赤坂峠712mから五葉山1,351mへ|県道193号は12月から不通の案内・11月の日没16時台

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五葉山(ごようざん)は、岩手県の大船渡市・住田町・釜石市にまたがる標高1,351mの山です。三陸沿岸の最高峰とされ、初めて登る人の入口は海抜712mの赤坂峠です。公式の案内には山頂まで「2時間」「2〜3時間程度」とあり、数字だけを見ると気軽に計画できそうに映ります。

ただし、この山の計画を先に決めるのは体力より道と日の長さです。林野庁の案内は「冬期(12月~翌4月上旬)は、県道193号線が不通となるため利用不可」としています。盛岡(県庁所在地)の日の入は、2026年11月1日が16時34分、11月15日が16時20分です(国立天文台、2026年11月1日確認)。車で登山口に入れる月かどうかと、日没までに下りられるかどうかを、登る力より先に確かめる山です。

今日の状態も先に書いておきます。県道193号の通行止めは日々変わります。出かける前に岩手県の道路通行規制情報で確かめてください。クマについては、岩手県が2026年4月22日に県全域へ出没の警報を出しています。県のページの更新は2026年5月21日で、解除の記載はそのページにありません。今の発令の状態は県のページで確かめてください。

  • 標高1,351mが標高点の値であること、赤坂峠の海抜712mとの差から見える登りの量
  • 山頂までの時間と駐車台数が公式ページで揃っていないとき、計画にはどちらの数字を使うか
  • 林野庁が赤坂峠口を初心者に勧める理由と、3合目の到着時刻で自分の速さを読む方法
  • 赤坂峠以外で公式の所要時間が見つかるのは桧山コースの約2時間50分だけであること
  • しゃくなげ荘の水とトイレに頼らず、登山口から水を持つ理由
  • 岩手県のクマの警報と、林野庁が示す5〜11月の注意をどう行動に落とすか
  • 県道193号が不通の案内になる12月より前に、車で入れる月を確かめる手順
  • 11月の日没から逆算した、山頂を離れる時刻と登山口を出る時刻の時間割

五葉山の標高は1,351m(標高点)|3市町が接する県立自然公園の山

国土地理院の山岳一覧で、五葉山の標高は1,351mです。種別は「標高点」で、三角点の値ではありません(2026年11月1日確認)。ほかの資料で違う数字を見かけたら、測った点が違う可能性をまず疑ってください。計画に使う数字としては、この1,351mで困りません。

読者の判断に効くのは、山頂の高さそのものより赤坂峠からの差です。釜石市の案内によると、赤坂峠は釜石市と大船渡市の境界にあり、海抜712mです。1,351mから712mを引くと、高さの差は639mになります。出典の異なる2つの値を差し引いた数字で、途中の下りと登り返しは含みません。

登りの量の見方:639mを公式の「2時間」で割ると1時間あたり約320m、「3時間」で割ると約210mです。山頂の高さに対して、登山口がすでに半分以上の高さにある山と読むと、体力の見積もりが現実に近づきます。一方で、この数字は登山口に車で入れることが前提です。道が閉じる季節には、そのまま使えません。

山域としては、岩手県が指定する五葉山県立自然公園に含まれます。関係する市町は大船渡市・釜石市・住田町です。県立自然公園は県が指定する公園で、登山そのものが許可制になるわけではありません。「自然公園だから入山の申請が要る」と心配する必要はなく、気にするべき規制は別の場所にあります。

その別の場所を、種類ごとに分けておきます。自然公園の指定、道路の通行止め、駐車場の扱い、クマの警報は、決める主体も確認先もそれぞれ違います。ひとまとめに「入れる・入れない」と考えると、調べる先を取り違えます。

種類 公式の案内 計画への効き方
自然公園の指定 五葉山県立自然公園(岩手県の指定) 登山自体の許可制ではない
道路の通行止め 県道193号は12月〜翌4月上旬が不通(林野庁の案内) 赤坂峠に車で入れるかを決める。最初に確かめる
駐車場 林野庁は約50台・無料、大船渡市は30台程度 台数が揃わないので早めに着く計画にする
クマの警報 岩手県が県全域に発令(2026年4月22日に警報へ切替) 入山の可否ではなく、備えと行動の時間帯に効く

