を経て山頂に至る道もあります。別府市はこの区間を、2026年9月15日更新時点で「十分な注意が必要」としています。「通行不能」でも「登山可能」でもない、その間の扱いです。

では、何に注意が必要なのか。別府市の本文ページには、区間の状況表記はあっても、具体的にどこがどう危ないかの説明までは書かれていません。手がかりになるのは、登山情報の図面の凡例です。凡例には「地割れ、亀裂箇所有、十分な注意が必要」という表現があります。本文ページの「十分な注意が必要」と同じ言葉が使われていますが、図のどの線がこの凡例なのかは、図を見て自分で読み取る必要があります。

この記事では、南登山道〜馬ノ背の区間に地割れや亀裂があると断定しません。凡例の言葉と本文の言葉が同じでも、線と凡例の対応は図の上でしか確かめられないからです。出発前に図面PDFを開き、自分の歩く線がどの凡例で描かれているかを確認してください。

もう1つ、馬ノ背から先の縦走に関わる大事な変化があります。馬ノ背⇔鞍ヶ戸⇔船底の旧ルートは、2026年9月15日更新時点で「登山道が崩壊し通行不能」です。昔の地図やガイドブック、古いブログの記録には、馬ノ背から鞍ヶ戸を越えて船底へ抜ける縦走が載っていることがあります。その線は、いまは崩壊していて通れない扱いです

代わりに別府市が「登山可能」としているのが、馬ノ背から西登山口方面へ迂回する新ルートです。旧ルートと新ルートは、紙の上では近くを通っていても、別の道です。分岐で道標をよく見ずに、昔の地図の線をたどってしまうと、崩壊した旧ルートに入り込むおそれがあります。

  • 手元の地図の発行年・更新日を見て、馬ノ背〜鞍ヶ戸〜船底が歩ける線として描かれていないか確かめた
  • 別府市の図面(R8.9更新)で、南登山道〜馬ノ背の線がどの凡例で描かれているかを見た
  • 馬ノ背で「旧ルート(通行不能)」と「迂回する新ルート(登山可能)」の分かれ方を、図面で把握した
  • 足元が崩れやすい区間を歩く前提で、両手を空けられる荷物の持ち方にした
  • 一気登山道で下りる選択肢を、途中の判断として残してある

この区間を歩くなら、下りの脚の負担を減らす道具も考えどころです。DABADA(ダバダ)のトレッキングポールは、SG承認品の軽量アルミ製で2本セットになっています。登りより下りで膝が先に疲れる人、足元の不安定な道で体のバランスを取る支えがほしい人に向きます。ただし手を使って体を支える場面では、ポールは短くしてザックにしまうほうが動きやすくなります。

「十分な注意が必要」という表記は、登山者に対する別府市の案内の言葉です。通行止めの規制とは性格が違いますが、だからといって「普通に歩ける」という意味にもなりません。行ける・行けないを決めるのは表記の強さではなく、その日の天候と、足元の状態を見て自分が引き返せるかどうかです。

編集部の見立て:南登山道〜馬ノ背の道を選ぶかどうかは、「一気登山道より面白そうか」ではなく、「崩壊した旧ルートとの分かれ目を、現地で迷わず見分けられるか」で決めるのがよいと考えています。雨のあと、霧で先が見えない日、午後遅くの時間帯は、分岐の見落としが起きやすい条件です。どれか1つでも重なったら、一気登山道に戻す判断を早めに出してよい区間です。

西登山口・南平台側と、船底〜内山〜塚原越

鶴見岳には、山頂から南平台を経て西登山口へ下りる道もあります。別府市の表記では「鶴見岳頂上⇔南平台⇔西登山口」で、2026年9月15日更新時点の扱いは「十分な注意が必要」です。一気登山道とは反対側から出入りする道なので、下山を別の方向に取りたい人や、ロープウェイを使わずに山を横切りたい人の候補になります。

西登山口側についても、公式の区間コースタイムと距離は公表されていません。西登山口そのものの標高にも公式値が見当たらないため、標高差も計算できません。この道は、現地の看板に表示されている時間を優先して計画を組む道です。地図アプリの目安は参考にとどめ、看板の表示と照らして長いほうを採ります。

通行状況(2026年9月15日更新) 計画のときに見るもの
一気登山道 登山可能 境内林760〜800mと山頂1,375mの差、下りの脚
南登山道〜馬ノ背 十分な注意が必要 図面の凡例、旧ルートとの分岐
山頂〜南平台〜西登山口 十分な注意が必要 現地の看板の表示時間、下山後の移動手段
馬ノ背から西登山口方面への迂回新ルート 登山可能 旧ルートとの分かれ方
船底〜内山〜塚原越 登山可能 どこから入ってどこへ下りるか

