多良岳の登山口と行き方|中山キャンプ場546m・多良駅からタクシー約20分で決める駐車と下山時刻

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多良岳は、佐賀県太良町と長崎県の境にまたがる多良岳山系の山です。太良町の公式ハイキング案内では標高996m、同じ山系の最高峰にあたる経ヶ岳は大村市の統計で1,076mとされています。山そのものの情報は観光案内にそれなりに出ていますが、「どの登山口から入り、車ならどこに置き、駅からはどう行き、何時までに下りればいいのか」という段取りの問いに、まとめて答えているページはほとんど見当たりません。

この記事は、その段取りだけに絞って書きます。結論を先に言うと、判断の軸は佐賀県側の中山キャンプ場です。太良町が標高546m・山頂まで約60分・車の経路・2026年の開設期間まで公式に出しているのは、この登山口だけだからです。一方で、駐車場の台数と料金は中山キャンプ場・轟峡のどちらも自治体の公式ページに記載がなく、中山方面の路線バスは令和元年10月1日付で廃止されています。

山頂までのルートや鎖場、太良嶽神社上宮・金泉寺の話は、多良岳と経ヶ岳の登り方をまとめたハブ記事で扱っています。こちらの記事では「登山口に立つまで」と「登山口に戻ってから」を中心に、2026年9月17日に確認した公式情報で、分かることと分からないことを分けて並べます。

なお、記事の数字はすべて確認日時点の値です。道路・施設・交通は年や季節で動くので、出発前には記事内の確認先を自分で開いてください。

  • 多良岳の登山口を中山キャンプ場(標高546m・山頂まで約60分)に寄せるべき理由と、長崎県側の黒木・轟峡を選ぶ場合に足りない情報
  • 長崎県の国県道規制一覧に掲載が無くても、林道と登山道が通れる保証にはならないこと、その確認先の電話番号
  • 武雄北方IC経由(多良岳公園線を約20分)と湯の峰信号経由の2本の車ルートの違い
  • 駐車場の台数・料金が公式に出ていない登山口で、到着時刻と「満車だったときの次の手」をどう決めておくか
  • 祐徳バス中山線は令和元年10月1日付で廃止、東彼杵町の山間部の町営バス3路線も令和7年3月31日で廃止という公共交通の現状
  • 多良駅からタクシーで約20分という公式案内を前提にした、行きと帰りの車の押さえ方
  • 中山キャンプ場の2026年開設期間(7月18日〜8月31日、9月は土日祝のみ完全予約制)と、登山だけの人が確認しておくこと
  • 日没時刻から下山の締切と登り始めの時刻を決める表と、下山後の温泉の確かめ方

結論:多良岳の登山口は「中山キャンプ場」を軸に決める

多良岳に向かう登山口として名前が挙がるのは、佐賀県側の中山キャンプ場、長崎県側の黒木登山口と轟峡です。このうち、自治体の公式ページで「標高」「山頂までの所要時間」「車の経路」「駅からの行き方」「開設期間」「問い合わせ先」がひと通りそろうのは、中山キャンプ場だけでした。

太良町の公式情報では、中山キャンプ場の標高は546m、キャンプ場から多良岳山頂までは約60分とされています。登山口はキャンプ場のバンガロー前にある木の鳥居で、ここから歩き始めます。多良岳の標高996mと並べると、登山口の時点ですでに山の半分以上の高さまで車で上がっている計算になります。

登山口を決める基準:迷ったら、情報が公式にそろっている登山口を選びます。多良岳の場合、それは中山キャンプ場です。登山口の選択は「近さ」より「当日の判断に使える公式情報がどれだけあるか」で決めるほうが、現地で慌てる場面が減ります。

長崎県側の黒木登山口と轟峡は、選んではいけない登山口というわけではありません。ただ、黒木側は公式なコースタイム・距離・標高差が確認できず、駐車場の台数も自治体の原典では確認できていません。轟峡は諫早市の公式ページで「令和8年(2026年)8月13日から一部開放」「気象状況等により予告なく閉鎖する場合がある」とされており、2026年9月17日時点でも全面的に元どおりという扱いではありません。

そのため、この記事では次のように整理します。初めて多良岳に行く人、公共交通を使う人、下山時刻に余裕を持たせたい人は中山キャンプ場。長崎県側に住んでいて土地勘がある人、経ヶ岳や五家原岳と組み合わせたい人は、黒木・轟峡を「公式情報が薄いことを承知で」選ぶ、という分け方です。

確認したい項目 中山キャンプ場(佐賀県側) 黒木登山口(長崎県側) 轟峡(長崎県側)
登山口の標高 546m(太良町公式) 公式な値は確認できない 公式な値は確認できない
山頂までの時間 約60分(太良町公式) 公式なコースタイムは確認できない 公式なコースタイムは確認できない
車の経路の公式案内 あり(武雄北方IC経由など) 確認できない 確認できない
駐車場の台数 公式に記載なし 観光ポータルの体験記事に約10台の記載(自治体の原典では未確認) 公式に記載なし
2026年の状況 開設期間の公式掲載あり 個別の告知は見当たらない 8月13日から一部開放・予告なく閉鎖の場合あり

表にすると、中山キャンプ場の列だけが埋まり、長崎県側の2列は「確認できない」が続きます。これは長崎県側の登山口が劣っているという意味ではなく、判断に使える公式の材料が少ないという意味です。材料が少ない登山口を選ぶなら、そのぶん現地での判断を増やす覚悟が要ります。

中山キャンプ場へ行く日の条件。左に項目、右に値・条件を並べた対応表の図解。キャンプ場=9月は土日祝のみ開設・完全予約制/多良駅から=タクシーで約20分/路線バス=祐徳バス中山線は令和元年10月に廃止/武雄北方ICから=国道207号から多良岳公園線を約20分/轟峡=2026年8月13日から一部開放・予告なく閉鎖あり。図の下部に「太良町・東彼杵町・諫早市の公表値(2026年9月17日確認)」と注記。
中山キャンプ場へ行く日の条件。左に項目、右に値・条件を並べた対応表の図解。キャンプ場=9月は土日祝のみ開設・完全予約制/多良駅から=タクシーで約20分/路線バス=祐徳バス中山線は令和元年10月に廃止/武雄北方ICから=国道207号から多良岳公園線を約20分/轟峡=2026年8月13日から一部開放・予告なく閉鎖あり。図の下部に「太良町・東彼杵町・諫早市の公表値(2026年9月17日確認)」と注記。