編集部の見立て:五葉山は「何メートルの山か」より「いつ車で上がれる山か」で計画が決まります。標高差や時間を比べる前に、カレンダーを開いて12月より前の週末を数えるところから始めるのが、遠回りに見えていちばん確実です。

山頂まで2時間か3時間か|公式ページで揃わない3点の読み方

五葉山の公式情報は、林野庁、大船渡市、釜石市のページに分かれています。どれも役に立つ案内ですが、所要時間、駐車台数、冬の道の3点で書き方が揃っていません。どちらが正しいかを決めようとせず、「計画にはどちらを使うか」で読むと迷いが減ります。

項目 林野庁 大船渡市 計画に使う値
山頂までの時間(片道) 2時間 2〜3時間程度(3合目まで30分程度) 長いほうの3時間で組む
赤坂峠の駐車台数 約50台・無料 30台程度 少ないほうの30台程度で考える
冬の道 12月〜翌4月上旬は県道193号が不通 県道193号という道路名の案内 林野庁の案内を基準に、年ごとの日付は別に確かめる

所要時間の差は、2時間と3時間で1.5倍の開きです。大船渡市のページは「個人差」を前提にした程度の表現で、ページ表示の更新日は2026年5月26日です(2026年11月1日確認)。登山歴1〜3年の人が11月に初めて歩くなら、長いほうの3時間を基準に置くほうが安全側に倒れます。登りが早く終われば、余った時間はそのまま日没までの余白になります。

公式の目安は山頂までの片道で、下りの時間は公式に出ていません。「2時間で登れるなら日帰りは余裕」と往復の時間を自分の感覚で決めないでください。下りは日没から逆算して、余裕を持って組みます。

駐車台数の差は、さらに読み方が難しいところです。赤坂峠口の駐車場は、林野庁が約50台、大船渡市が30台程度と案内していて、数字が揃っていません。釜石市は「広い駐車場」とだけ書いています。土日の朝は早めに着く計画にしてください。満車のときの代わりの駐車場については公式の案内が見当たらないため、路肩に停める前提の計画は立てないでください。

冬の道については、林野庁の「12月~翌4月上旬」が一般的な案内です。年ごとの開始日と解除日は変わります。第三者のサイトには別の期間を転載したものもありますが、公式の告知ではありません。ここは数字を覚えるより、確認先を覚えておくほうが役に立ちます。

五葉山 赤坂峠口の公式の数字。左に項目、右に値・条件を並べた対応表の図解。標高=1,351m(国土地理院の標高点)/赤坂峠の海抜=712m(釜石市・大船渡市の境界)/林野庁の所要時間=2時間(赤坂峠口から山頂・片道)/大船渡市の所要時間=2〜3時間程度(山頂まで・片道)/県道193号の冬=12月〜翌4月上旬は不通(林野庁の案内)。図の下部に「林野庁・大船渡市・釜石市(2026年11月1日確認)」と注記。
五葉山 赤坂峠口の公式の数字。出典:林野庁・大船渡市・釜石市(2026年11月1日確認)

編集部の見立て:数字が2つあるときは、時間は長いほう、台数は少ないほうで組むのがいちばん失敗しにくいと考えています。当日に公式より早く登れて損をすることはありませんが、逆の読み違いは日没と満車にそのまま跳ね返ります。

赤坂峠口(海抜712m)から登る|林野庁が初心者に勧める理由

林野庁は、赤坂峠口以外のコースには倒木などによる通行止めや道迷いのおそれがあるとして、初心者には赤坂峠口を勧めています(2026年11月1日確認)。「登山口が高いから楽」という話だけではありません。勧められている理由は、道を間違えにくく、通れなくなるおそれが小さい側を選べるという点にあります。登山歴が浅いうちは、この理由だけで登山口の選択は終わります。

設備も赤坂峠にまとまっています。釜石市の案内によると、広い駐車場、水飲み場、トイレがあります。ここで身支度と水の確認を済ませ、次に水やトイレの話ができるのは山頂付近です。途中の畳石はベンチのある休憩ポイントで、水やトイレの案内はありません。

3合目で速さを読む:大船渡市の案内では、登り口から3合目まで30分程度です。登山口を出た時刻を控え、3合目の到着時刻と比べてください。30分で着いたなら公式の目安の範囲です。45分かかったなら、山頂までは「2〜3時間程度」の長いほうで見積もり直します。坂の傾きは区間で違うので単純な比例にはなりませんが、後半の時間を読む材料にはなります。