さらに北側には、船底⇔内山⇔塚原越の区間があり、こちらは「登山可能」です。ただし、この区間に鶴見岳の山頂側から入るための馬ノ背〜鞍ヶ戸〜船底の旧ルートは、先に書いたとおり「通行不能」です。昔のように鶴見岳の山頂から尾根づたいに船底・内山まで歩き通す計画は、2026年9月15日更新時点の表記では、そのままの線ではつながりません。

「船底〜内山〜塚原越は登山可能」と「馬ノ背〜鞍ヶ戸〜船底は通行不能」を1本の縦走路として混ぜて読まないでください。北側の区間が歩けることは、鶴見岳の山頂からそこまで歩いて行けることを意味しません。どこから入り、どこへ下りるかを、別府市の表の区間名で1本ずつつないで確かめてください。

西登山口に下りる計画では、下山後の足も考えておく必要があります。一気登山道の起点とは離れた場所に下りることになるため、車を旗ノ台側に置いてきた場合は、そこへ戻る手段がいります。公共交通の案内は、この記事で確認した公式情報の範囲では、ロープウェイ高原駅へのバスしか見つかっていません。西登山口からの移動手段は、出発前に地図とタクシー会社などで自分で確かめてください。

道の変化が多い区間を長く歩く日は、脚まわりの動きやすさも効いてきます。ラドウェザーのトレッキングパンツ(メンズ)は、登山専用のパンツをまだ持っておらず、綿のズボンやジーンズで歩こうとしている男性に向きます。綿は汗や雨で濡れると乾きにくく、脚の上げ下ろしも重くなるので、長く歩く日ほど差が出ます。

編集部の見立て:西登山口側の道は、山頂から「別の方向に下りたい」という希望をかなえてくれる一方で、下りたあとの移動と、看板だけが頼りの時間計算という2つの宿題を増やします。はじめての鶴見岳で両方を片づけるのは負担が大きいので、まず一気登山道かロープウェイで山を知ってから、2回目以降に組み込むくらいの位置づけがよいと考えています。

別府ロープウェイの使い方|登りだけ・下りだけ・山頂だけの3パターン

鶴見岳の計画を柔らかくしてくれるのが、別府ロープウェイです。公式サイトによると、ゴンドラは101人乗りで、線路長1,816m、高低差は約800m。標高500mの高原駅から、標高1,300mの鶴見山上駅までを約10分で結びます。運転間隔は20〜30分毎で、多客時は15分毎、または臨時増便になります(2026年9月17日確認)。

そして、別府ロープウェイ山頂駅⇔鶴見岳頂上の区間は、別府市の表記で2026年9月15日更新時点「登山可能」です。山上駅1,300mから山頂1,375mまでの差は約75mで、ここも公式の所要時間は書かれていません。ネット上には「約15〜20分」「15分」などの記載がありますが、いずれも公式の値ではなく、互いに一致もしていないため、この記事では使いません。現地の案内板の表示で確かめてください。

パターン 歩く標高差(公式値から) 時刻の締切になるもの 向く人・日
山頂だけ歩く(上り・下りとも乗る) 山上駅1,300m→山頂1,375mの約75mを往復 上り最終・下り最終 天候が読みにくい日、同行者の体力に差がある日
登りだけ歩き、下りに乗る 登山口から山頂まで(一気登山道なら境内林から約575〜615m+α) 下り最終 登りの脚はあるが、下りで膝を痛めやすい人
上りに乗り、下りを歩く 山頂から登山口まで下る 日没 登りの時間を短くして、景色を見る時間を取りたい人

「山頂だけ歩く」は、ロープウェイの上り最終と下り最終の両方が締切になります。夏季(3月15日〜11月14日)なら上り最終17:00・下り最終17:30、冬季(11月15日〜3月14日)なら上り最終16:30・下り最終17:00です。山上駅から山頂を往復して戻るまでの時間を、下り最終の前に収める計画になります。

「登りだけ歩いて下りに乗る」は、脚の負担がいちばん軽くなる組み合わせです。ただし、下り最終の時刻に間に合わなければ、そこから山頂の標高1,375m付近から麓まで歩いて下ることになります。このパターンは「乗れなかったとき」の下りを計画に含めて、はじめて成り立ちます。

ロープウェイで高原駅に下りたとき、そこが自分の車を置いた場所や、最初に歩き出した登山口と同じとは限りません。高原駅と旗ノ台・御嶽権現社の位置関係と、その間をどう移動するかは、地図で出発前に確認してください。

「上りに乗って下りを歩く」は、ロープウェイの時刻には縛られませんが、日没が締切になります。下りの所要時間は公式に書かれていないので、地図アプリや道標で自分のペースを出し、日没からさかのぼって山頂を離れる時刻を決めます。ロープウェイの時刻表で上りの時間を決めると、歩きの時間の余裕を忘れがちなので注意がいります。