編集部の見立て:多良岳の登山口選びは、地図上の距離で比べるとどれも似たように見えます。けれど「分かっていること」の量で並べると、中山キャンプ場とほかの2つの差ははっきりしています。初回は情報の厚い中山キャンプ場で山の感触をつかみ、2回目以降に長崎県側を試す順番が、いちばん失敗の少ない組み立てだと考えています。

2026年9月17日時点で分かる通行状況と、分からない通行状況

登山口を決めたら、次に確かめるのは「そこまで行けるか」です。多良岳の場合、ここに一つ落とし穴があります。道路の規制情報を公開しているのは県で、その対象は県が管理する国道と県道です。登山口の手前の林道や、登山道そのものは、その一覧には載りません。

長崎県の道路規制情報を2026年9月17日に確認した時点では、多良岳大村線・多良岳公園線・諫早多良岳線の3路線は規制一覧に掲載がありませんでした。これは「その日、その県道に県が出している規制が無かった」という事実です。林道の崩落や登山道の倒木が無いという意味ではありません。

県道の規制一覧に何も出ていないことを「登山口まで行ける」「登山道も通れる」と読み替えないでください。県の道路規制ページは、市町道・林道・登山道を対象にしていません。多良岳の登山道・林道について、2026年の個別の通行止め告知は今回の調査では見つかりませんでしたが、それは「通れると公表されている」こととは別です。

では、何をどの順で確かめればよいのか。確認先は大きく3つに分かれます。一つ目は県道の規制情報、二つ目は登山口を管理する自治体、三つ目は轟峡のように自治体が個別に告知を出している場所です。中山キャンプ場側なら太良町、轟峡側なら諫早市が窓口になります。

確かめること 確認先 2026年9月17日確認時点の状況
県道の通行規制 長崎県の道路規制情報ページ 多良岳大村線・多良岳公園線・諫早多良岳線は掲載なし
中山キャンプ場周辺・登山道 太良町(中山キャンプ場管理事務所 0954-67-0220) 登山道・林道の個別告知は見当たらない(電話で確認する)
轟峡 諫早市の轟峡のページ 8月13日から一部開放、気象状況等で予告なく閉鎖する場合あり
黒木登山口周辺 公式な個別ページは今回見つからず 個別の告知は見当たらない

中山キャンプ場の管理事務所の電話番号は、太良町の公式ページに2つ載っています。0954-67-0220は通年、0954-67-1900は開設期間中のみの番号です。9月下旬以降に問い合わせるなら、通年のほうにかけるのが確実です。予約受付時間として8時30分〜17時15分が示されているので、問い合わせもこの時間帯に入れておくと話が早くなります。

  • 前日までに、長崎県の道路規制情報ページで多良岳方面の県道に規制が出ていないかを見た
  • 県道に規制が無くても、それだけで林道・登山道が通れるとは判断しないと決めた
  • 中山キャンプ場側なら太良町の0954-67-0220に、平日の8時30分〜17時15分の間に登山道の状況を聞いた
  • 轟峡を使うなら、当日の朝にもう一度諫早市のページで開放状況を見る予定を入れた
  • 前日に大雨があった場合は、登山口を変えるか日を変える案を持っている

編集部の見立て:「規制情報なし」という表示は、安心材料のように見えて、実は何も保証していません。多良岳のように県道の先に林道と登山道が続く山では、確認の最後の一手を人に聞くことに置いておくのが現実的です。電話一本で済むことを省いて、登山口の手前で引き返すのはもったいない判断です。

車で中山キャンプ場へ向かう2本の道:武雄北方IC経由と湯の峰信号経由

中山キャンプ場へ車で向かう経路は、太良町の公式アクセス案内に書かれています。大きく分けると、長崎自動車道の武雄北方ICから国道207号を南下して向かう道と、国道207号の湯の峰信号から多良岳オレンジ海道に入る道の2つです。

武雄北方IC経由の場合、太良町の案内では国道207号を多良小学校方面へ進み、そこから多良岳公園線を約20分走ります。湯の峰信号経由の場合は、国道207号の多良岳オレンジ海道交差点(湯の峰信号)を右折し、多良岳オレンジ海道と県道252号の交差点(川原信号)を右折する、という順路が示されています。どちらも最後は山あいの道を上がっていく形です。

項目 武雄北方IC経由 湯の峰信号経由
公式の順路 国道207号を多良小学校方面へ→多良岳公園線を約20分 湯の峰信号を右折→多良岳オレンジ海道・県道252号交差点(川原信号)を右折
公式の所要時間 多良岳公園線の区間が約20分 公式案内に区間の所要時間の記載なし
向いている人 高速道路で福岡・佐賀方面から来る人 国道207号を海沿いに走ってくる人

遠方から来る人の目安として、太良町観光協会の登山マップには、佐賀空港から車で約90分と書かれています。飛行機で佐賀空港に降りてレンタカーで向かう場合、着陸時刻に受け取りの手続きと約90分を足した時刻が、登山口に着く時刻のおおよその目安になります。

佐賀空港や博多駅でレンタカーを借りて登山口へ向かうときは、借りる時刻と返す時刻が登山の行動時間を縛ります。返却時刻に間に合わせようとして下山を急ぐのは、計画が崩れる典型です。免責補償やNOC、下山後の運転の疲れまで含めて計画する考え方は、レンタカーで登山口に向かう日の計画の立て方にまとめています。

ここで一つ、公式案内に無い経路の話をしておきます。長崎県側から東彼杵道路を使って中山キャンプ場へ向かう経路は、太良町の公式案内に記載が見当たりませんでした。カーナビや地図アプリで別の経路が出ることはありますが、この記事では所要時間や道の状態を示せません。初めて行くなら、公式に案内のある武雄北方IC経由を基本にしておくほうが、道に迷ったときの立て直しが効きます。

山あいの道は、カーナビが「最短」として林道や細い町道を選ぶことがあります。公式案内にない経路で進んで道幅が狭くなったり、路面が荒れていたりしたら、無理に進まずに国道207号まで戻り、案内どおりの順路に乗り直してください。すれ違いのできない道で後退を強いられると、登山より運転で消耗します。

