【2026年】アークテリクスの登山ウェアの選び方|ベータ・アトムの記号と重ね方を公表重量で比較

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日帰りの低山から残雪期の稜線までを1着で見るなら、アークテリクス公式が「最もオールラウンドなGORE-TEXシェル」とするベータ ジャケット(公表375g)が基準になります。冬の稜線や雪山入門でヘルメットや強風まで想定するならヘルメット対応フードのベータ AR(460g)、軽さを優先するならベータ SL(340g)が候補です。中間着は動き続ける日にアトム SL フーディ(280g)、休憩が長い日や冬の湿った日にアトム フーディ(355g)、ザックは日帰りの低山でマンティス 26、山小屋泊や冬の日帰りで荷が増えるならエアリオス 35という順で考えると、重さの合計を見ながら決められます。

アークテリクスの品名は、後ろに付く記号で性格が分かるように作られています。AR・SV・SL・LTの意味は公式の命名ガイドで決まっていて、記号を読めば重さ・生地の厚さ・想定する天候の違いがおおよそつかめます。

もう1つの手がかりは公表重量です。シェルと中間着の重さは足し算できるので、組み合わせを山の条件ごとに並べると「その日に何グラムを着て、何グラムをザックに入れるか」を数字で比べられます。

選ぶ軸は、風の強さ・休憩の長さ・ヘルメットの有無・荷物の量の4つです。ブランドの格や人気ではなく、自分が歩く山の条件から逆算して決めていきます。

  • AR=All Round、SV=Severe Weather、SL=Superlight、LT=Lightweight という公式の命名の意味と、記号から読める重さ・生地の差
  • ベータ4型(SL 340g・無印 375g・AR 460g・SV 480g)の生地・GORE-TEXの種類・フードの違い
  • アトム SL(Coreloft 40gsm・ボディのみ)とアトム(Coreloft 60)を「動く日」と「止まる日」で分ける考え方
  • 秋〜初冬の低山・風の強い稜線・雪山入門の3条件で、10アイテムを◎○△で判定した表
  • シェル×中間着×風よけの組み合わせ9通りと、公表重量の合計(490g〜970g)
  • マンティス 16・26とエアリオス 18・35の重さ・寸法・背面構造の違い
  • ReBIRD 10年保証の対象条件と、並行輸入品が対象外と明記されていること

選ぶ軸は「風・休憩の長さ・ヘルメット・荷物の量」の4つ

以下の重さ・素材・フィットはすべて日本公式の商品ページの表示(メンズ、2026年10月31日確認。現行品であることは2026年11月5日確認)で、サイズや色による差は含みません。◎○△の判定と組み合わせは、公式の説明と素材表示をもとにした編集部の判定で、メーカーの用途表示とは別のものです。耐水圧・透湿度や、何℃まで着られるかといった数値は公式の商品ページに載っていません。

アークテリクスのウェアは型が多く、品名だけを見比べても違いがつかみにくい作りです。そこで先に、自分の山行がどの条件に当たるかを4つの問いで決めておくと、候補が2〜3着まで絞れます。

  • 風:森林限界より上や、遮るもののない稜線を歩くか。風を受ける時間が長いほど、シェルとフードの仕様が効いてきます
  • 休憩の長さ:歩き続ける行程か、山頂や小屋の前で長く止まる行程か。止まる時間が長いほど、中間着に厚みを持たせる側になります
  • ヘルメット:岩場や雪山でヘルメットをかぶるか。かぶるならフードが「ヘルメット対応」の型から選びます
  • 荷物の量:日帰りか、山小屋泊か、冬で防寒着が増えるか。ザックの容量と背面の構造はここで決まります

4つのうち「風」と「ヘルメット」はシェルを、「休憩の長さ」は中間着を、「荷物の量」はザックを決める問いです。答えが軽い側にそろう人は SL や無印の型で足り、重い側にそろう人ほど AR・SV の記号が付いた型に寄っていきます。

品名の格や知名度で上から選ぶと、低山の日帰りに雪山用のシェルを着ることになりがちです。山の条件を先に書き出してから品名を見る順番のほうが、重さの面でも無駄が出にくいと考えています。

名前の後ろの記号を読めば、重さと想定する天候がおおよそ分かる

アークテリクスの公式の命名ガイドでは、品名の後ろに付く修飾語の意味が決まっています。同じ「ベータ」でも、記号が変わると生地・重さ・フードの仕様が変わる、という関係です。