下りを歩くパターンでは、脚の動きやすさと、途中で脱ぎ着する上着の置き場を考えておくと楽になります。コロンビアの「タイムトゥートレイルパンツ」(レディース)は、登山用のパンツを持っていない女性が、下りの長い日の最初の1本として選ぶのに向きます。膝の曲げ伸ばしが多い下りでは、生地の突っ張りが脚の疲れに直結しやすいためです。

秋にロープウェイを使って標高を稼ぐ山は、鶴見岳のほかにも各地にあります。山頂駅からどのくらい歩くか、その年の運行がいつまでかを並べて見たい人は、紅葉登山でロープウェイを使う山を7本並べた記事で、鶴見岳と性格の違う山を比べてみてください。

編集部の見立て:3つのパターンのうち、はじめての鶴見岳で計画が崩れにくいのは「登りだけ歩いて下りに乗る」だと考えています。ただしそれは、下り最終に間に合わなかったときの下りを、あらかじめ地図で確かめてある場合に限ります。ロープウェイを「保険」として使うなら、保険が使えなかったときの動きまで決めておく。そこまでやって、ようやくロープウェイが計画を楽にしてくれます。

下り最終便と日没から決める「山頂を離れる時刻」

公式のコースタイムが無い山では、「何時間で登れるか」から計画を組むことができません。そこで順番を逆にして、動かせない時刻から計画を作ります。鶴見岳で動かせない時刻は2つです。ロープウェイの下り最終と、日没です。

期間(公式) 営業時間 上り最終 下り最終
夏季 3月15日〜11月14日 9:00〜17:30 17:00 17:30
冬季 11月15日〜3月14日 9:00〜17:00 16:30 17:00

表は別府ロープウェイの料金・営業時間のページ(2026年9月17日確認)の値です。11月15日を境に、下り最終が17:30から17:00へ30分早まります。紅葉や霧氷を目当てに秋の終わりに行く人は、ちょうどこの切り替えをまたぐことになるので、行く日がどちらの期間に入るかを最初に確かめてください。営業時間は変更されることがあるため、出発前に公式ページ(https://www.beppu-ropeway.co.jp/price/)をもう一度開くのが前提です。

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下りをロープウェイに乗る日の式:山頂を離れる時刻 = 下り最終 − 山頂から山上駅までの所要(案内板で確認) − 便1本分の余裕(運転間隔20〜30分)。最終便ではなく、最終の1本前に乗るつもりで組むと、便の混雑や足元のもたつきを吸収できます。

余裕に「便1本分」を使う理由は、運転間隔が公式に出ている数字だからです。最終便だけを狙う計画は、何かひとつ遅れたときに逃げ場がありません。最終の1本前に乗る計画なら、遅れても最終便が受け皿になります。多客時は15分毎や臨時増便になることがありますが、それを当てにして計画を詰めるのは避けてください。

下りを歩く日は、締切が日没に変わります。日没の時刻は場所と日付で決まるので、国立天文台の暦計算などで、大分県別府市の出発日の日没時刻を調べます。そこから、山頂から登山口までの下りの所要(地図アプリと道標で自分のペースに直したもの)と、休憩や道迷いに備えた余裕を引いた時刻が、山頂を離れる締切になります。

日没は夏至を過ぎると日ごとに早まり、秋は特に変化が速くなります。月ごとに日没がどのくらい動くか、引き返す時刻をどう置くかの考え方は、秋に早まる日没から引き返し時刻を決める方法をまとめた記事で詳しく扱っています。九州は東京より日没が遅い傾向がありますが、別府の値は必ず別府で調べてください。

  1. 行く日がロープウェイの夏季・冬季のどちらかを確かめ、下り最終(17:30か17:00)を書き出す
  2. 別府市の出発日の日没時刻を調べ、下り最終と並べて書く
  3. 下りを「乗る」なら下り最終から、「歩く」なら日没から、所要と余裕を引いて「山頂を離れる時刻」を1つ決め、スマホのアラームに入れる

森の中の登山道は、日没の時刻より前に足元が暗くなります。計画上は明るいうちに下りる前提でも、予定が崩れたときのために明かりは持って行きます。Leproの充電式ヘッドライトは、USB-C充電で300ルーメンの高輝度LEDと公表されているモデルです。乾電池の買い置きを管理するのが面倒な人、スマホと同じケーブルで充電を済ませたい人に向きます。出発前夜に充電したかを、持ち物の確認に入れてください。

スマホのライトを明かりの代わりにしないでください。暗くなって地図アプリを見ながらライトとしても使うと、電池が急に減り、道を確かめる手段と照らす手段を同時に失います。

編集部の見立て:コースタイムが公表されていない山で、無理に「◯時間」という数字を探しに行くと、出どころの分からない値に計画を預けることになります。鶴見岳では、下り最終と日没という誰にとっても同じ時刻を先に置き、そこから引き算で山頂を離れる時刻を決めるほうが、ずっとぶれにくい計画になると考えています。アラームを1つ入れるだけで、判断を迷う時間がなくなります。