もう一つ意識したいのは、帰り道です。下山後は脚が疲れ、判断も鈍ります。行きに使った順路をそのまま帰りにも使うと決めておけば、山を下りたあとに地図を読み直す手間がありません。多良岳公園線の約20分という区間は、行きなら準備運動の延長ですが、帰りは疲れた状態で走る山道の20分です。

編集部の見立て:車ルートは「速い道」より「公式に書いてある道」を選ぶほうが、この山では理にかなっています。多良岳公園線の約20分という数字が公式に出ているのは、それだけ多くの人がこの道を使う前提で案内されているということです。知らない山道で近道を試すのは、山に慣れてからで遅くありません。

車で長崎県側の黒木登山口・轟峡へ入るときに分かっていること

長崎県側から多良岳山系に入る登山口として、黒木登山口と轟峡がよく挙げられます。経ヶ岳(1,076m)や五家原岳(1,057m)に近い側から入れるので、山系を縦に歩きたい人には魅力があります。ただし、ここは公式情報の薄さを正面から受け止めて計画する必要があります。

黒木登山口については、大村市・太良町の確認した公式ページのどちらにも、コースタイム・距離・標高差の記載がありませんでした。駐車場については、長崎県の公式観光ポータルに掲載された体験記事に「約10台・トイレあり」という記載があります。ただしこれは体験記事という二次情報で、自治体や施設管理者の原典で台数を確認できたわけではありません。

観光ポータルの体験記事にある「約10台」は、ある時点で書き手が見た様子の記録です。自治体が管理台数として公表した数字ではありません。10台前後の規模だと仮定するなら、週末は早い時刻に埋まる可能性を前提に動き、満車だった場合の代わりの登山口を決めておいてください。

轟峡は諫早市の公式ページに現況が出ています。2026年8月13日から一部開放、気象状況等によって予告なく閉鎖する場合がある、という内容です。あわせて、轟峡ではキャンプと火気の使用が禁止されており、常駐の管理人はいないとされています。管理人がいないということは、現地で状況を聞ける人がいないということです。

この条件から見ると、長崎県側の登山口は「前日の天気が安定していて、当日の朝に諫早市のページを確認でき、満車や閉鎖のときに別の案へ切り替えられる人」向けの選択肢になります。逆に、雨の翌日、初めての多良岳、公共交通で来る日には、長崎県側を第一候補にしない判断が妥当です。

足元の準備も、登山口の性格に合わせて考えます。長崎県側の轟峡は名前のとおり渓谷沿いの場所で、中山キャンプ場の登山口も多良川の源流に沿った道を通ります。濡れた石や木の根を踏む前提で、靴底のグリップと防水を気にしておきたいところです。

女性で、沢沿いの道を歩く日のために軽めの防水ハイキングシューズを探しているなら、SALOMONの女性用モデル「OUTpulse GTX W」(L41689700)が候補になります。GTXの名のとおりゴアテックス系の防水をうたうハイキングシューズで、重い登山靴までは要らないけれど、濡れた道で足を冷やしたくない人に向いています。

多良岳山系の中で、多良岳(996m・太良町公式)と経ヶ岳(1,076m・大村市統計)は別の山です。長崎県側から経ヶ岳を目指す計画と、中山キャンプ場から多良岳を往復する計画では、行程の長さがまったく変わります。どちらの山頂を目指すかを先に決めてから、登山口を選んでください。

編集部の見立て:長崎県側の登山口は、情報が少ないぶん、行く人の側の判断力が問われます。轟峡に管理人が常駐していないという一文は、見落とされがちですが大事な情報です。困ったときに頼れる人が現地にいない登山口を選ぶなら、困らない条件の日を選ぶことが一番の準備だと考えています。

駐車場の台数・料金は公式に出ていない:何時に着けばいいかの考え方

アクセス記事では本来、駐車場の台数から「何時に着けば停められるか」を示したいところです。しかし多良岳では、中山キャンプ場・轟峡ともに、太良町・諫早市の公式ページに駐車場の台数・料金・トイレの記載がありません。黒木登山口の約10台も、先に書いたとおり体験記事の記載です。

したがって、「何時までに着けば入れる」という時刻は、公式の根拠をもって示すことができません。混雑する時間帯についての公式な記載もありません。ここを推測の数字で埋めるのはやめて、台数が分からない登山口に向かうときの考え方のほうを整理します。

台数が分からないときの原則:到着時刻を「停められるか」で決めるのではなく、「満車だったときに次の手を打てる時間が残るか」で決めます。満車で別の登山口へ回っても、下山の締切に間に合う時刻に着くことが、台数不明の登山口に向かうときの基準になります。

たとえば中山キャンプ場に着いて停める場所が無かった場合、長崎県側へ回るには山を下りて大きく回り込むことになります。その移動時間を公式に示す資料はありません。つまり「満車なら別の登山口へ」という案は、時間の読めない移動を含みます。そう考えると、現実的な次の手は「その日は登らない」「別の日に早い時刻で出直す」のどちらかになることも多いはずです。

停める場所が無いからといって、キャンプ場の通路、道路の路肩、ほかの施設の敷地に停めるのはやめてください。山あいの道では、路上の車が緊急車両や作業車の通行を妨げることがあります。キャンプ場や周辺施設の駐車スペースを登山者が使ってよいかどうかも、公式の記載が確認できていないので、事前に0954-67-0220で聞いておくのが確実です。

もう一つの考え方は、季節による混み方の違いです。多良岳は太良町の公式案内で秋の紅葉が紹介されていて、紅葉の時期は登山者が増えることが想像できます。ただし見頃の時期は公式に月日で示されておらず、混雑時刻の記載もありません。紅葉の週末は、普段より早く着くつもりで予定を組むくらいの構えが妥当です。

紅葉の季節の駐車場は、マイカー規制がある山と無い山とで考え方が変わります。公式に台数や開門時刻が出ている山での着く時刻の決め方は、紅葉登山の駐車場に何時に着けばよいかを公式の時刻で考える記事で整理しています。多良岳のように台数が出ていない山では、そちらの「満車時の次の手」の部分を読んでおくと役に立ちます。

  • 中山キャンプ場の駐車スペースを登山だけで使ってよいかを、管理事務所に電話で確認した
  • 満車だった場合に「別の登山口へ回る」か「その日は登らない」かを、出発前に決めた
  • 別の登山口へ回る案を取るなら、その移動時間を入れても下山の締切に間に合う到着時刻を決めた
  • 路肩や施設の敷地に停めないと、同乗者とも共有した