引き返しの判断は、この3合目と、次の畳石で一度ずつ行います。出発から30分で分かることは、体力の総量ではなく、その日の自分の速さです。その速さで山頂に着いたとき、下りの時間が残っているかを確かめてください。残っていなければ、山頂の手前で下りる判断は十分に正しい選択です。

  • 赤坂峠のトイレと水飲み場を使ってから歩き始めたか
  • 登山口を出た時刻をスマートフォンか手帳に控えたか
  • 3合目の到着時刻を、30分程度という目安と比べる準備があるか
  • 山頂を離れる時刻を、登り始める前に決めてあるか
  • 駐車場の場所と県道の状態を、出発の朝にも確かめたか

足回りは、登山口の話とあわせて先に決めておきます。公式の案内には路面の詳しい説明がないため、「普通の運動靴で足りる」とは書けません。片道2〜3時間程度の登りと、同じ道の下りを歩くなら、足首まわりを支える登山靴が無難です。さらに11月は気温が下がり、濡れた靴のまま冷える心配も増えます。

メレルの「モアブ 3 シンセティック ミッド ゴアテックス」は、くるぶしを覆うミッド丈でゴアテックスを使うハイキングシューズです。硬い登山靴には抵抗があるけれど、運動靴から一段上げたい人に向きます。掲載のカラーはTRIPLE BLACK、サイズは28.0cmなので、足に合うかは必ず履いて確かめてください。

編集部の見立て:五葉山の登山口選びで悩む時間は、初めての人には要らないと思います。公式が理由を添えて勧めている登山口があるなら、そこを選ぶことが立派な判断です。迷うべきなのは登山口ではなく、何時に山頂を離れるかのほうです。

赤坂峠以外の登山口|公式の所要時間があるのは桧山コース約2時間50分

五葉山には赤坂峠口のほかにも、大窪山、椿山、大沢口といった登山口の名前が出てきます。ただ、赤坂峠口以外の登山口は、公式の距離や所要時間が見当たりません(2026年11月1日確認)。林野庁は倒木などで道に迷うおそれがあるとしています。

その中で公式の数字が確かめられるのが、住田町が案内する桧山コースです。桧山から山頂まで徒歩約2時間50分とされています。赤坂峠口の「2〜3時間程度」と近い数字に見えますが、計画の立てやすさは同じではありません。住田町の値は桧山からの所要時間で、そこに至るまでのアクセスが別に要ります。

登山口 公式の所要時間 計画の判断
赤坂峠口 2時間(林野庁)/2〜3時間程度(大船渡市) 初回はここ。駐車場・水飲み場・トイレの案内がある
桧山コース 約2時間50分(住田町) 公式の時間はある。林野庁の道迷いの注意も頭に入れ、最新の道の状態を確かめてから
大窪山・椿山・大沢口など 公式の値が見当たらない(2026年11月1日確認) 時間を公式から逆算できないので、初回の候補から外す

登山地図アプリなどの他の人の記録は、参考にはなっても道の今の状態を保証しません。倒木は1回の風や雪で状況が変わります。公式の時間が無い登山口を「記録があるから大丈夫」と読み替えないでください。

公共交通についても整理します。公共交通で赤坂峠へ行く公式の案内は見当たりません(2026年11月1日確認)。車が基本です。JR大船渡線BRTや三陸鉄道から登山口までの公式の案内も確かめられていないため、駅から歩いて赤坂峠へ、という計画は立てないでください。

住田町の案内で最寄り駅として載っているのは、JR釜石線の上有住駅です。桧山コース側の目安として、車で30分、またはバス15分に徒歩30分と書かれています。現行のダイヤは町の案内だけでは分かりません。バスを前提にするなら運行の有無と時刻を先に確かめ、合わなければタクシーや車の手配に切り替えます。

車を持たない人にとっての現実的な分かれ道は、「上有住駅から車で30分」を誰かに頼めるかどうかです。頼めないなら、バスの時刻と徒歩30分を足した時間で登山開始がどこまで遅れるかを計算してください。11月の短い昼の中では、この遅れが山頂に行けるかどうかを左右します。