標高差約875mを歩いて登り、風の強い山頂から下る日の足回り・荷物・上着

ロープウェイ高原駅の標高500mから山頂の1,375mまでは、公式値を差し引くと約875mです。一気登山道を旗ノ台から歩けば、神社の境内林(760〜800m)から先だけで約575〜615m、そこに旗ノ台からの登りが加わります。そして山頂に立ったあとは、ロープウェイで下りるか、同じくらいの量を歩いて下ります。この章では、その1日に合わせた足回り・荷物・上着の選び方を整理します。

選ぶ基準は4つです。1つ目は、下りまで含めて足首を支えられるか。2つ目は、ロープウェイの時刻に合わせて山頂で脱ぎ着をするときに、上着をすぐ出し入れできるザックの容量か。3つ目は、雨と風の両方に備えられる上着があるか。4つ目は、汗をかく登りと、風にさらされる山頂の温度差に合わせて、重ね方を変えられるかです。商品名で選ぶより、この4つを自分の持ち物で埋められているかを先に確かめてください。

役割 候補(型番・公表スペック) 向く人
キャラバン C1 DL ミッドカット(0010122459) 下りまで歩く日の足首の支えを重視する人
ザック(小さめ) ドイター トレイル 30 日帰りで荷物を絞れる人
ザック(大きめ) ドイター フューチュラ Pro 40 上着・防寒着を多めに持つ秋冬の人
雨風の上着 ザ・ノース・フェイス クライムライトジャケット(ゴアテックス・防水透湿) 雨の可能性がある日にも行く人
風よけの上着 コロンビア ライトキャニオン ソフトシェルジャケット(PM0373) 晴れて風が強い日の行動中に羽織りたい人

靴から見ていきます。キャラバンの「C1 DL ミッドカット」(型番0010122459)は、名前のとおりくるぶしを覆うミッドカットの登山靴です。ロープウェイを使わずに往復を歩く人や、下りで足首をひねりやすい自覚がある人に向きます。すでにローカットの登山靴を持っていて、下りの長い日だけ足首の支えを足したい人の2足目にもなります。

次はザックです。ドイターの「トレイル 30」は容量30Lの登山用バックパックで、日帰りの荷物を絞れる人に向きます。ロープウェイで山頂付近まで上がり、上着1枚と水・行動食で足りる日なら、この大きさで出し入れの手間が少なく済みます。

ドイターの「フューチュラ Pro 40」は容量40Lの登山リュックです。霧氷の時期を狙って防寒着を重ねて持つ人、雨具と防寒着を両方入れても中身を圧迫したくない人に向きます。山頂で脱いだ上着を丸めて押し込むとき、容量に余裕があると動作が速くなります。

上着は2種類に分けて考えます。ザ・ノース・フェイスの「クライムライトジャケット」(メンズ)は、ゴアテックスを使った防水透湿で軽量をうたう雨具兼用のジャケットです。天気予報に雨のマークが少しでもある日に行く人、雨の中で下りを歩く可能性を残す人に向きます。

コロンビアの「ライトキャニオン ソフトシェルジャケット」(PM0373)は、雨具というより、行動中に風をさえぎるために羽織る上着です。晴れているのに山頂付近で風が強く、雨具を着るほどではない日に、脱ぎ着の回数を減らしたい人に向きます。雨が予想される日は、これとは別に防水の上着を持ってください。

ロープウェイで山上駅に着いた直後は、麓との気温差を体が感じにくいことがあります。高原駅500mと山上駅1,300mの間には約800mの高低差があり、約10分でその差を上がります。上着は駅の中で1枚羽織ってから外に出るくらいの順番が、体を冷やしにくくなります。

編集部の見立て:鶴見岳の装備は「ロープウェイがあるから軽くていい」と「歩いて登るから本格的に」の間で迷いやすい山です。判断の軸にしてほしいのは、下りをどうするかです。下りを歩く可能性が少しでもあるなら靴と上着は歩く人の装備に、ロープウェイで往復すると決めているなら上着を厚めに。持ち物を決めるのは、登り方ではなく下り方だと考えています。

雨・霧・強風の日とロープウェイ運休の日|計画をどこで切り替えるか

鶴見岳の計画には、切り替えの選択肢が多いという強みがあります。歩いて登る予定をロープウェイでの山頂散策に変える、下りを歩く予定をロープウェイに変える、あるいは山頂をあきらめて麓で引き返す。どれを選ぶかは、出発前・登山口・山頂の3か所で、見るものを決めておくと迷いにくくなります。