記号 公式の意味 比べるモデル(公表重量) 公表値で見える違い
(記号なし) 修飾語の付かない型 ベータ 375g/アトム 355g ベータは80デニール 3層 GORE-TEX ePE。公式は「最もオールラウンドなGORE-TEXシェル」
AR All Round ベータ AR 460g ヨークと腕に高耐久の GORE-TEX PRO ePE、ボディは軽量版。ヘルメット対応 Drop Hood・ピットジッパー
SV Severe Weather ベータ SV 480g/アトム SV 490g ベータ SV は100デニール 3層 GORE-TEX PRO ePE・両開きファスナー。アトム SV は Coreloft 120
SL Superlight ベータ SL 340g/アトム SL 280g ベータ SL は40×70デニールでベータ最軽量。アトム SL は保温材がボディのみ
LT Lightweight — 軽量版を示す記号。下の比較表のモデルには付いていない

記号の前に来る系統名にも、公式の区分があります。アルファはクライミングやアルパイン向け、ベータは幅広い山岳環境向け、ガンマはソフトシェル系、デルタはフリース系です。アトムは化繊の保温材 Coreloft を入れた中間着、スコーミッシュは Tyono 30 という薄い生地の風よけとして、それぞれ商品ページに仕様が載っています。

系統名で「何をする服か」、記号で「どの程度の天候まで見るか」が分かる、と覚えておくと品名の並びが読みやすくなります。ベータ=防水シェル、アトム=化繊の中間着、スコーミッシュ=風よけ、という3つの役割を押さえておけば、次の比較表も追いやすいはずです。

この3つのうち、出番の判断が難しいのが風よけです。晴れていても稜線で風が抜ける時間や、樹林を出た直後の休憩では、雨具を出すほどではないのに半袖のままだと落ち着かない、という場面が生まれます。登山用ウィンドブレーカーの選び方で整理しているとおり、こうした時間を受け持つのが薄手の風よけです。

スコーミッシュ フーディ(X000010276)は公表150g・トリムフィットで、胸ポケットに本体を収納できます。公式の説明は「Tシャツの上に羽織ったり、フリースと重ね着したり」という軽量レイヤーで、雨具を出すほどではない風の時間に羽織る1枚という位置づけです。生地の撥水は FC0 DWR で、公式が示すのは風と寒さへの保護であり、防水のシェルではありません。

スコーミッシュとデルタの公式の活動表示はアルパインクライミングで、ハイキングでの使い方は編集部の判定です。とくにスコーミッシュは防水ではないため、雨や雪が予報に入る日は、防水シェルを別に持つ前提で考えてください。

シェルはベータが基準、冬と強風はAR、軽さを取るならSL

ベータの4型は、生地の厚さとGORE-TEXの種類、フードの仕様で分かれます。公式の用途表示はどれも「登山・ハイキング」なので、違いを読むには公表値を横に並べるのが早道です。

モデル(メンズ) 公表重量 生地 フード・開閉 フィット/公式の説明
ベータ SL
X000010854
340g 40×70デニール 3層 GORE-TEX ePE・C-KNIT裏地 ヘルメット対応 StormHood・ピットジッパー・RECCO トリム/ベータ最軽量
ベータ
X000010878
375g 80デニール 3層 GORE-TEX ePE・C-KNIT裏地 StormHood・RECCO レギュラー/最もオールラウンドなGORE-TEXシェル
ベータ AR
X000011062
460g ヨークと腕に GORE-TEX PRO ePE、ボディは軽量版 ヘルメット対応 Drop Hood・ピットジッパー レギュラー/雪・みぞれ・山頂の強風に耐えるハイブリッド構造
ベータ SV
X000011022
480g 100デニール 3層 GORE-TEX PRO ePE ヘルメット対応 StormHood・両開きファスナー レギュラー/雪・風・豪雨への保護、高山のハイキング

SL から SV までの重さの差は140gで、生地は40×70デニールから100デニールまで厚くなります。GORE-TEX の公式の説明では、ePE は expanded polyethylene(ポリエチレンの延伸膜)で、公式の「PFASフリー」はPFASを意図的に添加していないという意味だと書かれています(微量の残留の可能性は注記されています)。PRO は表地・膜・裏地の3層で、過酷な環境向けの高耐久の保護という位置づけです。