編集部の見立て:公式の数字が無い登山口は「隠れた良い道」ではなく、「情報の届いていない道」として扱うのが安全だと考えています。2回目以降に別の登山口へ広げるにしても、歩くのは道の状態と下りの時間を自分で組み立てられるようになってからで遅くありません。

畳石・しゃくなげ荘・日枝神社|水と休憩、5分下るお花畑まで

山の途中で使える場所を、登る順に見ていきます。最初の目印は畳石です。釜石市の案内では赤坂峠からのコースの中間にあり、巨大な石と正面の鳥居が目印で、ベンチがあります。畳石は大きな石と鳥居が目印の休憩ポイントです。小屋があるとは案内されていません。

コースの中間という位置は、時間の確認にちょうどいい場所でもあります。登山口を出てからここまでにかかった時間は、山頂までの残りを読む材料になります。立ち止まったら行動食と水をとり、汗で冷える前に一枚足すかどうかを決めてください。

山頂付近には避難小屋の「しゃくなげ荘」があります。釜石市の案内では、頂上付近にあり、50人程度が宿泊できます。避難小屋として案内されていて、営業小屋の扱いではありません。林野庁は「水飲み場、トイレ有り」と記載し、釜石市は小屋の前に清水が湧くと書いています。

しゃくなげ荘には水飲み場とトイレがあると案内されています(林野庁)。冬の利用可否は記載が見当たらないので、水は登山口から持ってください。大船渡市の案内にも、頂上の湧き水は雨量が少ない年には枯れることがあると書かれています。

つまり、山上の水は「あれば補給できる」もので、「あるから持たなくていい」ものではありません。赤坂峠の水飲み場の案内も、季節の利用可否まで書かれてはいないので、家を出るときに必要な量を持っておくと確実です。水の計画は、山の上の水場をゼロと数えて組みます。

山頂付近には日枝神社があります(釜石市の案内)。神社から西へ坂道を5分ほど下ると、シャクナゲの群生地として案内されるお花畑です。片道5分でも、下った分は登り返しになるので、往復と休憩の時間を計画に入れておきます。花の無い11月にわざわざ足を延ばすかどうかは、山頂を離れる時刻に余裕があるかで決めてください。

花の季節は公式の案内が目安です。ツツジは釜石市・大船渡市とも例年5月下旬〜6月上旬、シャクナゲは釜石市が例年7月上旬、大船渡市が7月上旬〜中旬としています。年によって動きます。山開きは釜石の観光案内によると例年4月29日で、麓で安全祈願祭が行われます。同じ案内には山開きのころもゴールデンウィーク過ぎも残雪が多いとあり、年の表記が無いページなので、出かける年の情報を別に確かめてください。

休憩のたびに冷えを感じるなら、見直す先は肌に触れる1枚です。Icebreakerの「Merino 200 Oasis」はメリノウールの長袖カットソーで、登りで汗をかき、畳石や山頂で止まったときの冷たさが気になる人に向きます。綿の肌着で登っている人が、最初に替える1枚の候補です。

編集部の見立て:避難小屋に水とトイレがあると読むと、荷物を減らしたくなる気持ちは分かります。ただ、小屋の設備は「使えたら助かる」側に置いて、水も防寒も自分の背中にある状態で山頂へ向かうのが、この山の組み立て方としては正しいと考えています。

赤坂峠の朝の冷えに備える靴・ザック・上着・保温着の基準

11月に五葉山へ行くなら、装備の基準は「登っている間」と「止まっている間」を分けて考えることです。登りでは熱がこもるので、風を止める薄い上着で調整します。止まれば急に冷えるので、すぐ取り出せる保温着を別に持ちます。そのうえで、脱いだ物をしまえるザックと、下りの足を支える靴をそろえます。公式の案内に必要な冬装備の記載は見当たらないため、下の5点は山の指定装備ではなく、季節の判断として読んでください。

基準になる数字として、大船渡の11月の日最低気温の平年値は4.2℃です(気象庁・1991〜2020年)。大船渡の平年値は海沿いの観測点の値で、標高1,351mの山頂より暖かい側の数字です。この値より寒い前提で、脱ぎ着の順番を決めておきます。