編集部の見立て:駐車場の台数を書けないのは、記事としては物足りなく見えるかもしれません。ただ、根拠のない「○時までに着けば大丈夫」を書くほうが、読んだ人を満車の登山口で困らせることになります。数字が出ていない山では、数字の代わりに「満車だったらどうするか」を決めてから家を出る。この順番を守るのが、台数不明の登山口に向かうときの基本だと考えます。

中山キャンプ場の開設期間(2026年)と、登山だけで使う人が確認すること

中山キャンプ場は登山口であると同時に、キャンプ場として開設期間が決まっている施設です。太良町の公式ページによると、2026年の開設期間は7月18日〜8月31日で、9月は土曜・日曜・祝日のみ、完全予約制で開設されます。予約の受付時間は8時30分〜17時15分です。

ここで押さえておきたいのは、この開設期間はキャンプ場としての営業の話だということです。キャンプ場が開設されていない日に、登山者が登山口として駐車スペースを使えるか、トイレが使えるか、といった点は公式ページに書かれていません。公式に書かれていない以上、「閉まっていても停められる」とも「閉まっていたら停められない」とも言えません。

時期(2026年) キャンプ場の扱い(太良町公式) 登山だけで行く人の確認事項
7月18日〜8月31日 開設期間 管理事務所(開設期間中の番号 0954-67-1900)に駐車の可否を聞ける
9月 土・日・祝日のみ開設、完全予約制 キャンプ利用者の予約が入る日。登山者の駐車の扱いを通年の番号 0954-67-0220 で確認する
9月の平日・10月以降 公式ページに示されている開設期間の外 トイレ・駐車の扱いの公式記載が見当たらないため、事前に 0954-67-0220 で確認する

9月の土日祝は完全予約制でキャンプ場が開いている日です。キャンプの利用者が車で来る日でもあるので、登山者がどこに停めるべきかは、平日とは事情が違う可能性があります。これも公式に書かれていないので、「予約制の日に登山だけで行きたいが、どこに停めればよいか」と具体的に聞いてしまうのが早道です。

電話で聞くときは、質問を短く具体的にしておくと相手も答えやすくなります。「○月○日の土曜に、キャンプはせず多良岳に日帰りで登りたい。車は何台で、何時ごろ着く予定。登山者はどこに停めればよいか、トイレは使えるか」の形です。予約受付時間の8時30分〜17時15分の間にかけてください。

開設期間外に行く場合は、トイレが使えない可能性も考えておきます。公式に使えないと書かれているわけではありませんが、使えると書かれているわけでもありません。登山口に着く前、国道207号沿いなど確実に使える場所で済ませておく段取りにしておけば、使えなかったときに慌てずに済みます。

キャンプ場の開設期間の数字を、登山道の開通期間と取り違えないでください。太良町の公式ページが示しているのはキャンプ場の開設期間であって、登山道が通れる期間ではありません。登山道の状況は開設期間とは別に、出発前に確認します。

キャンプ場に泊まって翌朝早くから登る、という組み立ても考えられます。その場合は2026年の開設期間と完全予約制の条件に合わせる必要があり、9月は土日祝に限られます。前泊の計画を立てるなら、予約受付時間内に早めに問い合わせてください。多良岳の近くには金泉寺の山小屋及び野営施設もありますが、現行の料金や予約方法は公式に見当たらないので、そちらを使う場合も事前の問い合わせが前提です。

編集部の見立て:キャンプ場を登山口として使う山では、キャンプ場の都合と登山者の都合が同じとは限りません。多良岳の中山キャンプ場は、キャンプ場としての期間は公式に明快なのに、登山者の駐車の扱いは書かれていない、というずれがあります。ずれている部分は自分で埋めるしかないので、電話で一度聞いておくことをこの記事では強くすすめます。

電車・バスで多良岳へ行けるか:中山線は令和元年に廃止されている

公共交通で多良岳に向かう場合、まず知っておきたいのは、中山方面の路線バスがすでに無いことです。太良町の公式アクセス案内では、祐徳バス中山線が令和元年10月1日付で廃止されたと明記されています。そのうえで、多良駅からタクシーで中山キャンプ場まで約20分、という案内が示されています。

ここで注意したいのが、古い資料との食い違いです。太良町観光協会の「多良岳山系登山マップ」には、多良駅から中山バス停までバスで行き、そこから中山キャンプ場まで徒歩約30分、という案内が載っています。しかし、この登山マップは発行時期が古く、バスが廃止される前の情報が更新されていない可能性が高いと判断しました。この記事では、太良町の現行のアクセス案内にあるタクシー利用を基本にします。

ネットで見つかる登山記録やパンフレットに「多良駅からバスで中山まで」と書かれていても、2026年の計画にはそのまま使わないでください。太良町の公式案内では、中山線は令和元年10月1日付で廃止とされています。古い情報どおりに駅でバスを待っても、その路線は来ません。

長崎県側も同じような状況です。東彼杵町の公式ページによると、山間部を走っていた町営バス3路線が令和7年3月31日で廃止されました。彼杵駅方面から山側へ入る公共交通を前提にした古い計画も、見直しが必要です。

太良町のコミュニティバスについては、令和7年10月改正の時刻表PDFが公式ページに掲載されていたものの、2026年9月17日の確認時点でリンク切れになっていて、原文を確かめることができませんでした。そのため、多良駅・肥前大浦駅・彼杵駅からの2026年のバス時刻と最終便は、この記事では書けません。

路線・手段 公式情報 計画での扱い
祐徳バス中山線 令和元年10月1日付で廃止(太良町公式) 使わない前提で組む
東彼杵町の山間部の町営バス3路線 令和7年3月31日で廃止(東彼杵町公式) 使わない前提で組む
太良町コミュニティバス 令和7年10月改正時刻表のPDFがリンク切れで確認できず 2026年の時刻は確認できなかった。使うなら太良町に直接確認
多良駅からタクシー 中山キャンプ場まで約20分(太良町公式案内) 公共交通で行く場合の基本の手段

バスが無くなった登山口にどう立つかは、多良岳に限らず各地で起きている問題です。路線バス・タクシー・季節運行のシャトルをどう組み合わせて登山口に立つか、その考え方を車がなくても登山口に立つための交通の使い分けで整理しています。多良岳はその中でも「駅からタクシーが前提」の型に入ります。