シェルの選び分け:秋〜初冬の低山で雨と風をしのげればよいなら SL か無印、森林限界より上で風を受ける時間が長いなら無印、冬の稜線でヘルメットをかぶるなら AR です。記号が重くなるほど、低山の日帰りでは仕様が余る側に回ります。

ベータ SV は、公式が高山のハイキングや寒い日のクライミング向けとしている型です。100デニールの生地と両開きファスナーは雪や岩との擦れまで見た仕様なので、低山の日帰りでは重さと仕様が過剰に感じられる場合があります。反対にベータ SL は薄手の生地で、冬の岩や雪面との擦れは想定の外にあります。

裏地の C-KNIT は、アークテリクス公式の商品ページに名称の記載がある裏地です。性質の詳しい説明は GORE-TEX 公式のページで確かめてください。レインウェアとハードシェルの線引きそのものに迷う場合は、登山のハードシェルとレインウェアの違いを先に読むと、ベータがどちら側の道具かがはっきりします。

1着だけ選ぶなら、無印のベータから考え始めるのが筋だと見ています。SL との差は35gで、AR との差は85g。この幅の中で、ヘルメットをかぶる日があるかどうかが分かれ目になります。

中間着は、動き続ける日はアトム SL、止まる時間が長い日はアトム

シェルの下に着る中間着は、保温材の量と、保温材がどこに入っているかで性格が分かれます。アトム系のほかに、フリースのデルタ、ソフトシェルのガンマ、風よけのスコーミッシュも重ね方の候補になります。

モデル(メンズ) 公表重量 素材表示 フィット 公式の説明の要点
スコーミッシュ フーディ
X000010276
150g Tyono 30・FC0 DWR・胸ポケットに収納 トリム Tシャツやフリースに重ねる軽量レイヤー
デルタ ジャケット
X000009165
240g Octa フリース 122gsm トリム フリース系の中間着
アトム SL フーディ
X000009560
280g Coreloft ストレッチ 40gsm(ボディのみ)・Octa サイドパネル トリム 山岳では防水シェルの下に重ねる
アトム フーディ
X000009556
355g Coreloft 60 トリム 風の強い山頂や冷える森林で一枚、冬の湿潤な環境ではミッドレイヤー
ガンマ フーディ
X000009905
465g Fortius DW 2.0・起毛裏地・ヘルメット対応 StormHood レギュラー ソフトシェル系
アトム SV フーディ
X000009902
490g Coreloft 120・ヘルメット対応 レギュラー 保温性が最重要の環境向け、ハードシェルの下にも着られる

アトム SL の保温材はボディにだけ入っていて、袖とフードには入っていません。腕を振って歩き続ける日に、胴まわりだけを覆う設計と読めます。アトムは Coreloft 60 が全体に入り、公式は風の強い山頂では一枚で、冬の湿潤な環境ではミッドレイヤーとして着る説明をしています。

Coreloft の量は 40gsm・60・120 と公式に表示されていますが、何℃まで使えるかの目安は載っていません。そのため、行動中に暑くなる日と、休憩で冷える日とで着るものを分けて考えるのが現実的です。中間着の素材ごとの違いは登山のミドルレイヤーの選び方で、フリース・化繊・ダウンを公表重量で並べています。

ガンマはヘルメット対応フードの付いたソフトシェルですが、防水シェルの代わりにはなりません。スコーミッシュも同じで、雨や雪の予報がある日はベータ系のシェルを別に持つ組み合わせで考えてください。

アトム SV は数字だけ見ると頼もしいのですが、動いている間に着たままにすると持て余す人も出てくる厚さです。動く時間と止まる時間のどちらが長い山行かを先に決めてから手を伸ばす型だと思います。

山の条件ごとの判定と、重ねたときの公表重量の合計

ここまでの公表値を、秋〜初冬の低山の日帰り、風の強い稜線(森林限界より上)、雪山入門(冬の八ヶ岳の小屋泊程度)の3条件に当てはめたのが次の表です。◎は公式の説明・仕様が想定する環境と一致、○は使える範囲だが条件付き、△は想定の外で補う物が要る、という意味です。