役割 商品と型番など 向く人
靴 シリオ PF302 ライトトレック(マロン・26.5cm) 足入れを試して登山靴を選びたい人
ザック ドイター トレイル 30 上着と保温着を畳まずに入れたい人
風を止める モンベル O.D.パーカ(1103320・ナイロン) まず1枚足すならここ。登りの途中で着る人
行動中の保温 パタゴニア ベターセーター・ジャケット(25528) 朝の登山口から羽織って歩き始めたい人
休憩中の保温 モンベル プラズマ1000 ダウンジャケット(1101493・1000フィルパワー) 山頂で止まる時間に備えて軽く持ちたい人

靴は最初に決めます。シリオのPF302 ライトトレックは、登山靴を足入れで選びたい人の候補です。掲載はマロンの26.5cmなので、厚手の靴下を履いた状態で合わせてください。

ドイターのトレイル 30は、脱いだ上着と保温着を背中に収めたい人に向くザックです。モデル名の30を大きさの目安に読み、背面の長さが体に合うかを試して決めてください。

モンベルのO.D.パーカは、ナイロンのウインドブレーカーです。レインウェアを着るほどではない風の日に、登りながら脱ぎ着する1枚を持ちたい人に向きます。

パタゴニアのベターセーター・ジャケット(25528)は、フリースジャケットです。朝の駐車場から歩き始めの冷え込みをしのぎ、体が温まったら脱ぐ使い方の人に合います。

モンベルのプラズマ1000は、1000フィルパワーのダウンを使ったジャケットです。行動中に着るのではなく、山頂や畳石で止まる時間のために持つ人に向きます。ライトダウンの厚さの考え方は、登山のライトダウンを公式スペックで比べた記事で確かめられます。

編集部の見立て:5点を一度にそろえる必要はありません。すでに登山靴とザックがある人なら、優先は風を止める1枚と止まったときの1枚です。買い足しで迷ったら、山頂で動かずにいる10分を何で過ごすかを想像して決めるのがいいと思います。

岩手県は県全域にクマの出没警報|林野庁は5〜11月に注意

五葉山のクマの情報は、2つの公式を分けて読みます。ひとつは林野庁の案内で、5〜11月は出没の可能性があるとして、熊よけ鈴の携帯、複数人での行動、地域の出没情報に従うことを挙げています。もうひとつは岩手県の警報で、県全域が対象です。

岩手県の「ツキノワグマの出没に関する警報について」によると、2026年3月24日に発表した注意報を、4月22日に警報へ切り替えています。令和8年1〜3月の出没件数は197件で、過去5年の同じ期間の平均33件を上回りました。県のページの更新は2026年5月21日で、解除の記載はありません。今の発令の状態は岩手県のツキノワグマのページで確かめてください。

警報の読み方:県の警報は県全域に向けた注意の呼びかけで、五葉山の入山を禁じたものではありません。11月は林野庁の示す出没の可能性の期間に入っているので、「もう冬だから大丈夫」とは読まずに備えます。不安をあおるための情報ではなく、歩く時間帯と人数を決める材料として使ってください。

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行動に落とすと、準備は3つに絞れます。1つ目は音で人の存在を伝えることです。2つ目は1人で入らず、複数で歩くことです。3つ目は出発前と当日の朝に、地域の出没情報を見ることです。どれも特別な道具より、計画の段階で決められることが中心です。

  • 熊よけ鈴をザックの外側に付け、音が出るか出発前に確かめた
  • 同行者がいる。1人なら、この日に行く理由を見直した
  • 大船渡市・釜石市・住田町の出没情報を前日と当日の朝に見た
  • 暗い時間帯に歩かないよう、日の出後に歩き始める計画になっている
  • 食べ物のごみを持ち帰る袋をザックに入れた

11月は日が短いので、クマの備えと日没の備えは同じ方向を向いています。薄暗い時間帯に歩く時間を減らせば、視界の面でも道迷いの面でも有利です。逆に、午後の遅い時間に駐車場へ戻る計画は、どちらの面でも余裕を削ります。出発を早め、下山を早めるという1つの決めごとで、2つの心配を同時に小さくできます。

前夜の準備から下山後の過ごし方、熊鈴と熊スプレーの考え方は、登山の熊対策を前夜から下山後まで整理した記事にまとめています。五葉山で特別に変えることよりも、基本の行動を省かないことのほうが大事です。