編集部の見立て:多良岳の公共交通の話は、一言でいうと「駅までは電車、駅からはタクシー」です。古いパンフレットや登山記録にはバスの話が残っていますが、それを信じて駅で待つのが一番危ない使い方です。公式の現行案内を一つ持っておけば、ほかの古い情報に振り回されずに済みます。

登山口の駐車場から沢沿いの道へ歩き出す日の、足回りと荷物

中山キャンプ場から多良岳へ向かう道は、太良町観光協会の登山マップで「多良川源流」を経て金泉寺へ至る区間が示されています。源流沿いを歩くということは、湿った土、濡れた石、木の根を踏む時間があるということです。さらに山頂の手前には鎖場があり、石段を上がる区間もあります。

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足回りと荷物を選ぶ基準は、次の4つに絞れます。一つ目は、濡れた石の上で滑りにくい靴底と、足首まわりの安定感。二つ目は、日帰りの荷物が収まり、鎖場で両手を空けたときに体に密着する中型のザック。三つ目は、登りで汗をかいたあと、稜線や休憩で体を冷やしにくい肌着。四つ目は、枝や岩に擦れても気にならず、脚を上げやすいパンツです。どれも、多良岳の「源流沿い・石段・鎖場」という道の性格から逆に選んでいます。

道具 候補(型番) 多良岳で効く場面 向いている人
SIRIO PF302 ライトトレック 源流沿いの濡れた石・石段 足首まで支えのある靴で歩きたい人
ザック karrimor ridge 30+ 鎖場で両手を空ける区間 日帰りの荷物を中型1つにまとめたい人
肌着 finetrack ドライレイヤーベーシックT 登りの汗が休憩中に冷える場面 汗冷えしやすい人
パンツ THE NORTH FACE ビューポイントパンツ 石段・鎖場で脚を大きく上げる区間 動きやすさを優先したい人

靴から見ていきます。シリオの「PF302 ライトトレック」は、名前のとおり軽めのトレッキング向けに作られた登山靴です。足首まわりまで覆う形の靴で濡れた石段を安定して踏みたい人、ローカットのハイキングシューズでは足首が心もとない人に向いています。

ザックは、カリマーの中型リュック「ridge 30+」を候補にしました。30Lクラスは日帰りの雨具・防寒着・水・行動食を入れても余裕があり、鎖場でザックが揺れないように背負い方を整えやすい大きさです。日帰りの荷物を中型1つにまとめ、両手を自由にしておきたい人に合います。

肌着は、ファイントラックの「ドライレイヤーベーシックT」です。肌の上に着て、汗を肌から離す役割を持つ薄手のレイヤーとして作られています。登山口の標高546mから山頂まで登る間にかいた汗が、稜線や山頂の休憩で冷えるのを抑えたい人、汗冷えで体調を崩しやすい人に向いています。

パンツは、ザ・ノース・フェイスの「ビューポイントパンツ」を挙げます。石段や鎖場では脚を大きく上げる動作が続くので、突っ張らないパンツは想像以上に疲れ方を変えます。登山用のパンツを1本用意したい人、ジーンズや綿のパンツから切り替えたい人に向いています。

道具をそろえても、鎖場の通過や濡れた道での判断が楽になるわけではありません。雨の翌日で石が濡れている、自分の足元に不安がある、と感じたら、鎖場の手前で引き返すという判断を先に決めておくことのほうが大事です。道具は判断を助けるものであって、判断の代わりにはなりません。

編集部の見立て:多良岳の足回りを考えるときは、標高996mという数字より、源流沿い・石段・鎖場という道の中身を見て選ぶほうが外しにくいと考えています。登山口まで車で546mまで上がれる山なので、行程は長くありません。そのぶん、短い区間に「濡れた足元」と「手を使う場所」が詰まっている山だと受け止めて準備してください。

多良駅からタクシーを使う日の段取り:行きの約20分と帰りの車

公共交通で多良岳に行く場合、太良町の公式案内が示す手段は、多良駅から中山キャンプ場までタクシーで約20分です。行きはこれで登山口に立てます。問題は帰りです。登山口で下山したとき、そこに客待ちのタクシーがいるとは考えにくく、呼んでから来るまでの時間もかかります。

そこで段取りは「行きの車を押さえる」「帰りの車の呼び方を決める」「駅の帰りの列車の時刻を確かめる」の3つに分けて考えます。タクシーの事業者名や予約の受付条件は、この記事では公式に確認できていないため、太良町の観光担当や駅周辺の案内で確かめてください。

  1. 前日までに、多良駅から中山キャンプ場まで行ってくれるタクシーを予約できるか問い合わせ、乗る時刻を決める(所要は太良町公式案内で約20分)
  2. 行きの車の中で、下山予定時刻に登山口まで迎えに来てもらえるか、または下山後に電話したら何分で来られるかを運転手に確かめる
  3. 多良駅の帰りの列車の時刻をJR九州の時刻表で調べ、そこから約20分と、車を待つ時間を引いた時刻を「登山口を出る締切」にする

登山口で電話が通じるかどうかも、公式な情報は確認できていません。山あいの登山口では携帯電話の電波が弱い場所もあるので、行きの車の中で迎えの時刻を決めてしまうほうが確実です。迎えの時刻を決めておけば、下山が遅れそうなときにも「電波が入る場所から一度だけ連絡する」という形で済みます。

「下りてから呼べばいい」と考えて帰りの車を決めずに登ると、登山口で待つ時間が読めなくなります。日が傾き始めてから車を探すことになると、駅の列車にも間に合わない可能性が出てきます。帰りの車は、登る前に決めておいてください。

もう一つの手段として、地域によっては乗合タクシーやデマンド交通が運行されている場合があります。多良岳の登山口まで使える乗合の仕組みがあるかどうかは、2026年9月17日時点で公式に記載が見つかりませんでした。使える仕組みがあるかを太良町に聞いてみる価値はありますが、予約の締切が前日や数日前のことが多いので、問い合わせは早めにしておきます。

登山口へ向かう乗合タクシーやデマンド交通は、予約の締切が前日17時のものから7日前のものまで、サービスによって大きく違います。予約の締切と運行時間帯の比べ方は、登山口の乗合タクシーとデマンド交通の予約締切を比べた記事にまとめています。多良岳で使える仕組みを探すときの質問の仕方の参考になります。