判断する場所 見るもの 切り替えの例
出発前(前夜・朝) 気象庁の噴火予報、別府市の区間表記、天気予報の雨・風、ロープウェイ公式の運行表示 雨や強風の予報なら、歩きの計画をやめてロープウェイでの山頂散策にする、または日を変える
登山口 足元の濡れ方、霧で先の見通しが利くか、歩き出す時刻 予定より遅れて歩き出すなら、南登山道をやめて一気登山道にする
山頂・山上駅 「山頂を離れる時刻」のアラーム、風と霧、ロープウェイの運行 下りを歩く予定でも、霧で道が見えにくければロープウェイで下りる

ロープウェイの運行状況は、別府ロープウェイの公式サイトのトップに表示が出ます。2026年9月17日に確認した時点では「運行中」の表示で、別府市の登山規制ページにも2026年9月15日更新時点で「平常運転」と書かれていました。どちらも「その時点の状態」を示すもので、当日の運行を約束するものではありません。当日の朝と、山頂に着いた時点の2回、運行表示を見ると考えておくと確実です。

「下りはロープウェイに乗るつもり」で登ったのに、山上駅に着いたら運休していた、という場面を必ず想定に入れてください。そのときは、山頂付近から麓まで歩いて下りることになり、締切は下り最終ではなく日没に変わります。登る前に、ロープウェイが使えない場合の下山路(一気登山道など、登山可能の表記の道)と、山頂を離れる時刻の2つ目のアラームを決めておきます。

霧の日は、道の見え方そのものが変わります。特に馬ノ背の周辺は、崩壊した旧ルートと迂回する新ルートの分かれ目があるため、見通しが利かない日に歩く区間としては不向きです。霧が出ている日や、出そうな予報の日は、「十分な注意が必要」の表記の区間を外し、「登山可能」の表記の区間だけで計画を組み直してください。

雨や霧の日に体を冷やす原因は、外からの雨より、登りでかいた汗が肌に残ることです。ミレーの「ドライナミック メッシュ」ショートスリーブ(メンズ)は、肌の上に着るメッシュ状のアンダーウェアで、汗をかいたあとの冷えを抑えたい人に向きます。登りで汗をかき、山頂の風で急に冷える、という鶴見岳の1日の温度差に悩む人の最初の1枚になります。

  • 天気予報で雨・強風の可能性を見て、歩く計画を続けるか、ロープウェイでの山頂散策にするかを前夜に決めた
  • ロープウェイの運休時に歩いて下りる道を、「登山可能」の表記の区間で決めてある
  • 霧の日は「十分な注意が必要」の区間を使わないと、同行者と事前に合意した
  • 山頂を離れる時刻のアラームを、ロープウェイ用と日没用の2つ入れた
  • 引き返したときに山頂に届かなくてもよいと、計画の段階で決めてある

編集部の見立て:鶴見岳でいちばんもったいないのは、切り替えの選択肢がたくさんあるのに、朝決めた計画にしがみついてしまうことです。ロープウェイという逃げ道がある山だからこそ、「今日は歩かずに山頂だけ見る」という判断を、負けではなく普通の選択として持っておいてほしいと考えています。切り替えの条件を前夜に決めておけば、現地で迷う時間はほとんど要りません。

霧氷が見られる時期と、山頂の寒さへの備え

鶴見岳の冬の見どころとしてよく挙がるのが、山頂付近の霧氷です。別府ロープウェイの公式サイトに2024年に掲載されたトピック記事によると、霧氷は11月〜4月に見られることがあり、気温が0℃以下で、山頂の気温が-4〜-5℃以下、北または北西の風が5m/s以上の日に多いと説明されています(2026年9月17日確認)。

時期の読み方:「11月〜4月」は、霧氷が見られることがある期間の目安であって、その期間ならいつでも見られるという意味ではありません。条件は気温と風の組み合わせで、同じ月でも日によって出たり出なかったりします。2026年の冬にいつ出るかは、この記事の時点では分かりません。

この説明を計画に使うなら、日付ではなく条件で待つことになります。天気予報で冷え込みが強く、北寄りの風が吹く日を狙い、当日はロープウェイ会社の発信や現地の情報を見て判断する、という形です。霧氷が出やすい条件の日は、言いかえると、山頂が氷点下で風の強い日です。見どころの条件と、体が冷える条件が重なっていることを忘れないでください。

霧氷・樹氷・雨氷の違いや、霧氷が消えてしまう条件を先に知っておくと、何時ごろ山頂にいればよいかの見当がつけやすくなります。霧氷と樹氷の違いを気象庁の定義から整理した記事で、狙い方の前提を押さえておくと計画が組みやすくなります。

霧氷の期間の前半、11月15日にはロープウェイが冬季の営業時間に切り替わります。冬季は上り最終16:30、下り最終17:00です。日没も秋より早くなっているので、歩いて下りる計画の締切は、夏の計画と同じ感覚では組めません。霧氷を見るために山頂で長く待つつもりなら、待つ時間の上限も「山頂を離れる時刻」から逆に決めておきます。