出没件数の数字を「危険な山の順位」のように読まないでください。197件は岩手県全体の件数で、五葉山の件数ではありません。山ごとの比較には使えない数字です。

編集部の見立て:警報が出ている県で登ることと、無防備に登ることは別の話です。怖いから行かないのも正しい判断ですし、行くなら複数で、明るい時間帯に、音を出して歩く。この3つが揃わない日は、日を改める理由として十分だと考えています。

12月に県道193号が閉じる山の冬|大船渡の平年値と車で入れる月

五葉山に11〜3月に行くかどうかは、気温より先に道で決まります。林野庁の案内では12月から翌年4月上旬は県道193号が不通です。年ごとの開始日と解除日は変わるため、11月下旬以降は大船渡土木センターの発表で確かめてください。道路の管轄は岩手県の沿岸広域振興局土木部(大船渡土木センター)とされますが、通行止めの最新は岩手県の道路情報で確かめてください。

月ごとに並べると、車で赤坂峠に入れる前提で計画できるのは、この期間では11月だけです。12月から3月は「不通の案内の月」と考えて、別の山を探すほうが素直です。不通の区間を歩いて登山口へ上がる計画は、公式の距離も時間も見当たらないので、この山の日帰りの候補にはなりません。

月 県道193号(林野庁の案内) 大船渡の月平均/日最低の平年値 降雪の深さ合計/最深積雪 判断
11月 不通の期間の前 8.8℃/4.2℃ 気象庁の表で確認 行くならこの月。現況を確かめて
12月 不通 3.9℃/-0.3℃ 気象庁の表で確認 発表を確かめ、別の山を考える
1月 不通 1.1℃/-2.4℃ 13cm/20.9cm 赤坂峠口は使わない
2月 不通 1.4℃/-2.3℃ 14cm/18.4cm 赤坂峠口は使わない
3月 不通 4.4℃/0.1℃ 8cm/13.2cm 赤坂峠口は使わない

表の気温は「山の上もこのくらい」という意味ではありません。五葉山の凍結や積雪が始まる時期は、公式の記載が見当たりません。大船渡の1月の降雪の深さ合計の平年値は13cm、最深積雪は20.9cmですが、海沿いの観測点の値で、山の上の状態は別です。11月・12月の降雪の平年値は、気象庁の大船渡の表で確かめてください。

「12月に入ったばかりだから、まだ通れるかもしれない」と現地まで行って確かめる計画はやめてください。年ごとの日付は変わりますが、確かめる場所は現地ではなく公式の発表です。閉じていた場合に代わりの登山口へ回ると、公式の時間が無い道に入ることになります。

冬の通行止めをどの順番で調べるかは、登山口の冬季通行止めと自分で調べる手順に整理してあります。12月以降に岩手の山へ行きたいなら、五葉山にこだわらず、雪のない低山を選ぶ基準と凍結への備えを読んで行き先を変えるほうが、結果としてよい1日になります。

11月に行くなら、冷えやすいのは手です。朝の駐車場で素手のまま身支度をすると、指先の感覚が先に落ちます。手袋は厚い1枚を買うより、組み合わせで考えるほうが調整しやすく、その考え方は冬の登山用手袋の3層と気温別の組み合わせで確かめられます。ファイントラックのエバーブレストレイルグローブ(FAU0111・ユニセックス)は、行動中に着けたまま歩く手袋を1組足したい人に向きます。

編集部の見立て:五葉山の冬は、装備で乗り越える話ではないと考えています。林野庁が不通と案内する月に赤坂峠口を使う計画を立てないこと、それが最初の判断です。「冬の五葉山」に挑むより、11月のうちに登っておく山として予定を組むほうが、ずっと現実的です。

日没16時台の11月は山頂を正午に離れる|時間割の組み方

公式の目安は山頂までで2〜3時間程度です。下りの時間は公式に出ていないので、日没から逆算して余裕を持って組んでください。ここでは計画用の仮の値として、下りにも登りの長いほうと同じ3時間を見込みます。これは公式の値ではなく、遅れても暗くならないように置く編集部の計算です。

さらに、盛岡(県庁所在地)の日の入より1時間早く赤坂峠へ戻ることを目標にします。山の中は谷や稜線で、日の入の時刻より早く暗くなる場所があるからです。下の表の時刻は、休憩をまったく入れない場合の「これより遅くしない」上限です。