最後に、この段取りで使う公式の数字は「多良駅から約20分」の一つだけです。料金や迎車の条件はここに書けません。2〜3人で行く場合は1台に乗り合わせる形になるので、人数が決まった段階で問い合わせ、行きと帰りの2回分をまとめて相談しておくと話が一度で済みます。

タクシーを降りてから登山口で使える売店や自動販売機があるかについても、公式の案内には記載が見当たりません。登山中に飲む水は、駅に着く前に必要な量をそろえておくのが安全です。

水を背中から直接飲める形にしておきたい人には、プラティパスの「BIG ZIP EVO」(2.0L・チューブキット付き)という選択肢があります。ザックの中に入れてチューブで飲むハイドレーションで、鎖場や石段の区間でもザックを下ろさずに少しずつ水を口に運びたい人に向いています。

編集部の見立て:公共交通で多良岳に行く日の成否は、山の上ではなく、行きのタクシーの車内で決まると考えています。帰りの迎えの時刻をそこで決めておけば、下山の締切も自動的に決まります。タクシー代や手間を理由に帰りの段取りを省くのは、山で一番時間の読めない場面に予定の穴を空けるのと同じです。

鎖場・稜線を含めた行動時間の考え方:約60分と区間値の合計の差

中山キャンプ場から多良岳山頂までの所要時間は、太良町の公式ハイキング案内で約60分とされています。一方、佐賀県の観光サイトでは約90分とする案内があり、ほかにも約100分とする資料が見つかっています。同じ登山口から同じ山頂への所要時間に、30〜40分の幅があるということです。

もう一つの材料が、太良町観光協会の登山マップにある区間値です。「座禅岩・歴史散策コース」の表では、中山キャンプ場から多良川源流を経て金泉寺までが1.3km・45分。「オオキツネノカミソリ観賞コース」の表では、金泉寺から西野越群生地までが0.3km・15分、そこから太良嶽神社上宮までが0.4km・30分です。公式の区間値を合計すると、中山キャンプ場から上宮まで2.0km・90分になります。

区間(登山マップの表) 距離・時間 出典
中山キャンプ場→多良川源流→金泉寺 1.3km・45分 登山マップ「座禅岩・歴史散策コース」表
金泉寺→西野越群生地 0.3km・15分 登山マップ「オオキツネノカミソリ観賞コース」表
西野越群生地→太良嶽神社上宮 0.4km・30分 同上
公式の区間値を合計すると 2.0km・90分 別々のコース表の値を足した参考値

この数字の並びから、計画でどちらを使うかを決めます。この記事では、登りの時間は区間値の合計の90分で見積もることをすすめます。約60分という公式の値は、区間の内訳まで示された案内の数字として信頼できますが、休憩を含むかどうかの明記がありません。時間の読みを外したときに困るのは、短く見積もった場合のほうです。

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行動時間の見積もり方:登りは区間値の合計の90分を基本にし、山頂での休憩と鎖場での待ち時間を別に足します。公式の数字に幅があるときは、長いほうで計画し、短く済んだら余った時間を早い下山に回すのが、下山の締切を守りやすい組み立てです。

下りの所要時間は、確認した公式資料には示されていません。そのため、下りも登りと同じ90分を見込んでおくのが無難です。下りは登りより速く歩ける区間もありますが、石段や鎖場、濡れた源流沿いの道は、下りのほうが足元に気を使います。山頂で休む時間を仮に30分とすれば、登山口を出てから戻るまでの見込みは、登り90分・休憩30分・下り90分で合計3時間30分になります。ここでの休憩30分と下り90分は、公式値ではなく編集部の計画上の置き方です。

鎖場の位置についても、太良町の公式案内に説明があります。稜線から太良嶽神社上宮の方面へ進むと石段になり、鎖場を越えて小屋根に出て、そこから右へ行くと山頂です。太良町観光協会の登山マップには、江戸時代にこの難所に鎖場が作られたという説明もあります。この鎖場を、行きと帰りに1回ずつ通ることになります。

鎖場は、雨で岩が濡れている日、手袋が濡れて鎖を握りにくい日、前の人が通過中で待つ日には、通過に時間がかかります。自分の順番を待つ間に焦る気持ちが出たら、その時点が引き返しの候補です。鎖場の手前で「今日はここまで」と決めても、中山キャンプ場から金泉寺までの区間を歩いた価値は残ります。

鎖場の前では、トレッキングポールをザックに固定して両手を空けます。持ったままでは鎖を握れないので、畳みやすさは意外に効いてきます。LEKIの「Khumbu Lite」は、アルミニウム製で折りたたみ式の軽量トレッキングポールです。源流沿いの濡れた道ではポールで体を支え、鎖場の手前で素早く畳んでザックに付けたい人に向いています。

  • 登りの時間を、公式の約60分ではなく区間値の合計の90分で見積もった
  • 下りの公式値が無いことを知ったうえで、下りにも90分を見込んだ
  • 鎖場の手前でポールを畳み、両手を空ける手順を決めた
  • 雨の翌日や鎖場で待つ時間が長い日は、鎖場の手前で引き返す線を決めた

編集部の見立て:約60分という数字だけを見ると、多良岳は「朝ゆっくり出ても昼には下りられる山」に見えます。ただ、同じ区間に90分や100分とする資料もあり、区間値を足しても90分になります。数字に幅がある山で短いほうを信じる理由はありません。長いほうで組んで、早く着いたら早く下りる。それで損をする場面は思いつきません。

何時までに下山すべきか:日没から登り始めの時刻を決める

下山の締切を決めるには、日没時刻が要ります。ところが、多良岳を特定した自治体や交通事業者の公式ページに、9〜11月の日没時刻は載っていません。そのため、この記事では時刻そのものは書かず、国立天文台などの暦情報で登山の日の日没時刻を調べてもらい、そこから時刻を決める表を示します。

表では日没時刻を「T」と置きます。登山口に戻る時刻は、日没の1時間前を締切にします。この1時間は公式値ではなく、編集部の計画上の余裕です。山の中は、平地で日が沈む前から暗くなり始めます。とくに源流沿いの樹林の道は、稜線より早く足元が見えにくくなります。