霧氷の時期に歩いて登る場合、登山道の凍結や積雪があるかは、この記事の出典では確認できていません。別府市の登山規制ページの区間表記と、当日の気温予報を見て、凍結の可能性がある日は歩きの計画を控え、ロープウェイでの山頂散策に切り替えることを考えてください。

ロープウェイで上がって山頂付近を歩くだけの日でも、止まって景色を見る時間が長いほど体は冷えます。コロンビアのフリースジャケット(メンズ)は、中間着として上着の下に重ねる防寒着です。雨具やソフトシェルは持っているけれど、その下に着る保温の1枚がない人に向きます。山頂で立ち止まる時間が長くなりそうな霧氷狙いの日に、ザックに入れておく1枚として考えてください。

秋の紅葉から冬の霧氷へ、鶴見岳は季節を変えて何度か通う山でもあります。紅葉の時期の山選び全体を九州の中で見ておきたいときは、九州の紅葉登山を標高から整理した記事で、鶴見岳以外の候補と見頃の考え方を並べて見ることができます。紅葉の見頃も年ごとに動くので、日付ではなく標高と気温で考えるのが基本です。

編集部の見立て:霧氷を目的にするなら、「見られなかったら山頂駅の周辺で引き上げる」という前提で行くのがよいと考えています。条件がそろう日はそもそも寒く風の強い日で、見られるかどうかも当日になるまで分かりません。見られた日は幸運、見られなかった日は下見。そう割り切ると、待ちすぎて締切を越える失敗を避けやすくなります。

登山口とロープウェイへのアクセス|バス・車

公共交通で鶴見岳を目指す場合、公式に案内が出ているのは別府ロープウェイ高原駅までのバスです。別府ロープウェイの公式アクセスページによると、JR別府駅の西口から亀の井バス(36番・湯布院線)で約20分、東口から観光快速「ゆふりん」(鉄輪経由)で約40分とされています(2026年9月17日確認)。

手段 公式の案内(2026年9月17日確認) 計画で自分で確かめること
路線バス JR別府駅西口から亀の井バス36番・湯布院線で約20分 出発日の時刻表、帰りの最終バス
観光快速 JR別府駅東口から「ゆふりん」(鉄輪経由)で約40分 運行日と帰りの便
東九州自動車道 別府ICから県道11号線で約5分 停める場所と、下山地点から車に戻る方法

バスで行く場合、帰りの時刻が計画のもう1つの締切になります。ロープウェイの下り最終に乗れても、高原駅からの帰りのバスが無ければ別府駅に戻れません。バスの時刻は季節や曜日で変わることがあるので、亀の井バスの時刻表を出発前に開き、高原駅から別府駅方面への最終便を書き出してください。山頂を離れる時刻は、ロープウェイの下り最終だけでなく、その先のバスからも引き算で決まります

一気登山道の起点になる旗ノ台や、御嶽権現社への公共交通は、この記事で確認した公式情報の範囲では案内が見つかっていません(2026年9月17日時点)。バスを使って歩いて登りたい人は、高原駅から登山口までどう移動するか、あるいはタクシーを使うかを、地図とタクシー会社への問い合わせで出発前に決めておく必要があります。

御嶽権現社の周辺に登山者が停められる駐車場があるか、何台停められるかは、公式の一次情報で見つかっていません。神社の境内や参拝者向けの場所に、登山のために長時間車を置いてよいかも確認できていないため、この記事では「停めてよい」とは書きません。現地の表示に従い、路上や路肩には停めないでください。

車で行く場合、別府市の登山規制ページには、鶴見岳内の林道について「登山可能。大型車両の通行に注意」と書かれています(2026年9月15日更新)。林道を歩いて登山口に向かう人は、後ろから来る大型車に気づけるよう、イヤホンをつけずに歩く、道の端を1列で歩くといった基本を守ってください。車で林道に入る人は、大型車とのすれ違いを前提に速度を落とします。

車で行って下山地点を変える計画(たとえば一気登山道で登り、ロープウェイで高原駅に下りる)は、車に戻る移動が抜けやすい計画です。下山地点と車の位置が違うときは、その間の移動をバス・タクシー・徒歩のどれにするかを、出発前に1行で書いておくと当日慌てません。

編集部の見立て:鶴見岳は別府駅からの近さが魅力ですが、近いからこそ「帰りはどうにかなる」と考えてしまいがちです。ロープウェイの下り最終、帰りのバス、日没。この3つのうち、いちばん早い時刻がその日の本当の締切になります。バスで行く人ほど、登る前に3つを並べて書き出しておくのがよいと考えています。