日付 盛岡の日の出/日の入 赤坂峠へ戻る目標 山頂を離れる上限 登山口を出る上限
2026年11月1日 6:03/16:34 15:34 12:34 9:34
2026年11月15日 6:19/16:20 15:20 12:20 9:20
2026年11月30日 6:36/16:12 15:12 12:12 9:12

11月の決めごと:表の上限に休憩は入っていません。そこで、11月は8時台に赤坂峠を歩き始め、山頂は正午に離れると決めてしまいます。登りが2時間で済めば山頂で長く過ごせますし、3時間かかっても下りの時間は残ります。正午を過ぎて山頂に着いていないときは、その場所から下りる判断を優先してください。

同じ考え方は山頂の手前でも使えます。正午の時点でまだ登っているなら、そこが引き返す地点です。頂上まであと少しに見えても、下りの時間が日没の側へ押し出される点は変わりません。国立天文台の「各地のこよみ」で出かける日の日の入を確かめ、表の日付の間は近い日の値を基準にしてください。日没の読み方と逆算の手順は、登山の日没の月別早見表と引き返し時刻の出し方で確かめられます。

8時台に歩き始めるには、当日の移動が大きな壁になります。朝の身支度の時間も足すと、遠くから来る人が当日入りでこの時間割を守るのは簡単ではありません。駐車場の台数が読めないことも考えると、登山の前日に麓まで入っておく組み立てが無理のない形です。前の晩に大船渡に泊まるなら、大船渡の宿を探す(JTB)で探せます。

「下りは登りより早いはず」と考えて、下りの時間を削らないでください。冷えや疲れで足元の確認が増える下りは、時間が読みにくい区間です。公式の値が無い以上、削る根拠も手元にありません。

時間割どおりでも、木の多い道や曇りの日は早く暗くなります。下山が予定より遅れたときのために、昼の山行でもヘッドライトは必ず1つザックに入れます。ペツルのティカコア(E067AB00・ブラック)は、日帰りの予備灯を初めて用意する人に向くモデルです。出発前に点灯を確かめ、使わずに帰る前提でザックの上のほうに入れておいてください。

編集部の見立て:「12時34分」のような細かい数字を守るより、「正午に山頂を離れる」という丸い約束のほうが現場で効くと思います。山の上で計算し直すのは疲れている頭です。出発の前に決めた一言を、そのまま守るのがいちばん確実です。

登山計画書と前日に決めること|県道・林野火災・路面の確認先

出発前に見る先は、道、クマ、気温、計画書の4つです。岩手県警のページには登山計画書の参考様式(Word)があり、決まった様式はありません。岩手県警が参考様式を公開しています(様式は自由)。提出先は県警の登山計画書のページで確かめてください。提出が義務かどうかは、このページに記載がありません。義務の有無にかかわらず、家族や同行者に計画を渡しておくと、下山が遅れたときの動きが早くなります。

2025年の大船渡市の林野火災については、登山道に及ぼした影響の公式の記載が見当たりません。出かける前に大船渡市の公式で確かめてください。火災の話に限らず、大船渡市、釜石市、住田町のお知らせは、登る週に一度見ておくと安心です。

確かめること 確認先 見る時期
県道193号の通行止め 岩手県の道路通行規制情報・大船渡土木センターの発表 前日と出発の朝
クマの警報と出没 岩手県のツキノワグマのページ・地域の出没情報 前日と出発の朝
日の入 国立天文台の各地のこよみ 計画を立てる日
登山計画書 岩手県警の登山計画書のページ 前日まで
  1. 3日前に県道193号と天気の見通しを確かめ、行く・延ばすの候補を決める
  2. 前日に登山計画書を仕上げ、同行者と家族に山頂を離れる時刻を伝える
  3. 出発の朝に道路とクマの情報をもう一度見て、どちらかに不安が残れば別の山へ切り替える

11月下旬に近づくほど悩むのが、路面の凍結です。公式の案内に、必要な冬装備の記載は見当たりません。12月以降は県道193号が不通の見込みなので、車で入れる時期かをまず確かめてください。道具の話はそのあとです。不通の案内の月に行かないなら、持つ物は11月の範囲で考えれば足ります。

持っていく道具を判断する順番は、まず道が開いているか、次に前日までの天気で凍った路面が想定されるか、最後に引き返す準備があるか、です。この順番を逆にして「道具があるから行ける」と考えないようにしてください。