決める時刻 計算 根拠
登山口に戻る締切 T − 1時間 日没前の余裕(編集部の計画上の置き方)
山頂を出る締切 T − 2時間30分 下り90分(公式の下り値が無いため登りと同じで見込む)
山頂に着く目標 T − 3時間 山頂での休憩30分(編集部の置き方)
登山口を出る締切 T − 4時間30分 登り90分(登山マップの区間値の合計)

この表は、多良岳山頂を往復するだけの計画の場合です。金泉寺に立ち寄る、経ヶ岳まで足を延ばす、といった計画では、そのぶんを足します。経ヶ岳方面は、登山マップの「経ヶ岳コース」表で中山越から経ヶ岳頂上までの5区間が載っていて、合計すると2.6km・160分になります。片道だけでこれだけ増えるので、経ヶ岳を加える日は上の表とは別に計画を作り直してください。

車で来る人は、登山口を出る締切の時刻から、家を出る時刻を決めます。武雄北方IC経由なら、ICから国道207号を経て多良岳公園線の約20分を足した時刻に登山口に着くよう動きます。公共交通の人は、帰りの多良駅の列車の時刻からも締切を出し、日没から出した締切と比べて、早いほうを採用します。

「山頂を出る締切」を過ぎたら、山頂に着いていなくても引き返してください。締切を過ぎてから山頂を踏むと、下りの時間が日没に食い込みます。とくに鎖場を暗くなりかけた時間に下るのは、避けるべき場面です。

予定どおりに動いていても、道迷いや足のけがで下山が遅れることはあります。日帰りでも、ヘッドランプは必ずザックに入れておきます。ペツルの「TIKKA CORE(ティカコア)」は、最大450ルーメンのヘッドランプです(型番E067AB・ホワイト)。日帰りの低山で使う明るさとして十分な出力があり、非常用に一つザックに入れておきたい人に向いています。

下山の締切を施設の時刻で決める山もあります。同じ長崎県の雲仙では、仁田峠のゲート施錠やロープウェイの最終便が下山時刻を決めます。時刻が公式に決まっている山での決め方は、雲仙普賢岳・仁田峠のゲートとロープウェイの時刻で下山を決める記事で扱っています。多良岳は時刻を決めてくれる施設が無いぶん、自分で締切を置く必要があります。

編集部の見立て:多良岳には、ゲートの施錠やロープウェイの最終便のように、下山時刻を外から決めてくれるものがありません。だからこそ、締切を自分で紙に書いて持っていくことに意味があります。表の「T」に数字を入れる作業は5分で終わりますが、その5分が、夕暮れの鎖場に立たないための一番安い保険だと考えています。

下山後の温泉:たら竹崎温泉に寄るなら日帰りの受付を先に聞く

多良岳の登山口がある太良町には、有明海に面したたら竹崎温泉があります。佐賀県の公式観光サイトでは、温泉地全体への行き方として、肥前大浦駅からタクシーで約5分、武雄北方ICから車で約65分と案内されています。これは温泉地への所要時間で、中山キャンプ場からの所要時間ではない点に注意してください。

温泉地の宿の一つ、夜灯見荘の公式ページには浴場の利用時間が載っています。大浴場は15:00〜23:00と6:00〜10:00、展望風呂は16:00〜23:00と翌6:00〜9:00です。ただし、日帰り入浴を受け付けているかどうかは公式ページに明記がありません。浴場の利用時間は宿泊者向けの案内である可能性もあるので、日帰りで入れるかは事前に施設へ確認してください。

確認したいこと 公式に分かること 分からないこと
たら竹崎温泉への行き方 肥前大浦駅からタクシー約5分・武雄北方ICから車約65分(佐賀県公式観光サイト) 中山キャンプ場からの所要時間
夜灯見荘の浴場時間 大浴場15:00〜23:00・6:00〜10:00、展望風呂16:00〜23:00・翌6:00〜9:00(夜灯見荘公式) 日帰り入浴の受付の可否

下山後の温泉を計画に入れるときの順番は、「日帰りで入れるかを聞く」「入れる時間帯を聞く」「登山口からの移動時間を地図で見積もる」の3つです。大浴場の利用時間が15:00からとされているので、仮に日帰りで入れるとしても、早い時刻に下山した日は温泉の時間まで待つことになるかもしれません。その待ち時間も含めて、帰りの運転や列車の時刻と合わせて考えます。

温泉で温まったあとの運転は、登山の疲れと重なって眠気が出やすくなります。車で来た日は、入浴後に少し休んでから運転を始める、運転を交代できる人と行く、といった手当てを決めておいてください。温泉に寄ることで帰宅が遅くなるなら、その分も帰りの計画に入れます。

公共交通の人にとっては、たら竹崎温泉は肥前大浦駅に近いという点が使いやすいところです。ただし、中山キャンプ場から温泉地へ、温泉地から駅へ、と移動が2回に分かれるので、タクシーの予約は行き・山からの帰り・温泉から駅の3回分を考えることになります。登山と温泉を同じ日に詰め込むと段取りが増えるので、無理に組み込まない判断もあってよいはずです。

下山後の温泉は、登山の計画に後から付け足すと時刻が崩れやすくなります。温泉を先に決めて、そこから下山時刻を決める組み立て方は、下山後の温泉を秋の登山と組み合わせる段取りの記事にまとめています。多良岳とたら竹崎温泉を組み合わせるときにも同じ順番が使えます。

編集部の見立て:山と海辺の温泉が近いのは多良岳の良さですが、日帰り入浴の可否が公式に書かれていない以上、「寄れたらうれしい」くらいの位置づけにしておくのがよいと考えます。電話で受付を確かめられたら計画に入れる。確かめられなかったら入れない。その線引きをしておけば、温泉のために下山を急ぐことにはなりません。

よくある質問

Q. 多良岳に初めて行くなら、どの登山口がいいですか?

佐賀県側の中山キャンプ場を基本にするのが無難です。太良町の公式情報で、標高546m・山頂まで約60分・車の経路・多良駅からタクシー約20分・2026年の開設期間・問い合わせ先がそろっています。長崎県側の黒木登山口は公式なコースタイムが確認できず、轟峡は2026年8月13日から一部開放で予告なく閉鎖する場合がある、とされています。

Q. 多良駅からバスで登山口まで行けますか?

中山方面の祐徳バス中山線は、太良町の公式案内で令和元年10月1日付で廃止とされています。太良町は多良駅からタクシーで約20分と案内しています。古い登山マップにはバスの案内が残っていますが、2026年の計画には使えません。太良町コミュニティバスの2026年の時刻は、時刻表PDFがリンク切れで確認できませんでした。