アイテム 秋〜初冬の低山 風の強い稜線 雪山入門 理由(素材表示・公式の説明)
ベータ SL 340g ◎ ○ △ 40×70デニールの軽量生地・ヘルメット対応フード。冬の岩・雪面との擦れは想定外
ベータ 375g ◎ ◎ ○ 80デニール・GORE-TEX ePE。雪山入門は中間着との組み合わせで成立
ベータ AR 460g ○ ◎ ◎ PRO ePE を擦れやすい部分に配置、ヘルメット対応 Drop Hood。低山には仕様が余る
ベータ SV 480g △ ◎ ◎ 100デニール・PRO ePE・両開き。低山の日帰りには重さと仕様が過剰
アトム SL 280g ◎ ○ ○ 40gsm・ボディのみ。休憩が長い日は単体では不足の可能性
アトム 355g ○ ◎ ◎ Coreloft 60。風の強い山頂では一枚、冬の湿潤な環境では中間着
アトム SV 490g △ ○ ◎ Coreloft 120。動く間の暑さとの釣り合いには個人差、重さも増える
スコーミッシュ 150g ○ ○(単体では△) △ Tyono 30 の風よけ。防水ではないため雨雪には防水シェルが別に要る
ガンマ 465g ○ ○ ○ ソフトシェル系・ヘルメット対応フード。防水シェルの代わりではない
デルタ 240g ○ △ △ Octa フリース 122gsm の中間着。風の強い場所ではシェルの下に重ねる

判定表で◎が3つそろう型は1つもありません。どの1着も万能ではないので、シェルと中間着の組み合わせで条件の幅を埋める、という考え方になります。

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組み合わせを決めるときに効くのが、公表重量の足し算です。シェル・中間着・風よけを条件ごとに組み、メンズの公表値を単純に合計すると次のようになります(サイズ・色による差は含みません)。

条件 シェル 中間着 風よけ 合計
秋の低山・最小構成 ベータ SL 340g — スコーミッシュ 150g 490g
風の強い稜線・防水+フリース ベータ 375g デルタ 240g — 615g
秋の低山・動く日(軽量) ベータ SL 340g アトム SL 280g — 620g
低山〜残雪期の稜線(標準) ベータ 375g アトム SL 280g — 655g
稜線・休憩が長い日 ベータ 375g アトム 355g — 730g
風の強い稜線・風よけを足す ベータ 375g アトム SL 280g スコーミッシュ 150g 805g
冬の稜線・ヘルメットを使う ベータ AR 460g アトム 355g — 815g
雪山入門(冬の八ヶ岳の小屋泊程度) ベータ AR 460g アトム SV 490g — 950g
悪天・高山の重装備側 ベータ SV 480g アトム SV 490g — 970g
条件ごとに選ぶアークテリクスの重ね方。左に山の条件、右にシェル+中間着と公表重量の合計を並べた対応表の図解。秋の低山・動く日=ベータ SL+アトム SL=620g/低山〜残雪期の稜線=ベータ+アトム SL=655g/稜線で休憩が長い日=ベータ+アトム=730g/冬の稜線・ヘルメット=ベータ AR+アトム=815g/雪山入門の小屋泊=ベータ AR+アトム SV=950g。図の下部に「アークテリクス日本公式の公表重量(メンズ)の合計(2026年11月5日確認)」と注記。
条件ごとに選ぶアークテリクスの重ね方。左に山の条件、右にシェル+中間着と公表重量の合計を並べた対応表の図解。秋の低山・動く日=ベータ SL+アトム SL=620g/低山〜残雪期の稜線=ベータ+アトム SL=655g/稜線で休憩が長い日=ベータ+アトム=730g/冬の稜線・ヘルメット=ベータ AR+アトム=815g/雪山入門の小屋泊=ベータ AR+アトム SV=950g。図の下部に「アークテリクス日本公式の公表重量(メンズ)の合計(2026年11月5日確認)」と注記。

最小構成の490gから重装備側の970gまで、差はほぼ2倍です。標準の655gを起点にすると、中間着をアトムに替えて+75g、シェルを AR に替えるとさらに+85g、という刻みで重くなります。荷物の重さを先に決めたい人は、この刻みから逆算すると組み合わせを選びやすくなります。