11月後半に冷え込みが続いた日に登るなら、凍った路面への保険として小さな滑り止めを持つ考え方はあります。チェーンスパイクが登山でどの場面に効き、軽アイゼンとどう違うかは、チェーンスパイクの使い分けを公式値で整理した記事で確かめられます。モンベルのチェーンスパイク(1129740・オレンジ・Mサイズ)は、靴の大きさに合わせてサイズを選ぶ、初めて滑り止めを持つ人向けの1つです。積雪の道を進むための道具と考えず、凍った場所が続くならそこで引き返してください。

編集部の見立て:確認先を4つも見るのは面倒に見えますが、五葉山で計画が崩れる原因は、この4つに集まっています。山の中で頑張って取り返せるものは1つもないので、家にいる間に済ませてしまうのがいちばん楽だと考えています。

五葉山の登山でよくある質問

Q. 五葉山は登山歴が浅くても登れますか?

赤坂峠口は、林野庁が初心者向けとしている登山口です。公式の目安は山頂までで2〜3時間程度で、下りの時間は別に見込みます。標高差だけで判断せず、日没までに戻れる時間割を組めるか、複数で歩けるかを条件にしてください。

編集部の見立て:「初心者向け」は、どの季節でも誰でも、という意味ではないと読んでいます。登りやすいのは赤坂峠口であり、11月の短い日に遅く出発しても大丈夫という話ではありません。

Q. 赤坂峠の駐車場は何台停められますか?

赤坂峠口の駐車場は、林野庁が約50台、大船渡市が30台程度と案内していて、数字が揃っていません。林野庁は無料と案内しています(2026年11月1日確認)。土日の朝は早めに着く計画にしてください。

Q. 11月にチェーンスパイクは要りますか?

公式の案内に、必要な冬装備の記載は見当たりません。まず車で入れる時期かを確かめ、前日までの冷え込みを見て判断してください。凍結や積雪が始まる時期も公式の記載が見当たらないため、持っているから進むのではなく、引き返す判断を先に決めておきます。

Q. しゃくなげ荘に泊まって登れますか?

しゃくなげ荘は頂上付近の避難小屋で、50人程度が宿泊できると釜石市が案内しています。営業小屋の扱いではありません。冬の利用可否は記載が見当たらないので、水は登山口から持ってください。泊まりを前提にするなら、小屋の管理の情報を関係する市に問い合わせてから決めます。

編集部の見立て:避難小屋を宿の代わりとして計画に組み込むのは、この山の入門としては勧めません。日帰りで下りる計画を立て、小屋は困ったときの備えに置いておくほうが判断に無理がありません。

Q. 元日に五葉山で初日の出を見られますか?

元日登山の行事は、公式の案内が見当たりません(2026年11月1日確認)。林野庁の案内では12月から翌年4月上旬は県道193号が不通で、赤坂峠口は利用できない時期にあたります。正月に山へ行きたいなら、初詣を兼ねて登れる山を交通と凍結で絞る方法で別の山を探してください。

まとめ|五葉山は11月のうちに赤坂峠から、山頂を正午に離れる

五葉山の計画は、林野庁が案内する県道193号の不通の時期を軸に組みます。登山口は林野庁が初心者に勧める赤坂峠口、時間は公式の長いほうの3時間、駐車台数は少ないほうの30台程度で考えます。水は山の上の水場に頼らず登山口から持ち、クマは複数で歩いて音を出し、明るい時間帯に行動します。

編集部の見立て:この山で迷う場面はほとんど「出発前」に集まっています。公式の数字が揃わないことを不安に思うより、厳しい側の数字で組んでしまえば、当日の判断はずっと少なくなります。

  1. カレンダーで11月の週末を選び、岩手県の道路通行規制情報とクマのページで現況を確かめる
  2. 国立天文台で日の入を確かめ、8時台に歩き始めて正午に山頂を離れる時間割を紙に書く
  3. 登山計画書を岩手県警の参考様式で作り、水と保温着と灯りを前の日にザックへ入れる

編集部の見立て:11月に行けなかったら、無理に12月へ延ばさず、来年の春以降へ送るのが正しい選択だと思います。4月29日の山開きや初夏の花の季節まで待てば、同じ山がまったく別の計画で歩けます。

出典

いずれも2026年11月1日確認。

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