由布岳・九重とのつながりと、下山後の別府温泉の組み立て

鶴見岳の西側には、同じく別府・由布院のあいだにそびえる由布岳が並んでいます。どちらも別府湾側から見える山で、別府に滞在して2つの山を日を分けて歩く計画を立てる人も少なくありません。ただし、2つの山は登り方の性格がかなり違います。鶴見岳はロープウェイという逃げ道がある山、由布岳は自分の脚で登って下りる山です。

由布岳の正面登山口からの登り方と、最終バスから決める下山の締切は、由布岳の登り方と下山の締切をまとめた記事で扱っています。西峰と東峰のお鉢巡りをするかどうかは、同じく由布岳のお鉢巡りの記事で判断材料を並べています。鶴見岳と同じ週に歩くなら、先に由布岳の計画の締切を確かめておくと、日程の順番が決めやすくなります。

鶴見岳と由布岳を同じ日に両方歩く計画は、この記事ではすすめません。鶴見岳の北側の縦走路は、馬ノ背⇔鞍ヶ戸⇔船底の旧ルートが2026年9月15日更新時点で「通行不能」になっており、山頂から尾根づたいに北へ歩き通す線がつながっていないためです。2つの山は、日を分けて、それぞれの山の締切で計画するのが無理のない組み方です。

さらに足をのばして九重連山を組み合わせる人もいます。九重は別府からさらに内陸に入り、登山口の標高も山の規模も鶴見岳とは違います。九重連山の登り方と入口の違いをまとめた記事で、鶴見岳との性格の違いを確かめてから、どちらを先に歩くかを決めてください。

組み合わせ 計画の考え方 見落としやすい点
鶴見岳+下山後の別府温泉 山頂を離れる時刻を決め、その先に温泉の時間を置く 温泉の営業終了時刻、帰りのバス
鶴見岳と由布岳を別日に それぞれの山の締切で1日ずつ組む 前日の疲れ、天気の良い日をどちらに使うか
鶴見岳と九重を別日に 移動時間を含めて日程を分ける 九重側の入山情報を別に確認すること

下山後の楽しみといえば、別府温泉です。温泉を計画に入れるときも、順番は変わりません。まず山頂を離れる時刻を決め、下山してから温泉までの移動、入浴時間、そこから宿や駅までの帰りの足を後ろに並べます。温泉は締切の後ろに置くもので、温泉の時間に合わせて下山を急ぐ計画にはしないのが、足元の事故を減らす組み方です。

下山直後の入浴は、脱水や疲れで体調を崩しやすいタイミングです。水分をとって少し休んでから湯に入る、長湯をしない、といった基本を守ってください。立ち寄る温泉施設の営業時間と、入浴後の帰りのバスの時刻は、施設とバス会社の公式情報で出発前に確かめます。

別府には温泉施設が多く、選び方しだいで下山後の動きが大きく変わります。どの段取りで温泉を組み込むか、着替えや荷物をどう分けるかは、下山後の温泉を段取りから組み立てる記事で整理しています。鶴見岳の場合は、ロープウェイで高原駅に下りるのか、登山口に歩いて下りるのかで、温泉までの移動がまったく変わる点を加えて考えてください。

編集部の見立て:別府という土地は、山と温泉と街が近すぎるせいで、予定を詰め込みたくなる場所です。鶴見岳、由布岳、温泉を1日に全部入れようとすると、どれかの締切が必ず犠牲になります。山は1日に1つ、温泉は締切の後ろ。この2つだけ守れば、別府の滞在はずっと組みやすくなると考えています。

よくある質問

Q. 鶴見岳の登山道は今、歩けますか?

別府市の登山規制ページ(2026年9月15日更新)では、一気登山道(旗ノ台⇔御嶽権現神社⇔鶴見岳頂上)と、ロープウェイ山頂駅⇔鶴見岳頂上は「登山可能」です。南登山道〜馬ノ背の道と、山頂〜南平台〜西登山口は「十分な注意が必要」、馬ノ背⇔鞍ヶ戸⇔船底の旧ルートは「登山道が崩壊し通行不能」です。状況は変わるので、出発前に別府市のページで更新日と表記を確かめてください。

Q. 一気登山道で山頂まで何時間かかりますか?

別府市・気象庁・ロープウェイ会社のいずれにも、公式の区間コースタイムと距離は公表されていません。公式値から分かるのは、御嶽権現社の境内林(海抜760〜800m)から山頂1,375mまで約575〜615mの登りがあることです。所要時間は地図アプリの目安を自分のペースに直し、現地の道標の表示を優先して決めてください。

編集部の見立て:「何時間ですか」という質問に数字で答えられないのは不親切に見えるかもしれません。それでも、出どころの違う数字を並べて答えるより、「公式の数字は無い」とはっきり書くほうが、読んだ人が自分で時間を出す動機になると考えています。