どの段を選ぶかの手がかりには、気温と標高の関係が使えます。気象庁の用語解説では、気温は標高100mごとに通常0.5〜1℃下がるとされています。麓と稜線の標高差が1,000mなら、麓の予報より5〜10℃低い見込みになる計算なので、幅を持たせて重ね方の段を決めてください。風の強さの目安は登山のレイヤリングの考え方とあわせて見ると、どの層をいつ着るかまで整理できます。

重ね方の物差し:まず標準の「ベータ+アトム SL=655g」を置き、止まる時間が長ければ中間着を、風とヘルメットの条件が重ければシェルを1段ずつ上げます。上げるのはどちらか片方ずつにすると、重さの増え方を見失いません。

この表に入っていないのが、シェルと中間着のさらに下、肌に触れる1枚です。アークテリクスのシェルや中間着の下で汗を肌から離す肌着として、ファイントラックのドライレイヤーベーシックT(FUM0422)があります。公式の説明では、肌に直接着用し、上に重ねた吸汗速乾ウエアへ汗を移す役割の1枚です。重ね方の順番はファイントラックのドライレイヤーの仕組みで詳しく扱っています。

上半身のウェアだけでは、冬の山の装備はそろいません。組み合わせ表の外にある物は、別に数えておく必要があります。

  • 手袋・帽子・ネックゲーター:冬の稜線では濡れたときの手袋の予備と、ヘルメットの下にも入る薄手の帽子を基準に選ぶ
  • 下半身:レインパンツかシェルパンツ。サイドジッパーの有無と、ブーツを履いたまま脱ぎ着できるかを確かめる
  • 雪山入門の装備:アイゼン・ピッケル・ヘルメット・ゴーグルはウェアとは別に要る

シェル2着と中間着2着は、山の条件で1着ずつ選ぶ

判定表と組み合わせの合計から、候補になるのはシェル2着・中間着2着です。シェルは「1着で低山から残雪期の稜線まで」か「冬の稜線と強風まで」かで選び、中間着は「動き続けるか」「止まる時間が長いか」で選びます。ヘルメットをかぶる日があるならシェルは AR 側、ないなら無印のベータで足りる、というのが最初の分かれ目です。中間着は2着とも同じトリムフィットなので、違いは保温材の量と入っている場所になります。合計の重さは、前の表の655g・730g・815gのどれに近いかで見てください。

ベータ ジャケット(X000010004)は、80デニール 3層 GORE-TEX ePE・公表375g・レギュラーフィットで、公式が「最もオールラウンドなGORE-TEXシェル」とする型です。1着で日帰りの低山から残雪期の稜線までを見たい人の基準になります。

ベータ AR ジャケット(X000011062)は、ヨークと腕に GORE-TEX PRO ePE を使い、ヘルメット対応フードとピットジッパーを備えた公表460gの型です。冬の稜線や雪、強風まで見る人、ヘルメットをかぶる山に行く人に向きます。

アトム SL フーディ(X000009560)は、Coreloft 40gsm をボディだけに入れた公表280g・トリムフィットの中間着です。公式は山岳では防水シェルの下に重ねると説明しており、動き続ける日にシェルの下へ着る人に向きます。

アトム フーディ(X000009556)は Coreloft 60・公表355g・トリムフィットです。公式は風の強い山頂では一枚、冬の湿潤な環境ではミッドレイヤーとしており、休憩が長い日や冬の湿った日まで見る人に向きます。

シェルと中間着を同時にそろえる必要はありません。今あるフリースや化繊の中間着を活かすなら、先にシェルを決め、中間着は手持ちで足りない条件が出てから足すほうが重複を避けやすいはずです。

ザックは日帰りならマンティス 26、荷が増える日はエアリオス 35

アークテリクスの現行のハイキング用ザックは、マンティス 16・26と、エアリオス 18・35です。容量の差に加えて、背面の構造とフィットの調整の仕方が違います。

モデル 公表重量 容量・寸法 背面・開口・ハーネス
マンティス 16
X000010636
700g 高45×幅26×奥行17cm フレームシート・パッド入りバックパネル・取り外せるウエストベルト
マンティス 26
X000009825
840g 高47.5×幅27.5×奥行25cm フレームシートとアルミ製ステイ・ドローブリッジ方式の開口
エアリオス 18
X000010704
567g 18L Hadron LCP・交換式ハーネス(2サイズ)
エアリオス 35
X000010705
1,160g 36L(公式の表記)・ロールトップで10L拡張 7000系アルミステイ・交換できるハーネスとヒップベルトに3つのサイズ