編集部の見立て:バスの質問は、多良岳のアクセスで一番つまずきやすいところです。「昔はバスがあった」という情報がネット上に多く残っているので、出発前に太良町の現行の案内を一度開いておくだけで、駅で待ちぼうけになる事態は防げます。

Q. 中山キャンプ場の駐車場は何台停められますか?

太良町の公式ページに、駐車場の台数・料金の記載はありません。混雑する時間帯の記載もありません。登山だけで駐車してよいか、どこに停めればよいかは、管理事務所(通年0954-67-0220)に予約受付時間の8時30分〜17時15分に問い合わせてください。路肩には停めないでください。

Q. 県の道路規制情報に何も出ていなければ、登山道も通れますか?

そうとは言えません。長崎県の道路規制情報は県管理の国道・県道が対象で、林道や登山道は対象外です。2026年9月17日時点で多良岳大村線・多良岳公園線・諫早多良岳線は掲載がありませんでしたが、林道・登山道の状況は別に、太良町(0954-67-0220)や諫早市に確認します。

Q. 何時までに下山すればいいですか?

多良岳を特定した日没時刻の公式な記載は無いため、登山の日の日没時刻を暦情報で調べ、その1時間前を登山口に戻る締切にするのが目安です。登り・下りを各90分、山頂で30分と見込むと、登山口を出る締切は日没の4時間30分前になります。公共交通の人は、多良駅の帰りの列車から出した締切と比べて早いほうを使います。

編集部の見立て:下山の時刻の質問に「○時」と一言で答えられないのは、季節で日没が動くうえに、多良岳には時刻を決める施設が無いからです。答えを時刻ではなく計算の形で持って帰ってもらうほうが、秋にも冬にも使い回せると考えています。

まとめ:今日やることは1つ、太良町に電話で登山口の状況を聞く

多良岳の登山口選びは、公式情報の厚さで中山キャンプ場を軸にするのが基本です。そのうえで、駐車場の台数・料金、キャンプ場の開設期間外の扱い、林道と登山道の状況といった「公式に書かれていないこと」が、計画の穴として残ります。その穴を埋める一番確実な手段が、太良町の中山キャンプ場管理事務所への電話です。

公共交通で行くなら、祐徳バス中山線は令和元年10月1日付で廃止されているので、多良駅からタクシーで約20分が前提になります。帰りの迎えを行きの車内で決め、多良駅の帰りの列車から締切を出してください。車で行くなら、公式に案内のある武雄北方IC経由(多良岳公園線を約20分)を基本の道にし、満車だった場合の次の手を家を出る前に決めておきます。

編集部の見立て:多良岳のアクセスは、公式に分かることと分からないことがはっきり分かれている山です。分かることは記事の数字で計画し、分からないことは電話で埋める。この二段構えを守れば、登山口に着いてから迷う場面はかなり減るはずです。

  1. 今日のうちに、平日の8時30分〜17時15分の間に中山キャンプ場管理事務所(通年0954-67-0220)へ電話し、登山だけで行く日の駐車場所・トイレ・登山道と林道の状況を聞く
  2. 登山の日の日没時刻を暦情報で調べ、「登山口に戻る締切=日没の1時間前」「登山口を出る締切=日没の4時間30分前」を紙に書く。公共交通なら多良駅の帰りの列車の時刻からも締切を出し、早いほうを採る
  3. 前日と当日の朝に、長崎県の道路規制情報ページ(長崎県側を使うなら諫早市の轟峡のページも)を開き、雨の翌日なら登山口か日程を変える案に切り替える

編集部の見立て:3つのうち、今日中にできて効果が一番大きいのは電話です。記事で書けなかった駐車場の台数も、キャンプ場が閉まっている日の扱いも、管理事務所に聞けば自分の登山日の答えとして返ってきます。記事を読み終えたら、まず予定の日付をメモして、受付時間内に電話をかけてみてください。

出典

  • 太良町「中山キャンプ場」(標高546m、2026年開設期間、予約受付時間、管理事務所の電話番号)https://www.town.tara.lg.jp/kanko/_1900/_1237.html(2026年9月17日確認)
  • 太良町「多良岳ハイキング」(多良岳996m、中山キャンプ場から山頂まで約60分、登山口の位置、鎖場の位置、太良嶽神社上宮)https://www.town.tara.lg.jp/kanko/_1069/_1324.html?media=pc(2026年9月17日確認)
  • 太良町「登山口へのアクセス」(武雄北方IC経由・湯の峰信号経由の経路、祐徳バス中山線の廃止、多良駅からタクシー約20分)https://www.town.tara.lg.jp/kanko/_1069/_1332.html(2026年9月17日確認)
  • 太良町観光協会「多良岳山系登山マップ」(佐賀空港から車で約90分、区間値、鎖場の由来)https://www.town.tara.lg.jp/library/sightseeing/pamphlet/taradake.pdf(2026年9月17日確認)
  • 大村市「統計(主な山岳)」(経ヶ岳1,076m、五家原岳1,057m)https://www.city.omura.nagasaki.jp/kanri/shise/shokai/toke/documents/r5toukeimatome.pdf(2026年9月17日確認)
  • 東彼杵町「町営バス」(山間部の町営バス3路線の令和7年3月31日廃止)https://www.town.higashisonogi.lg.jp/soshiki/somuka/2/2/227.html(2026年9月17日確認)
  • 諫早市「轟峡」(2026年8月13日から一部開放、キャンプ・火気使用禁止、常駐管理人なし)https://www.city.isahaya.nagasaki.jp/soshiki/49/48296.html(2026年9月17日確認)
  • 長崎県 道路規制情報(多良岳大村線・多良岳公園線・諫早多良岳線の掲載状況)https://ijikanri.doboku.pref.nagasaki.jp/~kisei/(2026年9月17日確認)
  • 夜灯見荘「温泉」(浴場の利用時間)https://www.takezakikani.com/hotspring/(2026年9月17日確認)
  • あそぼーさが(佐賀県観光連盟)「たら竹崎温泉」(肥前大浦駅からタクシー約5分、武雄北方ICから車約65分)https://www.asobo-saga.jp/spots/detail/ce347c57-ca27-45e4-8bef-1d5eebdc27d5(2026年9月17日確認)
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