Q. 鶴見岳は噴火の心配はありますか?

鶴見岳は伽藍岳とあわせて、気象庁が常時観測火山として監視している活火山です。2026年8月9日10:00発表の噴火予報では噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)で、想定火口域内では噴気・火山ガス等への注意が書かれています。レベルは変わることがあるので、出発前に気象庁の「鶴見岳・伽藍岳」のページで最新の発表を確認してください。

Q. ロープウェイの最終便は何時ですか?

別府ロープウェイの公式ページ(2026年9月17日確認)によると、夏季(3月15日〜11月14日)は上り最終17:00・下り最終17:30、冬季(11月15日〜3月14日)は上り最終16:30・下り最終17:00です。運転間隔は20〜30分毎なので、最終の1本前に乗るつもりで山頂を離れる時刻を決めると余裕が生まれます。

Q. 霧氷はいつ見られますか?

別府ロープウェイの公式トピック(2024年掲載)では、11月〜4月に見られることがあり、気温0℃以下、山頂で-4〜-5℃以下、北または北西の風5m/s以上の日に多いと説明されています。これは時期と条件の目安で、2026年の冬にいつ出るかを示すものではありません。

編集部の見立て:霧氷の質問には、つい「◯月ごろが見頃」と答えたくなります。けれど霧氷は日付より条件で出るものなので、寒さと風の予報を見て「今日は出るかもしれない」と考える習慣のほうが、実際に出会う確率を上げてくれると考えています。

まとめ:今日やることは1つ

鶴見岳は、区間ごとに通行状況が違い、活火山として監視され、公式のコースタイムが無い山です。そのかわりに、別府市の区間表記、気象庁の噴火予報、ロープウェイの最終便という、はっきりした公式の情報がそろっています。計画はその3つを先に置き、所要時間は自分のペースで埋めていく順番で組みます。

編集部の見立て:この記事でいちばん持ち帰ってほしいのは、「どの道か」「レベルはいくつか」「何時に山頂を離れるか」の3つを、出発前に文字で書き出すことです。どれも公式のページを開けば数分で分かることで、書き出してあるかどうかで、現地で迷う回数が大きく変わります。

今日やることは1つだけです。行く予定の日を決めたら、別府市の登山規制ページと気象庁の「鶴見岳・伽藍岳」のページを開き、歩く区間の表記と噴火警戒レベルをメモに書き写してください。そこまで済めば、あとは下り最終と日没から時刻を引き算するだけです。

  1. 別府市の登山規制ページで、歩く区間が「登山可能」「十分な注意が必要」「通行不能」のどれかを確かめ、更新日と一緒にメモする
  2. 気象庁の「鶴見岳・伽藍岳」のページで、最新の噴火予報・噴火警報の発表日時とレベルを確かめる(前夜と当日朝の2回)
  3. ロープウェイの夏季・冬季の下り最終と、別府市の日没時刻を並べ、「山頂を離れる時刻」を1つ決めてスマホのアラームに入れる

編集部の見立て:ロープウェイのある山は、計画の失敗を取り返しやすい山でもあります。取り返しやすいからこそ、締切だけは先に決めて守る。それさえできていれば、鶴見岳は天気や体調に合わせて何通りにも楽しみ方を変えられる山だと考えています。

出典

  • 別府市「鶴見岳登山規制」 https://www.city.beppu.oita.jp/sangyou/nourinsuisan/tozankisei.html (2026年9月15日更新・2026年9月17日確認)
  • 別府市「鶴見岳登山情報図面」(PDF・R8.9更新) https://www.city.beppu.oita.jp/doc/sangyou/nourinsuisan/tozankisei/map.pdf (2026年9月17日確認)
  • 気象庁「鶴見岳・伽藍岳」 https://ds.data.jma.go.jp/vois/data/fukuoka/513_Tsurumidake_Garandake/513_index.html (2026年9月17日確認)
  • 気象庁「鶴見岳・伽藍岳の噴火予報(2026年8月9日10:00発表)」 https://www.data.jma.go.jp/vois/data/report/volinfo/VK20260809100000_513.html (2026年9月17日確認)
  • 別府市 指定文化財資料(御嶽権現社社叢) https://www.city.beppu.oita.jp/doc/gakusyuu/bunkazai/shiteibunkazai/57.pdf (2026年9月17日確認)
  • 別府ロープウェイ「施設案内」 https://www.beppu-ropeway.co.jp/facilities/ (2026年9月17日確認)
  • 別府ロープウェイ「料金・営業時間」 https://www.beppu-ropeway.co.jp/price/ (2026年9月17日確認)
  • 別府ロープウェイ「アクセス」 https://www.beppu-ropeway.co.jp/access/ (2026年9月17日確認)
  • 別府ロープウェイ トピックス(霧氷) https://www.beppu-ropeway.co.jp/topics/detail.php?id=202411280901266609 (2026年9月17日確認)

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