マンティス 26 は 16 より140g重く、奥行きが17cmから25cmへ8cm増えます。背面には 16 のフレームシートに加えてアルミ製のステイが入り、荷を詰めても形を保ちやすい構造です。開口はメインの気室に出し入れしやすいドローブリッジ方式なので、中間着やシェルを出し入れする回数が多い日帰りの低山に向いた1つと言えます。日帰りのザック全体の基準は20Lのザックの選び方で背面長の合わせ方と一緒に並べています。

エアリオス 35 は公式の表記で36L、ロールトップでさらに10L広げられます。ハーネスとヒップベルトは交換式で3つのサイズがあり、背面には7000系のアルミステイが入っています。防寒着や小屋泊の荷物が増える山小屋泊や、冬の日帰りで荷が増える人向けの1つです。なお、エアリオス 18 は2026年11月5日時点で公式サイトの全サイズが在庫なしでした。再入荷は公式で確かめてください。

日帰りや小屋泊で何リットルが標準かは、メーカーの商品ページにも公的な資料にも決まった値が見当たりません。上の組み合わせ表の中間着や風よけを着ていない時間にどこへしまうかまで含めて、荷物の合計の容量から選んでください。容量と背面長の考え方は登山用ザックの選び方にまとめています。

買う前はフィットと保証、買ったあとはケアラベルを確かめる

公式のメンズのフィットの定義では、トリムは胸から太ももまでを体に沿わせる裁断、レギュラーは標準的で快適なフィット、リラックスは全体をゆったり包む裁断です。ここまでのモデルでは、ベータ SL・アトム SL・アトム・スコーミッシュ・デルタがトリム、ベータ・ベータ AR・ベータ SV・アトム SV・ガンマがレギュラーに当たります。

公式のサイズ表は身体寸法の目安で、サイズはモデルの用途とレイヤリングの想定を踏まえて選ぶよう案内されています。中に着る物の厚みは試着で確かめてください。ウィメンズは国際サイズの換算表で英字と日本サイズが別に書かれており(例: XS→日本S、M→日本L)、製品ごとの寸法を優先するよう案内されています。

2026年2月5日に制定された ReBIRD の10年保証は、全製品一律ではありません。条件は次のとおりです。

  • 対象品番のリストに入っている製品であること
  • 日本国内の正規販売店か、公式オンラインストアで販売された物であること
  • 購入時と利用時に BIRD CLUB の会員登録があること
  • 最初の購入者本人であること(購入日から10年、通常使用での故障・損傷をメーカーが修理可能と判断した範囲で無償修理またはパーツ交換)

公式は、海外の販売店で買った物と並行輸入品を10年保証の対象外と明記しています。公式のよくある質問では、アウトレット店での購入も対象外とされています。修理できない場合も、製品の交換・返品・返金はしないとされています。購入先の保証の条件は、買う前に確かめてください。正規販売店かどうかは、公式の ReBIRD 案内ページから確認できます。制度が始まる前に買った物は、旧 BIRD AID の紙の保証が期限内であれば有効です。

手入れは、まずケアラベルを確認するのが公式の案内の出発点です。専用洗剤か残りにくい中性洗剤を使い、柔軟剤・香料・蛍光増白剤の入った物を避け、すすぎを追加する、という点は公式の案内で共通しています。洗う温度や乾燥のさせ方は公式のページによって書き方が違うので、手元のケアラベルに従ってください。撥水を戻す手順はレインウェアの洗濯と撥水回復で順に追っています。

10年保証は「どこで買ったか」で対象から外れることがある制度です。品番を決めた段階で、購入先が正規の販売チャネルかどうかまで一緒に確かめておくと、あとで迷わずに済みます。

よくある質問

Q. ウィメンズの重さはどのくらい違う?

公式の表示では、ベータ ジャケット W(X000010869)が300g、ベータ AR ジャケット W(X000009863)が395g、アトム SL フーディ W(X000009511)が240g、スコーミッシュ フーディ W(X000010268)が123gです。デルタ・ガンマ・アトム・ベータ SL・SV のウィメンズは、各商品ページの公式の表示で確かめてください。

Q. 耐水圧や透湿度の数値は?

耐水圧と透湿度の数値は、日本公式の商品ページに記載が見当たりません(2026年11月5日確認)。店頭のタグか、公式への問い合わせで確かめてください。生地の違いは、デニール数と GORE-TEX の種類(ePE か PRO ePE か)で比べるのが公表値の範囲です。

Q. 北米サイズで普段選んでいる場合、日本サイズはどうなる?

公式の換算表は日本・欧州・英国・中国・韓国の列で、北米との換算は見当たりません。公式のサイズ表は身体寸法の目安なので、製品ページの寸法と試着で確かめてください。

Q. ガンマ フーディを雨具の代わりにできる?

ガンマはソフトシェル系(Fortius DW 2.0・起毛裏地)で、防水シェルではありません。ヘルメット対応フードが付いていても、雨や雪の予報がある日はベータ系のシェルを別に持つ前提で考えてください。

Q. アトム SL 一枚で歩いてもいい?

公式は、山岳ではアトム SL を防水シェルの下に重ねると説明しています。保温材はボディだけで袖とフードには入っていないため、休憩が長い日や風が強い日は、シェルやアトムとの組み合わせで考えるのが公式の説明に沿った使い方です。

まとめ|アークテリクスは記号で絞り、重ね方は公表重量の合計で決める

アークテリクスの登山ウェアは、系統名で役割を、記号で想定する天候を読むと候補が絞れます。シェルは無印のベータ(375g)を基準に、ヘルメットと冬の強風を見るならベータ AR(460g)、軽さを取るならベータ SL(340g)です。

中間着は、動き続ける日はアトム SL(280g)、止まる時間が長い日や冬の湿った日はアトム(355g)で分けます。組み合わせは標準の655gを起点に、中間着かシェルを1段ずつ上げ、雪山入門の950gまでの間で自分の山に合う段を選んでください。

  1. 自分の山行を、風・休憩の長さ・ヘルメット・荷物の量の4つで書き出す
  2. 判定表で、その条件に◎か○が付くシェルと中間着を1着ずつ選び、組み合わせ表で合計の重さを確かめる
  3. 購入先が正規の販売チャネルかどうかと、トリム・レギュラーのフィットを試着で確かめる

出典

  • アークテリクス 日本公式 商品ページ(ベータ ジャケット M/W・ベータ AR ジャケット M/W・ベータ SV ジャケット M・ベータ SL ジャケット M・アトム SL フーディ M/W・アトム フーディ M・アトム SV フーディ M・スコーミッシュ フーディ M/W・デルタ ジャケット M・ガンマ フーディ M・マンティス 16・マンティス 26・エアリオス 18・エアリオス 35)https://arcteryx.jp/products/ 配下の各ページ(仕様は2026年10月31日、現行品と在庫は2026年11月5日確認)
  • Arc'teryx「Arc'teryx Naming」https://arcteryx.com/us/en/help/arc-naming (2026年10月31日確認)
  • アークテリクス 日本公式「メンズ」サイズ・フィットの案内 https://arcteryx.jp/pages/mens (2026年10月31日確認)
  • アークテリクス 日本公式「ウィメンズ」サイズの案内 https://arcteryx.jp/pages/womens (2026年10月31日確認)
  • アークテリクス 日本公式「ReBIRD」(10年保証の規定・よくある質問)https://arcteryx.jp/pages/rebird (2026年11月5日確認)
  • アークテリクス 日本公式「利用規約」https://arcteryx.jp/policies/terms-of-service (2026年10月31日確認)
  • アークテリクス 日本公式「GORE-TEX製品のお手入れ」https://arcteryx.jp/pages/protect-gore-tex (2026年10月31日確認)
  • ファイントラック 公式「ドライレイヤーベーシックT(FUM0422)」https://www.finetrack.com/c/wear-drylayer/wear-drylayer-basic/wear-drylayer-basic-men/FUM0422 (2026年11月5日確認)
  • GORE-TEX「New Products(ePE)」https://www.gore-tex.com/technology/new-products (2026年10月31日確認)
  • GORE-TEX「GORE-TEX PRO」https://www.gore-tex.com/technology/gore-tex-products/pro (2026年10月31日確認)
  • 気象庁「予報用語 気温」https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kion.html (2026年10月31日確認)

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